THE WILD ONE~LAZYgunsBRISKY & MUTANT MONSTER
今日は渋谷RUIDO K2さんからのレポート。
ああ、一体何年ぶりにお邪魔したことだろう。
アレはまだウチの上の子が中学生の頃だったから15~16年前のことか…。
昔、FUZZY CONTROLがココをホームにしていて足繁く通ったものだった。
MGシリーズの雑誌広告に使うファジコンのライブ写真をココで撮ったこともあったっけ。
今日のライブのタイトルは『THE WILD ONE』。
あ、「16th Anniversary」って書いてある…そうか、するとあの時ってこのライブハウスがオープンしたばっかりの頃だったんだな。
そういえばそんな気がして来た。
出演はMUTANT MONSTERとLAZYgunsBRISKYのダブル・ヘッドライナー。
今年もコレをやらせて頂くが…決して「ツーマン」ではない。「ツーマン」とか「スリーマン」とかいう表現はあまりにも無知無教養感が強く恥ずかしい。
「ダブル・ヘッドライナー」ね。3組なら「トリプル・ヘッドライナー」。
さて、「The Wild One」といえばスージー・クアトロ。
今の若い人は「クアトロ」と言えばライブハウスということになるのであろうが、私が中学生の頃、スージー・クアトロってのはスゴイ人気だった。
そんなもんだから、当時のオーディオ雑誌『FMレコパル』に「スージー・クアトロ物語」というマンガが掲載された。
その中で、ベースを弾くスージーに友達か誰かがこう尋ねるシーンがあった。
「スージーはなんでギターじゃなくてベースを選んだの?」
するとスージーがこう答える。
「ギターはダメ。ベースじゃないとダメなの。ベースは子宮にガツンと来るから!」
ホンマかいな…。
ま、例によって45年近く前の記憶なので正確な文章は思い出せないが、とにかくこんなことが書いてあってギターを弾き始めの子供の私にはナニがナニやら…。
私はその頃から例によって人様が騒いているモノに背を向ける傾向があったので、スージー・クアトロを好んで聴くことはなかったが、この「The Wild One」という曲だけは知っていた。
今聴くとメチャクチャかっこいい。
調べてみると「The Wild One」曲はゲイリー・アッシャーとロジャー・クリスチャンというThe Beach Boys系の作曲家の作品。
道理でよく出来てると思った。
榊原郁恵ちゃんの「夏のお嬢さん」の歌い出しって、この「The Wild One」と全く同じだと思わない?
新年一発目の脱線でした。
というのは再来週、スージー・クアトロに会えるかも知れないもんだからサ。
そう、昔から大ファンだったのです!…ウソこけ!
さて、観客の「OK、OK!」の声に包まれて、まずステージに上がったのはMUTANT MONSTER。
ギター/ボーカルズのGi(ギー)…ウソウソ、MEANA(ミーナ)。
MEANAちゃんはMarshall。
い~つ~も~Marshall!
MEANAちゃんのMarshallの使い方を後ほど紹介しちゃう。ドラムス/コーラスはCHAD。
この日使用したのはバーチのキット。
シングル・タムで、いつも13インチをチョイスしている。
実はこの日、初NATALだったんだけど実にシックリ行っておりました!
ところで、既に「MUTANT MONSTERはMarshall Blog初登場」と書いた。
その通りなんだけど、実は昨年の6月のロンドンの「Camden Rocks Festival」でニアミスしていたのです。
下はそのフェスのプログラム。
すでにレポートしている通りD_Driveが出たでしょ?
会場は違ったけど、同じ日に近くにいたというワケ。
終演後、D_Driveの演奏にノリまくって汗ダクになった若い男の子がタオルを広げて私に見せて片言の日本語で「ミュータントモンスターシッテマスカ?」と訊いてきた。
その広げたタオルには「MUTANT MONSTER」とイタズラそうなネコの絵が描かれていた。
失礼ながらその時は存じ上げてなかったので、正直に「知らない」と答えたがその名前が気にはなっていた。
その後、あるイギリス人と知り合い、その彼が渋谷のO-CRESTに出るMUTANT MONSTERを観に行く…というのでビックリして連れて行ってもらうことにした。
話を彼から聞くと、MUTANT MONSTERを媒介にして共通の友人がいることもわかって更にビックリ!
下はその時のO-CRESTで終演後に撮った写真。
私はニコニコしているように見えるが、実は「あ~、カメラを持ってくればヨカッタ!」と大後悔している。
そう、この時はカメラを持参せず、ただステージを拝見しただけだったの。
ところがそのステージがとっても良くてね。
しかも訊けばMEANAちゃんはいつもMarshallだって言うじゃない。
そこで「次回はMarshall Blogの取材で必ずカメラを持って来る」という約束をさせて頂いてこのK2のライブに臨んだのさ。
時にソロ、時にハモるMEANAちゃんのツイン・ボーカルズが大きな魅力。
このハモリが素晴らしい。
声が2人ともソックリなのだ。
それもそのハズお2人は姉妹でいらっしゃる。
MCをはさんでMEANAちゃんのアルペジオからスタ―トする「離してあげる」。
「♪ハサミを入れるわ!」
O-CRESTで観た時、一番印象に残った曲。
Sweet DrumsのCHADちゃんが叩く鳴りの良いNATALの音がバッチリとバンドにマッチしてる。
やっぱイギリスつながりだね。
続けて「隅で泣け」。そのCHADちゃんのドラムスに…
「猫かぶり」。
「猫かぶってんじゃね~よ!」なんて、映画やドラマなんかでは時折出くわすだけで実際に言ったことがない馴染みのないセリフのひとつ。
「♪オッオッオ~オオ」と演るこの曲のサビのメロディは実になじみやすい。
そしてドラマチックな転調。
こういうところが海外でウケるんだろうな。BEちゃんをフィーチュアして「東京」をジックリと。
TVなんかでも「故郷を離れる」シチュエーションのCMをしょっちゅうやってるけど、こういう曲を作れるのは地方出身の方々の特権なんだよ。
生まれも育ちも東京の人間にとっては、東京に出て来る方々の不安や、故郷を離れる大きな決断を本当に理解することはムズカシイの。
訊けばBEちゃんやMEANAちゃんの出身地は、江戸の昔には「一生に一度訪れることが出来れば超大ハッピー」というおめでたい場所だって言うじゃない。
ウチなんか一昨年偶然にも2回行っちゃったよ。おかげさまでハッピーですわ。
反対に東京で生まれ育った人は「離れる」という言葉がない代わりに「帰る」という言葉もないんですよ。
でも、「大変なんだろうナァ」ということはわかます。曲の後半、リズム隊が加わってチョットしたマーチ風になるドラムスがまたいいんだよね。
Rude GuitaristとWild Bassistが奏でるスリリングなメロディが耳につく「黒に染めろ」。
続けて「煙火」…コレは「花火」か。
尺玉が耳元で炸裂したかのようなすさまじいパフォーマンス!
