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2022年12月13日 (火)

ART~D_Drive with ENTERART <前編>

 
人気のシリーズ企画「フロア・ライブ」を通して今やD_Driveの首都圏エリアの一大ホームとなった新横浜strage。
今回もそのホームでのライブのレポート…なんだけど、お店の「TODAY'S MENU」に記された内容がいつもとチョイと違う。
「ART」、そしてD_DriveとENTERARTと表記されている。10v_2D_DriveRさんご一同様からのありがたき祝い花の立て札も「祝開催! ART D_Drive with ENTERART」となっている。15v続いて会場内のようす。
SeijiさんのMarshall。20vYukiちゃんのMarshall。30vToshiくんのEDEN。
いつも通りのフロア・ライブの光景。
40v…かと思ったら、ChiikoちゃんのNATALもフロアにセットされている。
結果、ステージは「もぬけのから」。50v「もぬけのから」は正しく漢字で書くと「蛻の殻」。
下がそれ。
セミやヘビのヌケガラのことを「もぬけの殻」という。
「から」は「空」じゃありませんよ。9mk 今日はそんな状況でお送りするショウ、「ART」。
D_DriveとENTERARTの共演だ。60v_po「ENTERART」はYukiちゃんのお姉さんが主宰するダンス・パフォーマンス・プロジェクト。
神戸で『チェリーを三つ入れてください。』というD_Driveとの共演を成功させたのはすでにMarshall Blogでレポートした。
 
チェリーを三つ入れてください。<前編>~私の新開地(上)
チェリーを三つ入れてください。<中編>~私の新開地(下)
チェリーを三つ入れてください。<後編>~私の三ノ宮

