おがんちゃん、たけちゃん、田川よ~すけ、人呼んで「ロック忍者」見参!<後編>
本レポートの<前編>で海外における忍者の人気の高さについて触れたが、当たり前のことながらお膝元の日本も同じだわネェ。
今でも「くノ一」もの小説の人気は高いようだし、私が子供の頃には『忍者部隊 月光』、『サスケ』、実写版の『ハットリくん』、『花のピュンピュン丸』、『変身忍者 嵐』など忍者が主役のテレビマンガが引きも切らなかった。
映画も同様、1962年に大映が山本薩男のメガホンで『忍びの者』を製作。
私は山薩の映画が好きなんだけど、コレに関しては「百地三太夫」を演じた伊藤雄之助の存在以外にはピンと来なかった。
しかし、時の超大スター市川雷蔵の起用もあって映画は高い人気を呼び、劇中の主人公が「石川五右衛門」から「霧隠才蔵」に替わったりして大映の稼ぎ頭のシリーズのひとつになった。 なんてことを考えているウチにインターネットでオモシロイものを見つけた。
「ライナフ」という会社が製造している高性能のカギ。
その名も「Ninja Lock」!
Rock NinjaにCMの仕事でも舞い込んで来たらオモシロいね。
「Rock NinjaはNinja Lock!」とか言って。
私にはこの「Lock」という言葉にイヤな思い出がありましてね。
もう大分前のことになるが、ロサンゼルス空港の出発ロビーが大変に混雑していて荷物預かりのスタッフがテンテコ舞いしていた。
スーツケースを手渡す番が回って来ると、応対した若い男の係員が大声で私に「ディジュラキッ?」と2度ほど質問して来た。
「Did you」はわかる、しかしその若いスタッフがあまりにも急かすものだから私の頭の中で一瞬「ラキ」が「rack it」となってしまった。
「エエエ!『rack』?イエ、アンプは普通のタイプです」とは言わなかったが、私がホンの少しの間ポカンとしていたら、その係員が私に聞えるようにワザと大きく舌打ちをして傍らに立っていた東洋人の女性スタッフを呼び寄せた。
その女性がすぐにやって来ると、ひと言男の係員と会話を交わして私にこう言った。
「カギは閉めていますか?」
その女性は通訳だったのだ。
「オイオイオイ、ナメんなよ!こちとらイヤイヤながらも長いこと英語の勉強をしていて、一応日常生活の会話ぐらいならストレスなくできるんじゃい!」とはとても言えず、荷物の引換券を手にしてそそくさとその場を立ち去った。
「Did you lock it?」だったのかよ!
惨敗…アメリカ英語のバカ!ヒースローだったら絶対にこんな目に遭わなかった。
まさか「Rock Ninja」と「Ninja Lock」でこんなことを思い出そうとは思わなかった! さて、Rock Ninjaの『Summer Tour 2024』東京公演のレポートの<後編>。
<前編>で「ナンダカンダで結構たくさん書いたな~」と思っていたらナントその内容がまだ4曲目までのことだった!
それを知ってスッカリ腰を抜かしてしまった。
なので<後編>はチャラチャラっと簡単に済ませてしまおう…ということができないのがMarshall Blog。
<後編>もシッカリ脱線してレポートします。
それでは「ロックの忍びの世界」へイザ参らん!今回のツアーではドラムスを担当している岡山のMarshallギタリスト、山崎洋介さんの曲の演奏が終わってしばし岡山の話。
「岡山、いいところですよ~。食べ物はおいしいし…あとナンだろね?」…エ、そんだけ?
