【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。

« Marshall Live Highlights | メイン | BARAKA 600回目公演 »

2019年6月22日 (土)

D_Drive Showcase Live in London


「シゲ、申し訳ない…悪い知らせがあるんだ」と、facebookで電話をして来たのはMarshall Recordsのピーター。
まだD_Driveがイギリスにやって来る前の話。
ピーターと2人でD_Driveを迎える最終準備をしていた時のことだ。
当初6月4日に予定していた音楽ライター諸氏を招待してプライベートでD_Driveの演奏をお披露目する「ショウケース・ライブ」がキャンセルになったというのだ。
理由は会場に定められていたカムデン・タウンのDr. Marten'sのライブハウスのライブ・コーナーが急遽閉鎖されることになったから。
2日まではカムデン・ロックス・フェスティバルの会場のひとつとして使われる予定なんですけどネェ。
ま、ジタバタしたところでどうにかなるものでもない。
「今回のD_Driveの公演はMarshall Liveとカムデン・ロックス・フェスティバルの2回か」…と覚悟していたら、翌日またピーターから電話が入り、「当初の予定通り、場所を変えて4日にショウケース・ライブを開く」と言って来てくれたのだ。
ありがたい!
ピーターでかした!
場所はNotting Hill(ノッティング・ヒル)の「パイレート・スタジオ」。
ノッティング・ヒルはロンドンの西の方。
すぐそばのLadbroke Grove(ラドブローク・グローブ)というところにJethro Tullの『Aqualung』やLed Zeppelinの『IV』等の超名盤の数々を録音したスタジオがあるのと、ジミ・ヘンドリックスが嘔吐物を喉に詰まらせて窒息したホテルが近くにあって、このあたりには一度だけ行ったことがある。
ま、それよりも「Portbello Market(ポートベロー・マーケット)」というロンドン最大級のマーケットが開かれる場所としてよく知られている。
下はその時の写真。
もう11年前のことだわ。

5_img_0501 それと何と言ってもこの街の名前を有名にしたのはこの映画でしょう。
恋愛映画はガラに合わないので最後まで観たことはないんだけど、「ノッティング・ヒル」と聞くとどうしてもジュリア・ロバーツの姿がアタマに思い浮かぶ(私はファンではありません)。
そんなイメージを自動的に抱きながら、ピーターがくれた情報を元にタクシーで行ってみると…

30v こんなところ。
ジュリアはどこに?どころかスゴイ廃墟感!
ハッキリ言ってコワイ。

10でもココが間違いなく今日の現場の「Pirate Studios(パイレート・スタジオ)」。

20コレが完全に無人のセルフ・スタジオなの。

40D_Driveの皆さんも最初はビックリ。

45こんなの日本じゃ到底考えられないからね。
電車の高架下のスペースを利用して、20室近くを構えているんだけど、スタジオの従業員人が全くいないんだよ。

50運悪く雨風が強いのにかなり早く着きすぎちゃった。
待ち時間を利用して取り敢えず記念撮影。
実はこの時、タクシーに料金を支払って車を降りて、しばらくして携帯がなくなっていたことに気が付いた。
ズボンの後ろポケットに入れておいたハズなのに…ない!
バッグの中にもない!
アセッたね~。
今回、渡航前に体調を壊すわ、ヒザは痛いわ、ロンドンに出て来てパスポートを失くしかけるわ…とご難続きで「とうとうやっちまったか!」と覚悟をキメたところ、さっき乗って来たタクシーがスタジオの前の道を通り過ぎた空き地に車を停めて休憩していたのを思い出した。
タクシーの中で携帯を使ったので、もし失くすとしたらタクシーの中しかあり得ない。
痛いヒザを庇いながら、大急ぎでそのタクシーまで行って車内を調べさせてもらった。
あのロンドン・タクシーの客席は後部の入り口のところのイスが折りたたみ式になっているんだけど、その隙間に私の携帯が挟まっていたのだ!
助かった~!
運転手さんに休憩していてくれたことにお礼を告げて無事携帯電話を回収してきた。

