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2019年7月17日 (水)

Marshall工場見学 2019 <前編>

  

27nb 

まだまだ続くイギリス・ネタ。
ナンのナンの!D_Drive関連のレポートが終わったところで、コレからが本番よ。
何せ好奇心丸出しで3週間もカメラを担いで方々ほっつき歩いたワケだから!
これからShige Blogと合わせてThe Kinksだの、10ccだの、産業革命だの、スタンリー・キューブリックだの、ウィンストン・チャーチルだの、またジミヘンだの、トックリやっていきますのでお好きな方はお楽しみに!
お好きでない方には…ゴメンね。
 
まずはおヒザ元、我がMarshall本社の最新工場見学から…。
しかし、これまでに一体何回工場見学したかナァ~。
9回目までは数えていたんだけど、それももう大分昔のことで、もうサッパリわからない。
はじめてココに来てから17年が経つんだけど、この光景はガンとして変わらん。
ま、この写真はチョット珍しいけどね。
ナニが珍しいかと言うと、車が全く停まっていないでしょ?
とある日曜日の午前中に撮影したモノ。
天気悪いな~、でもこの数分前は青空だったんだよ。

102012年に「50周年」のエンブレムが付いたりしたものの、この正面の光景も変わらない。

20すぐ上の写真と下の写真ではかなりの時間差がある。
下はMarshall Liveの告知ポスターが貼ってあるでしょ?
もはや相当なつかしい!

25vMarhsall本社の出で立ちは変わらずとも、周囲の状況はずいぶん変わった。
あんなに何にもなかったのに、いつの間にか工場の向かいの奥にはIKEAができ、それももうスッカリおなじみの光景になってしまった。

12ikmk そして今回4年ぶりに行ってビックリ。
ハス向かいに「ALDI(アルディ)」が出来ていた!
ALDIと言っても日本の方々には馴染みが薄いかも知れない。
それと「Lidl(リドル)」。
ALDIもLidlもドイツ資本のディスカウント・スーパー。
以前、社長が騒いでいたのでよく覚えているが、この2つのスーパーマーケット・チェーンがイギリスに上陸して来たおかげで、TESCO、Sainsbury's、ASDAといった在来のイギリスのスーパーマーケット・チェーンがズタズタになってしまったという。
イギリスのスーパーマーケットにしてみればドイツから来たアリゲーター・ガーみたいなモノだ。
あるいはカミツキガメか?
…ということで、様子を見に行ってみた。
確かに値段は安いが、この店舗に限って言えば品数はそう多くなく、どちらかというとまとめ買いをさせて値段を下げる商法と見た。
結構な賑わいで、お客さんは皆、信じられない位大量のアイテムをショッピング・カートに入れていた。
私はやっぱりSainsbury's とかTESCOとかのイギリス在来種の方がいいナァ。

715コレもおなじみのエントランス。
D_Drive特別出演。

40このJVM、昔はJCM900のフル・スタックだったんだよ。
ん?ヘッドとAキャビが少しズレてるじゃん。

45vヘッドの横に飾ってある額縁にはアン王女が来社した時の写真が入っている。
その時のようすはコチラ⇒【英王室アルバム】Her Royal Highnessがお見えになりました!

46vこの棚の中身はMarshallのアクセサリー類を展示しているんだけど、いつの間にかBluetoothスピーカーやヘッドホン等のLifestyle商品ばかりになっちゃった。
そうだ!思い出した!
ものスゴイどうでもいいことをひとつ。
この棚の裏にトイレがあるんだけど、そこでひとつ英語の勉強をさせて頂いた…トイレだけにね。

50誰がやるんだか、最近またfacebookで「コレを何と呼びますか?~ミュージシャンなら知っておきたいモノの名前」みたいなクイズを見かけるようになった。
その中ですごく気になるのが下の写真のアイテム。
正解はチェックしていないんだけど、クイズは三択方式。
答えの候補の中に「シールド」というのがあって、他の2つの候補はお呼びもつかないモノだったのでそのまま「シールド」が正解なのだろう。
で、この名称に関する問題…もうマーブロで何回も取り扱っていて恐縮なんだけど、この後のトイレで学んだ英語を紹介するためにもう一回やらせて頂く。
 