岡山というと私の場合、高校の修学旅行で倉敷に行って、あの古い町並みと大原美術館を見学して「アイビー・スクエア」に泊ったこと、そして大分前にMarshallのクリニックで2度ほどお邪魔したことがあるぐらい。
イヤ、「だからナンダ?」って話なんだけど、岡山に住む友人が「チョットお高め」だというモモの缶詰を送って来てくれたことがあって、その美味しさに絶句したこともあった。
イヤ、「だからナンダ?」って話なんだけど、いつかユ~ックリお邪魔したいということが言いたかった。
下山さんが洋介さんの発言を受けて…
「それと岡山と言えば『CRAZY MAMA』ですからね…ボクらのホームですよ。
そのオーナーの平井さんも今日お越しになるのを楽しみにされていたんですが、体調の具合でお見えになれなかったんですよね」
そう、私も久しぶりにお会いするのを楽しみにしていたんだけど残念!
ん?…気がついてみるとオガンちゃんがステージにいない!
「歳を取ってくるとステージの途中でトイレに行っちゃう人が増えますね。
〇〇さんとか、✕✕さんとか…△△さんなんて2回行ったりしますからね」
ココで伏せたお名前を知りたい人はRock Ninjaのライブに来て確かめてくださいね!
あ、帰って来た。
「イヤ、電池を取りに行ったんです」
トイレではなかった!
機材に入っている電池の容量が心もとないので下山さんのおしゃべりの間に電池交換をしたというワケでした。
昔…といっても1950年代初頭の話だけど、モダン・ジャズの開祖として名高いチャーリー・パーカーのカナダでのライブなんかでは、ちょうどライブと時間が重なってしまったロッキー・マルシアノのボクシングのタイトル・マッチの様子が気になって、出演者とお客さんがライブをホッポリ出して一緒になってテレビを見に行った…なんて話があるからね。
試合が終わって、ライブ会場に戻って再び普通に演奏したとか。
下はその時のライブ盤。
だからトイレぐらいヘッチャラ、ヘッチャラ! 無事に電池を交換し終わって、ビールの話、桜肉の話、偶然<前編>にも出て来たゲテモノ喰いの話…オガンちゃんが上海に行った時、上海ガニをオーダーしたらコウモリ、ヘビ、ハトなんかが出て来たという。
ハイ、ココでストップ!
今、ハトが出ましたね?
イギリスの郊外の肉屋に行くとごく普通にハトの胸肉を売っているんですよ。
要するに正真正銘の「鳩胸」。
下はコッツウォルズにあった肉屋のショウウインドウ。
ガラス越しの撮影で見にくいんだけど、真ん中の「Pigeon Breast」というのがハトの胸肉。
その向かって右隣りの「Haunch of Venison」は「シカの尻肉」、左は「新鮮なウサギ」だ。
ところは替わってロンドンはテムズ川の南岸で1000年もの間続いているという有名な市場、「Borough Market(バラ・マーケット)」。
ココは肉、魚、菓子、酒等々、人間が口にするありとあらゆるモノを取り扱っている。
見て回ると大変にオモシロい。
コレは営業時間を知らせる看板。
ね、ウサギ、シカ、イノシシなどがここで売られていることがイラストで示されている。イノシシなんかは「Wild Boar Pasty」とか言って、煮込んだボタン肉を下のパイ生地に詰めて食べる。
ちなみに我々がパン屋に行くと「ペストリー」という菓子パンを目にするけど、イギリスで「ペストリー」というとこうしたパイ生地を指す。
丸いパイ生地に具を乗せて半分に折って焼いた食べ物のことを「パスティ(Pasty)」という。
「パイ」ではない。
まだイギリスで石炭業が盛んだった頃、パスティは炭鉱夫の主食だった。
彼等は坑内で食事を摂らなければならず、そこで手を洗うことができない。
そこで汚れたままの手でパスティの耳をつかんで真ん中の部分だけを食べ、汚れが付いてしまった耳の部分をその場に捨てていたのだそうだ。
最近は日本でも「ジビエ」なんてのが定着してハトあたりならもはやゲテモノとは言わないのかな?
