CONCERTO MOON TOUR 2015~NEW MOON RISING <後編>
さて、<後編>イキます。
「こうへん」といえば、「甲片」って知ってる?
これは鉄道貨物の専門用語のひとつで、荷受人が控え用に受け取る明細書のこと。
他に「乙片(発駅控え用)」と「丙辺(着駅控え用)」という三種類がある。
明細書といっても貨物車両の端っこに付いているホルダーに挟まれてくるただの段ボール紙だ。
何でこんな言葉を知っているかというと、私はかなりヘヴィな鉄道オタクなのである…なんて話しは聞いたことないでしょ?
そう、鉄道にはほとんど興味がない。
実は昔の仕事でこの辺り、つまり鉄道貨物に携わっていたことがあるのだ。
<後編>って書いたら、何か急に思い出しちゃった。
金沢鉄道管理局や東京駅の隣の国鉄本社なんてのは何回も行ったナァ。
ゴメンね、ヘンな脱線の仕方しちゃって…。
で、<後編>!
曲は「Over and Over」。
新生CONCERTO MOON。
今一度5人のメンバーをおさらいしておこう。
島紀史
9月18日にリリースされたニュー・アルバム『BETWEEN LIFE AND DEATH』から2曲を演奏したCONCERTO MOON。
この時点ではまだそのアルバムがリリースされていなかったからね。ド迫力の「予告編」になったワケだ。もちろん大ウケ!
続いては『Savior Never Cry』からの選曲で「The Shinning Light of the Moon」。
『Savior Never Cry』は久世ちゃんが参加した最初のアルバム。2011年のことだ。
アレからちょうど4年!早いナ~!
CONCERTO MOONでの久世ちゃんの一番最初のステージは2011月8月21日の柏PALOOZAだった。
もちろん、時のMarshall Blogでレポートしたが、もう見れなくなってしまったので私のPhoto Vaultからその時の写真を引っ張り出してきた。
コレがその時の久世ちゃん。
エラく緊張していたっけ。
2人ともゼンゼン変わらんな、コリャ。つまんねーな。
4年ぐらいじゃそう変わらないか…イヤ、コレがこの人たちのスタイルなのだ。変わってもらっちゃ困るのだ。
「ね?!」
あ、コレは今回の写真だよ。
フロント・マン2人の関係はより信頼度が高まり、自分たちの音楽を作ることを楽しんでいるようだ。
そして、CONCERTO MOONのコンサートの人気コーナー。
島紀史のギター・ソロだ。
初めはア・カペラで…
そして、曲に突入し、猛烈な勢いで弾きまくる!
曲は「To Die for」。
最近、ノンちゃんのようなシュレッダーの右手に興味がありましてね。
速く弾くために、無駄のない運動をしているのを見るのが実に面白い。
ノンちゃんの場合は、親指の第一関節を微妙に動かしてピックを前後運動させるようにして弦を弾いている。手首はほとんど動かない。
この動きが繊細で美しく、そこから生み出される爆発的なサウンドとは似ても似つかないところが興味深い。
我々の世代が学んだ教則本は、とにかく「手首から先を動かしてピッキングする」というメソッドが定番であったが、今、若い人でそういうピッキングをしている人はついぞ見かけないナァ。
高崎さんなんかはその伝統的なスタイルに近いといってよいだろう。
驚異的なスピードで手首を軸に手の甲を動かし、ピックで押し込むようにして弦をはじく。そうしないとあの音は出ないのだろう。伝統的なメソッドが有効であることの証明だ。
左手の方が大切で難しそうに見えるが、ギターという楽器は断じて右手の楽器だ。
みなさん、ピアノはちょっと別にして、左右の別がある楽器とそうでない楽器の違いってどこから来ていると思いますか?
もう答えは言っちゃっているようなもんだけど、極端に左右の手の仕事の重要度が異なる楽器にはギッチョ用が用意されているんだって。
ドラムなんか完全にそうだよね。スポーツ感覚で左右の別がある。同じ打楽器でもマリンバやヴァイブラフォンのような鍵盤打楽器とは正反対だ。このことからも鍵盤打楽器が打楽器というよりも鍵盤楽器に近いということがわかる。
左右の別がない代表的な楽器は何といっても管楽器族だ。
友人のジャズ・サックス奏者は実際に重度のギッチョだが、普通の楽器を使っている。
すると、ココで疑問が出て来るのがヴァイオリン族のことだ。
ギッチョのヴァイオリニストって見たことないでしょ?
