Masha Solo Live ~ Live at Home <後編>
Mashaくんのソロ・コンサート・レポートの<後編>。
実は…こういうライブのレポートを書く時って写真を割り付けるのがすごくムズカシイんですよ。
出演者が1人でしょ?
どちらかというとMashaくんは激しいアクションをせずにプレイに集中するタイプのギタリストでしょ?
撮影できる場所は限られているでしょ?
そうするとどうしても写真が似通ってしまうワケ。
当然こっちも予めそれを考慮してアノ手コノ手のバリエーションでシャッターを切ってはいるつもりなんだけど、コレがそう簡単にはいかない。
写真の撮影がムズカシイということは、記事も書き進めにくい。
このことを充分覚悟した上で<前編>に取り組んだんだけど……アラ、不思議。スラスラできたわ。
記事をご覧になった方がどういうご感想を持たれたのかは存知上げないが、とにかく自分としてはスムーズに筆を運ぶことができたのです。
大したことは書いていないのはいつものことなんだけどね。
でもコレはまさしくMashaくんの音楽とパフォーマンスのクォリティの高さのおかげに違いないと筆者は思うのだ。 さて、「楽団ひとり」のコーナーが終わると、ショウの残りはゲストを迎えてのパフォーマンスとなる。
今、まさにそのゲストを呼び込もうとしているところ。
「ココでゲストの名前を呼んで…というよりも、やっぱり彼には音楽が鳴ってるステージに颯爽と現れて欲しいと思うのです。
私が曲をスタートしたら彼が出てくる寸法になっているんですが…大丈夫かな?大丈夫だな」つまりプロレスのように声高らかにゲストの名前を呼ぶのではなく、クラシックであれば前奏曲的に、ジャズで言えばヴァース的にMashaくんの演奏を先行させるという段取り。
映画で言うと「アヴァン・タイトル」というヤツ。
まず、ひとしきりイングヴェイ・ライクのソロをア・カペラで弾く…そしてバッキング・トラックが流れ込んで来る。ゲスト登場!
Silexの元シンガー、「Dan Figueirade(ダン・フィゲレイド)」だ!
曲はMashaくんの大のお気に入りのイングヴェイの「My Resurrection」。
私が最後に見たダンとMashaくんの共演は2019年10月23日の新宿HOLIDAY。
その後3か月ほどでコロナ騒ぎが勃発して…。
あれから5年半も経つのか~。
そりゃ、今日Mashaくんが楽しそうに演奏している姿もうなづけるというものだ。伸びやかで情感豊かなダンの歌いっぷりは健在!
かつての相棒を得たMashaくんがソロもビシっとキメて『Live at Home』の後半をスタートさせた。
こちらは古くからのMashaくんの相棒のMarshall。
前回詳しくやったのでサラリとモデル名だけ紹介しておく。
上からECC83駆動のラック式プリ・アンプ「JMP-1」。
下が50W+50Wのステレオ・パワー・アンプ「9100」。
スピーカー・キャビネットはおなじみの「1960A」だ。「ありがとう。お久しぶりですね!
よろしくお願いします!」「ダンです。レザレクションしました!
素晴らしいですね~…久しぶりの演奏をとてもうれしく思います。
(ダンに)ありがとう。
改めましてダン・フィゲイレドがステージに帰って参りました!」Mashaくんが「レザレクションしました」と言っているのはコレ。
グスタフ・マーラーの「交響曲第2番」の副題は「Resurrection」…つまり「復活」という意味。
Mashaくんが言うようにまさにダンが復活したというワケね。 ちなみにマーラーの半生を描いた下の映画はなかなかオモシロかったですよ。
フロイト、クリムト、ワルター、ツェムリンスキーなんてのが実名で出て来る。
でも「グスタフ・マーラー」というより有名な奥さんの「アルマ」の方がフィーチュアされている感じだったかな? 「後半戦はダンを交えて『Silexと言えば~?』っていう曲を演奏したいと思っています。
その前に忘れてはならないスペシャル・ゲストがもう1人控えています。
私の友人であり、ダンとコラボレーションしている新進の若手ギタリストです。
ダンとの華々しい活動がこれから期待できると思ってこのナイスガイを呼びました。
Jien!」「こんにちは!
MAJUSTICE、VIOLET ETERNALのJien高橋と申します。よろしくお願いします!
今日はこの貴重な場にお招き頂いて本当にありがとうございます。
晴れて復活を果たした最強のボーカリスト、ダン・フィゲイレドとこれから一緒にやっていきます。
ゼヒ今後のボクらの動向をチェックして頂きたいと思います!」「年末ぐらいのことですかね…元バンドメイトの石川達也というドラマーがいるんですが、彼のその前進しようと努力する姿にすごく感銘を受けました、
元からすごく尊敬していた人だったんですが、その姿に感銘を受けてボクも自分の力で何かやりたい!という風に思い、初めてのことにチャレンジしようと考えたワケです。
セミナーとかデモンストレーションは何度か経験させてもらったことがあるんですが、『ソロ・ライブ』はやったことがない。
まぁ、バンドをやっているので普通はやらないよな…みたいなとこともあって考えないようにしてたんです」「ところがその石川達也の姿を目にして『ソロ・ライブをやってみたい!』という欲求が出て来たんです。
そこでこのお店にブッキングをお願いしました。
するとほぼ同じタイミングでダンが動き出すという話を耳にしました。
そして、ダンから連絡をもらって、またJienくんからも連絡が来て『やるぞ!』と決心しました。
さらにせっかくのソロなので自分のワガママを通すことにしました。
ダンとは彼がSilexを離脱した時以来そのままになってしまっていたんですが、実はSilexとして一緒にこの四谷HONEY BURSTのステージに立つという約束をしていたんです。
そこでせっかくなのでこのすごいタイミングを利用するしかない!と思いました。
そして、これからJienもダンと一緒に演るんだったらそのプロモーションにもなるのではないかと考えてJienを呼んだワケです」「これから演奏する曲なんですが…せっかくなんだけどゴメンね。
今日は2曲しかないんだ…」
「大丈夫です!」ということで2人のゲストを迎えての演奏がスタート。
ギターで加わったのはJien高橋。
2015年のTORNADO-GRENADEの『スーパーカレー大戦ぽんぽこ』というイベントで初めて会った時にはJienくんはまだ10代だった。翌、2016年にはその時JienくんがやっていたHeaven's Tragedyというバンドのアーティスト写真の撮影の仕事を依頼してくれた。
同じ2016年、ライブにもお邪魔した。
そうだ…そういえばJienくんもこの頃「JMP-1」を使っていて、「VALVESTATE」のパワー・アンプだったか「EL34 20/20」を探していたように記憶している。
この時から8年か…。 そして今日Jienくんが使っているMarshallはコレ。
イングヴェイ・マルムスティーンのシグネチャー・モデル「YJM100」と「1960A」。2009年、ディープ・パープルとイングヴェイ・マルムスティーンのダブル・ヘッドライナーのコンサートが日本で開催され、私はMarshallのエンジニアと出来上がったばかりの「YJM」のプロトタイプを携えて会場の東京フォーラムを訪れた。
プロトタイプと言っても、まだ基盤のレイアウトも外観のデザインも決定しておらず、ケースにも入っていないJVMのシャシを転用したホンマもんの試作回路だった。
会場に着いた時、イングヴェイのバンドはサウンド・チェックの真っ最中だったが、我々の姿を見つけるやいなや独断でその作業を中断し、その場で持参したプロトタイプの試奏に取り掛かってくれた。
目の前数10cmの距離で見るイングヴェイの演奏はそれはそれは素晴らしいモノだった。
彼自身もそのプロトタイプを一発でお気に召したようでとてもゴキゲンの様子だった。
それまで何度かイングヴェイとは会ったことがあったが、その後楽屋に入り込んで日がな一日一緒に時間を過ごしたことはとても楽しい思い出となっている。リア・パネルのようす。
サウンドもさることながら、ナンと言っても1959のルックスにモダンで実用的な機能を詰め込んだアイデアがヨカッタ。
50台だったかな?…限定で発売したが瞬殺だったと思う。
何でも今となっては「激レア」扱いなんだってネェ?
やっぱりMarshallは思い立った時に買っておかないと!
だってよく言うでしょ「いつまでもあると思うな親とMarshall」って。
特にこういうシグネチャーものは再生産をしないので要注意。フットコントローラーも懐かしい。
この日、ステージに上がっていた「YJM100」のオーナーはJienくんの友人の諸戸さん。
諸戸さんもセカンド・ハンドで入手したそうだが、カバーからあらゆる付属品まで丁寧に保存してくれていて、こういう取り扱い方を目にするととてもうれしくなるね。
あの重量級のプロトタイプを苦労して運んだ甲斐があったというものです。
諸戸さん、ありがとうございます!さて、ゲストとともにまず演奏したのはハロウィンの「I Can」。
当然、ギター・バカ(←ホメ言葉ですよ~)が揃えば壮絶なギター大会が期待できるワケで…
まずはJienくんのエネルギッシュなソロ。
「♪I can~!」
ダンの熱唱をはさんで… 「Masha!」
コンパクトながら密度の濃いソロをブチ込んだ!
ダンを介しての2人のギタリストの共演…いいんじゃない?
