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2016年12月15日 (木)

犬神サアカス團単毒公演「呪歌」~TOKYO BAKA EXPO2016より <sideB>

『TOKYO BAKA EXPO 2016』の犬神サアカス團の二日目。
<sideB>と副題されているが特に意味はない。とりあえず<sideA>の一日目が終わったので、ひっくり返して<sideB>だ。
犬神サアカス團の「バカスポ」への参加は九回目。
Marshall Blogではコレが四回目のレポートゆえ、ほぼ半分の公演にお付き合いさせて頂いていることになる。

10v今日も冒頭は劇団「ああルナティックシアター」の主宰者、橋沢進一さんのご挨拶から。
橋沢さん、今日はまたエラくラフな格好での登場だ!

20v團のみなさんご登場!

30見どころ、楽しみどころ等、しばし前半のコントのコーナーに関するトークが繰り広げられる。
今日も昨日と同じ。
「いつ、誰が、どこで、誰と、何をした」とい、うお客さんから予め集めたお題を演ずるアドリブ・コント。
ただ、お題はクジになっているので、何が出て来るかはわからない。

40いつもはメンバーが引くお題のクジを今回はお客さんにお願いした。

50コレはお題のひとつの「誰が」で当たった田中邦衛を演じているところ。
いつの間にか明兄さんのハマり役になっちゃった!
そういえば、田中邦衛を最近ゼンゼン見かけなくなったが大丈夫なのか?

60今日もナントカうまくまとまって楽しくコント・コーナーを乗り切ました!
ちなみにジン兄さんが後ろで演っているのはオハコの「姫路城」。アレ?「名古屋城」だっけ?

70そして、演奏のコーナー。
あ、オタクのPCがコワれたワケではありませんのでご安心アレ!
場所もセットも衣装も昨日と同じなので、いろいろ考えた末に今日はライブの写真をモノクロでお送りすることにした。
以前どこかで触れたように、私はモノクロの写真を多用しないように心がけている。
だってモノクロ写真って、ゴマカシが効いちゃってうまく撮れた気になっちゃうんだもん。
だから特別な機会を除いては使わないことにしているの。
よくカラーで撮ったであろう写真をモノクロにしてSNSに掲載しているのを見かけるけど、どうもね~。
モノクロで撮って色が見えてこないとダメなんだよね。黒澤の映画もそうでしょ?
Jim Marshallのモノクロ写真なんか実に素晴らしい。色どころか空気まで写ってる。ああいう風に撮れればいいけど、ワタシなんぞとてもとても…。
なんてことを言うと團のみなさんに失礼になってしまうが…。でもね、被写体が被写体だけに、今回は我ながら気に入っちゃったのよ。
そのあたりもゼヒお楽しみくださいまし!

80モノクロの犬神凶子。

S41a0272_2 モノクロの犬神情次2号。

90vモノクロのJCM800 2203と1960A。
機材をモノクロ写真で紹介するのは初めてかも!

100vモノクロの足元。

105モノクロの犬神ジン。

110vモノクロのEDEN WT-800とD410XST。
WT-800は生産終了。
現在はWorld Tour Pro WTP900に移行したことはフル・カラーだった昨日の記事に書いた通り。

120モノクロの犬神明。

130vモノクロのNATAL。
色がサッパリわからないが、タバコ・フェイドというフィニッシュ。
フロント・ヘッドは赤。
赤ひげ先生の本名は「新出去定(にいできょじょう)」という。
「オイ、保本、この患者はオマエが治してやれ」ってね?

140さて、オープニングは長大なキメがクールなハード・ロック・ナンバー「黒い花が嗤う」。

150まずはこのシンフォニックなキメで三人のアンサンブルの妙を楽しむ。

160vこのあたりのサウンドはまさにブリティッシュ。

170vそして凶子姉さんの歌で一気に犬神ワールド!日本の美!
今日も絶好調!
しかし、この曲カッコいいな。

180v続けて「道行き」。
「♪ロックンロール!」…このサビのメロディの展開はまさに犬神がかり!

190_my情次兄さんのギター・ソロが冴える!

