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2019年8月29日 (木)

踊る田川ヒロアキ!&大前光一 〜 Tokyo Tokyo Festivalから

 

ここのところテレビを見ていると、パラリンピックに関する報道や宣伝の分量の多さに圧倒される。
自国開催ということもあるのか、ヘタをするとオリンピック関連の報道より接する機会が多いのではないか?…と思えるほど。
とてもいいことだと思うけど、日本人ってのは「オッソロしく熱しやすく、あまりにも冷めやすい」ので、一過性の現象で終わらないよう、広めることよりも継続することの方がムズカシイでしょうね。
海外に倣ってやっているんでしょうけど、土台「歴史」が違う。
歴史が違うということは「意識」が違うということだから。
では、このパラリンピックの歴史をチョット勉強してみましょう。
「発祥の地」とされているのはナント、Marshallの本社があるバッキンガムシャーのエイルズベリー(Aylesbury)という町。つまり、またイギリス!
実はMarshall Recordsのピーターがココの町の出身で、その昔、King Crimsonが来て演奏したライブハウスがあるのが自慢だ…と言っていた。
日本でも行政区画の変わり目で「ようこそメガネの町 鯖江へ」みたいな標識を見かけるでしょう?
ああいうのがイギリスにもあって、エイルズベリーを通り過ぎる時に「Birthpalce of the Paralympics」という標識を見た記憶がある。
Marshallがあるブレッチリ―は何の町だか知ってる?
ブレッチリ―のエリアに入る時に見かける標識には「Welcome to home of codebreakers」って書いてある。
「ようこそ暗号解読者の故郷へ」ということね。
で、エイルズベリーにあるストーク・マンデビル病院というところで開催された戦争で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして開催されたスポーツ競技会が発祥とされているらしい。
その時は「手術よりスポーツ!」というスローガンだった。
そして気になるのは語源。
「Para-」という接頭辞がついているので「複数の」的な意味合いがあるのは想像がつくんだけど、さにあらず。
元は「Paraplegia(パラプレジア)」の「Para-」と「Olympic」の合成語で、「ストーク・マンデビル競技大会」のアダ名として「パラリンピック」という名称が使われていた。
パラプレジアとは脊髄損傷等による下半身がマヒしてしまった方々を指す言葉だ。
しかし、その後発展を続けたこの競技会は半身不随者以外の人たちの参加するようになり、1985年にIOCは「パラリンピック」の名称を正式に認め、同時に「Para-」を「平行」の解釈に変更し「もうひとつのオリンピック」という意味合いを持たせるようになった。
 
そんなオリンピック/パラリンピックの機会に日本を訪れる海外のお客さまを迎える曲「Sky」を制作した田川ヒロアキ。
リリースを前にパラリンピック関連のイベントに登場した。

730cd場所は立川からモノレールで2駅ぐらいの「立飛」というところ。
完全に生まれて初めて来た。

10駅の傍らには巨大なショッピングセンター、「ららぽーと」。
というか、このショッピングセンターのための駅なのね?

20イベント会場のロケーションは屋外。
あいにくの雨模様。

30『Tokyo Tokyo Festival』という東京都のイベント。
ほんの少しだけ都民税の元を取ったゼ。

40「No Border "ARTS x SPORTS” 芸術とスポーツの融合」という触れ込み。
ヒロアキくんは「ART」で登場だ。
この写真、まだ使ってもらってありがたいです。
『Ave Maria』のジャケット用に私が撮ったモノ。

50現在リハ中。
8:00からヒロアキくんのリハーサルだっていうから、アータ、6時半に家を出て来たよ。
メッチャ久しぶりの早朝の電車だったゼ。

60ステージはこんな感じ。

70開演時間が近づきお客さんがジャンジャン集まって来た。
どうでもいいことなんだけど、日本のサラリーマンのYシャツってのは「白」だよね~。
水色が関の山で、色や柄の付いたYシャツを着ているサラリーマンの比率が海外に比べて桁違いに低い…気がする。
別に悪いこっちゃないんですよ。
コレも「日本の風景だな~」って思うだけ。

80イベントが始まった。

90いきなりヒロアキくん登場。

100何台ものテレビカメラが入っていた。

490もちろんお供はMarshall。

110v愛用のJVMはJVMでも、今日は1x12"コンボのJVM215C。

120弾いたのは「Seascape」。
コレはヒロアキくんコーナーの最初に弾いているワケではなくて、今回の『Tokyo Tokyo Festival』全体のオープニングの序曲になった。

