simoが初のオフィシャル音源「Pinky」をリリース!~レコーディング探訪記
ギタリスト、関雅樹率いる腕利きカルテット「simo(シモ)」。
ギターだけでなくキーボーズもベースもMarshallで鳴らして、ドラムスはNATALという「Marshallづくしライブ」なんてことをして頂いている。
まるで昔のディープ・パープルのようだ。
「関」の「s」、「石井」の「i」、「宮野」の「m」、「岡井」の「o」で「simo」というワケなのだが、チームの黎明期には「関4」なんて、それこそ昔の六本木ピットインの「昼の部」のスケジュール表で見かけそうな名前でやっていた。
このチーム、その時代から数えると結構長いキャリアを誇っているのだが、残念ながら正式な音源を制作していなかった。そこで、「機は熟した」と一念発起してレコーディングに臨むことになった。
よしよし。
となると、当然レコーディングの様子をMarshall Blogでレポートさせてもらうことになるでしょう?
関ちゃんにスタジオの場所を問い合わせると、メールで「瀬谷の烏賊舌音響」と案内してくれた。
「烏賊舌音響」…スゴイ字面だなと、一瞬ギョっとしてしまった。
でもよく見ると…「イカ」に「シタ」。
ハハハ、「イカした音響」か!
こういうのはいいな。
…というワケで生まれて初めて横浜の「瀬谷」なる所へ行って来た。お邪魔してみると、すごくアットホーム感じのステキなスタジオだ。
まずはセッティング。大二さん自ら愛用のNATALのキットを組み立てて頂いているところ。
メンバーは、(左から)岡井大二、関雅樹、宮野和也、そして石井為人。
順番が「osmi」になっているけど、コレが「simo」。関ちゃんが持ち込んだMarshall。
上段のヘッドがSTUDIO VINTAGE SV20H。
その下がJCM800の1959。最近導入したSV20H。
大変なお気に召しようで、関ちゃんはいつもリンクして使っている。SV20Hをつないでいるキャビネットは、こちらも最近導入してくれた1974CX。
ハンドワイアードの18Wコンボ、1974X用の1x12"エクステンション・キャビネット。
1974は三角形のデザインで知られるWatkinsの「Dominator」というアンプが18Wだったことに目をつけたMarshallが、パブ等の大きな出力を必要としない場所で使用するモデルとして開発された。
そんなだから元々エクステンション・スピーカーは存在しておらず、1974Xをはじめとしたハンドワイアード・シリーズをスタートする時に初めて生産された。1959をつないでいるキャビネットは2x12"の1922。
コレはJCM900時代のコンボ用のエクステンション・キャビネットだった。足元のようす。
一方、大二さんのNATALは愛用のバーチ。
フィニッシュはグロス・バーガンディ。
31のアイスクリームの「バーガンディ・チェリー」って美味しいな。そしてスネア・ドラム各種。
コレはキット付属のスネア。メイプルの12"x5.5"。
もうひとつはステイヴ・スネア。
「Stave(ステイヴ)」とは「桶」のこと。
温泉場の風呂桶のように、木材をタテに組み合わせた構造。
コレがおっそろしくパンチの利いたウォームなサウンドをクリエイトしてくれる。
残念ながらもうNATALでは生産していない。そして、Cafe Racerの18"のバス・ドラム。
曲によってはこの小口径のバスドラムを使用するという寸法だ。まずは打ち合わせ。
「エ~と、今日の予定は…」なんてやっているところ。まずは数曲、リズム・セクションだけのレコーディングに取り掛かった。
'みやん'と…
大二さんの2人がスタジオに入って他の録音済のトラックを聴きながらプレイ。
ミキシング・ルームでは鬼プロデューサーが厳しくディレクションする…
そうでもないか。
「いい感じ~!」ってな具合。こうしていくつかテイクを重ねる。
そして、都度プレイバックを聴いては演奏の内容を細かくチェックする。
私なんかだいたいこのあたりでナニがいいんだか、ナニが気に入らないのかがサッパリわからなくなって飽きて来ちゃう。
こういう人たちはこうした作業を呆れるぐらい繰り返してもケロっとしているのだから恐れ入る。
だって飽きちゃうじゃん?同じ曲ばっかりで!
私なんぞはとてもミュージシャンになれません。 学校の先生でもラーメン屋でもそうなんだけど、「同じことを同じように何度でも繰り返しすることができる」のがプロの定義のひとつだと私は思っている。
私はミュージシャンは無理だっただけど、「Marshall Blogのプロ」でいたいとは思っているのです。今度はメンバー全員がスタジオに入る。
鬼プロデューサーに徹していた(だから「鬼」じゃない!)関ちゃんもギターを手にして自在に弾きまくる。
simoのライブ・ステージメンバーが持ち寄ったオリジナル曲を演奏しているが、この日録音したのはすべて関ちゃんの作品。
ファンキーな「K.T. Street」他、すでにライブでは頻繁に演奏している曲だ。
そんな状態でのレコーディングだったので演奏はスイスイだ。
皆さんムズカシイ顔して演奏しているけど、曲はどれも耳に親しみやすいインスト・ナンバーだ。
そして、プレイバックを聴いてチェック。
また演奏。
コレの繰り返し。そして、この日の最後に7月16日にリリースした今回のレコーディング・セッションのリード・チューン「Pinky」を吹き込んだ。
大二さんはバスドラムを例の18"のCafe Racerに交換。
音数を抑えた関ちゃんが弾くテーマ・メロディが印象的だ。
いつも通りの為人さんの密度の濃いソロ!
お、今度為人さんにお会いした時に「白鶴」のお話をするのを忘れないようにしなきゃ!そんな演奏を'みやん'が奏でる低音でグッと引き締める。
念願のレコーディングで関ちゃんも楽しそうにプレイしていた。
終了後はレコーディングの時のスタッフの皆さんと記念撮影。
このレコーディングの様子を収録して制作した「烏賊舌ビデオ」がコレ。
音源のPRビデオ。
「Pinky」のお求めはコチラからどうぞ!⇒DI++O
この日にレコーディングした他の曲も9月中にアルバムという形でリリースする予定なのでお楽しみに!
Apple Musicはコチラ⇒Apple Music
さらに、simoは前回好評だった「Marshallづくしライブ」を8月5日に予定しているので、是非ご参集くださいまし。
simoの詳しい情報はコチラ⇒Seiki's Web