200vMCをはさんで久しぶりの「浅草心中」。

210_asコレもスゴイ歌詞だ。
でも、この辺りのレパートリーはどちらかというと私にとっては浅草というより大阪の西成かな?
…というのは、いつも書いているように、この歌詞の雰囲気が黒岩重吾だから。

220v1999年『地獄の子守歌』から「黒髪」。
こうした古いナンバーがスッスと出て来るのは「財産」だね~。「継続」だけが作り出すことができる「財産」。立派な「知的財産」だよ。

230v_kk一気に近作の『ここから何かが始まる』から「逆さ吊りの男が観た世界」にワープ。
明兄さんが軽快なビートを叩き出すが…

240v_somsもちろん歌詞の内容は超ヘヴィ。
この曲のサビの展開も実に團チックだ。
凶子姉さんの巻き舌唱法が痛快極まりない!

250さて、ココからはニューアルバムの『黄金郷』セクション。
昨日は三曲披露した。

260cdせっかく「黄金」が来たので、コイツを紹介しておこうじゃないか。
巨匠ジョン・ヒューストン監督、ハンフリー・ボガート主演の映画。
「シェラ・マドレの宝に魂を売り渡した奴ら」とあるように原題は『The Treasure of Sierra Madre』という。
1948年のアメリカ映画。70年も前の作品ということになる。
日本でのタイトルは『黄金』という。
つまらん題名だが、そうだな~、最近のアメリカ映画が100本以上束になってかかってもこの一本にかなわないだろう。
スピルバーグが黒澤作品と同様に映画の教科書と仰いだ一編だ。
今のアメリカ映画は一体なんなんだ?
「レリゴ、レリゴ」ってマンガばっかりじゃねーか!じゃなきゃ怪獣か怪人だ。実にくだらない!
寅さんが大統領になることだし、日本人はもういい加減「アメリカ」という名の病気を治した方がよい。犬神を聴け!
教えてやろうか…「アメリカ病」で一番恐ろしいのは「食べ物」だよ。コレ以上は言わない。

Tre 前日も取り上げた「死に行く日に」。

270v_syh続けて「パンデモニアム」。
ややノスタルジックなアレンジ。
「pandemonium(パンデモ二アム)」とは「大混乱」という意味。
また「伏魔殿」とか「悪魔の巣窟」とかいう意味の犬神のためのような言葉。
「pan」は「すべて」、「demon」は「悪魔」、これがくっついて「pandemonium」というひとつの単語になっている。
すなわち悪魔が全部集まっちゃった状態だ。

280_pジン兄さんと…

290v明兄さんがクリエイトするエイトビートの見本のようなシンプルなノリが心地よい。

300そのシンプルなエイトビートからコンテンポラリーなメタリックなサウンドに早変わりするのは「サキュバス」。
アルバムでも「パンデモ二アム」に続いて収録されている。

310_saサウンドはメタルでも凶子姉さんの歌い口はやさしい。
ホントに魅力的な声だと思う。
1970年代の中頃、私が中学一年生の時に『夢魔(むま)』というイタリア映画が公開された。その頃私は映画狂だったが、観に行くことはなかった。しかし、当時このタイトルが読めなかったことで印象に残っている。
カルラ・グラヴィア、メル・ファーラー、アリダ・ヴァリ(『第三の男』の人ね)というキャストに音楽がエンニオ・モリコーネという、今にして思えばなかなかに豪華な布陣だった。
で、「夢魔」というのはキリスト教における悪魔のひとつで、夢の中に現れて性交を行うとされる下ネタ系の悪魔なのだそうだ。
この悪魔は男女の別があって、男性型はインキュバスという。コイツは睡眠中の女性を襲い精液を注ぎ込み、悪魔の子を妊娠させるという悪いヤツ。
似たような犯罪が頻発しているところ、今の世の中の方がインキュバスよりよっぽど恐ろしい。
それと、コレはまさに『ローズマリーの赤ちゃん』だよね。
アレはヨカッタね。さすがロマン・ポランスキー。ミア・ファローもジョン・カサベテスもメッチャよかった。
「エイドリアン・マルカトー」という名前は忘れることができない。今でも時々観たくなる。
ちなみにこの映画が撮影されたのは、ジョン・レノンが射殺されたセントラル・パーク・ウエスト、西72丁目にあるダコタ・ハウスだ。

さて、この夢魔、女性型をサキュバスという。
こっちは寝ているの男性を襲い、誘惑して精を奪うという。誰だ?うらやましいとか言ってるのは?!
笑っちゃうのは、コイツら下半身丸出しで現れるんだって!要するにそそってるワケ。
オイオイ、こんなの、今時実際に捕まってるヤツら珍しくないじゃん!

