NAMM2020レポート vol.3~Marshall Records Special Showcase <前編>
NAMM初日の午前中のブースでのデモンストレーションがうまくいって胸をなでおろしていると、すぐにお出かけの時間になった。
NAMMの会場があるアナハイムからイースト・ロサンゼルスへ向かうのだ。
用向きはコレ。
レーベル・メイトのPress to MECOとのダブル・ヘッドライナーでMarshall Recordsのショウケース・ライブに出演するという寸法。
ロンドンでも演ったいわゆる「顔見世興行」。
アナハイムから40分ぐらいかけてやって来たのはこんなところ。
すぐ近くにワーナー・ブラザーズの施設がある。
今は他の会社に吸収合併されちゃったけど、昔、ワーナー系の音楽出版社とはよく一緒に仕事をしたものでしてね。
その時の先方の担当者の女生徒とはいまだに時々連絡を取り合っている。
こういうのキックボードって言うんだっけ?
コレに乗っている人をこの辺りでよく見かけると思ったら、「貸しキックボード」なんてのがあるんだね。
ロンドンなら「ボリス・バイク」か。夜の部の現場はココ。
「The House of Machines」というライブ・レストラン。
ホラ、入り口にこの日のライブ告知がしてある。
D_Driveの写真は上海のホテルの入り口で私が撮ったモノ。
店内に飾ってあったロサンゼルスの地図。
赤い部分が今我々がいるところ。
どうやらハリウッドあたりからは大分東にいるようだ。
東京でいうと葛西ぐらいのイメージか?
チガウカ?ロサンゼルスはアホみたいに広いでネェ…と言っても広さは東京23区の2倍程度なんだって。
ゼンゼンたいしたことないのに、実際に行ってみるとエラク広く感じるな。
お店のお兄さんに「今晩出演するバンドです。機材を搬入してもいいですか?」と尋ねると、すごく親切に対応してくれて、このホールに案内してくれた。
左に見える大きな木の扉は必ず閉めておいてください…と言う。
隣の事務所にいる大きな犬が入って来ちゃうんだって。
自分たちの機材を搬入してひと休みしているD_Drive。
予め舞台にセットされていたのが、ナゼかSTUDIOシリーズとOriginのコンボ。
何でだろう?
このレストランの所有物なのかな?
さすがSTUDIOシリーズ。
アメリカでもスゲエ人気なんだな、きっと。
我々の機材はコッチ。
2日後に『She Rocks Award』で使う機材が届いていた。
NATALもバッチリ。
で、テッキリこのホールで演奏するのかと思っていたら大間違い。
時間になるとステージ屋(っていうのかな?)がやって来て、表のレストランに簡易ステージを作ってPAをセットしてくれた。
今晩のステージはコチラ。
ToshiくんのEDEN一式。
Toshiくん、このセットに大感激。
何でも初めてEDENを所有した時のヘッドと同じ機種だったとか。
順調にリハ終了。
この日、PAを担当してくれたお兄さんがまたスゴクいい人だった…名前は忘れちゃったけど。
ロスにやって来て演奏する日本のバンドの音響を何度も担当したことがあるって言ってた。
その彼、D_Driveの演奏にブったまげていたよ。開演まではリラックス・タイム。
日本に来た時のアレックスの写真て談笑するメンバー。
この毛むくじゃらとその隣の人…現地のD_Driveファンで、わざわざイラストを描いて持って来てくれたの。
うれしいね~。
この人たち、本番中にモッシュしてた。
Seijiさん曰く、後にも先にもD_Driveの音楽でモッシュしてる人を初めて見たとか。
そして定刻になってショウがスタートした!