55このスタジオ、調べてみるとロンドンに3店舗を構えている他、色々なタイプのスタジオをイギリス国内だけでなく、ベルリンやニューヨークにも展開している大手さんだった。
チョット前の回にも書いたけど、イギリスはナニをやるんでもインターネットとカード決済。
このスタジオももちろんインターネットで予約をする。
入り口とスタジオのドアには番号式の錠が付いていて、予約をするとその暗証番号が送られて来、それを使って出入りをする。
恐るべき自主性。
だから番号を控えないでウッカリ外へでてしまうと、誰かが中からドアを開けてくれるまで入れなくなっちゃうの。
その暗証番号も定期的に変更するんだろうね。
60ピーターがD_Driveの機材を持ってやって来てくれた。
さっそく記念撮影。
Seijiさんも大きいけど、ピーターってこうして見るとメッチャデカいな。

65無人ゆえ、スタジオ使用に関するルールが記された注意書きがそこら中に張り出されていた。
イギリスならではのことが書いてあれば面白いな…と思ってひと通り読んでみると、ナニナニ…
1. お客様がスタジオをお使いの間は、施設並びに入場者に関する全責任を負って頂きます。
2. 喫煙、電子タバコの吸引は絶対的に禁止します。もしお客様やお連れの方がこの規則を破った際には£50(7,500円)の罰金をお支払い頂きます。
もし、喫煙により火災報知機を鳴らしてしまった場合の罰金は£100になります。

わたしなんかフィンズベリー・パークのホテルに滞在した時、電気ポットの蒸気でレトルトのお粥を温めていたら、建物中の火災報知器が鳴っちゃってホテルのお姉さんにコッテリ絞られたっけ。幸い罰金はなかった。
で、後は「飲み物を電気機器の上におくな」とか「キレイに使え」とかマァ当たり前のことが書いてある。
日本で今のところ見かけない注意書きといえば…
 
3. ドラッグを服用してはいけません。我々のセキュリティ・チームがCCTVを使って24/7(毎日24時間)監視していることをお忘れなく。

 
…ぐらいか。
そうか、イギリスは世界一防犯カメラのネットワークが発達している国だもんね。
防犯カメラがスタジオの店員みたいなものなんだな。

70vスタジオにあったゴミ箱2つ。
習慣とは恐ろしいモノで、ゴミの分別の方法が日本と異なることにどうしても戸惑ってしまう。
日本みたいにやれ「缶」だ、「ビン」だ、「燃えるモノ」だ、「燃えないモノ」だ…なんて分別はしない。
「使い捨て」か「リサイクルできるか」だけ。
大人だね。
なんてことに関心していたら「日本の方ですか?」と若い男性が日本語で話しかけて来た。
言葉の抑揚とルックスで、すぐに韓国の方だとわかる。
何でもロンドンの北東のカレドニアン・ロードにお住まいでバンド活動をしており、このパイレート・スタジオを利用しているという。
「イヤ~、このスタジオで日本人を初めて見ました。ビックリしてつい声をかけちゃいました!」だって。
とても上手な日本語。
それじゃってんでD_DriveとMarshall Blogを宣伝させて頂いた。
すると「じゃボクも自分の宣伝をさせてください」と自分のバンドについて説明してくれた。
こういう交流は楽しいもんですな。

75時間になって部屋が空き、D_Driveの皆さんはさっそくセッティングとリハーサル。
ピーターが外へ出るというので、私も家内を連れて遅い昼食の買い出しに…ったってどうせまたサンドイッチとWalkersのポテチだけどよ。
 
Walkersについてはコチラに書いておいたので興味がある方は是非ご覧あれ⇒ベトナムへ行ってきた!~私のホーチミン vol.4

80ピーターにくっついて裏口から外へ出る。

90するとすぐに現れたのが地下鉄ハマースミス&シティ線、あるいはサークル線の「Latimer Road Station(ラティマ―・ロード駅)」。
ノッティング・ヒル・ゲイト駅ではない。