約45年前、私がギターを始めた中学生の頃、このギターとアンプをつなぐ線のことを「コード」って呼んでいたと思う。場合によっては「線」かな?
ある時楽器屋のお兄さんがそれを「シールド」と呼んでいることに気づいた。
「シールド?コードじゃないのか?シールドねぇ…なんかプロっぽくてカッコいいナァ」と思った。
「コード」を「シールド」って呼ぶだけでギターがウマくなる気すらした。
だってあの当時、楽器屋の店員さんは「神」だったからね。
まさに「シールド」という言葉は神のお告げだった。
楽器や英語の知識がつくにしたがって、「シールドってのも変な言葉だな?」と思うこともあったが、それから何十年もの間、そのギターとアンプをつなぐ線のことを「シールド」と呼んでいた。
そして、初めてMarshallの工場に行った時、「シールド」というのは極東の島国の方言であることを確信した。
確かに内部の導線が金属や組みひもで被覆(シールド)してあるのでコレ自体を「シールド・ケーブル」と呼ぶのは決して間違いではないんだけど、「ギター用のコード」としてこれを「シールド」とだけ呼ぶのは日本だけなのではないか?
だから海外の現場で「シールド貸してください」とクラブの人に頼むと「Haaaa? What do you mean by 'shield'?(シールドってどういう意味?)」と言われるのではないだろうか?
「Shield cable」と言えば、相手が気のきいた店員さんなら対応してくれるかも知れない。
やったことがないのでわからないけど…今度Marshallに行ったらやってみよう。
では海外では日本で言うところの「シールド」を何と呼ぶか…。
イギリスでは「Guitars leads(ギターズ・リーズ)」と言う。
「ギターズ・リーズ」…この言葉も最初は口にするのが恥ずかしかった。
同様に電源用のコードのことは「Mains leads(メインズ・リーズ)」という。
こっちはナゼかそう恥ずかしくなかったので、「リーズ」の世界にはコチラから入ることにしたし、実際に仕事でこの言葉をよく使った。
一方、実はいまだに「Guitar leads」って言うのが恥ずかしくて、私は「Guitar cable」って言うようにしている。
コレは海外どこでも全く問題なく通じます。
そんなこんなで、今では「シールド」という言葉は「ツーマン、スリーマン」ぐらい恥ずかしい言葉になっちゃった。
だから若い女の子のギタリストが「私のシールド」なんてチョット専門家ぶって口にしているのを耳にすると不憫でネェ。
ね、私のお友達のギタリストさん…私はゼッタイに「シールド」って言葉を使わないでしょ?
地下鉄工事のシールド・マシンを指す時はは別よ。
ご参考までにイギリスの人たちは「ギター・ピック」のことを「Plectrum(プレクトラム)」と言います。
コレはイギリスの方言なので「Pick」でもOK。

Glココで疑問が湧いてくるのが、じゃ一体「コード」ってなんだ?ということ。
その答えは、このMarshallの工場のレセプションのトイレが示してくれた。
ココのトイレってナゼか電気のスイッチが壁に埋め込まれておらず、よく日本家屋で見かける電灯についているヒモを引っ張って電気をつけたり消したりするようになっている。
そして、正確な表現ではないが、そのトイレの壁に貼ってある紙に「Pull down the code to light」ぐらいのことが書いていある…写真を撮っておけばヨカッタ。
「おお!こんなところにCodeが!」
ああいう「カッチン」ってやるヒモのことを「Code(コード)」って言うんですよ。
タメになるな~。
 
現地で生活することなく、こうやってひとつひとつ英語を学んでいるワケだから、コリャ一生かかってもマスターできんわな。
だから留学ってのは効率がいいワケだ。
私もクラウドファンディングで留学させてもらおうかな?