この時から早くも3年も経過しやがんの。
コロナ直前のとても楽しい思い出だ。
この「D_Driveの音楽とコンテンポラリー・ダンスの融合」の形を変えて再演するのが今回レポートする『ART』だ。70開場時間となった。
会場に入ったところからもう「ART」。120ランプを持ったパフォーマーたちがお客さんを迎え入れる。130ちょっとコワい?140慣れない雰囲気に、一瞬ギクっとなっているお客さんもいらっしゃった。150ランプを手にした3人のパフォーマーが場内を逍遥する。160満席。
2日間、2回の公演のチケットはすべて売り切れ。
『チェリー』を未見のお客さんは「これから一体どうなるんだろう…」という緊張の面持ちを隠せない。
一方、その頃楽屋では…
200リラ~ックス!1905分ほど開演時間を押して『ART』がスタートした。
曲は『DYNAMOTIVE』から「Be Yourself」。
フロアで演奏する4人の後ろのステージにダンサーが1人登場する。210Seiji220vYukiS41a0006 Toshi0r4a0238 Chiiko250vひとり舞台で舞うのはYukiちゃんのお姉さんのYukariさん。
ダンスのテーマは「私の昔話をしようと思う」。
260脚立を利用してのパフォーマンス。
この脚立が最後まで重要な役割を果たす。S41a0015 曲の後半に差し掛かるとYukariさんはマスクと上衣を脱いでパフォーマンスに変化を加えた。S41a0037 2曲目は同じく『DYNAMOTIVE』から「Breakout」。290_boSeijiさんが弾くリフにつけるアクセントが今日もカッコいい。295冒頭からヘヴィなサウンドをブッ放すChiikoちゃん。
ココでのライブはいつも生音だけど、今日はいつもよりドラムスの生音が近くてお客さんは気持ちヨカッタのではなかろうか?
Chiikoちゃんのドラムスの生音の破壊力ってスゴイからね。310v相方のToshiくんもノッケからハジけまくり!
今日もバリバリと規格外の低音をお見舞いしてくれそうだ。320v手拍子でお客さんをアオるYukiちゃん。
7弦ギター曲を2つつないで『ART』はヘヴィにスタートした。330「皆さんこんにちは!
D_Drive、そしてENTERARTの『ART』にご来場くださいましてありがとうございます。
開場の時からENTERARTの『ART』な空間をお楽しみ頂けたと思います。
私たちのロックとコンテンポラリー・アートのコラボレーションをタップリ堪能してお帰り頂きたいと思います。
ENTERARTとD_Drive…ほとんどの方がご存知だと思いますが、私の実の姉のYukariがこのENTERARTを主宰しております。
姉はニューヨークのコンテンポラリーダンス・カンパニーに所属しているんですが、帰国する機会があったのでナニか一緒に出来ないか?…ということで、今日こうして『ART』を開催することになりました。
実際はコロナになる前の2020年1月に『チェリーを三つ入れてください。』というコラボレーション作品を神戸で上演しました。
私たちも新しいアルバムも出したことですし、新しい曲でまた新たに振付をしてもらって…という感じで今日は新しいパフォーマンスがたくさんお見せできると思います」
360「『チェリーを三つ入れてください。』の時は大きな会場だったんですが、今日はそれよりチョット規模は小さくなります。
でも、ダンサーとバンドが共演する企画というのは非常に珍しいんですよ。
インストなんで歌詞が無い我々は楽器の演奏で表現するしかない。
ダンサーさんは身体。
しゃべるワケではないので、身体で表現するんですね。
演奏とその身体の動きでひとつのモノを表現する。
非常におもしろい…演っててボクらもおもしろいんです」
350v「しかもコンテンポラリー・ダンスとロック結構離れてると思うんですよ。
コンテンポラリー・ダンスを演る時の音楽でROCKって少ないと思うんです。
ですから今日はレアなケースをご覧頂けるかなぁ~と思っております。0r4a0157チョット補足させて頂きますと…歴史的かつ基本的には音楽は舞踏の道具なんですよ。
踊りが先にあるの。
言い換えると、音楽は聴いて楽しむモノではなくて、どちらかというとそれに合わせて踊って楽しむための「道具」なんですよ。
クラシックからしてそう…もちろんオペラとか管弦楽曲に代表されるような鑑賞専門の音楽もあるけど、「ナントカ舞曲」なんて枚挙にいとまがない。
その代表はヨハン・シュトラウスかな?
ジャズも同じ。
元々はダンスをするための音楽がジャズだった。
ロックだってそう。
「ロックンロール」という言葉は身体を「ロック=揺らす」や「ロール=回す」とかいう意味だから。
だからダンスと音楽がくっ付くのは全く自然のことなのだ。
また、ダンスとロックの融合というのも昔はよくやっていたような気がするな。
確かにYukiちゃんが言うように、今となってはロックはダンスと別れてアニメと結婚しちゃった感じですな。9jazz 今日の出し物の中で「この曲のイントロはやり易いんじゃないの?」と思っていた曲が次に来た。
「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」だ。
いつものストップ・モーションのシーンからChiikoちゃんのスネア・ドラムが炸裂!S41a0245 そしてSeijiさんが奏でる最高にクールなメイン・テーマのメロディ。
380vダンサーはステージの上でベールで作ったボールを投げたり、解いたり。
コレは「無垢な時代」を表現している…なるほど!
370_rlglそして、「Begin Again」へとつなぐ。
ココのクダリも何回聴いてもカッコいい~。420v_baダンサーはそのベールを身にまとい、楽しそうにジャレあっている。390D_Driveの皆さんは後ろを見ながら演奏するワケにはいかないので、ステージでナニを演っているのかが気になる。Img_0066 あ…見ている人もいる。400曲のイメージに合わせてステージの上で活発に走り回る3人。410「あ、こんなこと演っていたんですか?!…ビックリ!」440v楽しそうだナァ~。