「激しいですネェ。堂に入ってましたネェ…アンディ・デリスばりのダンディさですね。
なんかこうエネルギーを感じますね。すごい前進です。
Jienくん、思い残すことはないですか?」「ダンが2、3年表舞台から遠ざかっていた後、ボクのところへ連絡があって活動再開の話を打ち明けてくれました。
『ボクは自分の大好きな曲をまず最初に送り出したいんだと…』と言うので、それじゃこの新しいチャンスに希望を込めて一緒にやるしかない!ということになりました。
3月だったかな?
それで彼と一緒にハロウィンの曲を演奏するビデオを作ったんです」次にその2人で作ったビデオの曲を演奏した。
キタキタキタキタキタ~!まずは「赤勝て!白勝て!」の正調ギターバトルから。
Jienくんと…Mashaくんによるギターの真剣勝負!
一歩でも引いたら斬られてしまうゾ!そこへ「My turn, my turn!」とダンが分けて入って「♪ピロピロペロペロパロパロ」と「口シュレッディング」で勝負を収め込んだ。
ダンの勝ち! 演奏した曲はJienくんが「このチャンスにかける」と口にした通りハロウィンの「The Chance」。
「大好きな曲」というだけあって、ダンのその歌いっぷりは完全に自家薬籠中のモノだ。
この曲をダンとJienくんがビデオで演奏しているというワケね。
イキな計らいを組み込んだMashaくん。
いかなる曲でも鋭い「Masha節」を聴かせてくれる。ロック・ギターの次世代を背負って行く宿命にあるJienくん。
こうしてチャンとした真空管アンプのいい音でバリバリとギターを弾くスタイルの後継者がいなくなってきているからネェ。
頼んだぞ!
ココでJienくんはステージを降りた。「エネルギーが違うな。
ありがとうございました。
ボクも横で見ていて楽しかったです。
自分のソロ・ライブなのにハタから見てた!」「宴もたけなわですが、ラスト2曲を演奏させて頂きます。
ダン、また演ろう。
素晴らしいナイスガイ。
ダンもこれからガンバっていくでしょうが、ボクらも負けずにガンバっていきたいと思います。
応援よろしくお願いします!」 ショウの最後はダンがSilexに加入してリリースしたシングルに収録されている2曲で締めくくった。
まずは「Made of Lies」。Mashaくんのロマンチシズムがふんだんに盛り込まれた1曲。
演奏に入る前から「今からもう感動している」と言っていたMashaくん。
その言葉通り充分に感情移入が施されたソロに観客全員が耳をそばだてた。更にMashaくんのギターに呼応して歌に熱がこもる。
素材の良さがパフォーマーの能力をフルに引き出してしまう良い例だ。そして最後を締めくくったのはSilexのキラー・チューンのひとつ「Destiny」。
Silexはアンコールをしないのでコレで最後!2人で一緒に作ったという1曲。
きっと2人とも色んなことを思い出しながら演奏したに違いない。
曲が進むにつれてパフォーマンスがエキサイトしていく!
最後までイキの合った情熱的な演奏でショウを締めくくった。
「オブリガード!バイバイ!」
「バイバイ!ダン、またね!」「どうもありがとうございました!
Silexはアンコールしないのご存知でしょ?ソロ・ライブもアンコールはないんですよ!」ところが…
客席から圧倒的な「あと1曲!」の声が上がりとうとうそれに応えることにしたMashaくん。
「あと1曲?…何がいいですかね?
そうですネェ、2曲目に演った『One Evening in Paradise』で皆さんの歌声があまり聞こえなかった気がするんですよ…それが聞きたいなぁ~、みたいな?
最後にやってくれますか?」ということで、Silexの「Breaking the Law」を敢行して「One Evening in Paradise」で熱烈なアンコールに応えた!
お客さんもアンコールをリクエストしただけあってバッチリと曲に合わせて歌ってくれました!
思いのたけを指で語り尽くしたMashaくん。
初挑戦だったソロ・ライブを成功させたその表情はこの上なく晴れ晴れしい! 「本当にありがとうございました!これにて終了とさせて頂きます。
楽しく弾かせて頂きました。
これに味を占しめてまた演りたいと思います。
本日はお越し頂きましてどうもありがとうございました!」
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Website
Mashaくんの初めてのソロ・コンサート。
実に充実したギター・ショウだった!
帰り道、GalneryusのSyuちゃんと一緒になって道々久しぶりにおしゃべりをしたのだが、「ギター・プレイやサウンドだけでなく、『Masha』という音楽家が自分だけの音楽を確立したように感じた」という感想が完全に私と一致して大いに盛り上がった。
最後にMashaくんがMarshallのビンテージ・ペダルのデモンストレーションをしてくれたビデオを紹介しておきます。
チャンネル登録も高評価もしなくていいからとにかく観てチョーダイ!
最後の「一人四重奏」は見ものでっせ!
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イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!
<Desolation>
<Captives>
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このアルバム、すごくいいよ~!
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