BLINDMAN~LIVE 2024 -PROLOGUE TO 30TH ANNIVERSARY <前編>
昨年末に目黒鹿鳴館で開催されたBLINDMANのライブ『PROLOGUE TO 30TH ANNIVERSARY』。
年が明けたので今、BLINDMANは「30周年イヤー」に突入している。
30周年おめでとうございます!
本日の屋台村のようす。
豊富なライナップのTシャツや…
CD類。
押しは2023年9月に約3年ぶりに発表したミニ・アルバム『OUTBURST』。
「Three, two, one…」
客電が落ちて『サンダーバード』のテーマ曲が流れる。
コレ、「Thunderbirds are go!」って言ってるのね?
「go」には形容詞としての用法があって、「be go」とすると「用意ができる」みたいな意味になるのだそうだ。
知らなかった~!
だからココは「サンダーバード出発進行!」ではなくて、「サンダーバード発進準備完了!」と言っているワケ。
ちなみに2015年にイギリスとニュージーランドの焼き直しアニメの『サンダーバード』のタイトルは『Thunderbirds Are Go!』というそうだ。
ところで、我々世代であれば誰もが知っているこの勇猛なメロディを作ったイギリスの作曲家は他に「海底大戦争スティングレイ」や「謎の円盤UFO」の音楽を担当していた人。
コレを読んで「ああ、そんなのあった、あった!」なんて言っている人は私と同じ世代ですな。
サンダーバード2号のプラモデルを一体何度作ったことか…。
この作曲家がナント明治41年(1908年)の生まれ!…と一瞬驚いたが、『謎の円盤UFO』なんてのをテレビで放映していたのは私が8歳ぐらいの時だからネェ。
それは軽く50年以上も前のこと。その頃は明治大正生まれの人なんて珍しくも何ともなかった。
イヤ、ナンでこんなことを書いたのかというと、その作曲が「バリー・グレイ(Barry Gray)」という名前だったから。
ね?BLINDMANファンの皆さんならピンと来るでしょ?
さぁ、BLINDMAN is go!
達也さんが弾くヘヴィなリフで今日のショウはスタート。
Rayさんが加わって、早速『OUTBURST』から「Man in the Wonderland」。
Ray
中村達也
戸田達也
實成峻
そして、キーボーズは遠藤均。
そのまま2曲目の「Now or Never」へとつなげる。
エエ~、もう演っちゃうの?
好きなモノは最後に食べるタイプの自分としてはもう少し後に出して欲しかったような…そう、私はこの曲が大好きなのです。
BLINDMANの作品にはどれも言えることなんだけど、この曲は特にRayさんの歌声と歌い回しがあまりにも完璧に曲にマッチしていると思うのだ。
オルガンの音も効果的。さっそく大活躍の遠藤さん!
そして、美しくまとめ上げられた達也さんのソロ。
達也さんはもちろんMarshall。
「JCM800A 2203」と「1960A」。
「JCM800」の末尾についている「A」は複数台の2203を所有している達也さんが自分用につけた目印。
足元のようす。
「中村達也のギター」といえば「ギブソン・レスポール・カスタム」。
手前が18年使ってきたメインのギター。
一方、後方のサブは15年。
達也さん曰く「18年使い続けているのでイタミも進んでいるが、どうしてもサブはメインに勝てない。同じ時期に作られたギターなのにゼンゼン違う」
ギターを嗜む人は誰しも新しいギターを入手すると弾くモチベーションが高まるのが普通だが、このカスタムを愛用し続けている達也さんにはそういったことが全く起こらないそうだ。
そしてそれを「幸せなことだと思う」と言う。
まさかレスポール・カスタムにはそういう魔力があるのかな?…というのは、鮎川さんも達也さんと同じカスタム一筋だったことを思い出したから。
郡山美術館で開催された講演会で鮎川さんとご一緒した時に楽屋であのカスタムを弾かせてもらったのだが、ボディの鳴りの良さにビックリした。
さて、「Now or Never」。
ギター・ソロの後に至福のパートが現れる。
ホントにBLINDMANの魅力が詰まった曲のひとつだと思う。
あ~、もう終わっちゃう!
