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2016年12月14日 (水)

犬神サアカス團単毒公演「呪歌」~TOKYO BAKA EXPO2016より <sideA>

「♪心臓、膵臓、そして子宮、肛門へ」…と歌ったのは名古屋の「なぞなぞ商会」。
ご存知の方もたくさんいらっしゃるだろうし、何度もココで言及しているのでMarshall Blogの読者であれば、世代が異なる人でもその名前ぐらいはアタマのどこかに残っているかもしれない。
説明が過去と重複してしまうが、なぞなぞ商会はFrank Zappaの曲を日本語で演奏する「尾張名古屋は芸どころ」を地でいくようなスゴいバンドだった。
本当にZappaがそういうことを歌っているかのように思えるほど強烈な歌詞もバンドの魅力のひとつだった。
で、上の歌詞の曲、コレはZappaのナンバーではなくて、『Rocky Horror Show』でRiff Raffが歌う人気曲「The Time Warp」に当てられた歌詞。
もちろん原曲では「Heart, pancreas, and womb to anus」などは歌っていないことは舞台なり映画をご覧になった方はよくご存じだろう。
元は「♪It's astounding  Time is fleeting  Madness takes its toll」という歌詞だ。
「astound」というのは「ビックリ仰天させる」という意味。
「fleet」は「素早く過ぎ去っていく」ということ。
すなわち、「光陰矢の如し」でビックリ!と言うこと。「狂気は通行料を要求する」というのは、アッという間に過ぎる時間の代償は安くない」、つまり「少年老いやすく…」ということを言っているのだろうか?
考えてみると、この曲がアメリカのPromで必ず取り上げられたり、今でもダンス・パーティでの定番曲になっているのは、英語圏の連中にとってこの曲は、過ぎ去った時間を懐かしみながら踊る楽しさがあるのだろう。
実際に去年もイギリスに行ってMarshallの社長主催のパーティに出席した際、ダンスの部で「The Time Warp」がかかってみんな喜々として踊ってたよ。
コレとてかなり古いが、昔のディスコで「YMCA」がかかった時の状態と同じだった。
私だって「東京音頭」さえかかればな~。(ウソ、実際には全く踊れない)
「え、イギリス人もRocky Horroe好きなの?」なんて思わないでくださいね。
映画で有名になった節もあるけど、『Rocky Horror Show』は元々イギリスのモノですからね。作者のRichard O'Brienはイングランド南西部のチェルトナムの出身だ。
さて、何が言いたいのかというと「Time is fleeting」ということ。
チョット前に「Time flies!」で大騒ぎしたばかりなので、チョット目先を変えてみたのだが、とにかく時の経つのが早すぎる!
マァ、毎回こんなこと書いていたらキリがないんだけど、今回はホント、早すぎるわ。
ある日、犬神サアカス團のスタッフに新宿の楽器屋さんでバッタリ出くわして、「もうすぐ『バカスポ』ですね」なんて言うんだもん!
「アッレ~?チョット前にやったばかりでしょ!」とただ驚くばかり。
『TOKYO BAKA EXPO』は毎年10~11月にかけて下北沢の「楽園」で開催されているアングラ・エンタテインメントの祭典だ。
一年の早さにも驚くが、お手伝いするのが今回で四回目だっていうのもにわかには信じられないんだよね~。
チョット前に犬神サアカス團と知り合って、浅草の「蛇骨湯へ行こう!」なんて話を明兄さんとしたばかりのような気がするわ。
歳を取ると、子供の時に比べて時の速さは3倍に感じるようになる…なんてことをナンカの本で読んだが、コレ、気をつけていないとアッという間に還暦が来るぞ。
皆さんも決して笑いごとじゃなござんせんぞ!

