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2022年9月29日 (木)

SHIMIZU WORKS BASE~清水保光、活動再開!<前編>

 
今日はこんな美しい風景から。
流れているのはテムズ川。
30分ほど地下鉄に乗ってロンドンの中心から離れるとこんな光景に出くわす。20空気も良くて本当にキレイなところでネェ。
もし近くに住んでいればオニギリでも持ってノンビリしに行きたいところだ。
まぁ、ロンドンは中心からチョット離れるだけでキレイな場所がいくらでもあるんだけどね。
同じ都会でも東京とは全く違う。Img_8428これがその最寄りの地下鉄リッチモンド駅。
ディストリクト線の「Westbound(西方面)」の終点。
ちなみに同線の「Southbound」の終点はテニスで有名なウィンブルドンだ。
この駅の真ん前…10この建物の裏手に「Crawdaddy Club」があった。
Crawdaddy Clubはグルジア(現ジョージア)出身のジョルジオ・ゴメルスキーが経営していたクラブ。
ゴメルスキーは昼間は映画の編集の仕事をし、夜は「Piccadilly Club(ピカデリー・クラブ)」というジャズクラブのスタッフをしていたが、そのクラブが閉店してしまったため、このリッチモンドの物件に目をつけ、1963年に自分の店「Crawdaddy Club」を開業した。
ローリング・ストーンズがレギュラーで出演していたことはつとに有名だが、自分が育てたヤードバーズやThe Kinks結成前のレイ・デイヴィスも出演していた。
レイがマズウェル・ヒルの自宅からバスと地下鉄でココに通っていたのかと思うと興奮するナ。
レッド・ツェッペリン、エルトン・ジョン、ロッド・スチュアートもココに出演していた。
「Crawdaddy」という名前はゴメルスキーが好きだったボ・ディドリーの「Doing the Crawddady」という曲名から引用した。
ゴメルスキーも亡くなってしまい、最近facebookに追悼文を投稿したな~…と思っていたら、もう6年も経っていてビックリ!

30さて、今日はリッチモンドではなく、新宿歌舞伎町の「Crawdaddy Club」から。
ものスゴイ久しぶりにお邪魔した。40v今時「70年代がテーマのお店」なんてもう涙が出るほどうれしいよね。
「なつかしの80年代」なんてのを時々耳にするけど、私みたいなジジイには80年代なんて最近だから。
「私は人生をやり直したい」なんて思ったことはないし、「若返りたい」とも思わないけど、ロックだけは1975年以前に戻ってもらいたいと心の底から思うよ。50店内に飾ってあるリック・ウェイクマンのポスター。
リック・ウェイクマンのポスターを作っていた時代があった…なんてことが信じられる?
何しろあの3枚組の『Yessongs』が売れて売れて品切れになり、ワーナー・パイオニアが泣いて喜んだというんだから驚きでしょ?
私がロックを聴き始めた頃のミュージックライフのリーダーズ・ポールはBay City Rollersがズッと1位だったけど、そのチョット前はELPだったんだゼ。
Focusが7位ぐらいだったんだから!
コレも何度も書いていることだけど、リック・ウェイクマンはジム・マーシャルととても仲がヨカッタ。
ジムの楽器店でリックが「Staurday boy(週末のバイト)」をやっていたこともあったらしいが、「Water Rats」というロンドンにある芸能人が集う慈善団体の活動で一緒だったので付き合いが長く続いたようだ。
いつか工場に行った時に、ジムが「リックが来週来るけど紹介しようか?」なんて誘ってくれたこともあったけど、残念ながら日程の都合でお断りせざるを得なかったのには臍(ほぞ)を噛む思いをした。60v今日はギタリスト、清水保光(以下、ほとんど「しみっちょ」)の復帰ライブ。
今回の公演の告知に関して「復帰」という言葉はどこにも謳われていないのだが、Marshall Blog的に言うと「7年ぶり」だからね。
本人に伺うと一時期音楽の現場から完全に離れていた期間もあったので、「復帰」という表現を使っても差支えはなかろう。
コレが7年前のライブ・レポート。
この時を最後にしみっちょはMarshall Blogから遠ざかってしまっていた。
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楠田敏之ふたたび+清水保光ファースト・ミニ・アルバム

