CALAVERAS~RIDES AGAIN <前編>
2つのオープニング・アクトを迎えて『RIDES AGAIN』と題して開催されたCALAVERASのコンサート。
「ライズ・アゲイン」、「ライズ・アゲイン」…はて、どこかで似たようなサウンドをよく耳にしたような…。
ナンだっけな?
わかった…The Poll Winnersだ!
The Poll Winnersとは、アメリカの権威あるジャズ雑誌の人気投票で第1位を獲得したアーティスト(ポール・ウィナー)3人、すなわちギターのバーニー・ケッセル、ベースのレイ・ブラウン、ドラムスのシェリー・マンが1957年に組んだスーパー・トリオ。
その彼らの2作目が「Ride Again!」だった。
CALAVERASはポール・ウィナー級のプレイヤーが集まったバンドだからして自然とつながったに違いない。
会場に特設された屋台村にズラリとならんだ人気のCALAVERASグッズ。オープニング・アクトの「EVEN KEEL」と「CREEP DOWN」に続いて颯爽とステージに上がった6人!Doug Wilson(ダグ)Ken Kishi(キシケン)Hiro Otobe(乙部さん)Jocelyn Guzman(ジョセリン)Melissa Costa(メリッサ)そしてサポート参加の岩城保夫。キシケンはもちろんMarshall!今日も愛用の「JCM800 2203」と「JVM210H」のステレオ仕様だ。真空管アンプだけが出し得る本物のロック・ギターのサウンド!1曲目、ダグが人差し指でコメカミを指すジェスチャーのこの曲は「Sick」。熱気大爆発!
いくら2つのオープニング・アクトが場内を温めておいてくれたからとはいえ、ショッパナからとんでもないテンションだわ、コリャ!「Thank you very much!!」
去年ビデオを撮ったことに触れて
「覚えてる?…覚えてるかな?」
と軽く挨拶すると…キシケンが弾くとことんハードなリフ!堰を切ったように猛烈な勢いで飛び出してくるゴキゲンなサウンドは「Mad About U」。CALAVERAS GIRLSのコーラスも炸裂してナントにぎやかなことよ!キシケンのソロもリフ同様ハード一本槍…なんだけどよく練ったメロディアスなパートもシッカリ差し込んでいるところがニクイ。曲が終わると同時に乙部さんの「♪ドッパンドッパン」。
そのドラムスに乗ってダグとお客さんのコール&レスポンス。
「エ~イエイ!」
「エ~~~イ!」
「カラ~ヴェラ~ス!」キシケンの陽気なAC/DC風なシンプルなギター・リフが重って「Enemy」。ミディアム・テンポで親しみやすいメロディがグイグイ迫ってくる楽しい1曲だ。 キシケンはココでも見せ場タップリのソロを披露した。
そのキシケンが次の曲のイントロを奏でる。
曲は「No Morte」。
「morte」というのはスペイン語で「死」という意味。
だから歌詞には「mortality」という英単語が出て来る。
「mortality」は「死ぬ運命」ということ。
形容詞は「mortal」で、反意語が「immortal(不死の)」。
この単語は再発売が繰り返されるジャズのレコードのシリーズの名前によく使われる。
要するに「不滅のジャズ・シリーズ」みたいな。
ジャズが不滅かどうかは映画『ラ・ラ・ランド』をご覧あれ。そのタイトルを表現するかのような中間の9/4拍子のパートの不吉なサウンドが何ともカッコいい!「No morte!!」とダグが叫んで…はい、キシケン。
気風のいい弾きっぷりが最高!
そもそもMarshallが出す音が素晴らしい。
やはり真空管アンプのサウンドは「Mo Morte」なのだ!