100タクシーで来る道中、以前この辺りに来たことgがあることに気づいた。
すぐ近くに「White City(ホワイト・シティ)」というセントラル線の駅がある。
駅の目の前にドデカいBBCの設備があるところ。
そこに行った理由は、ジム・マーシャルの生家を訪ねるためだった。
ジムの生家がココから近いことはピーターも知らなかったナ。
 
興味のある人はコチラをどうぞ⇒【イギリス‐ロック名所めぐり vol.2】 マーシャルの生まれ故郷<後編>

110ま、東京も似たようなモノだけど、ロンドンも中心地を少しハズれると様子が変わってみんなこんな感じ。

120ピーターが教えてくれたのは駅前のCOOP。「生協」ですな。
ココにあったんですわ。
私の好きな「クラシック・マスタード・ハム・サンド」。
パンにバターとマスタードをタップリ塗りつけて、ハムを挟んだだけのシンプルなサンドイッチ。
コレって私にとって「お母さんのサンドイッチ」なの。
私の母は兄弟にプロのコックが何人もいる料理名人なんだけど、子供の頃好き嫌いが多かった私のために作ってくれたサンドイッチがこの味だった。
ま、マスタードは塗ってなかったけどね。
お母さん、イギリスを先取りしてたんだナァ。
以前はコレを同じモノをTescoで売っていたんだけど、今はなくなってしまって残念に思っていただけにこの時はうれしかったね。
コレにオカズ代わりのWalkersのポテチ(イギリスでは「クリスプス」という)と飲み物を買ってスタジオに戻った。

130ココも高架下が貸店舗みたいになっていたけど、テナントなんて一軒も入っていなかった。
きっと昔はもっと賑やかだったんだろう。

140vスタジオの裏口。

150定刻になり、まずはMarshall Recordsのスティーブ・タネットからご挨拶。
お客さんはウェブマガジンのライターさんたち。
タネさんのD_Driveに賭ける思いが語られ、「Ladies and gentleman…D_Drive」と静かにバンドを紹介した。

170Seijiさんの弾くリフからスタートしたのは「M16」。
3日前の「Marshall Live」と同じチョイス。

180Seiji

190vYuki

200vToshi

210vChiiko

220vギター・チームは2人ともピーターが用意してくれたJVM410Hを使用。
残念ながらSeijiさんのキャビは1960ではなく、現地調達の他社品。

230YukiちゃんはJVM410Hと1960A。
何じゃコリャ…?
音抜けがゼンゼン違う。
ヘタすりゃマスター・ボリューム2目盛りぐらいの差が出てるんじゃないの?
やっぱり恐るべしMarshallキャビ!

280_lrライターさんたちが食い入るように見つめる中、パイレートでも銃撃戦!

240続けて「Cassis Orange」。
コレもMarshall Liveと同じ展開。
アタマの4人のソロ回しをキメてスムーズに1曲仕上げた。

0r4a0212

250v

0r4a0342

0r4a0303 YukiちゃんのMCを挟んで「Lost Block」。

250_lb何度かMarshall Blogでも紹介したイギリスのウェブ・マガジンの『Metal Talk』でインタビューを仕込んでくれたライターのアンディ・ロウルが開演前に私に訊いてきた。
「シゲ、今日は今回まだ演奏していない曲をプレイするのかい?」って。
アンディは手の込んだインタビューを仕込んで来るだけあって、D_Driveのことが本当に好きで『Maximum Impact』をかなり聴き込んでくれているようだった。
「今日は'Lost Block'を演るよ」と答えるとガッツ・ポーズをしていた。

260v今回はギターを1本ずつしか持参しなかったのでDチューニングの曲ができなかった。
アンディみたいな人にはD_Driveの単独公演をジックリ楽しんでもらいたいよね。
きっと近いうちにイギリスでも観れるようになるでしょう!

