CODExo13登場!~METAL BLITZ vol.2 in Tokyo
『METAL BLITZ』というイベントの第2回目。
「blitz」というのは「電撃戦」と言う意味。
語源はドイツ語の「Britskreig(ブリッツクリーグ)」。
そういう名前のメタル・バンドがイギリスにいるが、この言葉が元になって、第二次大戦中の素早く、意表をつくドイツ軍の戦術を指して「blitz」と呼ぶようになった。
それとは別に「稲妻」のことをドイツ語で「Blitz」という。
そこからイギリスでは、1940年9月から1941年5月までドイツ軍が行ったイギリスに対する大規模な空爆は「The Blitz」と呼ばれている。
ちなみに、太平洋戦争中にアメリカの空爆によって、人口比で最も大きな被害を受けた日本の都市ってどこか知ってる?
それは人口の割には軍需工場が多かった富山市。
特にサイパンから飛来した182機による1945年8月1日と2日の空襲は長岡、八王子、水戸に次ぐ大規模なものでナント市街地の99.5%が焼き尽くされたそうだ。
私は若い頃、2年ほど富山の駅の近くに住んでいたことがあるが、そう言われてみると、東京であれば下谷や谷中や神保町に残っている戦前の民家を見かけたことが一度もなかったわ。
ところで、The Blitzによって壊滅的な被害を受けたロンドンは、戦後「我々の父祖伝来の財産である美しい町並みを取り戻そう!」と官民一体で再興に務め、ポール・マッカートニーやメリー・ポピンズが歌い上げるような「Lovely」な街を取り戻した。
イギリスは「Listed Buildings」といって、「全くイジってはいけない建造物」とか「壊してはいけない建造物」とか建物の重要性をランク付けてして古いモノを残すことに務めている。
それでもその網の目をくぐり抜け、古い建物を壊し、新しい近代的なビルが増えてしまう最近の動向を見てチャールズ国王(当時皇太子)はBBCテレビでオモシロイことを口にしたそうだ。
「ロンドンは建築家によってナチスの空爆より多大な損害をこうむった」
1964年のオリンピックで壊滅的な被害を受けた東京の街並みは「東京一極集中」が急速に進む環境下、ロンドンとは比べ物にならないぐらいの損害を被り続けている。さて、『METAL BLITZ』…ギューギューの客席!
この日一番でステージに上がったのは「SURGE'K(サージK)」。
MEDIA VIBESの「こーじ隊長」が新しくスタートさせたチーム。このチームには2つのメンバー構成があってリズム隊の2人が入れ替わるのだそうだ。
この日ステージに上がったのは「チームみすじ」と名付けられた焼肉が取り持った縁のグループ。
ギター/ボーカルズのこーじ隊長。ギターはA-chan。ベースはHADESからyuri。そしてドラムスもHADESのMayo。ご存知MayoちゃんはNATAL Drumsのエンドーサー。
この日はイベントだったので愛用のNATALを持ち込むことはできなかったが、そういうことでステージを拝見させて頂いたというワケ。 こーじ隊長の気合の入った歌とギター。次々とシャープなギター・ソロを披露したA-chan。
そして、重量級のロック・グルーヴを叩き出したHADESのリズム隊の2人。プラス初めての人なら誰でも驚くMayoちゃんの特殊キャラ。
これらが一丸となって熱気あふれる演奏を聴かせてくれた。
こうして『METAL BLITZ』はスタート・ダッシュの様相を見せた。その後、2バンドほど熱演が繰り広げられ、レポートは一気にこの日のトリにワープするよ。
イベントを締めくくったのは「CODExo13」。
「CODExo13」と綴って「コード・エクソ・サーティーン」と読む。
いいネェ、「CODE」だなんて!ナンとならば、Marshallには「CODE」というデジタル・アンプのラインナップがあるのだ。
そもそも「code」とは「暗号」のこと。
「暗号」とか「アラン・チューリング」については、自分の趣味もあって何度も書いて来たので興味がある人は是非コチラをご覧あれ。
↓ ↓ ↓
①【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
②【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 45 ~ ブレッチリー・パーク <その1>
③【イギリス-ロック名所めぐり】vol. 46 ~ ブレッチリー・パーク <その2>
ステージに上がったのは…
下村成二郎砂川""KAGEROW"和也
この2人が「CODExo13」。
KAGEROWさんはMarshall。
この日は「JCM900 4100」と「1960A」を使用。そして、キーボーズの犬山修。ベースは諸星和明。
ドラムスはMARI。
下が8月に発表したCODExo13のファースト・アルバム『KOWAII』。
もちろんコレは現在では世界で通用する日本語になった「Kawaii」のモジリ。
別の言い方をすれば「コワい」と「カワいい」の一種のポートマントーと言えよう。
「ポートマントー(portmanteau)」というのは「不思議の国のアリス」でハンプティ・ダンプティがアリスに向かって「カバン語」と説明するヤツ。「世界」といえば成二郎さんとKAGEROWさんはモンゴルでの公演を終えて帰国したばかり。
そして、このイベントが母国に於いては初めての公の演奏の場となった。
その記念すべき1曲目は『KOWAII』のオープナー「March of the Braves」だった。
1曲目の演奏が終わると満場の客席から爆発的な歓声が沸き上がった。Mariちゃんのドラムスから大爆発するドライビング・チューンは…アルバムの2曲目に収録されている「NOIZ」。ダウン・チューニングしたKAGEROWさんのギターの低音域がハラに響く!
