BLINDMAN~LIVE 2024 -PROLOGUE TO 30TH ANNIVERSARY <後編>
BLINDMANのショウの中盤の名物、峻くんのドラム・ソロが始まった。
今日は、まずはマレットを手にしてタムタムの上を軽やかに滑らせる。スティックに持ち替え…
ジワリジワリと盛り上げて行って…
大爆発!
コレはもう定番のコーナーなので、お客さんたちも勝手知ったるだけに大きな歓声が沸き上がっていた。続いてコレも定番!「Why Did You Come Back?」!
1998年の『SENSITIVE PICTURES』に収録されているエバーグリーン。
遠藤さんはそのレコーディング・メンバーの1人だった。
その遠藤さんはめでたく「Come back」!♪ザッカザッカと気持ちのいいグルーヴ。
途中でア・カペラとなるギター・ソロ。
ギッシギシとピックが弦を擦る音がタマらない!
これぞロック・ギターの魅力。それはもちろんMarshallならではのサウンド。
イヤ、真空管アンプをちゃんと使って出した音だ。
達也さんのMarshallは「JCM800 2203」と「1960A」。「ありがとう!今演った『Why Did You Come Back?』…これも均ちゃんが参加したファースト・アルバム『SENSITIVE PICTURES』の時に作った曲なんですよね。
BLINDMANファンの皆さまにはどうしてこの曲が出来たかお話しをして頂きましょうか?
えっ、マズイの?この際だからいいじゃない?」遠藤さんがコッソリ教えてくれた。
「昔、リハの時にみんなが大好きなバンドが再結成をしてアルバムを出して『アレ、聴いた?』っていう話になったんです。
ところが『アレ、いまいちだったよね!』ってことになって『ナンで帰って来ちゃったの?』となったワケです。
それで『Why Did You Come Back?』
それだけです」
そうだったのかッ!?「私も歌詞を書くことがあるんですが、降ってこないとなかなか難しい。
コレは『Why Did You Come Back?』って言葉だけ降って来たんですよね?
もちろん曲はリーダーが作曲して…。
そうやって出来あがった曲ということでした。
ありがとうございました!
OK!チョット軽快な曲いこうかな、イエイ!」達也さんが弾く強力なリフ。
ナント部厚いサウンド!
イヤらしくなるので何度も言いたくはないけど、やっぱりこういうのはMarshallで演らないと!
Marshallでなくてもせめて真空管のアンプでギターを鳴らして欲しい。曲は2012年の『-Blazing Crisis-』のタイトル・チューン。
ドラム・ソロ終えたばかりの峻くんが猛烈にバンドをドライブさせる。
Rayさん、「軽快な曲」なんておっしゃっていたが、快いことは快いけどゼンゼン軽くない!
重戦車が高速で走っていくような曲だ…見たことはないけど、きっとこんな感んじだろう。疾風迅雷、意表をつく転調を交えて曲はどこまでも突っ走っていく!
表情の異なるソロが散りばめられたドラマ性もバツグン。
ナント聴きどころの多い曲よ!ガラリと雰囲気を変えて『EXPANSION』から「Angel Smile」。
BLINDMANのポップ味が表れる1曲。
コレもアルバムの2曲目に収録されているんだよね。
BLINDMANのアルバムの2曲目は要注意だ。
私の経験から言うに、2曲目が良いアルバムは大抵よくまとまっているから。
反対に2曲目でよくガクっとさせられたバンドは……コレはヤメておきましょう。
しかし、「A面か?B面か?」はおろか、サブスクが主流となって「アルバム」という概念が希薄になってしまった今、こんな話も意味がなくなっちゃったネェ。歌もギターもIIm7|V7|IM7|IVM7というジャズではおなじみの循環コードを使ってジックリと聴かせてくれる。
同じ手法が用いられていた『Reach for the Sky』の「Blue Moon」もとてもヨカッタからね。このセクションの最後は、またまた雰囲気を変えて「Running Wild」。
Rayさん、大シャウト!
小粋に転調してガツンとかますギター・ソロ。
後半のキメのフレーズがあまりにも美しい!「ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイ!」
お客さんのかけ声に耳を傾けるRayさん。「♪Runnin' wild!」
戸田さんはいつも通りコーラスでも大活躍。文句のつけようがない盛り上がりようだわい、コリャ!
「BLINDMANはとりあえず来年30周年なのですよ。スゴイことですね。
峻くんは30年前は何歳ですか?」
「4歳です」
「アハハ!歴史ですね。時の流れを感じますね。
『30周年記念』と言ってもズっといるのはオレだけだし…マァ、そんなに大したこっちゃないでしょう…と思っていたけどそうもいかない。
とにかく来年の早い段階で記念の企画を出します」「『一生懸命曲を書きます』と言ったと思うんですが、書いています。
それでチョット盛大にコンサート出来たらいいなぁ~。
盛大に演る時はイッパイお客さんに来て欲しいんだよな…みんな来てくれる?
特別なことって言うワケじゃないけど、とにかく最高のアルバムを作って、素晴らしいコンサートをやるっていうのが『BLINDMANのやり方』だと…カッコつけて言ってみたいのである!