私は食の冒険を絶対にしないタイプなので詳しいことは知らない。
それとウサギね。
大分昔、ジム・マーシャルと一緒に片田舎のパブで食事をした時のこと。
向こうの人は時間をかけてホントに穴のあくほど真剣にメニューを精査するのが普通なんだけど、この時のジムもメニューを上から下までジ~ックリと眺めてこう言った。
「ウ~ム、この店はウサギを出すのか…」
「え、ウサギ?」と驚いた私。
ジムはそういうところではステーキ専門なので(肉が柔らかくないと機嫌が悪くなる)、ウサギはオーダーしなかったように記憶しているが、とてもうれしそうな表情をしていたことを覚えている。
しかし、この時ウサギで驚いた私はまだ修行が足りなかった。
戦時中、日本政府が各戸でウサギを飼うように奨励していたことを知らなかったのだ。
もちろんペット用はありませんよ、食用です。
ウサギは成長が早く、飼育が楽なのでその仕事はもっぱら子供たちが担当した。
「軍用菟」といって育てたウサギを糧秣として軍に供出したのだ。
もちろん、飼っていた家の人たちもその肉を口にしたことでしょう。
毛皮は軍人の防寒服になった。
今はどうか知らないけど、幼稚園や小学校でウサギを飼う習慣はコレの名残りらしい。
私は先の戦争のことについて何でも知っておいた方が良いと日頃から思っているのでココに記した次第。 …とマァ、ゆる~い雰囲気でRock Ninjaのステージは展開する。
こういうタイプのライブにお邪魔したのは結構久しぶりだったこともあってすごく楽しかったナァ…
MCで名前が出て来るミュージシャンはほとんどよく存じ上げている人たちだし、曲はおなじみが多いし、「オマエラ、最後までイケんのか~!」なんて絶対に訊いて来ないし。
アレはいつからあんなことをやるようになったのかしらん?
双六じゃあるまいし、昔はあんなことはやらなかったよ。
金を払って見に来ているんだから最後まで残って少しでも元を取って行きたいにキマってんじゃんねェ。
一度でいいから「オマエラ、最後までイケんのか~!」→「ムリで~す!途中で帰りま~す!」という場面に接してみたい。
「さて『下山』といえば!…そうでございます。昭和歌謡でございます。
ロック的なモノは一切演りたくございません!
私の場合、昭和歌謡、夏と聞いてパッと浮かぶ方は松田聖子さん。
な、なんなの?その『⁇?』マークみたいなのは?
デビュー・アルバムの『Squall』持っていましたからね。
「青いサンゴ礁」、「渚のシンドバッド」…チ、違うわ。
今から演る曲はビールのCMのヤツ。
アレはサントリーだったけどペンギンが泣くヤツ…ペンギンも泣くんですよ。
コレがいい泣き方をするんだ~」 下山さん、ご選曲ありがとうございます。
今、聖子ちゃんは『lolli♡pop』というツアーの真っただ中なんですが、今年もツアーを通してMarshallのドラムス「NATAL」のサウンドをバックに歌って頂いております。
下はその日本武道館の時のドラム・キットです。 ここからは下山さんの「ノド」を思う存分楽しむコーナー。
ある種この日のハイライトと言ってもいいんじゃないの?