冒頭、ステージでマイクを握ったのはMarshall Recordsの親分、スティーブ・タネット。
我々は親しみを込めて気安く「Tane-san、Tane-san」なんて呼んでるけど、タネさん、こう見えても70年代中盤のロンドン・パンク・ムーブメントの時流に乗って、Menaceというバンドでギターを弾いてブイブイいわせてた。
MenaceはWardour StreetのMarqueeに出演していたんよ。
ロンドンのMarqueeについてはコチラをどうぞ。
↓ ↓ ↓
①【イギリス-ロック名所めぐり】vol.19~Marquee物語 <前編>
②【イギリス-ロック名所めぐり】vol.20~Marquee物語 <後編>
「フロム・オッサ~カ~、ジャッパ~ン……ディ~ドゥライヴ!!!!!!!」ド迫力のタネさんの紹介に続いてのオープナーは「M16」。よかよか、この曲のD_Driveならではの「和風メロディ」がまさに「ショウケース」に持って来いだ。
SeijiさんとYukiちゃんが掛け合いで表現する「銃撃戦」のシーン。
外はいつ銃撃戦が起こっても不思議はなさそうな物騒っぽいエリアでの演奏だけに迫力も増すゼ。「物騒」といえば…ココからそう遠くない南カリフォルニア大学の向かいに「Shrine Auditorium(シュライン・オーディトリアム)」というキャパ6,300人の大ホールがある。
1926年に再建され、かつてはアカデミー賞やグラミー賞の授賞式に使われていた由緒正しい施設。
ハイハイ、ボケてないですよ~。
以前にも書いたことは覚えています。
せっかく近くまで来たのでまた書いておこうと思ってサ。
エキゾチックなルックスなので「Shrine(神社)」というのかと思っていたら、コレ、フリーメイソンの内部の組織の名前なんだってね。
内装も荘厳でそれはそれは素晴らしい。
というのは、20年近く前、NAMMの時に一度入ったことがあったの。
そりゃカリフォルニアの冬はとても温暖だけれど、会場内はギンギンに冷房をきかせてあって、とても居られる状態ではなかった。
出し物もマイケル・マクドナルドで私の好みからかなり遠くかけ離れていたので、暖を取りに会場の外へ出た。
周囲は特に賑やかなワケでも、閑散としているワケでもなく、ま、黒人が多いかな?程度で何の気なしにブラブラと歩いてシュラインに戻った。
後で聞いて青くなった。
その辺りは黒人の大暴動があって、数年経った当時でも「夜間のひとり歩きは危険」と言われているエリアだったのだ。
今はどうか知らないけどね。
一応、私、海外では「君子、絶対に危うきに近寄らず」を標榜しているもんですから。 脱線ついでに…。
このシュラインでライブ録音されたアルバムをご紹介。
まずはテナー・サックスのスタン・ゲッツの『Shtan Gets at the Shrine』。
ゲッツも若い頃は滅多に聴かなかったけど、今はよく聴くようになった。
ロック・リスナーにはコレ。
みんな大好きGenesisの1974年の超名盤『The Lamb Lies Down on Broadway』ではなくて…
コレ。
1998年にリリースされた未発表音源を集めた4枚組のボックスセット『Genesis Archive 1967-75』。
このセットに1975年1月の『The Lamb Lies Down on Broadway』を全曲完全再現したライブ音源が収録されている。
うれしいなったら、うれしいな!
そして、この音源を録音したのがこの「シュライン・オーディトリアム」なのよ。
どうだ!驚いたか?
驚かないか…こんなことで喜んでるのはいつだって私だけなのね? ウン、マーブロらしいいい脱線だった。
銃撃戦に勝利したかのような自信に満ちたSeijiさんの表情!
実は旅の疲れが出てさっきまであんまり調子がよくなかった。
ところがひとたびネックを握ればこの通り!
どんだけギターが好きなのよ?
でもね、D_Drieの良いところのひとつは、これだけのギター・バカ…失敬!マーブロで使う「ギター・バカ」という表現はギタリストに対する畏敬の念を込めたホメ言葉です…がやっているバンドの割には「ギター・ギター」していないところなんだよね。
「ああ、またギター・ソロか…」というところがひとつもない。
そういうところが海外の人に認められた要因のひとつだと思う。
だってコレだけ「速弾き」が氾濫し、成熟した今、これ以上シュレッダーは必要ないでしょう。
肝心なのはシュレッディングの技術を使って、いかに自分だけしかできない独創的な音楽を作るということでしょう。
続けてD_Driveの最古のレパートリーのひとつ「Cassis Orange」。これまた演りなれた曲だけあって、演奏は「立て板に水」の如し。
ギター・チームの完璧なコンビネーションに初めて見る人はジョウ・ドロッピング!
「We are D_Drive from Japan!」
Yukiちゃんの英語のMCも板についてきた!
そのままYukiちゃんフィーチュアで「Unkind Rain」。Toshiくんの哀しみのベース・ソロ。この曲もすごく評判がいいのよ。ココで新曲「Livingston's Thumbs Up」。ギター・チームが奏でる印象的なテーマ。
そして、トリッキーなギター・ソリ。
毎回書いてるけどヤッパリ素晴らしい。
そしてベース・ソロ。
右に写っているのは例のモッシュの人たち。
ところどころに挟み込まれたピックアップ・ソロがスリリングなChiikoちゃんのドラムス。
もちろんジョンは両手の親指を立てていた…に違いない!?
最後は「Attraction 4D」で締めくくった4人。
もうこの曲はMarshallの連中にもおなじみで、Seijiさんがイントロを弾くと「コレコレ~」みたいな感じになるのです。
そして、再びタネさんのMCがあって、D_Driveは大歓声に包まれつつ出番を終えた。
あのPAのお兄さんもヤンヤヤンヤの拍手だった!
D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive OFFICIAL WEB SITE<後編>につづく
(一部敬称略 2020年1月17日 ロサンゼルス The House of Machinesにて撮影)