「Immortal」とも言っておこう。今度は単車のエンジン音が鳴り響く。曲は「Ride」。
この曲も色んな要素が詰まっていてオモシロいナァ。メリッサとジョセリンのコーラスも効果的にキマって…はい、キシケン。
こうして同じことをつい書いてしまう…でもね、ギター・リフがあって、ヘヴィなリズムで印象に残る歌を聴かせて、ギター・ソロからクライマックスへ持って行く…コレが「ロック」という音楽だから。
クラシックの「ソナタ」だの「ロンド」だのという曲の「型式」があるけど、基本的にもうロックはコレだから。
それを貫き通しているのがCALAVERASということ。
つまりCALAVERASが「ロック」なのだ。
ココも乙部さんが刻む16分音符のハイハットで曲をつなぐ。岩城さんのベースに… 不安定な歌のメロディでダグが絡む「D7」。
「セブンス」だから当然不安定だわな。
この和音のことを我々は「ドミナント・コード」って普通呼ぶけど、クラシックの人たちって「属七和音」って言うんだよね。 キシケンの16分のファンク・ストラミングもナイス! そういえば「G7」と呼ばれている「主要国首脳会議」ってヤツは「名前が悪い」って言っていた人がいたナ。
ドミナント・コードでは不安定だからトニックの「CM7」にするべきだ!って…ウマい!
一体どこの国の誰が「トライトーン」で情勢を不安定にしているんでしょうネェ。
音楽理論に興味のない人にはさっきからナニを言っているのかサッパリおわかりにならないでしょう。
この記事を読んだキシケンがいつかMCで説明してくれると思います。
「みんな、飲んでる?オレは水飲んでるよ!
水分を摂りましょう!」続いては、ココでここまでとはガラリを雰囲気を替えてバラードを持って来た。ダグがジックリと歌い込む「Soldier」だ。
平和のために犠牲となった兵士たちに捧げる曲。
CALAVERAS GIRLSが右手を上げてダグとともに熱唱するのがこの曲のトレード・マーク
アレ…?ジョセリンの手首に痛々しい包帯が!
どうしたのかと思って尋ねたら「カンフー」だって。
冗談かと思ったら本当に拳法を嗜んでいらっしゃるそうだ。
コリャ、もう二度と「ジョセフィン」なんて名前を間違えられんな。当然、ギター・ソロは「泣き」。
感情を込めて弾くキシケン。
後はMarshallが思う存分sobしてくれる。そして、またガラリを変えてヘヴィに「Bad-」。ボトルネックのソロをキメるキシケン。みんなで叫ぶ「♪B-A-D-マイナス」が楽しい。最後に一度だけ出て来るクロマチックのメロディのパートが実に印象的なのだ。
曲が終わるやいなやジョセリンがスッとしゃがみ込む。
すると観客の視線が乙部さんに集中する。ココで爆発するのは乙部さんのイントロ・ドラム・フィル。ノッケからキシケンが暴れ回る熱血チューン「Pressure」だ!問答無用のドライビング・ナンバー。もうコレでノラずして一体何でノルっていうのよ?というぐらいの盛り上がり。曲に溶け込んだメリッサが一心不乱に身体をクネらせる!キシケンの指さばきをのぞき込むダグ。
激しい曲には激しいソロ!
「激しい」って何回も言ってゴメンね…私も激しいですから!まさに白熱のパフォーマンスだった!ショウは中盤。
キシケンが哀愁のナイロン・ギターを弾く。
今日もラスゲアードが華麗にキマって…ジョセリンがマイクを握る。曲は「La Caravera」。ダグが歌のパートを引き継いで… 曲はドッカンと大爆発! そしてパルマのパートが続く。
以前、「Rockamenco」というフラメンコとロックを融合させたバンドがいたんだけど、こうしたスパニッシュ風味のサウンドを聴かせる日本のグループはいなくなったナァ。
エレキ・ギターに持ち替えたキシケンが弾くわ、弾くわ!
もうこの辺りは完全にブリティッシュ・ハード!
そういえばかつてバーニー・マースデンが在籍していたイギリスの「Babe Ruth」というバンドもスパニッシュ風味のロックを演っていたっけ。
CALAVERASの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook<後編>につづく
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