310_2 それが今日、『SHIMIZU WORKS BASE』というスタイルで復帰する。
「Base」は「基地」のベースね。
「しみっちょと遊ぶ基地」みたいなイメージで名付けたそうです。
50枚のチケットは即日完売。Fl お越し頂いたお客さんには直筆サイン入りのポストカードをプレゼントした。74「せっかくチケット申し込んで頂いたお客さまに手ブラでお帰り頂くワケにはいきませんとも!」という大人の配慮。
75この機会を記念すべく会場ではCD他、色々なオリジナル・グッズを販売した。
「SHIMIZU WORKS」のTシャツ。70目玉はこの球。
一時期、しみっちょが音楽から離れてスポーツ関連のメモラビリアの仕事に携わっていた時、アメリカの盛んな「サインボール文化」に着目し、そこからヒントを得て20個限定で販売した記念品。
球面全体を使ってメンバー5人のサインを揮毫(きごう)した。
しみっちょは「他に例を見ない」と言っていたが、そりゃそうだろうね。
慣れないバンド・メンバーにとっては、サインのしにくさも他に例を見なかったようだ。
野球とロックか…。
かつてイギリスにバーニー・マースデンが一時期参加していた「ベイブ・ルース」なんてバンドがあったけどね。
今にして思うと、ナンでイギリスのバンドなのに「野球」に関するバンド名にしちゃったんだろう?
73vまずステージに姿を現したのは4人。80本日の主役、清水保光!90v大舘寛幸(以下「ダッチ―」)100v石川達也110vそして、フィーチュアリングの小野正利。120vしみっちょはMarshallとともに復帰。130当然トレード・マークのMarshallスウェット・バンドは欠かせない。140アンプはJVM210H。150キャビネットはお店の古い1060BX。
奥にあるヤツね。
コレは昔の素材のフレットクロスですな?
白も黒も色が褪せてしまってスゴイ貫禄!160v1曲目はナントLed Zeppelinの「Immigrant Song」だった。
170_is小野さんの余裕の「♪ア~ア~~アァ」が気持ちいい!180v久しぶりのダッチ―。
ATOMIC TORNADO⇒CYCLONEと結構長いお付き合いをさせて頂いている。
サビのベース・ラインをカチっとキメた!200v そして、待ってましたの'しみっちょ'のソロ。
まぁ~、弾くわ、弾くわ!
7年の間に溜め込んでいたギター・エキスを思いっきり吐き出した!210vこれぞ'しみっちょ'のソロ!
7年前と何にも変わっていない。
確立されたスタイルはそのままだった!2202曲目はIron Maidenの「Flight of Icarus」。
フランクフルトの展示会で私はよくドラムスのニコ・マクブレインのお手伝いをしたんだけど、ニコだけではなくて、Iron Maidenのメンバーってとても感じが良い人たちなんだよ。
こういう曲からはとてもそれが想像できません。
230v_foi♪ゾッゾコゾッゾコと達也くんのドラミングもヘヴィにキマる!190v達也くんはNATALのバスドラム・ペダルも愛用してくれている。
すごく踏みやすいのだそうだ。195キメのフレーズからソロへ。240vまたまた弾きまくり!
久しぶりのステージ。
満席のお客さんの前で好きな曲に合わせて思う存分弾くソロ。
うれしいんだろうナァ~、楽しいんだろうナァ~。250「こんばんは。
皆さま、始まりましたけど…。
お足元が悪いどころじゃない中、ようこそお越し頂きました。
『今日は会場に行けるのだろうか?』と何度も考えました…というより『行きたくないな~』みたいな。
出かける時間には雨も止んで、晴れ間が出て…新宿に着いたらアテにしていた駐車場が満車で、他を探すとやっぱり満車。
ウロウロしていたらザーッと雨が降ってきて…帰ろうかと思いました。
しかし、今日はすごい人ですね。
今日は清水さんのライブということで。
歌は聞かないでください…ギターだけ聞いてくださいね。
ボクが日本語で適当に歌ったとしても気づかないくらい歌を聞かないでください。
自分の話をするのはナンなんですけれども…あっ、ワタクシ『小野正利』と申します」
この日は史上最大の台風が関東にやって来る…という予報の中での開催だった。
260v「『ハイトーン・シンガー』なんて言われてるんですよ。
もうすっかりハイトーンじゃないんですよ、ボクも。
だから今日の選曲はボクがハイトーンではないことを本当に気づかされるくらい…もう声が出ません。
だから、歌を聞かないように!
歌に対するハードルを下げようと必死です」
370「もちろん歌は一生懸命歌いますよ!
しかし、本当にバラエティにとんだ選曲です。
それだけ清水さんが色々なプレーをされるということを楽しんで頂ければと思っております。
最初に言ってしまいますけれども…『MI JAPAN』という音楽学校がありまして…今は専門学校になったんですが…」
と、昔話に入ろうとしたが、しみっちょが「その話は取っておこう」と制止。