そして鮮やかなソロ。
ちゃんとMarshallのプリ・アンプを使っているので音がケタ違いに太い!
そしてヌケる!
最近はやりのアレ…どうして外部のプリアンプなんかを使うのか不思議で仕方ない。
音質の違いは明かだろうにナァ。
それとデジタル技術でサンプリングしたMarshallの音を指して「オレのMarshallサウンド」的なことを言うのはご遠慮願いたい。
だって、それは断じてMarshallの音じゃないじゃん。
Marshallの音というのは、KAGEROWさんのようにホンモノの真空管で駆動させるMarshallのプリアンプとパワーアンプで作られる音のことだから、ね?成二郎さんのアオリに鋭敏に反応する客席。
演る方も観る方もエラい迫力だ!「皆さん、お待たせいたしました!CODExo13です!
皆さんの前で演るのは初めてなんですが、チョット暑いですけれどもよろしくお願いします!
もし気分が悪くなったら無理をしないで涼しいところで休んでくださいね…涼しい所なんてないんですけどね。
じゃぁ、今日は最後まで楽しんでください!」 続いては「Cloudy Sky」。
コレまたミディアム・テンポのヘヴィ・チューン。
「曇り空」など軽く吹っ飛ばす成二郎さんの迫力のシャウト。諸星さんがベースだけでなく、コーラスでも大活躍なのだ。サビの最後の半音ずつ下がっていくパートが実にカッコいい。
そしてココでもKAGEROWさんのギター・ソロが炸裂。「実は皆さん…物販というモノがあります。
むちゃくちゃカッコいいアルバムが出来てしまいました!
もうタマんなくカッコいいです!」この日のCODExo13の屋台村のようす。
「むちゃくちゃカッコいいアルバム」というのはもちろん上で紹介した『KOWAII』のこと。「サブスク時代の今、CDがなかなか売れません。
そんな中、ナニを考えたか…歌詞カードを作ってしまいました。
『もうサブスクで落としてますよ』という人でもその歌詞カードを見ながら音を聴くといわゆる『脳トレ』っていうんですか?
『あ、なるほどコレがアレでそうなったんだ!』ということがわかる…人はウ~ン、あんまりいないと思いますが。
それぐらい仕込みが激しすぎて、自分でもナニをやったのか忘れてしまいます」 イヤ、ホントそれも仕方がないと思う。
というのは、その歌詞カード。
すべての曲のイメージに合わせて成二郎さんが丹精を込めてオリジナリティあふれるイラストを描いてくれているのだ。
イヤ、イラストじゃないな、もう「絵画」のレベル。
成二郎さんは美術の勉強をされていたんだね…それにしてもスゲエな。
私は予てよりレコードやCDのジャケットの重要性と、それに反するサブスクのツマらなさについて筆を揮ってきた。
だからこそ『MUSIC JACKET GALLERY』というレコード・ジャケットを解説する記事を苦労して書いてきたのです。
↓ ↓ ↓
【Marshall Blog】ミュージック・ジャケット・ギャラリー
それゆえ成二郎さんのコンセプトはとてもうれしいね。
下がその歌詞カードの一部。
次に演奏する「大人の遊園地」という曲のイメージだ。
コレを見ながら音を聴くと楽しさ倍増!というワケ。「物販ではタオルなどもご用意していますのでよろしくお願いします。
それらが売れてくれないと…私、仙台へ帰れません!
私を早く東京から追っ払いたい人はゼヒ!…ってそういうことを言っちゃダメだよね?
皆さん、私が気持ちよく仙台に帰ることができるようにゼヒよろしくお願いします!