果たしてお客さんはステージの上か、下か、どちらを観ているんだろう?
ココは「上」だな。
430v親指が立った。450v_tuおなじみの「Thums Up」ポーズ!460vToshiくんのベースがブイブイ唸る!470v「Thumbs Up」はD_Drive単独の演奏。480「今年の夏にMarshall Recordsから世界リリースされましたセカンド・アルバム『DYNAMOTIVE』の収録曲をお聴き頂きました。
たくさんの方にご購入頂いて、みなさんタップリお聴き頂いていることと思います。
今日は『DYNAMOTIVE』からの曲を色々と演らせて頂こうと思っています。
ところで、レコーディングって、録音して終わりではなくて、その後にしなければならない作業が色々あるんですね。
そのひとつが、ミキシングという作業で、バラバラになっている各楽器の音源をミックスするワケです。
D_Driveの場合、『Maximum Impact』も『DYNAMOTIVE』もニューヨーク在住の日本人の方にそのミキシングという作業をして頂いています。
そのミキシングをご担当頂いた方が昨日・今日と会場にいらしています。
今年のグラミーで『最優秀ジャズ・アルバム賞』を獲得したアルバムのミキシングを手掛けた人です。実は…別に隠してるワケではないんですが…。
どれぐらいの方がご存知なんだろう…私の兄だって言うことを。
あっ、結構ご存知ですね。
私の義理の兄がミキシングをやってくれました。
私たちのアルバムもいい感じにして頂いて、Marshall Recordsからも高い評価を頂いているんですよ!」
520v別に隠しているワケではないのだが…どれぐらいの方がご存知なんだろう…『チェリーを三つ入れてください。』の時に私がその方にお会いしているということを…。
ということで今回、記念撮影をして頂きました。
『DYNAMOTIVE』に「Akihiro Nishimura」とクレジットされている方…それがアッキーさん。
80vまた紹介しちゃおっと!
コレがそのグラミー賞を獲得したアルバム『SKYLINE』。
ゴンサロ・ルバルカバ、ロン・カーター、ジャック・ディジョネットからなるピアノ・トリオ・アルバム。
このアルバムはすごくいいですよ。
録音だけじゃなくて演奏が素晴らしい。90cそして、コレがアッキーさんが獲得したグラミー賞のトロフィ。
当日アッキーさんが写真を見せてくれたので、「是非マーブロに!」とお願いして後にシェアして頂いた。
私は普段、「ハヤリモノ」で騒いでいるグラミーなどには何の興味もないんだけど、その一方ではこうした芸術性の高い作品にキチっとスポットライトを当てていることには大きな敬意を表したい。
売れ線の音楽だけで浮かれているだけじゃない…それがアメリカなんだよね。
ヨーロッパも同じで、日本とは丸っきり状況が違う。
コレは聴衆のレベルの差なんですよ。
日本人は何事もひとつ当たると100%それだけになってしまう。
音楽でも、美術でも、映画でも、「アレもあるけど、コレもある」という状態を保っておかないと物事が発展しないことを欧米の連中は知っているんだと思う。
だからD_Driveなんかは価値のあることをしていると思うよ。
CDを買って頂いたりライブに足を運んでご支援を頂いている方には敬意を表したい。
100v授賞式でのスナップもお借りした。
ピアノのゴンサロ・ルバルカバと。
ゴンサロはキューバの出身で、どうだろう…私が学校を卒業した後の1985年ぐらいから一気にその名が知られるようになった感じかな?
キューバの音楽事情ってのは世界でも指折りですからね。
スゴイ人ですよ。
時々、同じキューバのチューチョ・バルデスと間違えてしまうのはココだけの話ね。
アッキーさん、私とのツーショットの時よりチョットだけうれしそうにしている風に見えるか?…当たり前か!110vチョット脱線。
ナンダって私がこのピアノ・トリオのことをこんなに書くのかというと、ドラムスにジャック・ディジョネットが参加しているから。
ベースで参加しているロン・カーターとともに時期は違えど、2人はともにマイルス・スクールの卒業生だ。
ロンもグリニッジ・ヴィレッジの「ヴィレッジ・ヴァンガード」で観たけどチョット、ん~だったかな…その時はずっとチェロを弾いていたせいかも知れない。
ところがディジョネットはホンモノを観て本当にブッ飛んでしまった。
今の家内と観に行った1983年の『Live Under the Sky』。
ディジョネットはソニー・ロリンズのカルテットで出演して、タップリとドラム・ソロを演ってくれた
コレは「くれた」というのがミソで、私はドラム・ソロはいつだって手短にお願いしたい方なのだ。
ところが、ディジョネットのソロはいつまでも観ていたいぐらい本当にスゴいソロだった。
それ以前から好きだったけど、ドップリと惚れ直したという次第。
私の人生の3大ドラムソロは、そのジャック・ディジョネットと、UKで来日した時のテリー・ボジオ。
それと1977年のサンタナの来日公演で観たグラハム・リア。
多分、死ぬまでコレは変わらないだろうナァ。
若い時に観ているから感動の度合いが違う。
そんな私のアイドル・ドラマーが参加したアルバムこそがアッキーさんが手がけた『SLYLINE』なのだ。
D_Driveも早くグラミー賞にノミネートされないとイカンな。
もちろんカテゴリーは「Best Prog Rock Band」ね。
脱線終わり。
0r4a0164 「皆さん、入場された時にポストカードを受け取って頂いたと思うんですが、その裏にQRコードがついています。
それを読み取って頂くと今日のプログラムや出演者のプロフィールが見れるようになっています。
ご覧になっていない方は休憩の時に是非チェックしてみてください!」530vそのポストカードと言うのはコレ(左)。
右はこの日のために用意されたステッカー。0r4a0539続いての曲はYukiちゃんのファンク・ストラミングが特徴的な「Wings」。
540v_wiこの曲もD_Driveのみのパフォーマンス。550v