「お楽しみはこれからだ("You ain't heard nothing yet" by Al Jolson)」ということにして次の曲に移った。270続いてはレニー・クラヴィッツの「Are You Gonna Go My Way」。
この曲ってこういうタイトルだったの?!
「♪ティ~ララリッタティッタ~」で覚えちゃったからタイトルは知らなんだ!
280v_ayg小野さんがおっしゃるようにホント、凄まじいまでの広さのレパートリー。
ま、小野さんは難なくこなしちゃうんだけどね。
歌を聴くなったって、それはムリというものです。290切れ味の鋭いドラミングで「♪ティ~ララリッタティッタ~」が一段と映える。310v_ycb「You Could Be Mine」はGun s' Roses。
私は曲は全く知らないけど、小野さんの声の質がホンモノとゼンゼン違うことぐらいはわかってる。
でも、「この曲」として、何の違和感もなく聴けちゃんだよね。
それがスゴいシンガーのスゴいところ。
しみっちょには悪いけど、「歌のある音楽」の主役は100%「歌手」だから。
最近、つくづくコレを思うようになった。320今回、コーラスで大活躍したダッチ―。
多くの曲ので小野さんの歌をバックアップしてバンド全体のサウンドを分厚くした。330v昔はVintage Modernなんかも使ってもらっていたんだけど、そういえば7年前のライブの時もJVM210Hだった。340vだから「JVMの勝手知ったるところ」で実においしいサウンドを聴かせてくれる。
実際、「すごく使いやすい」とおっしゃっていた。350「ありがとうございます!
じゃあ、さっき話せなかった話を…ボクは30年前に『ポップス・シンガー』としてデビューしました。その前はメタルのバンドを演ってまして、嘘をついてそのバンドを辞めているんですね。
ソロ・デビューの話が来て、じゃあポップスで…という話が決まったワケです。
そのバンドのメンバーには『オレは長男だからそろそろ真っ当な仕事をしなければならない』と言って辞めたんです。
辞めたらですね、自分では全く予想していなかったんですけれど、いくつかのバンドから電話がかかって来たんですよ。
『辞めるんだって?それじゃ、もしよかったら一緒に演らない?』って。
で、そういう誘いは『ボクはもう音楽を止める』とウソをついて断ったんですが、清水さんには正直に言った」
360v「ボクの鼓膜に残っているのは、あの当時の小野さんの声で『ボク、ソロでデビューするんでメタルはやりません』って…。
結構壮大な計画のバンドを立ち上げようとしていて、それのお誘いをしようと思ったのに冷たく『ボク、メタルやらない』って…『芸能界でガンバるんでスミマセン』って言われたんです。
そういういきさつがありました。
もっと色々あるんですけど、それは文春砲になちゃうから!」
まぁ、色々とありますな。
他でも丸っきり似たような話を聞いたことがあるし…。
言えるのは…キャリアが長いのでしみっちょから聞く昔話はメチャクチャ面白いということよ。
380v早くも前半最後の曲。
Skid Rowの「Youth Gone Wild」。390_ygwしみっちょの復帰を祝って『SHIMIZU WORKS BASE』の前半を劇的に盛り上げてくれた3人。400v

410v

420vそして主役の清水保光。
もう「これでもか!」というぐらい徹底的に弾きまくってくれた。430その自信と喜びに満ちたパフォーマンスはなかなかに感動的だった!440vそういえば、このSKID ROWってMarshall Blogで来日公演を取材したことがあった。
ファンキーさんの関係だったっけかナァ?
ギタリストのスコティ・ヒルから電話がかかって来てJVMをレンタルした。
その際にMarshall Blogの取材を申し込んだ。
それでスコティに「写真のチェックって必要?」と尋ねると、「要らない、要らない!オレたち全員、写真を撮られるのが大好きだから好きなだけ撮って、好きなように使ってもらって構わないよ!」とオッソロしく好意的な返事をしてくれたのがすごく印象的だった。
アレも楽しかったナァ。
このレポートはその時の様子をバッチリ伝えていると思うのでゼヒどうぞ!
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SKID ROW ~UNITED WORLD REBELLION TOUR~20_2「ココで少し休憩します。
換気ができたところで後半を始めますのでよろしく!」
 
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450<後編>につづく
 

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200 (一部敬称略 2022年9月19日 新宿Crawdaddy Clubにて撮影)