ということで次の曲はアルバムに入っている…というか、アルバムに入っている曲しか演らないんですけどね。
考えてみたらそういうことでした」 前述の通り、成二郎さん画のイラストを紹介した「大人の遊園地」が次に続いた。「♪大人の遊園地 子どもは覗いちゃダメだよ」
不気味な雰囲気の大人の遊園地は至極魅力的だ。
私の場合、かつて書いたMarshallの本が「大人のエロ本」と呼ばれた時はとてもうれしかった。
犬山さんが弾くキーボードが曲の背景を劇的に演出する。「♪ねんころり ねんころり」のメロディが耳に残る~!看護婦装束の女性が2人現れて…KAGEROWさんにまとわりつく。
視覚効果もバッチリ!ステージの下の方の写真が撮れないのでお見せはできないが、こうしているウチにKAGEROWさんがパワーを失いうずくまってしまう。 そのKAGEROWさんを復活させるには水!…じゃない!コレ!
成二郎さんが手にしているのは「ジャック・ダニエルズ」。するとKAGEROWさん、復活!
こうした一連のシアトリカルな展開…いいですネェ。
私は好き。
ギター・ソロを経て…「最上のSAMURAI WAR」が飛び出した!「夢を追い続けること」こそが「侍の戦い」という応援歌。鋭利な刃のようなKAGEROWさんのシャープなソロ。そして「Don't look down!」と一太刀浴びせんとする成二郎さん。
『レ・ミゼラブル』の正反対だ!「さて、それでは上野の街で普段は言えないような言葉を大きな声で叫んでみようという…」
成二郎さんが次の曲の中で「Woman!」と歌ったらお客さんが「Go!」と答えるコール&レスポンス。
何回か練習して仕上げは上々。
KAGEROWさんからバンド名の由来を説明したら?と提案されて…
「バンド名の由来か…みんな知ってるよね?
CODExoね…『xo(エクソ)』というのは『いいクソ』という意味ではありません。
CODEは『LION CODE』の『CODE』、『xo』というのは、ウイスキーとかの等級で熟成期間が長いという意味。
そして『13』は東北の大震災から13年目の『13』ということです。
で、私は13日の生まれで、今年は「13日の金曜日」が当たっているんですよ!
私もいい年になりましたが、来週あたりまたもうひとつ年齢を重ねてしまいます」
するとステージ脇からバースデイ・ケーキが登場して成二郎さんに手渡された。
「(ケーキの上の『62』というローソクを指して)『62』ってどういうことなんだよ!
ん?ナンカ書いてあるけど…見えね~!遠ざけないと見えね~!」
コレはよくわかる。
メガネも段々ひとつだけでは済まなくなってしまいます。
すかさずKAGEROWさんが…「みんなで歌うしかないな!」
お客さんと一緒に成二郎さんも自ら「♪Happy birthday オレさま~」と歌った。またKAGEROWさんからのご提案。
「物販で一定の金額以上のアイテムを買うと成二郎さまから口移しでこのバースデイ・ケーキを頂くことができるんでしょ?
皆さん、ガンバってください!」
「いいよ!その代わりオレは相手を選ばせて頂きます!
ガンバってもらわなくてもいい人が多いからね~」
ですって。…と、楽しいお誕生日会のコーナーの後は最後の曲。
さっき練習した通り曲は「ネバネバ~Woman Go!~」。サングラスをハズしてクライマックスに向かう成二郎さん!照明の加減でどうしても写真が撮れなかったのだが、最初からステージ上手のKAGEROWさんの脇でコーラスをキメていたのはLITAさん。
この曲でステージ中央に躍り出た!全編英語詞の粘着質のヘヴィ・チューン。
もちろんタイトルの「ネバネバ」というのは「Never, never」なんだけど、まるで聴いているモノの身にまとわりついてくるような重~い感じがタマらん!さぁ、ココで練習したヤツ。
「♪Woman」「♪Go~!」
「恥ずかしがらないで!」「♪Woman!」「Go!」
ハイ、本当はココでナニが起こっているかをCODExo13のライヴに足を運んで確かめてみてくださいね。独創性に満ち溢れたロックを展開した5人!
時間は短かったが、CODExo13の魅力を充分にアッピールできたのではなかろうか。
この後、出演者の選抜メンバーによるジャム・セッションがあって『METAL BLITZ vol.2』は賑やかに幕を降ろした。
CODExo13の詳しい情報はコチラ⇒CODEex13 Official
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
REIGNING DAYSはMarshall Recordsの発足とともにデビュー・アルバム『エクリプス(Eclipse)』を発表したデボンシャーのトリオ。
アルバムに収録されたシングルが大きな評判を呼び、「グラヴィティ(Gravity)」はケラング!のトップ20に食い込んだ。
2019年に惜しまれつつ解散。『Eclipse』は英気溢れるいちブリティッシュ・バンドの唯一の記録となったしまった。
<Empire>
<Friendly Fire>
<Inhaler>
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