NAKED CULMINATION~OZ RAM INDIO
今日は初登場の若いチーム、OZ RAM INDIO。
ドラマーだけはNATALプレイヤーとして既に紹介済みだ。
彼らの3枚目のミニ・アルバム『NAKED』のリリースを記念した『NAKED GENERATION』と題した、ツアーのファイナル公演。
この日だけ『NAKED CULMINATION』という企画名が付された。
「culmination」という言葉は、普通定冠詞のtheをともなって「最高点」という意味を成すが、努力をした「結果」という意味合いで用いられることも多いようだ。
努力に努力を重ねて来たスポーツ選手が試合で見せる内容のような…つまり、「集大成」ということ。
この日のライブはチャージは無料。
最近時折見かける「投げ銭ライブ」というヤツ。
OZ RAM INDIONのこの日に賭ける猛烈な「思い」を感じさせるではあるまいか。
足元は今時にしてはエラくシンプル。
DSLの純正フットスイッチを使ってくれているのがナニやらうれしい。
コレが今年5月に発表した9曲入りのミニ・アルバム『NAKED』。
コレがいいのよ!
やっぱり若い人が演っている音楽なので、正直世代が大きく異なる私には、1回聴いてすぐに「気に入った!」というワケにはいかないんだけど、何回か聴いているウチにビビビときた。
だから、この日のライブをとても楽しみにしていた。
「結果は?」と言えば、期待通り素晴らしいものだった。
Megちゃんのパワフルな歌声。
rhythmちゃんのヘヴィな低音とアグレッシブなキャラクター。
そして、みなぎる若さ…。
Megちゃんはまだ19歳だってーからね。
ところで、最近CDではすごくいいのに、ナマの演奏を聴くと「アララ?」なんてことがよくある。
演奏がマズイということではないよ。
コレ、昔は反対だったんだよ。
おっかなビックリ、バカっていねいに録音したスタジオのバージョンより、はじけ飛んだパワフルなライブ・バージョンの方が聴きごたえがあってカッコいいことが多かった。
ところが、デジタル技術が発達してからというもの、CDの音が昔のライブ録音並みの迫力になっちゃったでしょ。
楽器のクォリティの進化もあるよね。
それに加えて、スタジオで色々と凝ったことをするのはいいんだけれど、それをライブで緻密に再現できないケースが多いように私には感じられる。
もちろん、スタジオで作ったものと実際の生演奏が違うのも魅力のひとつであることは百も二百も承知している。
しかし、最近の若いバンドさんたちは、CDとライブの演奏の差があまりにも激しいのよ。
仕事柄、ライブで聴いた曲を、家に帰ってCDのスタジオ・バージョンで確認することが多いのだが、「ハラ?コレ同じ曲?」なんてこともそう珍しくない。
大抵「なんだ、こんなにカッコいい曲だったの?」となる。
このあたりのことが巷間で指摘されているのを見かけないところを見ると、それが当たり前の時代なのか、私の耳や感性が狂っているのか…ま、多分後者なのだろう。
で、このOZ RAM INDIO…ホメすぎかもしれないが、CDはCDなりに、ライブ演奏はライブなりに、双方がそれなりの魅力を持っているように感じた。
中盤ではMegちゃんとKaeDeくんのアコースティック・セットもはさみ込まれた。
熱唱するMegちゃん。
何やらコピー曲を演ったというんだけど…若いバンドさんが演るコピー曲は元がほとんどわからないのよ、ゴメンね。
調べてみるに…ワンオクだったのね。
アコースティック・セットのもうひとつは「Among You and Me」という曲。
アレ?ナンで「among」にしちゃったんだろう?
「among」は2つ以上のモノに囲まれた状態に使う前置詞。
2つの時は「between」を使うのが英文法の鉄則。
歌詞がわからないんだけど、きっと何かロマンチックな意味が設定されているのでしょう。
歌の文句だからいいけど、もし試験だったら「×」になるので一応書いておきました。
ちなみにイギリスでは「among」を「amongst」と言います
Megちゃんは熱唱ぶりも十分に魅力的なのだが、何しろ、身のこなしがカッコいいのよ。
ダンスをやっているということなので、それも当然なのかもしれないが、ポーズがビシっとキマる。
ただ手を上げ下げしているだけでもゼンゼン違うんだよね。
また、そのしぐさが大ゲサでなく、とても自然で曲によくマッチしているのだ。
曲はKaeDeくんのペンによるものが多いようだが、聴きごたえのあるものばかりだ。
聞けば、KaeDeくんのアイドルはナント、ラリー・カールトンだという…道理で。
ギター・ソロも決してシュレッドしまくらない、曲のためのギターソロを展開していたのが印象的だった。
ところで、今の若い人たちって、ものすごく「和」のテイストを持ってるんだよね。
ファー・イースト・ファミリー・バンドのようなタイプを除けば、我々の世代のロックには決して見られなかった要素だ。
別の言い方をすれば、「ブルースから遠い音楽」ということ。
しかし、kaeDeくんの曲はどこかトラディショナルなロックの香りがするんだな。
その若い感性の部分と伝統的な部分の混ぜ具合がこのバンドの曲の魅力なんだと思う。
本編20曲、猛然とダッシュで走り抜けた!
コレがOz Ram Indioの「Culmination」!
アンコールに応える4人。
でも、この姿も12月21日の渋谷eggmanまでのことだそうだ。
この日はまだ発表されなかったが、年内でOZ RAm INDIOは解散する。
せっかくいいバンドを見つけたと思ったんだけどね~。
モッタイナイ。
若い人たちのバンドはみんな短命だ。
才能あるメンバー皆さんの今後の活動に期待している。OZ RAM INDIOの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE