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2023年1月23日 (月)

直訳ロッカー 王様『深紫研究会ライヴ 』<前編>~王様と私

 
久しぶりの吉祥寺。
せっかく来たので駅の近くの「ハーモニカ横丁」の中にある「みんみん」に寄った。
餃子とあさりチャーハンで知られる同店は敬愛する吉村昭先生の評価も高く、時間によっては長い行列ができることも珍しくないのだが、この時は3組ほどの先客があるだけだったのでその後ろに並ぶことにした。
しばらく待っていると、食事を終えた客が店から出て来、我々に次の順番が回って来た。
ところがその後、パタリと客の動きが止まってしまい、かなり待たされることになった。
イライラを募らせていると、ふと入り口のカウンターに座っている若いカップルが目に入った。
考えてみるに、我々が列に並ぶ前からそこで食べていたので、かなり長い時間その席を占有していたことになる。
テーブルの上を見てみると男は餃子定食、女はチャーハンと餃子だ。
酒類はなし。ただ喰うのみ。
男のゴハン茶碗を見ると、もうずいぶん時間が経っているハズなのに、中にはまだ並々と白飯が残っている。
しかもひとつの餃子を20回ぐらいに分けて食べている。
一方、女の方はというと、時折小鳥のひと口よりも少ない分量のチャーハンを箸でつまんでは、それを口に運んでいる。
そして、その都度箸をテーブルに置いてしまうのだ。
しかも、会話の合間にスマホをイジってやがる。
コ、コ、コ、コイツら…!
ココは一流フランス料理店じゃねーんだ!
餃子なんて噛まないで飲め!
も~、ハラが立って、ハラが立って!
これにはお店の人もイヤな顔をしていた。
そして、我々もついに入店に成功し、その若いカップルのとなりに席を陣取った。
ワンタンメン、あさりチャーハンと餃子、それぞれ一つずつをオーダー。
久しぶりでおいしかったのでアッという間に完食。
そして、支払いを済ませて店を出る時に再び隣のカップルに目をやると、ナント…男が最後の餃子に箸をつけ出したところだった。
「近頃の若いモノは…」などと言う気は毛頭ないが、空気は読んでもらいたいと思うよ。
イヤ、何が言いたかったのかと言うと…久しぶりに訪れてみると、あのにぎやかだった「ハーモニカ横丁」がスッカリ閑散としていたのだ。
定休日のせいだったのかも知れないが、通りによってはほとんの店がシャッターを下ろしていて、「テナント募集」という貼り紙をいくつか見かけた。
強力な「コロナの一撃」を目の当たりにしたような気分になった。
  
さて、こちらも久しぶりのシルバーエレファント。
そりゃ吉祥寺に来るほとんどの目的がシルエレなんだから久しぶりなのが当たり前だわな。
そして、もっと久しぶりなのが…王様。
10vどういう風の吹き回しか?…イヤイヤ、そんな「風」は全く吹いてなくて、前々からMarshall Blogで取材をしたいと思っていたのだ。
丁度、一緒に演奏するのが乙部さんとリョータくんということだったのでリョータくんにアレンジをお願いしてお邪魔させて頂くことにした。
出し物はディープ・パープルのワンマン。