バラードを3曲、一流のシェフが腕によりをかけて料理を作るように心を込めて歌ってくれた。
もちろんその味は、ミシュランで言えば★★★。
まずはその聖子ちゃんの「Sweet Memories」。聖子ちゃんのクリーン・ボイスとは似ても似つかない下山さんのクランチ・ボイス。
その最高のサウンドでジックリと練り上げる美しいメロディ。
ヒロアキくんが下山さんの歌に寄り添うようにギター・ソロを奏でる。この曲がリリースされたのは1983年のこと。
私は大学3年生だった。
もちろんペンギンが泣くCMもよく覚えている。
私はこの頃、大学のジャズ・オーケストラでギターを弾いていて、ダンス・パーティの仕事で呼ばれるとチーク・タイムでは決まってこの曲を演奏した。
中間部に今下山さんが歌っている主旋律を奏でるギターのソロ・パートがあって、いつも緊張しながら弾いたっけ。「ありがとうございます。昭和歌謡続けてまいります。
次は昭和歌謡というよりはアニメ・ソングです。
その昔、『はじめ人間ギャートルズ』というTVアニメがございまして…♪はじめ人間ゴ、ゴ、ゴン、ゴ~ンってヤツ。
あの骨付きの肉がうまそうに見えましてね。
作者は島根県松江市出身の園山俊二さん。
園山さんご自身が歌詞をお書きになって、かまやつひろしさんが曲を付けたという『はじめ人間ギャートルズ』のエンディング・テーマ…問題作です。
聴いてみてください」1974年にスタートしたテレビ・アニメ版の『はじめ人間ギャートルズ』。
私はギャートルズは観ていなかったけど、当時からこのエンディングの曲は知っていて「なんか悲しい曲だナァ」と思った。小学校6年生の時の話。
スローなワルツ。
下山さんが歌うと完全に下山さんの曲になっちゃう。
やっぱりい音楽は「歌」ですな。
そして「歌」は「声」ですよ。
クラシックの声楽の皆さんが自分のノドのことを「楽器」と呼んでいる気持ちが良く分かるような下山さんの熱唱。この曲も、また次の曲もしかり…
どんなタイプの曲でも完璧な順応性を示すところが忍者のリズム隊。
やはり伊賀と甲賀で積んだ修行の量が違うのだ。もう1曲のバラードはドンズバで「スロー・バラード」。
またまた声の質がゼンゼン違うと思うのだが、サビのパートでは下山さんの歌がまるで清志郎さんが歌っているかのように響いたのには驚いた。
それっぽく歌った下山さんがスゴイのか、曲のパワーがスゴイのか…音楽ってのはホントにオモシロイ。RCサクセションがグングンと注目され出したのだが、1979年、私が高校2年生の頃だったのかな?
確か当時はRCのレコードが流通していなくて、この曲が収められている1976年にポリドールからリリースされた『シングル・マン』というアルバムが青山の「パイドパイパーハウス」からリイシューされることになり、私も仲良しの安藤くんに頼んで1枚買ってきてもらった。
タワー・オブ・パワーが参加しているヤツね。
私は洋楽一辺倒でそれほど日本のロックにノメリ込まなかったので、そのアルバムを特に聴き込むこともないウチに誰かに売ってしまったが、ホンの短かい間だけRCサクセションに夢中になった。
ナゼか?
当時、小川銀次がRCサクセションに在籍していたから。
今は見る影もないが、当時の私は「No guitar, no life」の猛烈なギター少年でしてね。
そこで、渋谷の屋根裏にRCサクセションを観に行った。
もちろんリードギターを弾いたのは銀次さんだった。
その頃、「渋谷の屋根裏で一番客が入るのはRCサクセションとPANTA& HAL」と言われていた通り、客席は殺人的にギチギチだったけどとても素晴らしい長尺のショウだった。
銀次さんがバリバリとソロを弾いてくれて、そのカッコよさといったらなかった。
後年、今の仕事を通じで銀次さんとお近づきになれた時にはとてもうれしかった。
ヒロアキくんのソロを聴いてそんなことを思い出してしまった。バラードを連続3曲。
「シャッターを切りながら」ではあったけどマジでジックリ聴いたわ。
こんなことは近年なかったぞよ。
いいよナァ、私だって下山さんみたいな声だったら歌のひとつも歌いたくなるってもんですよ。
でも毎日ラーメンは食べられないからナァ。
「昭和歌謡はいいねぇ。ズッとやっていられるわ」と、辺見マリや園まり、奥村チヨの代表曲を口ずさむ。