130今まで『Sports of Heart』や各種の関連イベントに出演して来たヒロアキくんだけに、今回のこのイベントも「出て当然」というイメージだが、オフィシャル・サイトを通してお声がかかり、オーディションを受け、そしてそれを通り抜けての出演だったそうだ。
おめでとう!140v司会はカミナリの2人。

150今日は長州に水戸だな~!
私は彰義隊だから。

160ステージの横には手話通訳がついた。
手話でお笑いを伝えるというのは相当ムズカシイだろうな~。

170小池都知事登場。
「オリンピックまで1年と2日…東京オリンピックが2回目という方はいらっしゃいますか?」
オレだ、オレだ、オレだ~!
ま、2歳だったけどね。
1964年のオリンピックは10月に開催されたんだね~…ってそれが「体育の日」になったんだもんね。
56年も前の10月となると大分すずしかったのかしら?

180ちなみにこの年はマイルス・デイヴィスが初来日していて、オリンピックに先立つこと3か月、今はなき新宿の厚生年金会館大ホールでコンサ―トを開いた。
その時のライブ盤がこの『Miles in Tokyo』。
今はジャケットが変わってしまったけど、私は断然こっちの古バージョン。
そして、ビートルズがやって来るのはこの4年後だ。

Mt 「皆さん、ご存知ですか?『パラリンピック』というのは1964年の東京オリンピックの時に初めて開催されたんですよ~!」
しかし、本職とは言え、おしゃべり上手だな~。
まず、声がいいもんね。
「パラリンピック」と「オリンピック」を同時に開催したのは1960年のローマが最初で、『パラリンピック』という名称が使われたのは東京大会が初めてだったらしい。

190v続いてステージに登場したのは、2008年の北京パラリンピックの走り幅跳びで銀メダルを獲得した日本の義足陸上競技選手初のパラリンピック・メダリスト、山本篤。

200vさらにMarshallを最高に美しい音で鳴らすギタリスト、田川ヒロアキ。

210vそして、意表をつく登場の仕方をした…

220義足のダンサー、大前光市。

230そして、音楽界代表でヒロアキくんもご挨拶。

260イギリス製も韓国製もないホンモノのGuv'norとの共演!
S41a0156これまで村岡山口県知事、林前文科大臣らとの共演を果たしてきた、ヒロアキくん。
今度は東京都知事だ!
もうこうなったら次の都知事選に立候補だな…公約は「Marshallファースト」でお願いします!

270

 

 

出演者勢揃いで記念撮影。

280カミナリはネタも披露。

290手話通訳が交代。
やっぱりこの仕事は大変なんだろうね。
考えてみれば同時通訳だもん。
テレビのニュース英語の同通なんかも5分ぐらいで交代するでしょ?
アレ精神的にメッチャ大変だからなんだって。
何しろ日本語は世界の言語の中でも最も英語から遠いとされているからね。

300「9回しか言ってないだろ!」バチン!
昔、「暴力漫才」ってのがスゴク流行ったんだよね。
それに大笑いしている父を見ていつも母が怒っていたのを思い出す。
今では「パワハラ」だのナンダのでできないだろうね、あんなの。

310そこへヌラ~っと忍び寄る大前さん…

320ココからは大前さんのコーナー。

330vオリジナリティあふれるコレオグラフィとシャープな動きでお客さんの目を惹き付ける。

340バックにMarshallが入っている…というのもうれしかったりして。350v紙吹雪舞う中演舞を終了し、大前さんに大きな拍手が浴びせられた。

360vそして、ヒロアキくんコーナー。

3701曲目は「キミを乗せて」。

380vJVMとのコンビは絶好調!