あんなに左右の手の仕事の内容が違うのにギッチョのヴァイオリニストっていない。
まるでオスの三毛猫のようだ。
クラシックのヴァイオリン系の人たちは生まれつき重度のギッチョでも右用の楽器を使うのだそうだ。(チャップリンは左用のヴァイオリンを弾いていたらしい)
理由はオーケストラでの演奏を考慮してのこと。一人だけ勝手に反対側に弓を引くことはできない。
それと、あの楽器はシンメトリックっぽく見えるけど、中の構造がオフセットになっていて、高価な楽器にそんな改造をする人がいないし、元からギッチョでは弾かない楽器と相場がキマっているので作る人もいないんだって。
ちなみに千住真理子や古澤巌は左利きだそうだ。
コレがクラシック以外のヴァイオリン弾き、例えばボディを腰に当てて弾く、いわゆるフィドラー系になるとギッチョがゴマンと出て来るらしい。そりゃそうだ、オケでは弾かないからね。
演者が替わったワケではないし、ノンちゃんがここだけ特別なことを演っているワケでもないのに、「島紀史のソロ」というだけで雰囲気がガラリと変わる。
これがパーマネント・グループの面白いところだと思うんだよね。
そう、この曲だけはCONCERTO MOONではなく「NORIFUMI SHIMA with CONCERTO MOON」のパフォーマンスなのだ。
そして、今回のステージの大きな見所となったひとつ。
ノンちゃんと河塚さんとのデュオ!
河塚さんの打ち出すシンプルなビートだけをバックにノンちゃんが弾き狂うという演出!
ココは観ているモノ全員が手に汗を握ったことだろう。
ドバーっと勢いに乗って見せるようなタイプのドラム・ソロではなく、几帳面にソロを折りたたんで全体を構築していくような丁寧なワザを披露してくれた。
メンバーがステージに戻って、「Angel of Chaos」。
「Chaos」は英語では「カオス」ではなく「ケイオス」だからね~。形容詞は「ケイオティック」だから間違えないように。
もうこのアタリからは手が付けられないぐらいの盛り上がりになるね。
まだまだいくらでも攻めるノンちゃんのギター・ソロ。
「しま~」、「しま~」の掛け声に男女の別なし。
「Black Flame」。
メンバー一丸となった演奏に一部のスキもない。
昨日のノンちゃんからのメッセージにあるように、新しいメンバーのセレクトが完璧であったということがよ~くわかった!
そして本編の最後には新しい5人の名刺がわりという意味も含めてか、「Concerto Moon」を持ってきた。
「ご挨拶が遅くなっちゃってスミマセン、私CONCERTO MOONと申します」みたいな…よく現場で見かけるヤツだ。
ノンちゃんもこの新しいシチュエーションにあって、会心の演奏ができた感があったのでは?「立て板に水」のプレイがそれを如実に物語っている。
久世ちゃんの「♪コンチェルト・ム~ン」の雄叫びが今日はひときわ感動的ではあるまいか?
本編14曲。「怒涛の演奏」とはまさにこのこと。
「アンコール!」の掛け声も一段と大きい。
昨日も紹介したが、コレが9月18日にリリースされたCONCERTO MOONのニュー・アルバム『BETWEEN LIFE AND DEATH』。
曲のよさもさることながら、Marshallをフルで鳴らして録ったギター・サウンドにもよ~く耳を傾けて欲しい。
コレが真空管アンプを超爆音で鳴らしたホンモノのギター・サウンドだ。
レコーディングのもようはコチラ。
さて、アンコール。
ノンちゃん以外のメンバーはバンド・ロゴTシャツにお召し換えだ。
まずは「It's not Over」。まさにその通り。
CONCERTO MOONはココからもスゴイ。
「Savior Never Cry」。
久世ちゃん絶好調!
そうそう、MCも大変滑らかになって、ノンちゃんからピックを投げつけられることもゼンゼンなくなっちゃった。
しかし、この声!どうなってんだ、ノドは?!
最後の最後までアグレッシブにMarshallを鳴らすノンちゃんにCONCENRTO MOONの基本と進化を確認した。
曲は「Change my Heart」。
お客さんにストラトキャスターを差し出すノンちゃん。ナンカ、みんなおっかなビックリ触ってる?
1998年の『Fragments of the Moon』から「Alone in the Paradise」。
今回は2曲しか演奏されなかったニュー・アルバムのレパートリーだったが、安心してください!
ツアーやりますから。
10月の松山サロンキティを皮切りに全国10か所をめぐる『BETWEEN LIFE AND DEATH TOUR 2015』がそれだ。
東京は12月5日のココ、表参道だ。
松山といえば…またフルポシェのライブも見たいぞ!
不屈の闘志でCONCERTO MOONに新しい血と魂を注ぎ込んだ島紀史。
いつまでもこの変わらぬテンションでメタル界隈をににぎわかして欲しい。
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site