「どうもありがとうございます!
BLINDMAN、3月以来の鹿鳴館ライブです。
今日は私が加入してからも大変お世話になった鹿鳴館での最後のライブということで非常に感慨深いです。
皆さんもご一緒にその感慨を噛みしめながらこの大事な時間を味わって頂きたい思っております。
ところで、メンバーが新しくなりました。
その辺りも今日はジックリとじっくり味わってもらいたいと思っています」
続いての曲は再び達也さんが弾くい~か~に~も~ハードロックのリフ!
いいナァ…どうにもいいですよ、こういうロックは!
Rayさんが「レアな曲」と紹介したこの曲は「The Man in the Mirror」。
タイトにカッ飛ばすドライビング・チューン!
「レアな曲」というは、大幅に時代をさかのって1998年にリリースしたファースト・アルバム『SENSITIVE PICTURES』からのチョイスだから。
今回はの時のレコーディング・メンバーが3人ステージに上がっている。
戸田さん…
遠藤さん…
そして、もちろん達也さん。
こういう超久しぶりに一緒に音を出すってのはどういう感じなんですかね?
少しは照れたりしちゃうのかしらん?
峻くんのフィルからスタートしたのは、もう1曲『SENSITIVE PICTURES』から「Gaze Into Your Eyes」。
コチラは耳馴染みの良いメロディが敷き詰められた1曲。
達也さんのソロも曲調に合わせて軽やかに奏でられる。
そのまま切れ目なしにもう1曲。
今度は時代がグッと下って2020年の『EXPANSION』のオープナー「Love Drifter」だ。
「No matter~」の用法を勉強するに持って来いの曲。
サビがまたいいんだよね~。
ガリっと転調しての達也さんのソロ。
シャープなピッキングが気持ちいい~!
人気の高い曲に客席は大興奮!
「どうも…鹿鳴館、最後だよ、今日は…どうしよう。
この鹿鳴館が最後ってことなんだけど、また新たにスタートするハズなので、そちらでまたみんなに会えるとは思うんですけど…コレは今話すつもりじゃなかったんだ。
さて、ココではオレが新しいメンバーを紹介するということでものすごく動揺しているワケよ。
ご存じの方も多いと思いますがちょっとメンバー・チェンジがありました。
それまで8年、9年同じメンバーで続いたのは奇跡だったよ」
「紹介します…オン・ キーボード 遠藤均!
なんと25年ぶりの復帰でございます。
加入のいきさつに関しては、前任者がいなくなって、真っ先に『演ってください』とは言って…ないか? 『演れ!』って言ったか?アハハハ!
とりあえず、真っ先に電話をして『BLINDMAN久しぶりにやらない?』という話をしたら快くOKしてくれました。
これから末永くよろしくお願いしますね」
「ありがとうございます。改めまして遠藤です。
久しぶりの人もいらっしゃいますがよろしくお願いします。
まさかの『25年ぶり』ですよ!。
25年ぶりにバンドに戻るって、あんまり他のバンドでも聞いたことがないんですが、その辺りのことをよく考えてみたんです。
まずそこまでバンドが残ってるっていうのが何より。
それにはお客様のありがたいご支援があったということですね。
今後なお一層の上を目指していきたいと思いますのでよろしくお願いします」
去年の6月にもMarshall Blogにご登場頂いた遠藤さんは私も昔から存じ上げているのでうれしいです。
最近作『OUTBURST』の2曲目 「Destiny」。
スケールのデカいイントロ!
アルバム的にはこの曲が2曲目に収録されているのが素晴らしい。
そしてこのストレートさ…爽快につきる!
