曾我泰久 Birthday LIVE~ロック自由に<第1部>
今回は恒例のヤッチンのバースデイ・ライブのレポート。
会場は大手町の「三井ホール」。
過去にもココでライブをやっていたのかとばかり思っていたが、ナント、ヤッチンのソロとしては今回が初めてだそうで…完全にsourcesのライブとゴッチャになっていて我ながら驚いたわ。三井ホールが入っているのは「OTEMACHI ONE」とかいう三井物産の本店ビルの中。
以前、sourcesの記事にも書いたことがあったが、私が昔勤めていた会社は大正年間に設立された古い会社で、三井グループに属していたため、関連する仕事で何度かココへ訪れたことがあった。
3階に位置するホールのロビーから眺める皇居方面の景色はなかなかに美しい。
右奥の竹橋方面には毎日新聞社々屋が遠望できて…左には皇居外苑が一望できる。
昔はこの少し先の日比谷公園のあたりまで入江、すなわち海だった。
その日比谷公園の向かい、帝国ホテルの隣辺りにあったのがかの有名な「鹿鳴館」。鹿鳴館は外国から来た要人をもてなして日本の近代化をアッピールするために造られた施設。
発案したのは、1863年の英国公館焼き討ち事件に「放火担当」として参加し、時として明治維新の立役者のひとりとして数えられる井上馨(聞多)。
日本映画史にその名を残す1957年の川島雄三監督の大傑作『幕末太陽傳』では二谷英明がこの井上聞多を演じていた。
別の記事のためにタマタマこの井上馨のことを調べる機会があって、この人のしたことを知ってブッたまげてしまった。もちろん悪事である。
その中で目立ったのが「三井」との関係。
長くなるのでココには詳しく書かないが、井上は明治政府の要職を得て、三井と組んで好き放題に私腹を肥やし、「三井の番頭」とまでアダ名されるようになった。
ま、やったことは基本的に今の世の中で起きていることと変わらないんだけどね。
それでも秋田の角館で起きた「尾去沢(おさりざわ)銅山事件」なんてのはさすがにヒドイ。
この尾去沢鉱山は井上の卑劣極まりない振る舞いによって競売にかけられ、岡田平蔵という者の手に渡り、それが三井物産の礎になったという。
このことは別のバンドのライブ・レポートに連載している『私の谷中墓地』という記事で詳しく触れる予定にしています。さて、こんなことを書いていると筆者はいかにも歴史が好きで詳しそうなイメージが湧いてくるかも知れない。
実際、地方の博物館なんかに行って現地のボランティアのガイドさんと「知識比べ」になってしまった時などは俄然燃えてしまって「歴史マニア」と呼ばれたりもするけど、ゼンゼンそんなことはなくてNHKの大河ドラマは絶対に見ないし、ある理由があって司馬遼太郎もまず読むことはない。
ただチョット吉村昭先生や江戸の文化や太平洋戦争に関する本を読み込んでいるだけ。
だから江戸以前の歴史となるとカラっきし弱い。
それにブチ当たったのがこのOTEMACHI ONEの敷地内にあるコレ。石碑には「都旧跡 将門塚」とある。ナンダこりゃ?
そもそも「平将門」なんて名前しか知らん。会ったこともないし。
とても良い機会なので少々調べてみた。我が国には「日本三大怨霊」なるおおよそ穏やかではない「三大」がある。
コレは知ってた。
ひとりは右大臣菅原道真。
道真のスピード出世を妬んだ左大臣藤原時平に濡れ衣を着せられて大宰府に左遷させられ、2年で死んでしまった恨みが道真を怨霊にした。
2人目は崇徳天皇。
小倉百人一首にあんなロマンチックな歌が収められているのに三大怨霊の一角を務めている。
もっとも私はこの歌を三代目桂三木助の落語で覚えたんですけどね。
3歳で天皇に即位したものの、鳥羽上皇の策略で早々とその地位を譲らされ、後のその地位を奪還するためにリターンマッチに挑むが敗北。
讃岐の地に幽閉され、「妖怪に生まれ変わって無念を晴らす」と死ぬまで髪の毛と爪を切らなかったという。
この人については『怨霊になった天皇(小学館文庫刊)』なんて本が上梓されている。
そんなことでは月曜日の朝の「衛生検査」でNGを喰らいまずぞ!