実際そういうバンドだと思うんで、ガッツリと気合の入ったアルバム作ってくれると思うので楽しみにお待ちください」「さぁ、今日も佳境に入って参りました。
サブスクって言うんですか?…SpotifyでもBLINDMANの曲が結構アップされてまして、私もそれを使って練習する曲を電車の中で聴いたりしています」
長年にわたってかなりの額を音楽に投資してきた私としては、最初「このサブスクってのはけしからん!」とずいぶん思ったものだけど、仕事で仕方なく使い始めてみると…まぁ、便利ですわナァ。
「ないと困る!」とは思わないけど、まぁ便利です。本編最後のセクション。
ココからは4曲ブッ続けで突き進んだ。まずはコレも人気曲のひとつ『EXPANSION』収録の「Promise of Love」。
峻くんのスネアのアクセントが実にいい。
コレも「BLINDMANビート」って感じがする。この曲もサビがとても印象的だ。
コード進行がジャズ由来…要するに「枯葉」ね。
実にうまい具合にこのハード・ロック・チューンに適用されている。
私はこういうことが大好きだし、ロックにできることはまだあると思う。続けて1999年の『Being Human』からタイトル曲の「Being Human」。
遠藤さんのピアノに合わせて…Rayさんがハートウォーミングな歌声を聴かせてくれるバラード。
その歌声は詞が進むにつれて熱を帯び、聴く者の心を大いに揺さぶる絶唱となった。
そして後半のリズムが3連になってから曲の最後まで弾き切る達也さんのソロに感動。
遠藤さんのキーボーズから『BLAZING CRISIS』のオープナー「The Tears of God」。
戸田さんと…
峻くんのコンビネーションが繰り出すドッシリとしたロック・グルーヴ。
加えてRayさんの歌と達也さんのギターのコンビネーションが、この曲のハードなだけではない面の魅力を発散させる。
アッという間に本編最後!
「いくよ~!」
Rayさんがひと声から「The Touch of Gray」。
ココで<前編>の冒頭の『サンダーバード』の作曲者の話しが生きてくるというワケ。
ダレだったかな~?名曲を最高の演奏で!…5人の熱演が30周年イヤーを目前に控えたBLINDMANのステージを華麗に締めくくった。
これにて本編終了。
見よ、このエキサイトぶり!
こうなるのも当たりませの最高のロック・ショウだった!猛烈な「アンコール!」の掛け声の中、再びステージに姿を見せた5人。
「どうもありがとう!
じゃあ、アンコールいきますよ!
まだ鹿鳴館は続きますが、この場所での最後の瞬間と空気をしっかりと味わっていきたいと思います。
みなさんも用意はいいですか!
一緒になって盛り上がって行こうぜ!」アンコールの1曲目は『To The Light』から「Rising Sun」を持って来た。
まだまだいくらでも出て来るパワフルなドライビング・ナンバー!
「ありがとう!
先ほど中村からありましたように来年は新作を引っ提げてまた皆さんの前に戻って来たいと思います。
その時にはみんな、ゼヒゼヒ遊びに来てください!
ガンバって強力なアルバムを作りますからね!
リーダー!最後ですよ、本当に!」 「感慨深いです。
チョット泣きそうです…でも、これで終わりじゃないからね。
ただ、思い出はイッパイあるからね。みなさんも同じだと思いますが。
皆さんと一緒に鹿鳴館に『ありがとう!』という気持ちを込めて最後に大盛り上がりするのはいかがでしょうか?
じゃあRayさん、お願いします!」
訊けば初めて目黒鹿鳴館のステージに立ったのは1986年…達也さんが19歳の時のこと。
FORT $ KNOXが出演した時であったという。
そうして目黒鹿鳴館と40年もの付き合いがあれば、この日達也さんが抱いた惜別の念はさぞかし強かったであろう。「OK!客席の皆さんと一緒にこの瞬間に全ての魂を込めて!
我々はメンバー5人だけじゃなくて皆さんを含めてのBLINDMANですから!
一緒に力を合わせていこうか!」この日のステージを締めくくったのは「Living a Lie」。
テンションもパワーも全く下がることなく最後の最後まで極上の演奏を見せてくれたBLINDMAN!
「ありがとうございました!」
BLINDMANの詳しい情報はコチラ⇒BLINDMAN Official Site締めくくりは達也さんのごあいさつ。
「本当にありがとうございました。
また来年、いい曲を作って戻って来ます。その時お会いしましょう。
どうもありがとう!」
しかし、皆さんもすでにご存知のことと思うが、一旦は1月19日に閉館した目黒鹿鳴館の営業が三度延長されることになった。
移転先が未定ということが心配されるものの、ココは素直によろこぶべきであろう。
そこで、少々困ったのが今回の記事。
「最後ではなくなりそうな目黒鹿鳴館」のライブ・レポートをどう取り扱うべきか?
達也さんと相談した結果、「事実は事実としてショウの内容をありのままに伝えるレポートに徹しよう」ということになった次第。
そして、達也さんが今回の移転延期に伴ってひとこと添えてくれた。
「移転が白紙に戻ってしまった事は残念ですが、もう一度あのステージに立てるのは自分にとっては嬉しい事です。
今までの鹿鳴館も、移転が決まって新しい場所になっても、私にとって特別な場所であることは変わらないです」
次回の目黒鹿鳴館もよろしくお願いします!<おしまい>
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筋金入りのブリティッシュ・ハード・ロックをお楽しみアレ!
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