Codeハイ、次。
CODEやEDEN…

60NATALの展示も相変わらず。
アイテムはさすがに替わっているけどね。

70ロンドン名物の電話ボックスも据え付けられた。

75Marshall仕様の黒。

80vJVMの洋服ハンガー。

90vそして目下の自慢はコレ!

100Marshall仕様のジュークボックス。
昔は人が集まるところではどこでもよく見かけたよね。

105ロッカー・スイッチにゴールド・トップ&ブラック・ボディのノブ。

110スピーカー部分にはECフレットが使われている。
よ~やるわ。
130ちょっとダブついてはいるけど、ちゃんとレヴァントのカバリングが貼ってある。

120vしかし、この中にドーナツ盤を入れて実際に回して音楽を再生するんだからスゴイ。
あまりにも前時代的だけど、最高にカッコいい。
今の若い人はジュークボックスなんて知ってるのかな?
音楽がタダでなかった佳き時代の産物だ。
音楽をかけるのに「2曲100円」とか、だなんて想像すらできないんじゃないかね?
イヤ、音楽ってのはそもそもそういうモノなんですよ。
音楽を作って生計を立てている人がいるんだから。タダじゃマズイ。

140入っていた曲のリストはほんの数曲。
「Rock around the Clock」やバディ・ホリーが数曲。
バディ・ホリーってのはそれこそ「Legend」としてイギリスでの地位が高いね。
日本とはゼンゼン認識が違う。
かの有名なハマースミス・オデオンが、バディ・ホリーの生涯最後(1959年、23歳の時に飛行機事故で死亡)のイギリス公演をそこで演ったことを自分で称えているぐらいだから。
詳しくはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.33~ハマースミスが好きだった <後編>

145vベトナム工場の写真。
私も写っているんだけど、この時帽子をかぶっていないので拡大は厳禁!ハゲハゲだから!

150こんなのやっていたのか…2017年10月19日。
「Theatre」と呼んでいる工場内のホールで開催した『Joseph and Amazing Technicolor Dreamcoat』というミュージカル。
「£5」って…800円ぐらいだよ。
というのは、1966年に設立された障害を持つ児童を援助する「Maclntyre Charity」という団体によるのチャリティ・コンサートだったから。160v演目はティム・ライスとアンドリュー・ロイド・ウェバーが学生時代に作ったミュージカルで、2人の作品が1968年に初めて公に上演された記念すべき作品。
下は今回サウス・ケンジントンの駅で見かけたポスター。
今でもこうして上演されている。

165v私もウェバーが好きなので、ロンドン・パラディアム・キャストのCDを持っているんだけど、ん~、ちょっとソリが合わないんだな。
何回聴いても入り込めん。
『ヨセフと不思議なテクニカラー・ドリームコート』として2016年に来日公演があったようだ。

170ココは社長室の応接間。

180v目に付くのはMarshallビールと…

190Marshall仕様のアコーディオン。
ビラっと蛇腹を広げるとジョンの顔が出て来そうだな。

200レセプション2階のミュージアム。

210去年、日本は『スパイナル・タップ』ブームだったからね…一部では。

210v先日、こんな動画に出くわした。

昨年の3月に亡くなったMarshallの創設時メンバーのひとり、ケン・ブランが所有していたJTM45。
息子さんのマシューにより、2014年に当ミュージアムに寄贈された。

220ウワ~!
コレは!
チョットここには書けん。
私にとっては、いい思い出とイヤな思い出がべったり背中合わせにくっついた幻系モデル。

240コレは最近仲間入りしたスコット・ゴーハムが愛用していた1959。
Thin Lizzyの黄金時代を作ったMarshallだ。

2501962BluesbreakerのSERIES I。

2601965年以前の製品。
コレは前からあったかな?
ミュージアムは4年前と大きな変化はなかった。

270<後編>につづく。
次回はあまりの様変わりに私もビックリした「事務所棟」へご案内します。
 
さて、11月9日の『Marshall GALA 2』。
まだお席がございます。
近いうちにソールドアウトとなることが予想されますチケットはお早めにお求めください。

Marshall GALA 2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します! <マーガラ情報 vol.1>
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(2019年5月28日~6日17日 Marshallにて撮影)