今は衛生検査なんてやっていないか?そしてもうひとりが平将門。
関東八ケ国(坂東八ケ国)を平定した将門が朝敵とされてわずか2か月後に平貞盛、藤原秀郷らの奇襲を受けてあえなく討ち取られてしまう。
その首は京都へ送られて七條河原にさらされたが、数か月経った後も目を開けたり閉じたりして「復讐をするからオレの胴体を持って来い!」と前を通りかかる人を相手に夜な夜なスゴんだという。
コレはかなりコワいよ。
その後、その首は東の方へスッ飛んで行き、この地に落っこちた…っていうワケ。
それでココに「首塚」を建立したが、ほったらかしにしていたものだから将門が怒って今度は江戸の民を祟ったそうな。
それ以来、首塚は手厚く取り扱われるようになり、その霊はこの地にあった神田明神に祀られた、
そして神田明神は現在の地に移転したが、首塚はココに残った。今でも「将門塚保存会」という団体が手厚く塚を管理している。左の「渡邊武次郎」という人は三菱地所の社長や会長を長年務めた同社の中興の祖。
右の「遠藤武蔵」は江戸から続いた材木商の主。
良質な材木をふんだんに使った居宅は名建築の呼び声も高く、かつてはココから遠くない鎌倉河岸にあったが神田明神の裏に移築された。
その家は公開しているので、今度ヤッチンが神田明神でコンサートを開く時に見学に行くと良いでしょう。そうして大切されて来た将門塚は令和3年に実施された整備工事を経て現在の状態になっているそうだ。
神田明神を通じてものすごくヤッチンと縁があるように思えてきたでしょう?
この話にはつづきがあるので、それはレポートの<後編>で。 さて、大手町の三井ホール。
入り口の案内ボード。
うん、いい写真だ!屋台村の準備が着々と進む。
今回のライブのためのTシャツとマフラー・タオル。缶バッジとアクリル・キーリング。
そしてカレンダーと昨年のバースデイ・ライブの模様を収録したDVD。
カレンダーには今回もたくさん私が撮った写真をご採用頂きました。
いつもありがとうございます! そしてDVDは2枚組。
コチラにもバッチリ写真を使って頂いてうれしいなったらうれしいな!さて、開演の時間。
メンバーがステージに姿を現して…ドコドン!♪ジャ~~~ン!「皆さま、新年あけましておめでとうございます!
先日、めでたく62歳の誕生日を迎えました。
今日は、今年初のライブ。
思いっきり楽しんでいきたいと思っております。
最後まで楽しんでネェ~!」
今回のオープニングは「アポロでドライヴ」。仕事柄、1年を通じて私がコンサート会場に足を向ける回数は100を優に超すが、2013年以降、
年が明けて一番最初に耳にする生のバンドが出す音はこの「ドコドン、ジャ~ン!」になった。
その間に干支がひと回りした。
しからば、この「ドコドン、ジャ~ン!」を年の始めに12回聴いて来たのかと思って調べてみると(Marshall Blogはこういう時俄然力を発揮する)、案外そうでもなかった。
一番最初は上に書いたように2013年、ヤッチンが50歳の時…私も同じ。
翌2014年はどうもお邪魔できなかったようで、2016年と2017年もレポートが残っていない。
意外なのよ…。
私の仕事はじめはヤッチンと決まっていたのでテッキリ皆勤かと思っていたのです。
そして最近では2022年…コレはコロナのせいで開催を自粛せざるを得なかったように記憶している。
よって今回はMarshall Blogが9回目にレポートするヤッチンのバースデイ・ライブということになる。
Marshall Blogの過去のヤッチンの記事はコチラからどうぞ⇒【マー索くん】サ行のバンド/アーティスト さて、今年のヤッチンのバースデイ・ライブの布陣は…
曾我泰久衛藤浩一
そしてsourcesチーム。
野津永恒加賀谷綾太郎
日高隼人
以上の5人。
のっつ、スゴし!