コレぞ「虫の知らせ」か、園まりさんがこのライブの19日後にお亡くなりになられた。
そりゃ昭和歌謡はいいにキマっています。
ナゼならちゃんと音楽を勉強した「音楽家」が作っていたから。
アメリカも同じ。
ジョージ・ガーシュインやリチャード・ロジャースやコール・ポーターらのティン・パン・アレイの作曲かはみんな「クラッシックくずれ」だから。
それゆえあんなに素晴らしい名曲の数々が生まれた。
だから「シゲさん、何かカッコいい音楽を教えてください」とウチへくる若いミュージシャンには必ず「ティン・パン・アレイ・ミュージック」を聴くように勧めている。
ポール・マッカートニーもレイ・デイヴィスも、名曲を作った人は漏れなく「ティン・パン・アレイ・ミュージック」を研究していると思う。
その日本版が「歌謡曲」。
幼稚園生からお年寄りまでもが歌えたその魅力的な音楽を幼稚なロックもどきの音楽で駆逐してしまったのはエンターテインメント民度の低下に他ならず、日本の音楽文化史上最大の悲劇としか言いようがない。
「国威発揚」ということを完全に切り離して純粋に「音楽」ということで考えると「軍歌」も見逃せない。
何しろ戦中はいい曲が出来ると作曲者にダマって好き勝手な歌詞をのせて軍歌に作り替えていたというのだから曲のクォリティが低いはずがない。
しかも、音楽の再生装置がラジオしかなかった時代は「口コミ」が流行歌を普及させる重要な手段だった。
そのためには一度聴いただけで覚えてしまうような魅力的なメロディが必須だった。
だから「軍歌」っていい曲が多いのだそうだ。
「抒情歌」もしかりで口コミで普及した音楽だろう。
まさに軍歌は日本の「The Old Grey Whistle Test」だったのだ。
いいですか、Marshall Blogは懐古趣味でムヤミに「古いモノが良い」と言っているわけでは決してありませんからね。
「良いモノは良い」と言いたいだけで、「新しいモノが良いとキマっているワケでない」と言っているのです。
「さぁ、満を持して予てより隠し持っていた色眼鏡を今装着致しました!」と下山さんがお客さんの注意をオガンちゃんに向けた。
サングラスをかけたオガンちゃん、自ら「ワイルド7です!」
実はコレ、開演前にお店のマスターがサングラスをかけたオガンちゃんを目にして「『ワイルド7』みたいですね~」とおっしゃったのです。
その時、私も本当にそう思ったので大笑いしてしまった。
マスターがおっしゃった『ワイルド7』とはどう考えても「ヘボピー」のことでしょうな。
下がそのヘボピー。
手にしている愛用のピストルはコルト・ウッズマン。
今にもベースを弾き出しそうだけど、この人、これでも警視庁の人ですから。
私も含め周りには『ワイルド7』を連載していた「少年キング(少年画報社刊、1982年に休刊)」を買っていたヤツは1人もいなくて、みんな単行本になるのを待って夢中になって読んでいた。
「少年キングの望月三起也」ということでは『秘密探偵JA』も大好きで単行本を全巻集めたナァ。
今の若い人に「ワイルド7」を知っているか?と訊くと、100%全員が「知りません」と答える。
驚くほど誰も知らない。
ココで「ワイルド7」の説明をするつもりはないが、7人の型破れ刑事が持っているピストルがカッコよくてね。
モーゼルだとか、コルト・パイソンだとか、ルガーだとか、ワルサーPPKだとか、シビれたものだった。
一番好きだったのは3巻完結の大長編「緑の墓」。
「緑の墓」というのは私設刑務所の名称で、そこに収監されている1人にこういうセリフがあった。
「『三億円事件』の計画の一部は私が立案した」
1968年に警官に扮した犯人が現金輸送車から三億円を奪ったいわゆる『三億円事件』は当時とても重大な出来事で、我々の世代の人間には強く印象に残っていると思う。
だからこのマンガの中のセリフがととってもカッコよかったワケ。
今から56年前の「3億円」というと現在では50~100億円に換算されるらしく、現金強奪事件の被害金額としては今でも日本史上最高なのだそうだ。「下山さんとオガンちゃんのデュエット」と紹介されたのが次の曲。
まずはヒロアキくんのギターによるイントロ。
お、このメロディは…
ドラムスのフィルが入って…
「♪ああ~果てしない…」
おお!「大都会」!「♪裏切りの言葉に~」
オガンちゃん、コレをやるためにわざわざコスプレしたのか!