270vそして「The Last Revenge」。
290v次から次へと飛び出すジョウ・ドロッピングなパフォーマンスにライターさんたちはタジタジ!

260最後は、つまりイギリス最後に演奏した曲は「Attraction 4D」だった!

300_4dやっぱり人気のシングル・カット曲。

310Chiikoちゃんも汗ダク!
実際、スタジオの中がものスゴイ暑かったのよ!

0r4a0372_2 イギリス最後の激演!

315そんな演奏を一番温かく、そして厳しい目で真剣に見ていたのは…誰あろうタネさん。
いつもガハガハと豪快に笑い飛ばす愉快でダイナミックな人だが、実はかなりマジメで物事の分別を付ける人だ。
終演後D_Driveと私を前にして、ライターさんたちからの好反応を喜び、熱演を大絶賛し、そして心の底からD_Driveを褒めたたえてくれたが、私の存在意義やビジネスについてキリリとしたひと言があった。
さすが業界での長年のキャリアを誇るプロフェッショナル!

310v今日もカッコよく「4Dった」ところで、イギリスでの初演奏をすべて終了した!
終わっちゃった~!

330…と思ったらライターさんたちが盛大にアンコールをしてくれた!
ナニを演ろうか…という間もなく、さっきのアンディから「Unkind Rain!」の掛け声がかかり、演奏することに!

340_urそして、コレが本当にD_Driveの初イギリスの最後の曲となった。

350v

360v

370v

380vハイ、ココで「ロック英語」のお勉強。
この「Unkind Rain」の熱演に感動したアンディがピーターにこう言ったのを私は聞き逃さなかった。
「It's really wingy!」
この「wingy」ってナンだと思う?
私もわからなかったのでピーターに教えてもらった。
ナント…この「wingy」って「Little Wing」の「wing」から来てるんだって。
つまり「Little Wing」っぽいということ。
もちろん「マネしてる」とか「パクってる」とかいう意味ではなく、「あの名曲級」のようなことを意味するすごいホメ言葉。
こういう英語は住まないと一生身につかないね。
今回、私もサンドイッチとポテチだけで3週間暮らせることがわかったので、半年間ぐらい住んでもう1回英語の勉強したいナァ。
それとアンディは「breathtaking(ブレステイキング=息を飲むような)」という言葉を使っていたな。
意味はもちろん知っていたけど、外人が本当に使うのを初めて聞いた。
きっと日常生活ではあまり使われないビッグ・ワードのひとつなんだろう。
それだけD_Driveの演奏がBreathtakingだった…ということだ。

390そのアンディと記念撮影。

400同じく「メタトー」のカーメルと。

410_3  このオジちゃんはピーターが大量に持ち込んでいたMarshallビールを上演中に私にパスしてくれた。
ビールは常温。でもおいしい。
メンバーからCDにサインをもらって喜んでいる脇から、「写真は全部私が撮ったものなんですよ」と言うと「写真か?撮ったのか?」みたいに爆笑していた。ナンでじゃい!

405他のライターさんとも写真を撮った後は…タネさ~ん!

420渡英前の音源や商品の制作に始まって、今回カムデンやこのショウケースのブッキング、機材の準備や運搬、リハーサル場所や移動手段の手配、ディナーのセットまでありとあらゆる面で我々の面倒を看てくれたMarshall Recordsのピーター・キャップスティック。
ピーター、本当に色々とありがとう!

430この後、ホテルに帰ってD女子チームとパブで打ち上げ。男子チームは自由行動。
この辺りの様子はまた別の機会に!

440こうしてD_Driveの初のイギリスでの演奏がすべて終了した。
あんなに先のことだと思っていたのにホントにアッという間に終わっちゃった!
アルバムのセールスが順調に伸長してまたすぐに行けますように…。
ということで、D_Driveの世界デビュー・アルバム『Maximum Impact』はMarshall RecordsからCDとLPで好評発売中です!
 
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

Mi 

200 
(一部敬称略 2019年6月4日 ロンドン ラティマ―・ロードにて撮影)