この曲ではベース・パートを担当するピアノに鍵盤ハーモニカ、それにコーラスを加えたひとり3役をこなした!タイトル通りのドライビング・ナンバーでの幕開けで会場は一気にヒートアップ!
間髪入れず衛藤さんが叩き出すイキのいいリズムに乗って…
「さぁ~皆さま、ノッケから盛り上がってくれてどうもありがとうございます!
今日のこのライブ、さらに盛り上がっていきたいと思いますよ~!
いくよ!1、2、1、2、3、4ッ!」ヤッチンの出すカウントで一斉にバンドが部厚いアンサンブルを繰り出す。
バリバリのロケンローは「Let's get together」。
ヤッチンのライブでは欠かすことができないTHE GOOD-BYEナンバー。
もちろん客席は大興奮!
さらにもう1曲続けたのは「お気楽にいこう!」。
軽快なグルーヴでヤッチンが楽しいメロディを歌い上げてくれる本当の「お気楽ナンバー」。
「考えたところで自分でどうすることもできないことは考えない」
コレは日本が誇る今年95歳にお成りになる現役のジャズ・ピアニスト「穐吉敏子」さんのご箴言。
高峰秀子や香川京子と並ぶ私の女性アイドル。
この曲の歌詞にあるように「♪迷うことが多くて迷路に入り込みそう…」私もそういうタイプなので、最近はこの敏子さんを倣うようにしている。
そして、音楽なら断然ヤッチンのこの曲だ!
さぁ、この先気楽に書くぞ!「皆さま、改めましてこんばんは。
ようこそいらっしゃいました、曾我泰久です。
新年早々、すてきな掛け声をかけてくださいましてありがとうございます」
客席から「キャ~!」の歓声。
「もうチョット聞きたいかな~?」すぐさま客席から再び「キャ~!」。
「ありがとう、ありがとう!
本当に皆さまの声援がボクのエネルギーになっております。
今日も思う存分大きな声を出して頂いて、この正月疲れを吹き飛ばすくらい皆さまと楽しんでいきたいと思いますのでどうぞよろしくお願い致します。
先日、1月7日の誕生日当日に配信でバースデイ・パーティをやりましたが、欲張りなもんで今日も皆さまにたくさんお祝いをして頂くという今年はダブルでうれしい年になりました。
さっき言った通り『62』…『ロック自由に』ということで、ロックに、そして気持ちはさらに自由に進んでいきたいと思っておりますので今年もどうぞよろしくお願い致します」「今日のこのライブ、1部、2部構成になっていて大好きなライブを2つ持ってまいりました。
1部はこのメンバー…『Song Collection』でよく一緒に演っているメンバーです」
ココでメンバー紹介。
「さぁ、今日のライブ、そんなメンバーですので、ノッケからちょっとテンポの速い曲でお届けいたしました。
次に『Song Collection』のsourcesならではの演奏を聴いて頂きたいと思います」のっつのピアノに導かれて…
綾太郎くんと隼人くんの美しヴァイオリンの音色が重なるsourcesの極上のハーモニー。
曲は「Dear Friend」。
sourcesの3人をバックに…
情感豊かに歌い込むヤッチン。
20歳の頃から歌っているという超ロングランの1曲。
「20歳の頃」って言いたかないけど42年も前のことですからね。
いかにヤッチンがこの曲を大切にしているかがわかるというものだ。続けてもsourcesリードのナンバーを。
少々エキゾチックなメロディを…
3人で奏で…
衛藤さんのフィル・インで曲が動き出すのは…
「Carry on」
コレまたヤッチンのキラー・チューンにひとつ。
「♪Fly away 星の彼方 翼広げ はばたくのさどこまでも」
やっぱりこの曲のサビのパートはいつ聴いてもゴキゲンなのである。 今度は比較的新しいところから「アカンBe Love」。
「♪アカン アカン アカン アカン」と楽しくやっておいて…
待ってましたのギター・ソロ!