でもいい感じ!
何しろ私はオガンちゃんが「21世紀の精神異常者」を歌うのも見てますからね。
ハモリも完璧!
それにしても田中雅之さん役の下山さんがスゴイ!
ホントにノドにMarshallの壁が入っているようだ。
やっぱり毎日ラーメン食べようかな。トリッキーなフレーズ運びのソロを聴かせてくれたヒロアキくん。コチラはこのヒロアキくんが使ったギター・アンプの方のMarshall。
細かい説明は<前編>をご覧あれ。ココもハイライトだったな~。
充実した演奏と楽しいおしゃべり…最高のエンターテインメントが進行中!「この曲はやっぱり東京で演るとシックリくるな~」
ココでまたラーメンの話…子供の頃から毎日ラーメン食。
麺とスープはできるだけ残さず頂く。
それでいて下山さんが人間ドックにかかると血液検査なんてチョロいもので全項目をクリアするそうです。
コレにはお医者さんもビックリ。
「毒を喰らわば皿まで」…完全に「ラーメン健康法」を確立した下山さんなのである。
「塩分控えめ」が金科玉条に叫ばれているけど、ちゃんとした塩は摂っても身体に悪くないという話もあるからね。
塩にヘンテコリンな化学成分が入っていたり、あるいは塩と一緒に摂る化学物質が良くないということらしい。
「ということで昭和歌謡コーナーを終わって、山口県下関市が生んだ奇跡のギタリスト、田川ヒロアキのコーナーでございます」
「全て台本通りっていうのがすごいですね。
これまでのMCも全部リハーサルしていましたからね。
一語一句間違えずに披露してるっていうとこがやっぱりスゴイなぁ~」
とヒロアキくん…ウソこけ! でもね、谷啓さんは本当にそうだった。
上で触れた大学時代のビッグ・バンドのリサイタルのゲストに谷さんをお呼びしたことがあったんだけど、谷さんはMCまで含めてリハーサルと本番が全く同じだった。
MCは内容どころか、一言一句、話すスピードまで完全に同じだった。
アレには驚いた。
下はその時の本番のようす。よみうりホールで撮った時の写真。
立って指揮をしているのが谷啓さん。
ギターを弾いているのは私。 「歌い手の究極の形っていうのは、いくつになっても歌えるってことではなくて、舞台に出て来ただけでもうその声がお客さんに聞えるみたいなね。
『今から歌います』って言うと、めくりに『キル・ザ・キング』とか書いてある。
で、何もしないで舞台に立っているだけで、お客様の頭のにボクの歌声で『キル・ザ・キング』が鳴っているワケよ。
ぴったり4分22秒くらいで『ワァ~!』ってなって、お客さんが『いいキル・ザ・キングだったね~』って言う。
一言も発しない。それが究極の達人じゃないですか?」
ハハハ!それじゃ五代目古今亭志ん生ですわ。
ある時、志ん生がベロンベロンに酔っぱらって高座に上がったまでは良かったが、噺をしている途中で寝てしまった。
それに気づいた弟子が慌てて舞台に出て行って師匠を起こそうとすると、客席から「オイ、起こすんじゃないよ!オレたちは寝ている志ん生が観たいんだから!」と言って誰ひとり「金を返せ!」とは言わなかったそうだ。 各メンバーをフィーチュアするコーナーの最後はヒロアキくん。
次に演奏する曲の説明を乞われた。
「今から5年前にアメリカでレコーディングした曲です」
5,500人の応募者の中からオーディションを勝ち抜いてパラリンピックの開会式に出演するまでの紆余曲折を披歴。
無観客の開催にはなったが、そのパフォーマンスを大勢の人にテレビで見てもらいSNSのトレンドにもなったのはとてもうれしかった。
それに向けてクラウドファンディングを通じた皆さんのご支援でアメリカに行ってレコーディングしたのが次の曲「SKY」。
ウチはアメリカのMarshallのスタッフのヒュー・グリマーティンに頼んでヒロアキくんがいつも使っている「JVM」というモデルをレコーディング・スタジオに送りましたな。
もうアレから5年も経ったのかよ!