320vメタリックな曲調にピッタリのドライビング・ソロ!イケイケ~、後輩!

330vMCの後は『ここ何』から「悪逆無道」。
情次兄さんがギターで奏でるメロディは一時期ライブのオープニングSEに使用されていたもの。

340v_agmこのメロディはアルバムの中で何回か登場するが、その中のひとつで「闇」という凶子姉さんの語りの曲があるが、コレはおもしろいな~。日本のロック史上、こんな曲初めてなんじゃないの?
ポール・マッカートニーの歌みたいにバカスカ固有名詞が出て来ちゃう。

350アルバムのクローザーでもある「悪逆無道」はサバスチックなヘヴィ・チューン。
そのテーマ・メロディを凶子姉さんが繰り返し歌う中間のパートがすこぶるカッコいい!

360v日野日出志のジャケットが目を引く『地獄の子守唄』からタイトル・チューン。
小学生の時、日野日出志には本当にショックを受けたね~。
今のアニメ好きの若い人たちは知っているのかしらん?「わたしの赤ちゃん」とか「蔵六の奇病」とか。
旦那さんが動物をくっつけちゃう秘密の実験をしているのを知った妊婦の奥さんの悲劇は何ていったっけ?

370_jkいよいよ『呪歌』の二日目も最後のセクションに差し掛かる。
名曲「運命のカルマ」。

380v_uk目の覚めるようなストレートなハード・チューン。
明兄さんが叩くNATALのラウド・サウンドが会場の空気を揺るがす。

390vEDENのクリアなトーンでドライブ感を倍増させるジン兄さんのベース。
410
7/8と4/4を組み合わせた変拍子のキメ・パートから炸裂する情次兄さんのソロ!
やっぱりこういうのはMarshallじゃないとダメだね。

400そして「ドグマの呪い」で本編を締めくくった。

420v_dnアンコールの演奏に入る前に今日も情次兄さんから重要なご講和。
内容は昨日同様、平和な日常に突然起こった「地獄」の話。

445v

アンコールは待ってましたの「白痴」!
「♪どうせブァカなんだろろろろ!」
カッコいい~!

430

460v

470

480v

440v
つーことで、今年も「バカスポ」は大盛況のうちに終了した。
ハイ、カラーに戻します。『オズの魔法使い』みたいでしょ?
こんな色でした~!

犬神サアカス團は『黄金郷レコ発巡業』と銘打ったツアーを開始する。
初日は21日の広島。
東京公演は年明けの5日。
コリャ正月から「自殺」だの「地獄」だの「ウジムシ」だの…にぎやかになりそうだワイ!
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒犬神サアカス團公式家頁

500<オマケ>
【犬神サアカス團のMusic Jacket Gallery】
犬神サアカス團のアルバムのジャケットがいい。
特に最近入れ込んでいるっぽい、横尾忠則調のコラージュ・タッチがとても好き。

510cdコレなんか『Joe's Garage』の頃のCal Schenkelみたいだもんね。

520cd『Uncle Meat』を思い出しちゃう。

Um コレも色合いが実によろしいな。

530cdここからシンメトリックの世界が始まる。

540cd私はこういうゴチャゴチャっとしたにぎやかなデザインが好きでしてね~。
Toddの『A Wizard, a True Star』も中学二年の時に半ばジャケ買いした。

Wt そして、今回の『黄金郷』。
中身もジャケットもドンドンよくなる犬神サアカス團なのだ!

550cd
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
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(一部敬称略 2016年10月20日 下北沢楽園にて撮影)