ROCK 'N' ROLL RESEARCH (マーシャル編)~<前編>スランキーサイド&メリケン・バンド
コレはね~、ホント、マジでいいイベントだったな。
もちろんタイトルに「マーシャル」の名前が入っていて、Marshallも大活躍した…ということもある。
しかし、そんなことよりも、トコトン「Rock」という音楽を観て、そして聴いた気になった。
このイベント、名付けて『ROCK 'N' ROLL RESEARCH』、それの「Marshall編」。他に「ナニ編」があるのかは知らないけど、とにかくゴキゲンじゃん?
ま、初めにリサーチの結論を言ってしまえばサ、結局はサ、「いいロックのそばにMarshallあり!」ってことなのサ!
企画をしてくれたのはこの人。コヤマタケシ、ジョーペリー・コヤマ。
この後に登場するメリケンバンドのボーカルだ。
コヤマさんとの付き合いは2006年4月に名古屋で開催された『Marshall Mania』というイベント以来。
一昨年、DYNAGONとTrio the Collagensのダブル・ヘッドライナーのショウの取材で久しぶりに名古屋を訪れた際、期せずして再会した。
その時、『Marshall Mania2』の構想があることを話してくれ、実際に開催されたのだが、残念ながらお邪魔することができなかった。
それでコヤマさんは、「東京でも何かやりますよ!」と企画してくれたのが今回の『ROCK 'N' ROLL RESEARCH (マーシャル編)』だったのだ。
このルックスからもうかがい知れようが、ロックンロールを演るために生まれてきたような男の企画だ。悪かろうハズはないのだ。
Marshall Maniaに関する記事はコチラ⇒Marshall Mania 2
この日、トップで登場したのがスランキーサイドというトリオ。Marshall Blog初登場だ。
ベースはトトキ。
MCで「大先輩の中に入れてもらえてうれしいです。でも、音が一番デカいかも!」
いいの、いいの。デカくていいの。
だってロックでしょ?だってMarshallでしょ?
で、ナベジさんのMarshallは…。
アレレ?ナンダよ!MarshallじゃなくてMacshallじゃん!ヘッドは「i1959」?
リンゴのロゴだけどデジタル回路なんか入っちゃいネェ。
コイツがホンマもんのロック・トーンを出しやがるってもんだ、エエ?!
エ、なんか口調が変だって?
テヤンデェ、こちとら気に喰くわねぇんだい!
ナニが?って、最近時々見かける、あのギター・アンプがないステージよ。
本当に技術の進化が音楽をツマらなくしてる。アレはそのひとつの頂点と言ってもいいかも知れん。
アレじゃ、ロックがあんまり気の毒だ。イヤミたらしく言えば、反面、どこまでロックがつまらなくなるか楽しみだ、もうこうなりゃ!
ポールが「Venus and Mars」でも歌っているように、ステージに並んでいる機材、すなわち豪勢なドラム・キットやキーボードの大群、それに荘厳なMarshallの壁…こういうルックスがロックのステージの魅力の大きな要素なんじゃないの?
ナベジさんはいつも三段積みだそうだ。それこそが正しいロックのステージのあり方だ。
また、このバンドの名前。「スランキーサイド」とカタカナで、しかも中黒なしでつづるところがいいね。いかにも日本のバンドという感じ。ロゴも60年代の竹家鐵平さんの仕事のようなサイケ調のデザインだ。
Eric Clapton初のソロ・アルバムは「Slunky」という曲で幕を開けるが、音的には何の関係もなさそうだ。
英単語としては「slunky」にはとてもココには書けないようなセクシーな意味もあるよう。
今度ナベジさんに会ったらバンド名の由来を訊いてみよう。
ビンテージの1959から飛び出してくるサウンドはまさに極上。太く、美しい。
絶対にガチャガチャとやらずに、ペンタトニックを慎重に選んで弾くナベジさんのギターは実にクールだ。
そして、Marshallに負けないぐらい、イヤそれ以上かもしれない、ヌケる歌声が素晴らしいのだ。
そしてそれを支える強靭なリズム隊。
完全に日本語で歌う曲も、「これぞ日本のロック」然としている。「日本語によるロック」のひとつの完成形のひとつと言っても過言ではないだろう。
スランキーサイドの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルウェブサイト
The Royal Teensの「Short Shorts」が流れる中、2番手がステージに上がる。
「Short Shorts」は例の「タモリ倶楽部」のオープニングで使われているFのブルース。この曲、1958年には全米のヒットチャートで3位をマークしているのだそうだ。
コヤマタケシ率いるメリケンバンドの登場。
名古屋からの参加だ。
コヤマさんのMC…「メリケンバンドは名古屋と東京のハーフ・バンド。演奏する曲はすべて3コード、キーはE、リズムはほとんどシャッフル」…会場は大爆笑。
イエイエ、全然そんなことはなくて、ロックンロールとR&B、それにハード・ロックの要素がウマい具合に噛み合っていて、そのサウンドは実に小気味よい。
そして、このコヤマさんのキャラクター!
冒頭に書いたようにクラシックのカケラも、ジャズの片鱗もまったく感じさせない100%、あるいはそれ以上ロックの男だ。
コヤマさんはブルース・ハープの名手でもあり、大のMarshall愛好者でもある。
ハーモニカをMarshallで吹くのだ。
お気に入りは1962Bluesbreakerだが、今回はClass5のヘッドで鳴らしていた。
コレがまた素晴らしい音色!
コヤマさんのハーモニカは2006年以来だったが、相変わらず結構なお手前!こういうの見るとチョットやってみたくもなるな、ハーモニカ。
うっすらと歪んだワイルドなトーンがメリケンバンドのサウンドを幾重にも厚くする。
プロフィールを拝見するとYngwieやらSteve Morseがお気に入りというKAPPAさん。このバンドではそうしたモダンな要素も組み入れつつアーシーなプレイに徹している。
こちらも1959の極上サウンド!
「ダライ・ラマ」をテーマにした曲なんかもあったりして、バラエティに富んだレパートリーも魅力だ。全然3コードの曲だけじゃないよ~!
当然メリケンバンドもゴキゲンなベースとドラムのコンビネーション!
ナンカものすごく豪華なロックンロールのショウを見たようでとても得した気分だったゼ!
メリケンバンドの詳しい情報はコチラ⇒Meriken Band official website