犬神サアカス團 30周年スペシャル祝賀会~きょんぴ生誕祭&レコ発~<前編>
犬神サアカス團、30周年おめでとうございます!
最近は25、30、35等の「周年」を迎えるチームが散見されるけど、「30年」って長いですよ~。
犬神サアカス團がデビューした時に「卒寿」だったおジイさんが「大還暦」を迎えるワケだからね。
「大還暦」とは、120歳で2回目の「還暦」を迎える長寿のドデカイお祝いのこと。
120年前というと1909年、すなわち明治37年。
私の父方のおバアちゃんが明治37年生まれなので、もし生きていれば今年「大還暦」だったワケだ。
平成4年に死んじゃったのでゼンゼン届かず…。
というか、ギネスブックの公式記録によると、世界で120歳まで生きた人は、122歳で亡くなったフランスのおバアちゃんただ1人なんだって。
有名な鹿児島の泉重千代翁は120歳と237日までご存命で当時「世界一の長寿」とされていたが、出生に関する公式な記録がないためギネスには認められなかったのだそうだ。
ちなみに110歳以上の人のことを「スーパーセンテナリアン(Supercentenarian)」と呼ぶそうです。
犬神サアカス團には「ロック界のスーパーセンテナリアン」を目指して頂きましょう!
まずは30周年から!
今回のMarshall Blogは『30周年スペシャル祝賀会』と題したライブのレポート。
このショウには副題が付いていて、「~きょんぴ生誕祭&レコ発~」と来たもんだからスゴイ。
犬神サアカス團風に言うと、お通夜と葬式と初七日と四十九日が同時に来たようなモノだ。
入り口に飾られていた祝い花。
この記念すべき式典の会場に選んだのは、南青山の「MANDALA」。
犬っ子、犬っさんの方々には食事をしながらユックリ座って犬神サアカス團の音楽を楽しむ『座・犬神サアカス團』という企画でスッカリおなじみのことだろう。
偶然にも…あるいは図ってのことかも知れないが…このMADALAさんも今年30周年をお迎えになったのだそうだ。
おめでとうございます。
この日の屋台村にはおなじみの犬神グッズに加えて…「犬神熊猫飯店」のロゴサインをあしらったTシャツ他、記念のグッズも並んだ。
「飯店」というのは「ホテル」のこと。
「酒店」、「飯店」、「大飯店」、「大酒店」、みんな「ホテル」という意味。
そういえば上海に行った時、街のアチコチに「购物中心」という看板を時々見かけてどういう意味なんだろう?と思った。
「中心」ね~、何の「真ん中」なんだろう?…と思ったが、すぐに見当がついた。
「购」とは「購入」という意味。
つまり「购物中心」は「物を買う中心」…要するに「ショッピング・センター」のことだった。
オイオイ、「中心=センター」って直訳かよ!…と思ったが、「Centre(アメリカはCenter)」は「中央」という意味の他に「活動の中心地」という語意があるので、「購買の中心地」ということで「中心=センター」でもおかしくないのね、きっと。
ステージのようす。新しいバック・ドロップ、赤と黄色でエラく目立つナァ。
この周りの柄あるでしょ?
ラーメンどんぶりのフチによくついているヤツ。
コレは「雷文(らいもん)」っていって自然の脅威の象徴とされる雷を形どったモノだそうだ。
でもね、このデザインって中国だけのモノではないんですよ。
古代ギリシアでもこの意匠が使われていて、その名を「ギリシア雷文」といい、英語では「meander(ミアンダー)」と呼ばれている。
初めてロンドンの博物館へ行った時、階段の壁にこの模様が施してあって、何も知らなかった私は「ココも中国の影響を受けているのか?!」と少々驚いたものだった。
この「meander」という単語は「蛇行する」という意味なんだけど、トルコを流れる「メンデレス川(Menderes)」に由来している。
このメンデレス川ってのがニュロニョロと蛇行しているワケだ。
下はイギリスの「マンチェスター」のひとつ手前の「ストックポート(Stockport)」というところに行った時、駅のギャラリーに飾ってあったポスター。
ストックポートというのは「10cc」の地元ね。
私は今でも10ccの大ファンなのです。
ちょうどこの時「中央チェシャ―線(チェスターからマンチェスターを通る電車の路線)に乗って出かけよう!」みたいなキャンペーンをやっていて、各駅の名物を描いたイラストのポスターがズラリを展示されていた。
下は路線の起点、「チェスター」のポスター。
下の方に、「MEANDER THE MID CHESHIRE and ENJOY MARVELLOU DAYS OUT」ってあるでしょ?