10v演劇からお笑いまでバラエティに富んだ出し物で構成される「バカスポ」にあって、犬神サアカス團のステージはハイライトのひとつだ。
今年は主宰する劇団「あぁルナティックシアター」が結成30周年を迎えるとあって、犬神が何と二日間にわたって登場するというスペシャル企画!今日はその一日目のレポートとなる。
まずは冒頭いつも通り、「あぁルナティックシアター」の座長、橋沢進一さんからご挨拶。
相変わらずいい声だな~、橋沢さん。
みなさんもテレビで時々お見かけするでしょ?
橋沢さんの30年もさぞかし早かったことと思う。
そこで、昔ばなしが出た。
「むかし~、むかしのことじゃった~」…それじゃない!
普通の昔の話。
それは、劇団の名前に関すること。「あぁルナティック」なんて変わった名前だな…とは思っていたがヤッパリ。
元々は普通に「ルナティックシアター」という名前だったのだが、これだと頭文字が「る」なので、「ぴあ」への情報掲載順が後ろの方になってしまう…。
ムムム…チョット待てよ。
もしかして、もう「ぴあ」自体知らない若い人も多いんじゃないの?
今でいう「タウン情報誌」っていうの?
最初の頃はペラッペラだったけど、しまいにゃ何でもかんでも載っかっちゃって雑誌みたいになった。
映画の時間を調べたり、ライブハウスの出演者を確認したり…とずいぶん私もお世話になったし、高校の時のバンドを名前だけ載せてもらったことがあった。
他に「シティ・ロード」なんてのがあったよね。
閑話休題…。
「高校の時のバンド」っていえば、こないだの日曜日、またビックリすることが起こったのよ!
マァ、私も「ビックリ」の安売りばっかりで、まるで「驚きの殿堂」なんていわれているけど、(コレがホントの「びっくりドンキー」←ホントはコレが言いたかっただけ。あ、ご存知ない方のために一応書き添えておきますが、『安売りの殿堂 ドンキホーテ』にかけているんですよ)ホントに驚いたな~。
その出来事とは…夕方の寒い中、吉祥寺のシルバーエレファントの前を通り過ぎようとしたら、「Marshall GALAの人ですよね!」と見知らぬ方に声をかけられた。
最近はおかげさまでそれっぽい場所に行くと、ありがたくもお声をかけられる機会が滅法増えた。でも「Marshall GALAの人」と呼びかけられたのは初めてだった。
「はい。その通りです、お越しいただいたんですか?ありがとうございます!」なんて話から会話が始まった。
何でも、その方は私と話がしたくて、どこかでバッタリ出くわすチャンスをずっと狙っていたとおっしゃるのだ。
何のことかと思ってお話を伺うと、Marshall Blogの「GALAレポート」の「稲葉囃子」の回についてのことだった。
その記事に私は高校時代に出場したある楽器店主催のバンド・コンテストのことを書いたのだが、ナント、その方もそのコンテストに出ていらっしゃったというのだ。
ザッと37年前の話!
寒風が吹きすさんでいることも忘れて大笑いしちゃった!
ビックリもしたけど、多くの方々にMarshall Blogをチャンと細かく読んで頂いていることがメチャクチャうれしかった。
同時に「ヘタなことは書けないな…」と自重した次第。
Neo-Zonkファンということで、話題がショボンちゃんに移り、その方が「NATAL」という名前をごく自然にお口にされたこともうれしかったな。まだまだだけど、もうNATALは日本でも完全に「Unknown drum brand」から脱したことを確信した。
あの時の方、お声をかけてくだすってありがとうございました!
  
さて、話を元に戻すと、橋沢さんは一計を案じて「ぴあ」の「演劇」のページの初めの方に「ら行」の「ルナティック」が掲載される方法を思いついた。
それはアタマに「あ」を二つくっつけるというアイデアだった。
「あ」が一個では効果が薄いので、二つ付けたというところが賢いではないか!
果たしてその結果は…「あぁルナティックシアター」は「演劇」のページの一番目に躍り出ることに見事に成功したそうだ!
コレを聞いて、筒井康隆で同じような話を思い出した。
それは「ん」。
居酒屋だか小料理屋が「電話帳で目立ちたい」と思い立ち筒井康隆に相談した。
当時、電話帳には「ん」の項がなかったので、店の名前を「ん」にすればそれだけで一項設けなければならず、しかも掲載されるのはその店だけ…とあって絶大な効果が期待できた。
電電公社にその旨を申し入れに言ったら。「アンタ、そんなことできるワケないでしょ!」と取り付く島もなかったという。
ホントかどうか知らないよ。でも、ホントに言えることは電話帳とかアドレス帳って見なくなったよね。
あと、家に必ずあった電話番号簿。アレもなくなった。
「あ」と「ん」で期せずして狛犬の話みたいになっちゃった。
とにかく時は経ったのだ…。