サビのバッキングもすごく耳に残る。
そしてスリリングな達也さんのソロが曲をさらにゴージャスに彩る。
何も足す必要も引く必要もない完璧な仕上がり。
もう1曲『OUTBURST』から「The Bed of Nails」。
2002年の『TURNING BACK』収録曲の再録だ。
もちろんタイトルの「bed of nails」の「nail」は「釘」だから日本式に言えば「針のムシロ」のこと。
英語でこの反対を「bed of roses」という。
この曲、題名は「Nail」でも曲自体は「roses」。
峻くんの叩き出すシャープなビートに…
戸田さんの低音がガッチリと喰らいつく!
遠藤さんのキーボーズがサウンドに厚みを加える。
Rayさんがシャウトをキメると…
達也さんのソロが大炸裂!
ね、「Bed of Roses」に間違いないでしょ?
ココでRayさんがステージを離れて『EXPANSION』収録のインストゥルメンタル曲「Over There」を演奏した。
ジックリと聴かせるバラード。
遠藤さんのオルガンをバックに…
達也さんのギターが切々とメロディを歌い上げる。
曲が進むにつれて絶妙なサジ加減でジワリジワリと曲を盛り上げていく峻くん。
泣きのソロ。
後半はメジャーになったりマイナーになったりとドラマ感満点。
いつも書いているけど、やっぱりこの曲のピカーディ・ケーデンスはグッと来るナァ。
Rayさんが戻って「Roll the Dice」。
BLINDMANはこうしたハネたグルーヴのヘヴィ・ナンバーも最高に気持ちいいのだ!
「皆さん、ありがとうございます。
こんなにたくさんお集まり頂いて、応援して頂いて本当に幸せでございます。
お世話になった鹿鳴館…今日はこのステージ、この空気、この時間をしっかり焼き付けていきたい思っています。
ボクなんかよりもキャリアの長い中村達也くん…鹿鳴館にはいろいろ思い出があるんじゃないですか?」
「鹿鳴館には昭和、平成、令和とずっと出てきましたからね。
このステージに立つのが好きで、皆さんの顔がよく見える…ということは皆さんからもコチラがよく見える。
ドラムは誰が叩いているんだっけ?っなんていうライブハウスもありますからね。
新しくスタートする鹿鳴館は、またそういう素晴らしい場所であることを願っています。
チョット寂しいけど今後に期待しましょうね。
しょうがないよ、老朽化なんだから。
形あるものはね。しょうがない。
いつまでしゃべらせんの?オレに…困ってるのわかるだろう?
シンミリしていてもしゃーないよ!」
『EXPANSION』から「Never Say Never 」。
コレもチョット変わった指向の1曲。
峻くんの叩くセカンド・ライン風のスネアドラムが曲を引き立たせる。
こうした幅の広い曲調もBLINDMANミュージックの魅力だ。
しかし何と言っても優れた歌のメロディを前面に押し出した各曲のクォリティの高さが最大の魅力でしょうな。
この曲もそう。
遠藤さんが奏でるストリングスが曲を導く「Caged Bird」。
今日『Subconscious In Xperience』からの唯一のチョイス。
リズムが動き出すとこれからの曲の展開を示唆するように戸田さんのベースが壮麗に鳴り響く。
雰囲気満点のハードなバラードが「Caged Bird」。
時折ワルツになるのが曲の大きなアクセント。
ジックリと聴かせてくれる達也さんの情感豊かなソロ。
やっぱり真空管アンプで出すギターの音っていいナァ。
2度目のギター・ソロで曲を締めくくる頃には峻くんのツーバスも加わった壮大なシーンが演じられた。
現在『PROLOGUE TO 30th ANNIVERSARY』の中盤。
BLINDMANの詳しい情報はコチラ⇒BLINDMAN Official Site
<後編>につづく
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<Lift Your Head Up>
<Skyman>
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