「meander」という単語が使われている。
コレは「meander」が「アテもなくさまよい歩く」という意味で使われていて、「ぶらり中央チェシャ―線の旅」みたいなことを意味している。
私はこの「meander」と単語を英語を勉強し出す前から知っていた。
ナゼならモダン・ジャズを作った「ジャズの巨人」のひとりであるチャーリー・パーカーに「Meandering」という曲があったから。
でも、日ごろから海外と英語でやりとりをしていてこの単語を使ったことは今まで一度もない!だってさまよい歩かないからね。
家でゴロゴロしながら本を読んでいるのが一番!
…ということで次回ラーメンを召しあがる時にはチャーリー・パーカーを頭に浮かべてスラープ(slurp=音をたたてすすること)してください。
それじゃ「風が吹けば桶屋が儲かる」か?
幟もカラフルになっていい感じ!ステージ中央にはいつものNATALドラムス。上手にはMarshall。ONOCHIN所有の1976年製「JMP時代の2204」、50Wヘッド。
通常品に採用されている「EL34」という真空管をそれよりパワーのある「6550」というモノに乗せ換える改造が施されている。『座・犬神サアカス團』の時と同様に特別メニューが用意された。
*寄生蟲スパ
*ビザールサンド
*苦海浄土
*あんたはブタだ
*腐乱のあなた
…などなど。
ドリンクには笑った!
*赤猫
*黒い血
そして
*白痴
だって!どうにもウマいね。開演時間となり客電が落ち、会場内に凶子姉さんの声が流れる。
「本日はご来場頂きまして誠にありがとうございます。
開演に先立ちましてお客様にお願いとご案内を申し上げます。
開演中、カメラやスマートフォンなどによる写真撮影、録画、録音は固くお断り申し上げます。
また進行の妨げになりますので携帯電話や音の鳴る機器の電源は予めお切りくださいますようお願い申し上げます。
それではそろそろ開演です」そして『30周年スペシャル祝賀会』がスタート!犬神凶子犬神明犬神敦ONOCHIN「♪暴走キメろスケ番ロック!」
記念すべきコンサートの幕開けは久しぶりの「スケ番ロック」だった。
しかし「スケ番」ってのもいい加減死語になったナァ。
「スケ」という言葉も「番長」と言う言葉も若い人にはピンと来まい。
「モノがなくなるから名前がなくなる」ということなので、恐らくこの世にはもう「スケ番」は存在しないのであろう。
でも「スケ番」という言葉は、犬神サアカス團の歌の中で生きがらえていくのだ。
コレも「音楽」が持つ力のひとつ。そのまま続いて「花嫁」。問答無用に突っ走るドライビング・チューン。とにかくストレートに突っ走って…歌詞にホロっとくる名曲。
重要な犬神スタンダードのひとつだ。まずは古くからのおなじみの2曲でグッと雰囲気を盛り上げる。「こんばんは!犬神サアカス團です。
今日はナンですか?
ウフフフフ…今日は『犬神サアカス團結成30周年記念スペシャル祝賀会』です。
みんなありがとう。
メニューも作ったからね、飲んで食べて行ってね。
今日は30周年だけじゃなくて、レコ発でしょ。
そして!…本日めでたくお誕生日を迎えました犬神凶子です!