20さて、時は経っても変わらないのが前半のコント。
今回も「いつ、だれが」のヤツで盛り上がったよ~!

30このシリーズも三回目とあって大分フックのパターンがキマって来てやりやすくなりましたな。
明兄さんの田中邦衛とか…。継続は力なりだね。

40演ってる本人が楽しんじゃってるもん!

50vしかし、破天荒とはいえ、橋沢さんの名アシストも手伝って、なかなかうまくまとめて来るあたりはサスガ!

60実は今、ステージの上の五人に私を含めた計六人のうち、四人は同じ大学を出ているのよ!スゴクない?2/3だよ!
だから「バカ・エキスポ」だったりして?! あ~、またしても私が最年長だ。
ステージの方は…お後がよろしいようでございました~!

70休憩をはさんでお待ちかねの演奏のコーナー!

80犬神凶子
以前にも書いたけど、ウチのPCは「きょうこ」って打って変換キーを打つと「恭子」でも「京子」でも「今日子」でもなく、一番最初に「凶子」と変換されるからね。
最強だぜ、ウチのPC。

90v今年もゴキゲンなバックラインがセットされた。

100犬神情次2号

110vJCM800 2203と1960A。
ナンカここへきてJCM800プレイヤーが目立ってきたね~。

120v犬神ジン

130vEDEN WT-800とD410XST。

140v現在、EDENのフラッグシップ・モデルはWT-800からWorld Tour Pro WTP900に移行している。
「World Tour Pro」なんてタイガー・ウッズみたいでカッコいいべ!

150_900_2そして、今バツグンの人気を集めているのが500Wのコンパクト・ヘッドTERRA NOVAだ。

9_stn501_hr_3 犬神明

170v明兄さんはNATAL。
今日はバーチ。
タムはいつもと異なり10"と12"が組み込まれた。

190情次兄さんのソリッドなギター・リフでステージは幕を開ける。

200_ud2000年発表の『赤猫』から「鬱病の道化師」だ。
いきなり「ウジムシ」だよ。

210v続けて「命みぢかし恋せよ人類!」。

220_imk2003年のメジャー・デビュー・シングル。

230なるほど、コレいい曲だね。
チョット「I can't Stop Falling Love with You」を思わせるメロディがグッとくる。
凶子姉さんの声がベスト・マッチ。

240v「あぁなるティックシアター30周年」への献辞を含めた凶子姉さんのMCをはさんで「赤猫」。
今日は旧作が多いね。

250v_an「あかねこ」ってワープロで打っても「赤猫」って一回で変換されないでしょう?
よくない言葉だからだ。放送禁止用語なのかな?
「放火魔」という意味。だからそういう歌詞になってる。
「赤猫這わしたろうか!」とかいう表現があるらしいんだけど、私は聞いたことがない。
コレは「火を点けるぞ!」という脅し文句で、猫に火を点けて相手の家に放り込むことが元になっているらしい。つまり「赤猫」とは「火の点いた猫」ということだ。
オイオイ、物騒だな~。無茶しちゃイカン!

260v

演歌調マイナー・チューンとでも言うのか、犬神サアカス團の固有パターンのひとつ。

270v続いては「けもの道」。

280_kmコレも「赤猫」系の曲調。
凶子姉さんの歌いっぷりの妙が味わえる。
しかし、この歌詞!