390再びひところご挨拶。
「オリンピックまであと368日…来年は閏年ですからね…」
ヒロアキくん、閏年まで考慮していたのがスゴイな…と思っちゃった。

400もちろん手話通訳付き。

410vココで新ネタを披露。
パッヘルベルの「カノン」。

420_c「心休まる曲」のま、そこはヒロアキくんのアレンジらしく、後半はドッカンドッカンと暴れまくってくれた。
スゲえアレンジだったぞ。
465_2この曲、何かと今でも耳にすることが多いけど、作られたのは1680年頃。
例によって1680年がいつ頃のことかと調べてみると…綱吉が五代将軍になった年だって。
バッハより前だからね~。
340年も前の新曲。
今から300年以上歌い、あるいは演奏され続ける曲って出て来るかな?
「Let It Be」はどうだ?
イヤ、その前に人類がもたないだろうな。
460しかし、いい音出しよるわ~。わかっちゃいるんですよ、でも美しい。
440_s後で聞いたんだけど、ペダルをやみくもにつなげるのではなく、専門家にJVM用にチューンナップしてもらったんだって。
ヒロアキくんのJVMの使い方は単純明快。
だから音がいい。
まず、100%歪みはJVMで作る。
クリーンはクランチ・トーンをギターのボリュームを下げて作る。
あとは空間系のエフェクターをセンド&リターンにカマしているだけ。
まぁ、Marahallが聞いたら泣いて喜ぶような模範的なJVMの使い方。
シンプルだからトラブルもほとんどない。

445約10年ほど前、ヒロアキくんはデジタル・アンプを使っていた。
その後、私と知り合って、デジタル/真空管のJMDを経て現在のJVMになった。
ヒロアキくんが置かれた環境を考慮すればデジタル・アンプの方がラクにキマってるんだよね、今流行りのヤツとか…。
でも、もうJVMからは逃れられない。
天然ものの「味の良さ」を知ってしまったからだ。
そして、我々はこの美しいトーンをジックリと味わえるというワケ。
430vヒロアキくんコーナーを締めくくったのは冒頭で紹介したウェルカム・ソング「Sky」の日本語バージョン。
この曲、ただメロディや歌詞をナゾるだけじゃなくて、バッキングのコード(ヴォイシング)をよ~く聴いてみて。
メロディを引き立てる仕掛けがたくさん詰まっているから。

450vこのエンディングのフェルマータのフィードバック!
何の引っ掛かりもなく一発でキメて見せたのには驚いた。
そして、ヒロアキくんも盛大な喝采を浴びた!

470vこういうのって「あんなに激しかった雨が田川ヒロアキが登場して演奏を始めるとウソのように止んで太陽が会場を照らした。やはり天気の神様もヒロアキくんを応援してくれているようだ」ってなりがちじゃない?
ヒロアキくんが出て来たら雨脚がドンドン強くなって、テントの隙間から降り落ちてくる雨でカメラがビチョビチョになっちゃったよ!
壊れていたら修理代の請求書がそちらに行きますのでヨロシク!

480さて、実はココからがクライマックス。
大前さんが登場して…

500vステージにひとり残って「チゴイネルワイゼン」を奏でるヒロアキくんにからみつく。

510v

520サングラスを交換。

530おお~、そんなことをして大丈夫なのか?

540v激しい動きに思わず笑いがこぼれてしまうヒロアキくん。
コレ、全く休むことなくズ~ッとギターを弾き続けているからね!

550v今度は背中合わせでしゃがみ込む。

560足を引っ張られてズルズルとステージ上を引き回してもらったヒロアキくん。

570存外に楽しそうなヒロアキくん!
こんな経験は滅多にできないぞ!

580vまだズーっと弾いてる。
ホントに1回も止まってない

590実はこのあたりのことはマネージャーの美瑞穂さんからリハーサルの動画を見せてもらっていてナニをやるかを知っていたんだけど。もしこの時初めて見ていたら相当ビックリしただろうな~。

600いわゆる「扇」の隊形。
チョットこれはコワかった…でも弾いてる!

610大前さんは真っ逆さまになってくれた。

630vキマった~!

640vチョット髪の毛ッ!

650想像を絶するエキサイティングなパフォーマンスの後は出演者の座談会。

660カミナリの2人からアスリートやアーティストの裏話を聞き出す。

670普段聞くことのできない話にお客さんたちは興味津々。

680vヒロアキくんも楽しそうに語っていた。

690ということで、オリンピック/パラリンピックまであと1年。

710次は9月に開催される『Sports of Heart』ですな。

720そして、同じく9月にリリースされる「Sky」。
私の立場から言うと、わざわざシカゴからロスまで運んだJVMで録音した逸品でございます。
皆さんどうぞよろしくお願いします!
 
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

730cd_2 

200_2
(一部敬称略 2019年8月23日 ららぽーと立川立飛にて撮影)