「私は全然見えないので空がどういう風になってるとかわからないけど、ナニか勝負事とか、ガンバっている時にフト空を見上げたらこういう気持ちなのかナァと想像しながら作った曲でございます。
英語と日本語の2つのバージョンと作りまして、日本語バージョンは私が歌いました。
一方、英語のバージョンはアメリカで映画音楽を歌ってるシンガーにお願いしました。
レコーディングの時、私以外は全部アメリカのミュージシャンでしたので、日本ではどういう風にやればいいかな~と思っていたんですけど…身近にこの曲を歌ってくださるスゴい方がいらっしゃった。
こんな近くに!灯台下暗しですね。
下山さんに『SKY』の英語バージョンを歌って頂きます。
よろしくお願いします」 可憐なギターな音で始まる「Sky」。下山さんの歌がスッと入ってメロディをなぞる。
歌詞は英語だが、ヒロアキくんが日本語で歌っているいつもと同じ「Sky」だ。
ところが、曲が進むにしたがって徐々に様相が変わって行く。曲は空を突き抜けるかのように力を放ち、この曲が本来持っているドラマ性を下山さんの歌が極限まで演出し尽くしたのだ。 そしてそのドラマを更に色濃くしたのは作曲者本人のギター・ソロ。
どんなに感情を込めて激しく弾いても、「美しく弾く」のが「田川流忍術」。
その「美」をサポートしているのがMarshallなのだ。コレにて本編は終了。
そしてアンコール。
「アンコールありがとうございます。
もうちょっと演らせて頂いて今日という日を終わろうと思います。
昨日(前の日はひたちなかだった)、今日と関東進出はどうでしたかね?…皆さまの支えのおかげで大成功じゃないですか?
いつも西の方でしか演っていないので今日は東の皆さまにお見せ出来てよかったと思います。
ボクら岡山のバンドではないんですけど、もしよかったらボクらを支えてくれている岡山の『CRAZY MAMA』というライブハウスにもお越し頂きたいと思います。
そんな感謝の気持ちを込めて『Kingdom Stars』という曲をお送りします」
「CRAZY MAMAには名だたるミュージシャン達がいつもチョロチョロしているんですが、コロナ禍でライブハウスが大変な時、このCRAZY MAMAを救済しようじゃないか…ということで全国からそのチョロチョロしているミュージシャンたちが集まってCDを作ったんです。
その制作の苦労を1人で背負ったのがこの田川ヒロアキさんでございます。
あの時は大変でしたね~」
「大変でした。
光栄なことですので、最初『4、5人ぐらいの参加者だったら出来るかもしれない』と思って引き受けたんです。
下山さんが日本語と英語の歌詞をお書きになって、私が曲を作って、さぁやりましょう!ってなった翌日に平井さんから『メンバーが増えて10人ぐらいになりました』という連絡がありました。
それが20人ぐらいになって、最終的に32人!