知ってる?
花火を作っている会社って「花火店」って言わないんよ。みんな「煙火店」という。
MEANAちゃんのギターね。
上に書いた通りいつもMarshallを使ってくれているんだけど、ペダルボードに歪み系のエフェクターがなくて、音を加工するペダルはディレイだけなの。
音楽的に激歪みの音を必要としているワケではまったくないんだけど、Marshallのクランチちょっと手前ぐらいのナチュラルなサウンドですべて弾き切っちゃう。
余計なモノをつないでないからメッチャ音抜けがいいんだわ。
ソロの時はショート・ディレイをかけるだけ。
ゲイリー・ムーアみたいなリバーブに毛が生えたぐらいの短いディレイね。
コレがまた独特なのね。
個性的って言っていいでしょう。
どんな機材を使ってもどうしても音が細くなってしまうことはわかりきっているんだから、女性ギタリストこそMarshallを使えばいいと思うんだけどナァ。
その点MEANAちゃんのガッツに溢れたギターサウンドは参考になると思う。
え、Marshallは女子にはがデカくて重いって?
ナニ言ってんの!音が優先でしょ、音が!
重くて持ち運びが大変ならそこら辺の男の人にゴロニャンって頼んじゃいな!MEANAちゃんは盛り上げも担当してるのね。
中身も深さもない、空っぽで救いのない男を歌った「Lazy Guy」。
最後に「それでも私は愛してる」とか歌うのかと思ったら最後まで急速調でブッ飛ばして突き放す!
続けて「No Way」。
ああ、コレも印象に残った曲のひとつ。
サビの最後のクロマチックが私にはとても不思議に響くのだ。
パンキッシュなイントロから「木っ端微塵ロケット」はスカ・ビート。
「♪転んでいく地球の終焉を見るために ロケットを作ろう 宇宙へと逃げようよ
木っ端微塵になって星になり 漆黒の墓場で光れば 不死身よりよっぽどいい」
地球温暖化を憂いた社会派ソングか。
ついつい、ナニを歌っているのかジックリを耳を傾けてしまうんだよね。
普段はこんなことしないんですよ、私。
そして、メロディへの歌詞の乗せ方が気持ちいいんだな。最後もパンキッシュな「オオオ」ソング、「Summer Ticket」。
さすが2008年結成の大ベテラン!
全12曲、木っ端みじんになって個性を爆発させた!
あとね、この日は演らなかったけど、「Orion」と「バババブル」が好き。
そう、大抵のことはナントカなるんだよね!
MUTANT MONSTERの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE
そして先日『Marshall GALA2』に出演してくれたAZU。
AZUちゃんベース・キャビネットはMarshall VBC412。
コレが縁でAZUちゃんと知り合った…だから随分長い付き合いだ。
今ではこのキャビネットも貴重になって「譲って欲しい」と言って来る人もいるそうだ。
確かにMarshallのベースアンプのVBA/VBCシリーズってよく出来ていたからね。
そんな関係でLAZYgunsBRISKYは、前のギタリストのIZUMIちゃんもMarshallを使ってくれていたこともあって、以前のMarshall Blogに何度かご登場頂いている。
代官山UNITでの単独公演なんか行ったもんね~。
でも今のMarshall Blogになってからは初めてのご登場。
コレは去年の6月にリリースしたミニ・アルバム『Riot Bulb』。
ホント、ひっさしぶりにそのステージを拝見させて頂いたが、相変わらずいい感じ!
LUCYちゃんの存在感が一段と大きくなって、ナンもカンも吸い込まれて行くようだ。
AZUちゃんもそうなんだけど、YUKOちゃんは4月29日によく写真を撮らせて頂いていたのよ。
本人はご存知なかったけど、日比谷の野音でね。
AZUちゃんも相変わらずのド迫力のベース・サウンドでゴリゴリやってくれた!
このバッサ~のアクションもキマりまくっていたけど写真を撮るのは大変なのよ。
終始LUCYちゃんのリードで最高にエキサイティングはステージを展開してくれた。
LAZYgunsBRISKYの詳しい情報はコチラ⇒official web site
実はこの2チーム、今日が初顔合わせだったんだって!
しょちゅう対バンを務める仲良しバンドなのかと思ってた!
この日はRUIDO K2とLAZY guns BRISKYとデッカイ久しぶりが2つ、そして初めてのMUTANT MONSTERの取材が重なって非常にハッピーな1日だった!