560v

570v曲の最後の方にダンサーが登場して次の「U_Me」につなげた。580_umここでもベールを大胆に活用。
600テーマは「時が行けば幼い君も大人になると」。630以前、「後半のToshiくんが弾く和旋法のピックアップ・ソロのパートでYukiちゃんが日本舞踊を舞ってみたら海外でウケるのでは?」なんてことを書いたことがあった。640v我ながらそのことが気になって「梅」に関する日本舞踊にはどんなモノがあるのかチョット調べてみた。
オイオイ、想像をはるかに上回る演目数だぜ!
端唄の「梅にも春」、長唄の「松竹梅」、有名な「梅は咲いたか」に「梅と桜」、大和楽という新しい日本舞踊の流派にはズバリ「梅」という演目もある。
Seijiさんは正しかった。
桜もいいけど、日本人は「梅」だよ!
どうせ梅干しスキなんだから!
 
9nb

しかし、そうして考えてみると、ロックの分野において「梅」をテーマに引っ張り出してきたSeijiさんの所業は大きな功績だぜ。590バラエティ豊かに展開する「梅」の風景を表現するメンバーたち。620vレコーディングの時にこの曲が一番ムズカシかったというChiikoちゃんも、今ではすっかり自家薬籠中のモノにした。
前にも書いたか?…でも本当にそういう感じがするんだから何回書いてもよかろう。660v「『DYNAMOTIVE』から2曲お送りしました。
続いては『Maximum Impact』からいってみようかな~と思っています。
ところで、さっきの『U_Me』みたいな曲はコンテンポラリー・ダンスにすごく合いますね。
私も後ろを見たかった!」
680v「D_Driveには割と色んなタイプの曲がありますからね。
すごいアップテンポとか激しい曲に振付が入ってくるとなるとすごく新鮮ですね。
斬新というか、姉の振り付けとダンサーの即興の部分も結構多いと思うんですけど、やっぱり私たちの想像していない動きだったり、すごい速い曲なのに敢えてゆっくり動いたりとか…そういう風なところもあってとても奥深いですね。
やっぱりアートな世界って本当に奥が深くてオモシロイな~って思います」670『maximum Impact』から「The Last Revenge」。
Seijiさんのディレイ・トリックを使ったイントロ。690v_lrYukiちゃんが弾くメイン・リフ。
不滅のD_Driveのキラー・チューンのひとつ。
710vこの曲もD_Driveのみのパフォーマンスだった。700ダンサーが加わって換気休憩の前の第1部を締めくくったのは「M16」。720脚立にベールを絡ませてのパフォーマンス。730ますますエスカレート!
770振付のテーマは「この場所は私たちを甘く甘く甘やかす」。740

750v

760vバンド・チームが押したり引いたりしているウチに…
780アッという間に第1部終了!
D_Driveのライブってホントいつもアッという間なんだよね。
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website

790<後編>につづく
 

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200 (一部敬称略 2022年11月20日 新横浜strageにて撮影)