20v
あんまり久しぶりなので、以前Marshall Blogにご登場頂いていた頃の記事を調べてみた。
最後は2013年12月18日の『王様+はち王子様+渡辺英KING全国行脚2013』と題したライブだった。
右端がファンキー末吉さん、真ん中が故渡辺英樹さん。
10年前…大変になつかしい。4502_2_3 「王様と私」はと言えば、さらにさかのぼること13年。
2000年、AVTシリーズ発売の際、ジム・マーシャルを招待して「新宿スペースゼロ」で『マーシャル祭り』というイベントを開催した。
この時が初めてだったように記憶している。
写真はその時に来日したプロコル・ハルムのギタリスト、ジェフ・ホワイトホーンと。
王様と私は「白角さん」なんて読んでいたっけ。
後ろの楽屋の芳名表がスゴイ。
「Mr. Marshall」…この時はまだジム・マーシャルがピンピンしていた。
この時から23年も経ったのか…。90その後、『Marshallロードショウ』と称したデモンストレーションを幾度となくお願いした。
人気者の王様のロードショウはどこで演っても毎回たくさんの人が集まった。
「テンポたもつ君」という相棒を連れて、Marshallがあったからこそ生み出されたロックの名曲に高度な直訳詞を乗せて、バツグンのギターテクを披露してくれた。
70懐かしいナァ。
王様の後ろはMODE FOURのフル・スタックだよ。
となると、コレは2003年かな?
王様も若いね…若王様だ。
80v
この「Marshall扇子」も懐かしい。
ジョン・ポール・ジョーンズが来日した時、昔のブリッツでコレを差し上げたらエラくよろこんでくれましてね。
その次にフランクフルトであった時、私はJPJから「扇子の彼」と呼ばれたものでした。
以上が「王様と私」。100そして今!
エルガーの「威風堂々」でまさに意気揚々とステージに姿を現した王様。
「皆さん、こんばんは~!
英語で歌うロックの名曲を日本に翻訳して歌い続けて27年!
伝説の直訳ロッカーの新春深紫研究会ライヴ…最後までよろしくお願いします!」110「配信ライブと言うことで世界中で400万人の人が観ているというねッ!
北は北極、南は南極の越冬隊の皆さんまでがご覧になってますからね~!
南極の皆さん、見てますか~」
私、王様は27年前にディープ・パープルの名曲を日本語に訳して歌って、勢いだけでデビュー!」
Img_4174「ラッキー・パンチ炸裂!
CDがナント…30万枚売れるヒットとなる!」Img_4098「オリコン・チャート第1位獲得!」Img_4106「日本レコード大賞企画賞受賞!」120v「『徹子の部屋』出演!」
130_2「コレぐらいやんなきゃダメだよ、リョータ」Img_4167 「ハイ…イヤ~、スゴイですね~」
リョータくん、全編を通じて完全にツッコミ役に徹しておりました。140v「ライブの時にどんなに速弾きしてもね、後にお客さんに残っているのは、王様の場合は『スゴイ笑ったな』ということだけなんですよ。
お客さんの感想というと『イヤ~王様、スゴいライブでしたよ!こんなに笑ったのは久しぶりですよ!』みたいな。
オレのテクじゃないのかよッ~!?みたいなねッ!
どんなに速弾きしてもお客さんの記憶に残んないんだよね~」
…と今日も楽しくなりそうだ!
Img_4171 さて、演奏のコーナー。
今日は「深紫研究会」ということで、サスガ王様…律儀にMK1のレパートリーでスタート。180曲はもちろん「シ~!」。190vこの日のサポートは…
 