今日のライブがどんな風になるかチョット明兄さんに訊いてみよう」
「今日ねぇ、そうだねぇ…もう気合入りまくっちゃうねぇ。
でも、こっからは緩やかにいこう。
リラックスして観てもらった方がいいからね…祝賀会だから」
ココでいつもの啖呵。
「今宵お目に掛けますは、犬神一座の大サアカス。
どうかひとつ 最後まで 最後まで 最後まで 最後まで盛り上がっていくぜぇ~!」ひと通りご挨拶が終わったところでONOCHINが「アメリカ国歌」のメロディを奏でると…
凶子姉さんがタンバリンを手にして歌うのは「ビバ!アメリカ」。「♪ABC!LSD!CIA!USA!」
人気の高い曲だけあって今日も大いに盛り上がって…明兄さんのスネアドラムが軽快に鳴り響く。
もうコレだけで何の曲かわかっちゃう。
4曲目は「天変地異」。
タンバリンを振りながら身体を左右に動かて歌う凶子姉さん。
30周年も絶快調だ!明兄さんとタッグを組んで犬神グルーヴをクリエイトする敦くん。
いつものことだけど、ベースらしいベースがとてもいい感じ!「♪死にたくない!」もバッチリとキマった!
しかし、「天変地異」と言えば「南海トラフ」ね~。
急にあんなに騒ぎ出したのには宮崎や神奈川の地震そのものより驚いたわ。「どうもありがとうございます。
今日は30周年にちなんでメンバーみんなのお話を聞いてみたいと思います。
じゃあ、敦くんから…30年前、何してました?」
「30年前ですか?
ボクの年齢は世間的には非公開になっているんです…決まりはないんですけど。
実を言うと30年前のボクは9歳なんですね。
9歳の時に何をしていたかと言うと、サッカーをしていたんですね。
学校にいる時はジャングルジムの1番上でゲームボーイをしてたんですね。
インドアをアウトドアでやっていたワケです」「そうか、ジャングルジムに登ってゲームをしていたのか。
変わった子だ?それとも普通?
敦くんの地域はそれが普通だったのかな?
それから30年経って、今日は同じステージに立ててとてもうれしいです。
これからもドンドンよろしくお願いします」
グッと照明を落として「カナリヤ」。イスに座ってジックリと味わう凶子姉さんの美しい声。ギターを持ち替えて弾くONOCHINのソロがドラマ性を盛り立てる。チョット脱線。
何でも女性下着というモノは毎年新商品を発表して顧客をつかむのが普通の商売のやり方らしいが、40年間も同じモデルを作って、しかもそれが売れ続けているブラジャーがある。
その努力の甲斐あって、当該の商品はギネスブックにも記載され、製造会社の会長は『ブラジャーで勲章をもらった男』という本を著した。
集英社からの上梓だから大変なもんですよ。
そのブラジャーの商品名は「キャナリー(Canary)」という。
すなわち「Canary」…「カナリヤ」のこと。
私はいつもノーブラなので、どこがどういう風に良いのかがわからないのが残念だが、着け心地がキャナリ良いんだろうね。
それだけ長い期間モデルチェンジをしないなんて、Marshallでいえばまさに「1959」。
こっちは爆音バッチリ。
キャナリーは爆乳バッチリ。
あ、つい…失礼しました。 最近の定番となっている展開で2001年の『暗黒残酷劇場』から「女囚のブルース」が続く。 ココでも明兄さんと組んで3連のブルーヴをグイグイ押し出す敦兄さん。
タイトル通りブルージーに歌い回す凶子姉さん。
セリフを交え、シアトリカルな魅力も満載。
「人権もなんてあったもんじゃない!」
「国民主権」、「平和主義」、そして「基本的人権の尊重」…そう、今こそみんなで憲法を勉強する時なのです。
犬神サアカス團に騙されたと思って初歩的なモノでいいから憲法に関する本を一冊読んでごらんなさい(私は井上ひさしさんの本を薦めています)。
「憲法」の存在意義にきっと驚くことでしょう。オモシロイですよ。
そして今、改憲など騒いでいるこの国がどれだけ狂って来ているかがすぐにわかります。
と、犬神サアカス團は訴えている…訴えていない!ギター・ソロではONOCHINがMarshallとストラトキャスターの音質の妙をタップリと聴かせてくれた。
このONOCHINの「2203」、ホントいい音を出すんだよね~。ジックリと聴いて頂くコーナー。
もくろみ通り、お客さんの全ての目と耳がステージに釘付けになった一方、口は今日のスペシャル料理を味わうために使われた。「次はONOCHINさんに訊いてみようと思います。
30年前は何をやっていましたか?」
「30年前でしょ?