フゥ~、ようやく紹介できる。
ココは私の仕事で一番肝心なところですからね。ヤッチンはもちろん今日もMarshall。
使用しているのはSTUDIO CLASSICシリーズの「SC20H」とスピーカー・キャビネットが「SC212」。
ヤッチンはギター・ケーブルをLOWのインプット(下の穴)に挿しているでしょ?
コレがミソ。Marshallとヤッチンの愛器たち。
第1部と第2部でギターを使い分けた。このコンビネーションでバツグンに魅力的なギター・サウンドを聴かせてくれた。
ロック・ギターというものはヤッチンのように真空管が入ったアンプで鳴らすのが間違いなく一番良い音が出る…ということだけヤッチン・ファンの皆さんも知っておいて頂きたい。
昔のテレビってスイッチを入れてもなかなか画面が出て来なかったでしょ?
アレは真空管が温まっていないから。
その昔はラジオにも真空管が入っていた。
ついでに書いちゃうと、冒頭に出て来た川島雄三監督の『洲崎パラダイス赤信号』という映画で飲み屋のラジオが壊れて河津清三郎が扮する近所の電気屋がそれの修理にやって来て真空管を交換するシーンが出て来る。
今の若い人がアレを見てもナニをやっているのかサッパリわからないでしょうね。
そんな前時代的で不便な真空管だけど、ひとたびギター・アンプに使われると最高に良い仕事をするのです。もう1曲続けて「死ぬまでR&R」。
犬神サアカス團にも「死ぬまでROCK」という曲があるけど、こういうミュージシャンがいてくれてロックもシアワセですな。
私のような70年代のロックで育った頑固ジジイに言わせれば、ロックの方が死にそうになっているんだから全く皮肉な話だ。
ヤッチンが弾くブルージーなパターンに… これまたブルージーなのっつのピアノがからむ。
いいネェ~!「サァ~、皆さまの黄色い声援を聞かせてもらうコーナーでございます。
ココで声を出してお正月でナマった身体をシャキっとさせて頂きたい。
皆さま、用意はよろしいでしょうか?」「ブルージー、ブルージー」って書いちゃったけど、コレは本当のブルースですな。
お客さんとの「♪ロック ロック」のやり取りで盛り上がる!
「♪死ぬまで~ロッケ~~~ン」とヤッチンがカデンツァに入ると客席から盛大に黄色い声援が送られた。
「すごいよ。いいよ!でもね、あともうチョットだけ黄色くしてくれる?
いいところまで来てる!
今日オープニングでこの声が出てたら大分ボクのテンションも上がったのに!
ありがとう、じゃあ、もう1回だけ聞かせて!」「♪死ぬまで~ロッケ~ン」
「キャァッ~~!!!!!!!」 「うれしい!ありがとう!じゃあ、終わります。
♪死ぬまでロッケ~ン・ロール」
第1部のハイライトのひとつでした!「いいね、いいね!
なんかストッパーがハズれた感じですね。
では次の曲で皆さまと盛り上がりたいと思います。
お手元にタオル、ハンカチがあれば用意をして頂いて、『ナイス!』の掛け声と共に大きな声で放り投げてください。
一緒に歌える方は一緒に歌って!いくよ!」 きっと説明は要らないでしょう。
曲はもちちろん「YES!YES!! YES!!!」。 衛藤さんの歌もバッチリとキマった!
「コーラスが楽しい」といつか発言していたのっつは全編を通じてそのコーラスでも大活躍。
ヤッチンの熱唱からの~…
「ナイス!」
3回とも完璧なタイミングで「ナイス!」炸裂!
「皆さま、最高な時間でございます!どうもありがとう!
次で1部最後の曲になります。
やはりバースデイ・ライブでこの曲を歌わないワケにはいきません。
ボクが大事に大事にズっと歌い続けている曲です」そう紹介して第1部の締めくくりに持って来たのは「Stand Alone」。
盛大な黄色い声を浴びてノリにノッたヤッチンと4人のバンド・メンバー。
お客さんとのコンビネーションもバッチリで最高のステージとなった!
第2部も楽しみ~!
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com<後編>につづく
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