EUPHORIC MOOD <後編>~ CONCERTO MOON
オッ!
こんな光景を見るとどうにもうれしくなっちゃうね~!
このMarshall GALAのTシャツのデザインは最近リリースされた田川ヒロアキの『THEME PARK~テーマ・パーク~』のCDジャケットのデザインを手がけた梅村デザイン研究所の仕事だ。
Tears Of Tragedy主催のメタル・イベント『EUPHORIC MOOD』。
Marshall Blogでは出演の順番を変更してお届けしている。
もちろんトリは主催者のTears Of Tragedyが務めたが、レポートの最後にお送りするのは当日二番手で登場した大御所CONCERTO MOON。
ノッケから久世ちゃんの「♪Angel of chaos」の絶叫が耳に突き刺さる!
キタキタキタ~!
ノンちゃんの必殺ソロ。
子供の頃から聞き慣れているクラシック音楽の有名なメロディを聴いた時のような安心感を抱かせてくれるわ。
それはノンちゃんのプレイもさることながら、やっぱりこのMarshallのサウンドだよね。
みんなこの音で育ったんだ。
やっぱりギター・アンプは真空管ですよ。
今日も愛器1967MAJORを持ち込んでいる。
キャビネットは最近新調したモノ。
音に鋭さが増した。
続けて『Savior Never Cry』から「The Shining Light of the Moon」。
ノンちゃんからイベント参加に関するお礼と挨拶があって…「ニュー・アルバムから1曲演ってみます」とアルバム中もっともテンポが速いという「Light in the Shadow」を披露した。
前曲とは「Light」つながりですな。
下が10月25日にリリースされた、2年ぶり12作目となるCONCERTO MOONのニュー・アルバム『Tears of Messiah』。
『Between Life and Death』からもう2年経ったの?
まぁ、どんなハードなスピード・チューンでも時のうつろいの早さにはかなわんナァ。
もう発売になってほぼひと月が経つワケだけど、お聴きになったファンの皆さんはどう思ったかしら?
私は一聴して「円熟」という言葉を思い浮かべた。
なんか、ノンちゃんがドッシリ腰と気持ちを落ち着けて丹念に作り込んだって感じ。
もちろん他の作品も時間をかけて煮込んだスープのように、心血を注いで作っていることは百も二百も承知だ。
でも、このアルバムはそれらとは違ってスープというよりも、つぎ足しつぎ足しした開業100年以上のうなぎ屋のタレみたいな感じがする。
それは今までの作品とはチョット違う随所に見られる「トラディショナル感」かな?…イヤ、私にとっては「ノスタルジー感」っていうのかな?
私にはそう聞こえる。
タイトル・チューンや7の「Running Out of Time」、それに続く「Don't Wanna Cry no More」や「Stick It Out」なんてモロにそれ。
聴いていてすごく心地よい。
4曲目の「Lift my Life」なんても実にいい。CONCENRTO MOONのファンク・チューン?
それと、「島紀史」というカリズマティックな個性を擁するバンドだけに、どうしてもギターが前面に出てしまう傾向は否めなかったが、いよいよ久世ちゃんの存在感が増して「2大個性の対決」的な雰囲気がすごく好ましいと思う。
やっぱり「声」というものはスゴイ力を持っているものだ。
日本のロック界を代表するギターとヴォイスのコンビネーションがココにある。
そしてそれをグイグイとプッシュするリズム隊。
高齢化&少子化の進む日本のヘヴィメタル界にとって、このアルバムが「Messiah」の1枚になってくれることを期待して止まない。
そうそう、それと気づいたのはCOCNERTO MOONの曲のタイトル。
いわゆるネイティブが普段使うことのない「Big words」がないんだよね。
いつもわかりやすい単語を並べて曲名にしている。
でも「Stick it out」なんて意味がわからないでしょう、普通。
そう、実はこういう意味をたくさん持っているやさしい単語を並べる「英語のやまと言葉」とも言うべき表現ってノン・ネイティブには不可解極まりないんだよね。
その点「Big words」はたいてい意味が限定されるのでノン・ネイティブにとっては覚えるのが楽なのだ。
Frank Zappaの『Joe's Garage ActII』にも「Stick It Out」という曲があるが、コレは「最後までがんばる」という意味。
CDでは最高に美しいギターのハモりを聴かせてくれるこの「Light in the Shadow」だが、もちろんライブでは完全再現はムリ。
その代わりワイルドなギター・ソロをお見舞いしてくれた。
アルバム中、随所にスリリングなツイン・リードが出て来るんだけど、コレ、ノンちゃんって一発でキメちゃうんだよね。
どういうことかというと、まずメインのソロを録音しておいて、そのプレイバックを聴いて、ハモリのメロディを何の準備もなしに弾いてっちゃうワケ。
「アレ?ここおかしいか?」…なんてことは一切ない。
アレ、どうなってるんだろうな。
ヨコでその作業を見ている感じだと、そのサマはプロゴルファーが何年も前のラウンドの何ホール目の何打目を何番アイアンを使ってどこへ打ったって覚えているような感じだ。
将棋指しが何番もの棋譜を完全に頭に入れているのにも似ている。一気に旧作に戻って「It's Not Over」を矢継ぎ早に演奏。
「なくてはならないこの曲」…久世ちゃんが紹介したのは「From Father to Son」。
このギターでもう1曲演奏したのは「Black Flame」。
「火がついて来たぞ~!あと2曲です」
「エ~!」
…というお定まりのシーンがあって「Change My Heart」。
1曲1曲、すさまじいまでのシュレッディングで曲を攻めたてるノンちゃん。
すごい集中力だ!
最後は人気の「Savior Never Cry」。
イベントの場合、最近はこの曲でクローズすることが多い。
究極的に盛り上がるもんね。
…とノンちゃん。
来年は2018年…CONCERTO MOONは『From Father to Son』のリリース、すなわちメジャー・デビューから20年を数える。
その20周年の前祝いとニュー・アルバムの発売を記念したツアーが11月25日から始まるのでお見逃しなく!
CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website