ベース/キーボーズの寺沢リョータ。
エ?…キーボーズ?
そう、リョータくんがベースでジョン・ロードのパートを演奏するという離れワザを見せるのだ。200vドラムスはCARAVERAS、ZEP道楽、THE LOVEROCK VIOLENTの乙部ヒロ。
ボンゾ・エクスパートの乙部さん、今日のお題がディープ・パープルであるにもかかわらず、サウンドチェックではレッド・ツェッペリンばっかりだったとか!
あ、そういえばイアン・ギランのコンガがNATALだったことはよく知られていますが、ジョン・ヘンリー・ボーナムもNATALのパーカッションを使っていたんですよ!210v今日も冴えわたる王様のギター・テク!220v王様はMarshall。
この日はJCM900 4100と1960A。
王様は終始歪みのチャンネルを使っていた。230vコチラはショウを通じて使用した愛器。
1961年製。
ウン、枯れた音がしていた。
恐らくフル・オリジナルでしょう。
王様のステキなところは機材に必要以上にやかましくないところ。
コンデンサーがどうとか…なんてことは絶対におっしゃらない。
以前はMarshallを試奏する時なんかも、前に使った人のセッティングをイジらないでそのまま使っちゃったりしていたからね。
そんな王様の態度には先人へのリスペクトを感じるね。
240v「♪ナ~ナナナ~ナナナ~ナナ~ナ~」とリョータくんのコーラスも加わって完璧な日本語版「Hush」が仕上がった。250ディープ・パープル来日の話。
「スティーブ・モーズの後のギターは誰だっけ?」…王様は自分に声がかかると思っていた。
ところが、目立ちすぎてしまって不採用ということに…残念!
でもね、上の写真で紹介したジェフ・ホワイトホーンは、ポール・コゾフの後任でバック・ストリート・クロウラーに、テリー・スミスの後釜でIFに参加していた名ギタリストで、20年以上前、私に向かって真剣にこう言ったことがあった。
「ディープ・パープルが再結成する時ね、マジでオレに声がかかると思っていたんだよ。ところがあんなアメリカ野郎を採用しやがって!」
スティーブ・モースのことね。
私はこの時「何言ってんの?」とは全く思わず、「スゲエ、この人…『ブリティッシュ・ロック』というディープ・パープルと同じ土俵にいるんだ」とビビってしまった。
ジェフと王様の共通項があることをこのMCで再認識した。
Img_4167_2王様は林家三平のように頭をシモに振って話をしているが、聞き手は100%リョータくん。
とてもいいコンビである。
ベース、キーボーズ、ツッコミ…と、上演中にリョータくんに休むヒマは全くない。Img_4268 「次は『Speed King』…その曲が入っている『岩の中で』のTシャツをリョータが着てますけど…」
王様からこのラシュモア山のアメリカ歴代大統領の彫刻の話があった。
アメリカでは『深紫伝説』のTシャツはあまり着て歩かない方が良いという耳よりな情報も。Img_4176ココで物販の話。
2023年の王様カレンダーはこの日完売。
特設の「屋台村(王様談)」にはバラエティに富んだ王様グッズと…30リョータくんや乙部さんのグッズが並んだ。40グッズと言えば…昔頂いた赤い「王様ピック」は今でもキチンと保管している。
そして、王様のCDね。
お付き合いするようになってからは時折見本盤を頂戴したことがあったが、私はお近づきになる前から何枚か持っていたんだよね。
長野のレンタルCD屋「BIG SPOT」で買ったの。50その時同時に買ったCDがコレ。
アース・ウインド&ファイアの曲を日本語で演るバンドや、有名なギターの演奏を口ずさむ「俺様」とかいう人の企画盤。
『深紫伝説』が1995年、その翌年にはこうした王様のフォロワーが現れ、こんなアイテムが発売されていた。
王様ってスゴイんだよ。
「人がやらないことをやらないとダメ…ジェフ・ベックみたいにね。
ディープ・パープルの歌を日本語で歌ってギター弾いているのは世界中で多分王様だけだよ」とMCでおっしゃっていたけど…まさにその通り。
あ、そうだ…Marshall Blogはオリジナルの音楽をクリエイトしているバンドやアーティストにご登場頂くようにしているが、王様もそのウチのひとりだと考えている。
だって、こうして「直訳ロック」という誰もやらないことをやってのけたオリジネーターだから。60一方、リョータくんの『岩の中』シャツに対して王様は『天国への階段』のインチキTシャツ(王様談)。
コレ、タロットカードに出て来る「隠者(Hermit)」の図柄なんですってね。
私も最近知りました。Img_4180さて「速さの王様」、もちろんギターの独奏パートからスタート。260v_sk乙部さんのドラムスがガツンっと入ると…270vおなじみのリフと歌!280ギター・ソロから…290vリョータくんのキーボード(?)との掛け合い!Img_4721 そして「♪ナ~ナナナナ~」。
そうか!
このパート、中学生で初めて聴いた時、変なメロディだな~と思ったけど、コレは「Land of 1000 Dances(ダンス天国)」からのクォーテーションだったのか!
今、コレを書いていて気がついたわ。
300
1996年にイアン・ギランにインタビューした時の話。
下の写真はイアン・ギランに成り切っているところ。
森進一ではない。
王様が「Speed King」というのはどういう曲か尋ねたところ、イアン・ギランは「偉大なロックの先人へのオマージュだ」的な説明をしてくれたそうで、私も気になっていた「豆ツマめ」の意味も解説してくれた。
コレで「♪ナ~ナナナナ~」のパートもイアン・ギランの説明に符合でするではあるまいか!Img_4255 「次は滅多に演らない曲」と前置きした、同じく『岩の中』から「血吸い人」、ク~!
イヤ~、このリフ、久しぶりに聴いたわ。
でもCONCERTO MOONのノンちゃんが楽屋で弾いてるのを耳にするか。90r4a0066 曲はもちろん『In Rock』収録の「Bloodsucker」ね。Img_4331 「リョータ!」330ディストーション・ベースで暴れまくるリョータくん。Img_4279 王様もバリバリ弾いちゃう!340v後半のキメもバッチリとキマった!
カッコいいな、この曲…日本語だし。360v「コレはどんなことを歌っているんですか?」90r4a0002「イアン・ギランがなぁ………………………吸うんだろうナァ。
『お前の血液が欲しい』っていってるからネェ…オカルト的なのかも知れない。
隠された意味もありそうだけど。
さて、次は戦争反対の曲…コレも『岩の中』からで『時間の中の子供』。
このアルバムが出たのはベトナム戦争の頃だからね、戦争の犠牲になるのはいつも子供、という歌」
という社会的な話題も絡めて「Child in Time」。Img_4171_2イントロのオルガンはギターで再現。370v_cit十分に感情を込めて歌う王様。
400乙部さんの鮮やかなスネアから…390v「♪ア~ア~ア~」へ。420どんな曲でもピッタリと合わせてくるリョータくん。
 
