THE FEB~Birthday Live <前編>
…ということで、昨日に引き続いて今年ミュージシャン生活41周年を迎える「伊藤広規」シリーズ。
「41」は素数だね。
37と43に挟まれた13番番目の素数。
いつかもこの「素数」について書いたことがあったけど、コレは自分と「1」でしか割り切ることのできないオリジナリティに富んだ数字なのね。
そしてコイツが何しろ神出鬼没でいつ出て来るかがわからない。
100までの整数には25個の素数があるのだが、まったく規則性がない。
「1」は素数としない規則があるので「2」が一番小さな素数。
一方、最も新しく発見された最大の素数は「2の74,207,281乗-1」という数字。
「という」というのは実際の数字をココに書き表すことができないから。
この数字を読むと、飲まず食わずでブッ通しで取り組んでも127日かかるらしい。
2013年に見つかった最大の素数を500万ケタも更新したんだって。
私には頭のいい連中がこういうバカバカしいことに真剣に取り組んでいるところがすごく面白く思えるんですよ。
失敬…「バカバカしい」かどうかはわからないね。きっと何かに必要なんでしょう。
広規さんのミュージシャン生活の41年目も神出鬼没。
自由で広い規則の中でオリジナリティあふれる活動をされることだろう。
さて、今日は2月生まれのミュージシャンが集まったプロジェクト「THE FEB」が2月に開催したCD発売記念&バースデイ・コンサート。
完全ではないにしろ、基本的に2月生まれのミュージシャンだけのショウ。
こんなの珍しいんじゃないかしら?
もちろんお客さんも2月生まれの人しか入れない。
11月生まれの私は外で音だけ聴かせて頂いた…なワケないか…。
コレがTHE FEBの20周年を記念してリリースされたCD+DVD。
私がライナーノーツの執筆とライブ写真の撮影を担当させて頂いたことはもう皆さんがウンザリするぐらい書いた。
もう一回書いてやろうか~?
それもどうかと思うので、このライブ・アルバム収録時のレポートをゼヒご覧くだされ…THE FEBがどういうモノかがわかるから。
①2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<前編>
②2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<中編>
③2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<後編>
物販コーナーには広規さんグッズやTHE FEBとそのメンバーさんのグッズがゾロリ。
いつかMarshall Blogでも紹介したアルバムのプロモーション・ビデオが流れ、ショウがスタート。
アルバム同様、松川純一郎の歌う「Talk to me Baby」でショウはスタートした。
松川さんのアンプはMarshall。
向かって左の赤いヤツ。
アルバムのレコーディング時にも使用したASTORIA CUSTOMだ。
まるで文豪の書いた作品をユックリと朗読するかのような森さんのソロ。
森さんもMarshall。
ブルーのASTORIAは2チャンネル仕様のDUALだ。
2曲目は森さんの歌でアルバムに収録されていない曲。
J.J. Caleの「Crazy Mama」。
しかし、皆さんJ.J.Caleお好きですな~。
この曲が収録されているアルバム、『Naturally』はアライグマ(アレはタヌキか?)のジャケットが好きで私も持ってるけど、恥ずかしながら誰の曲か全然ピンときませんでした。
ちなみに英語でアライグマは「racoon」。タヌキは「racoon dog」という。
キツネは英語でサッと言えても、タヌキって言えないもんですよ。今度はアルバムから「T-Bone Shuffle」。
T-Bone Walkerが大スキだという松川さん。
それだけにノリノリでゴキゲンな演奏。
松川さんの「西本先輩!」の呼び声に応えて西本さんのソロがバッチリとキマった!
サクサクとセットリストが進んでいく。
また森さんにボーカルズが戻って「Third Degree」。
コレもアルバムから。
最初のチーム最後の曲も森さんの歌で「Big Leg Woman」。
松川さんが織りなす筋金入りのブルース・フレーズに酔いしれて…
…ってなワケでTHE FEBのバースデイ・ライブ、CD同様ブルース大会からスタートした。
ブルース・ギター好きの方にはタマらない滑り出しだよね。
メンバー・チェンジの間、広規さんのケガ自慢。
高さが調整できるピアノイスがあるでしょ?
アレに腰をかけたらドスンと座面が落っこちゃった。
その時、運悪く座面とイスの骨組の間に左手の薬指が入っていてバキィィィィ!…骨を折っちゃったんだって!
痛そう~!
しかし、持ち前の才能と度胸と根性と執念と技術と鷹揚さで、その状態のまま達郎さんのレコーディンを乗り切ったという…。
曲によっては不可能ではないのかも知れないが、達郎さんにOKを出させちゃう演奏をしてしまうところが何ともすさまじい。
プロ中のプロですな~。
TAKEさんもMarshall。
グリーンのASTORIAはCLASSIC。まずはCDのちょうど真ん中に収録されている「Get Out of my Life, Woman」。
続けてCD通りの曲順で「I don't Need no Doctor」。
「マツ、1曲弾きに来てよ!派遣社員してくれる?」とTAKEさんが松川さんをステージに呼び込んだ。
CDには入っていない「Going Down」をプレイ。
この曲のセッションで取り上げられる頻度の高さといったらないよね。
カバーされて音源になっている数もズバ抜けて多い。
私が初めてこの曲を聴いたはBBAのライブ盤だった。
シンプルなのに深く、そして何よりもカッコいい。
メンフィスのドン・ニックスというソングライターが作った名曲中の名曲。
今の若いバンドの人たちってこういう曲を知ってるのかな?あるいは初めて会った人とジャムセッションなんて時には一体どんな曲を演ってるんだろう。
我々の世代なら、イントロをチョット聴いただけで「ハイ、Going Downね」と全パートの人が問答無用で参加できるだろう。
「うるせ~!」
出番を終えて客席で見ていた広規さんが耳をふさぐ。
そうそれほどまでにパワフルなのだ!
ワザワザ松川さんをステージに呼び上げたぐらいだからして、当然のギター・バトル。
各地の「Going Down」でおなじみの光景だ。
オオ~っと…愛器を蹂躙する松川さん!
いいの~?そんなことしてッ?
予想外の展開!
TAKEさんと広規さんの共演が始まった!(「場外乱闘」ともいう。)
広規さんが手にしたビール瓶がTAKEさんのギター弦の上を自在に舞う!
どう見ても「場外乱闘」か!
そして、TAKEさんは最前列のテーブルの上へ!
盛り上がりに盛り上がった前半!
ベテラン勢の節度あるハメのハズし方は見ていて実に心地よいものだ。
伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site