バンドはやってましたけど…Jリーグが大好きで千葉にいながら東京ベルディのファンでした。
オレ、サッカーやって、ソフトボールやって、バレーボールは3年ぐらいやった。
ただ、短距離だけは遅いね。多分、短距離の筋肉はオレにはないんだろうね。
でもマラソン大会とかはいつもひと桁台の順位だったよ」
客席から「馬は?」という声がかかると…
「馬のこと訊いちゃいます?
30年前は、やってたかなぁ?…ナリタブライアンとかメジロマックイーンとかの頃に1回やっていたんですけど止めました。
で、また最近やりだしたの。
あと、30年前は謎に体調崩してました。
モノが食べられなくなって痩せちゃって…今は大丈夫です。
言えないことがまだイッパイあります」次は明兄さん曰く「人気曲しかない」犬神サアカス團のレパートリーの中でも人気の高い「太陽を待っている」。
「♪ドンスコドンドンスコドンドン」と明兄さんがフロアタムを叩く。
こういうの「ボ・ディドリー・ビート」って言うのかな?
ギターが重なって…
「♪ナンナ~ナナナナナ~」
私のような年寄にはこの「Hush」感が何とも言えないのよ。4分で思いっきりドッシリとしたリズムを刻む敦くん。 そして、この曲の最大の見せ場、凶子姉さんとONOCHINの掛け合い。 ちゃんとディープ・パープルで曲を綴じているところが素晴らしい。
「Hush」はパープルが作った曲じゃないけど。
こういうことはジャンジャン取り入れて頂きたい。
続いても明兄さんの「♪ドッチキドッチキ」から「東京2060」。このクダリも最近では定番。
凶子姉さんとONOCHINのギターがユニゾンでメロディをなぞるこのパートはいつ聴いてもカッコいい。2060年の近未来について歌った犬神式社会派ソング。
気持ちのよいグルーヴに乗って絶望的な未来を堪能しよう!
ホンの2時間で月に行くことができても少子化を食い止めることができないんだからどうしようもない!人類、お先真っ暗だ~!
どうでもいい話しなんだけど、冒頭で触れた「スーパーセンテナリアン=110歳以上の人」ね。
2060年に110歳を迎える人って1950年生まれなんだよね。
コレって私のたったひと回り上の「寅」だから。
全然歳が近いじゃん?!
こういうことを色々と考えていると自分の年嵩を痛いほど感じてしまうけどオモシロイなぁ。
コレも「年寄りの愉しみのひとつ」か?
さらに続けて「愛の亡霊」。
コレはここのところ出ていなかった曲。 2004年発表のシングル曲。
犬神サアカス團の30周年を祝うショウはこうして新旧のレパートリーを取り混ぜてゴージャスに進行した。 犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト<つづく>
※30周年を記念してスタートした「私の谷中墓地」ですが、今回と次回は休ませて頂きます。
お墓ファンの皆さん、ゴメンなさい。
サボったワケでも飽きたワケでもありません。
色々と調べているウチますますオモシロくなってしまって収拾がつかないでいるのです。
簡単に考えていたワケでは決してありませんが私の計画が浅墓でした。
とにかく谷中墓地は日本の近世&近代の歴史ネタの宝庫なんですね。
勉強すれば勉強するほど勉強になる。
ということで現在いちから研究し直しています。
準備が整ったところで再開するつもりですので、その節には何卒よろしくお願い申し上げます。
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今風のロック…なんだけど、やっぱりシッカリしたギター・リフがあったりして、日本のそれとは違うんだナァ。
やっぱり本場のロックは「ロック」なんだということをこういう作品で思い知ったりする。
5曲入り12インチ(30cm)シングル。CDなし。
<Control>
<Stigma>
<Heads or Tails>
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