ロックを聴き始めた頃、この曲は長いので苦手だったな。
コレがIt's a Beautiful Dayのパクリだと知った時はちょっとショックだった。
でもカッコよく仕上がったんだからいいじゃないか。
ただのコピーよりははるかに良いでしょう?
そもそもロックはそうやって発展した音楽なんだから。
でも今になってみると、ヴァイオリンが入っていて本家の方がカッコよく思えたりして…。410vそして、ギター・ソロ!430第1部のハイライト!
460v「ギタリスト・王様」の面目躍如たる堂々としたパフォーマンス!
450ご存知の通りMarshall Blogは家内がメモしている記録に基づいて記事を組み立てているんだけど、ディープ・パープルをほとんど知らない家内は後半のパートを指して「水戸黄門」と記していた。
ひと目見てどのパートかがわかる。
ちなみに、あの水戸黄門のオープニングに使われていた「あゝ、人生に涙あり」という曲を作ったのは木下忠司といって、『二十四の瞳』や初代『楢山節考』を作った日本を代表する映画監督、木下恵介の弟なんだよ。90r4a0034「『Machine Head』に行きますよ~。
コレもあんまり演奏しない曲です。
昔、ディープ・パープルが来日してオーケストラと共演した時ね、その時のゲストがロニー・ジェイムス・ディオだったの。
で、イアン・ギランと2人で『Smoke on the Water』を歌ったんですよ。
生きているロニーを見ることができてヨカッタんだけど、その時のコンサートでもこの曲を演ってた」
エ、どの曲だろう?90r4a0040乙部さんの凄まじいフィル!470v_pohカッチョいいドラム・フレーズを耳にしてスパッと「おお、この曲か!」と思い出したいところだったけど、全く記憶になかったのはA面3曲目の「Pictures of Home」。
「故郷の写真」か…。480Spotifyを見てみると、「Smoke on the Water」の1/292と、『Machine Head』に収録されている曲の中で再生回数が群を抜いて少ないが、ナンのナンの、わかりやすくて良い曲ではありませんか?500vギター・ソロもタップリだし!510v「さぁ、いよいよ次の曲で第1部最後です。で、その後はチョット休憩に入ります」
休憩の直前なので物販の紹介。
下は「グッズを買わなきゃ今日は帰れないゾ~」の表情。
もちろんココのMCも大爆笑だった。
Img_4253第1部の最後は「宇宙のトラック野郎」。520_st有名なリフに続いて王様の大熱唱!530v_co乙部さんのドラム・ソロも飛び出した!540vコレでもか!と音数大サービスの内容の濃いソロ。550白熱のドラミングは大きな拍手を浴びた。560vココまでが第1部。
あ~、よく笑った…イヤイヤ、正確に訳された歌詞と完璧なギター・テクも楽しませて頂きました。
第2部も楽しみ!580ところで…
Marshall Blogはいつもこと細かにMCを記録していますが、今回のレポートでは極端に内容を簡略しております。
コレは決して手を抜いているワケではなく、私がグズグズここで文字に起こしているよりも、王様のライブに足を向けて、王様の声で、王様の語り口で、ホンモノの楽しさを体験してもらいたい…というお誘いの気持ちからです。
アレ?
そんなことを言っていたら、こんなのがあった~!
今日は「ディープ・パープル研究会」だけど、来る2月1日にはレッド・ツェッペリンも研究しちゃうってよ~!
 
王様の詳しい情報はコチラ⇒王様のRock 'n' Roll TOWN

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<だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)>

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200 (一部敬称略 2023年1月18日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)