全部で3曲あったので、最終的に360トラックくらい使いました。
参加されているのが錚々たる方々ですのでパート決めから苦労しました。
ヒイキがあってはいけないし、出番が少ないとか、音が小さいとかいうことになるとご本人だけでなく、ファンの方々もガッカリさせてしまいますからね。
かなり気を遣いましたが、最終的にはミュージシャンからも、ファンの方々からもクレームが1件もありませんでした…うれしかったですね」
確かにこの頃ヒロアキくんは「大変です!」と言っていた。
なので、私も連絡をするのを控えていたよ。
「大勢が寄ってたかって作ったモノを今日はこのたった4人で演るという。
何10人もいるボーカリストを1人で演るのは大変だよ、コレは。
そういうところを聴いてもらいたいと思います」
コレがその『KINGDOM STARS』。またしても下山さんの雄叫びが爆発する壮絶なドライビング・ナンバー!転調して入ってくるギター・ソロ。
思う存分弾きまくった!続いてオガンちゃんのヘヴィメタルなソロ!そして、洋介さんがどこまでもパワフルにバンドをドライブさせた!
曲の締めくくりではヒロアキくんが燃え上がるような入魂のカデンツァを披露した。 「キマりましたね。
まるで曲が成仏したかのようです(←ムム!コレはいい表現だ!下山さん、どこかで使わせてください!)
どうもありがとうございました。
もう終わりにしてもいいんですけど、まだレパートリーもございますんで出し惜しみせず演っちゃいます。
ココからは皆さんがよく知っているカバー曲ですので一緒に歌いましょう」アンコールの2曲目は「Anything You Want It」。
コーラスがバッチリとキマる。
エ~!コレって時々巷で耳にするけど、ジャーニーの曲だったんですか!
ゼンゼン知らなかった!LAメタルの系統かと思っていた。
その昔、ジャーニーは「初期のアルバムならウッシーも絶対気に入るから!」と令文さんに強く薦められて2枚ほど買って聴いたんだけど、全くダメだったのです。
だからゼンゼン知らないの。
でもコレはとてもいい曲じゃないですか!
きっと4人の演奏がヨカッタからだな?
「ありがとうございます。
お楽しみ頂きましたRock Ninja、まるで忍者のような偏見自在な曲でお楽しみ頂きました。
また来年、我々のコンサートが関東であるかないかは今のところわかりませんが、とりあえず11月の末から12月1日にかけて関西方面でツアーをしますのでもしよかったら遊びに来て頂きたいと思っております…1年の締めくくりにRock Ninja。
ありがとうございました!
ボクらも楽しかったです!」「♪Rollin' rollin'」…Rock Ninjaが東京初進出ライブの最後に取り上げたのは「Proud Mary」。
いいですね~。
コレがまた規格外のブッ速いテンポで気分爽快!
しかし、今時「CCR」なんて知っている若い人っているのかな?
Creedence Clearwater Revival(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)ね。
実は私もドンズバで通っているワケではないんだけど、この曲とか「Born on the Bayou」とか「Have You Ever Seen the Rain」だとか「Down on the Corner」とか「Bad Moon Rising」とか、カバーの「I Put a Spell on You」とか、ロックが一番クリエイティブだった時代の遺産をたくさん抱えているバンドだわね。
このCCRとかCanned Heatあたりなんてのは「アメリカのロック・バンド」のアイコンって感じが私にはする。
イギリスの国民的バンドであるStatus Quoもカバーして人気を集めていたけど、CCRの中心メンバーだったジョン・フォガティの「Rockin' the World」なんて曲を日本の若者が聴くようになれば日本のロックの未来がもっと明るくなるような気がするんですけどね。
そういえば、令文さんとStatus Quoの話をした時、真剣な顔をして「メンバーになりたい」っておっしゃっていたっけナァ。
ヘビメタから昭和歌謡、クラシック・ロック、そしてメンバーの自作曲までバラエティに富んだ選曲と一瞬もお客さんを飽きさせないおしゃべりでとても楽しいステージとなった。
ホントにオモシロかった!
終演後はチェキ会。
メンバーと写真を撮って…このサイン入りの色紙にその写真を貼り付けて一生の思い出に…。
至れり尽くせりのRock Ninjaでありました!
下山武徳の詳しい情報はコチラ⇒TAKENORI SHIMOYAMA Official Website
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano
CRAZY MAMA KINGDONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website
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