300v2007年のシングル「地獄に堕ちた子供たち」を続けて演奏。

310_jok軽快なジャンプ・ナンバー。
リズムはプリプリの「ダイアモンド」と同じだが、こっちは「地獄」だ。
向こうの場面はキラキラと光り輝くダイアモンド。こっちの場面は針の山やら血の池地獄やら…。「ダイアモンド」か「地獄」か…どっちを選ぶかはアナタ次第。
オレは「ダイアモンド」を選んで黄金郷でリラックス。
320v
いつも犬神の曲を聴いていて思うんだけど、最も歌詞に多く出て来る単語ってナニかね?
誰か統計を取ってくれないかナァ。
間違いなく「地獄」はAクラスに入るよね?トップは「死」か?
290v
ということでホラね。
ニュー・アルバムから「死に行く日に」。
シンプルな歌詞からジトっと深い犬神ワールドがにじみ出す。

Img_0041_1重苦しいギター・ソロも実にいい感じだ。
この曲はPVも公開されている。
どこで撮影したのか見てすぐにわかっちゃった!こないだ私はココで若手バンドのアー写を撮影したよ。
あ、夢を壊すようなこと言ってスミマセン!

Img_0072さて、コレが11月9日にリリースされたニュー・アルバム『黄金郷』。
ね~、ジャケットが心臓でしょ?
ここで記事の一番最初につながるワケ。
スゴイね、マーブロって。
このライブの時にはファンはまだ誰も聴けてない状態。
この後、もう二曲ほど『黄金郷』の曲を演奏した。
あ、言っとくけど「桃源郷」じゃないからね。間違えないでね。「黄金郷」だから。

Okヘヴィな7/4拍子のリフは「虎の威を借る狐」。

330_tikkストレートなドライブ感も犬神の大きな魅力だ!
340v

そのドライブ・フィーリングは「生存狂騒曲」で爆発する!

360_skkシンプルなE7#9のイントロからスタートするすさまじい疾走感!

370犬神リズム隊の面目躍如たるところ!
390
「♪偉い和尚さん現れて 川の向こう手招く」
「♪死んだ母様現れて お花畑いざなう」…って、いったいどんな歌詞よ!
童謡の一節も引用されてメッチャかっこいい。
メロディの最後をクロマチックで〆るのも「團チック」だ。

380vそして、情次兄さんのドライビング・ギター!
この曲は情次兄さんの作品だ。

400v
「ニュー・アルバム13曲のうちもう3曲も演っちゃったよ!」という凶子姉さん。
前作『ここから何かが始まる』から「死ねばいい」。

410_si犬神サアカス團のツイスト!
ノリノリだよね~!

420ライブの定番「自殺の歌」。

430_juコレって聴き方によっては、暗黒の「横浜たそがれ」だね。
実にカッコいい!

440v「スタジオ作りたい…『犬スタ』。それよりも『犬ハウス』。介護施設なの。とか、『犬スホステル』もやりたい」…とMCでやっておいて、ステージは最後のセクションに突入する。
「犬ハウス」って考えてみると単なる「犬小屋」のような気もしますが
「光と影のトッカータ」!

450_hktコレもライブの定番とだけあって大盛り上がり!

460vしかし、このバンドのレパートリーの層の厚さってスゴイものがあるよね。
掘っても掘っても出て来る感じ。

470v_zp22年のキャリアと休みなく作品を世に放ち続ける創作意欲がなせるワザだ。

480v
さらに「残酷楽園」で激走して本編を終了した。

490アンコールに入る前に情次兄さんからスゴイ話が披露された。
今になって考えてみると、その話、つまり情次兄さんの体験がナンダカンダ言って一番「残酷」で「地獄」で「死」だわな~。
書きたいけどガマン、ガマン。

Img_0287
…と気を取り直してアンコール。
「最後のアイドル」で景気よくsideA>を締めくくった。

500v

510v

520v

530v犬神サアカス團は『黄金郷レコ発巡業』と銘打ったツアーを開始する。
初日は21日の広島。
東京公演は年明けの5日。
コリャ正月から「自殺」だの「地獄」だの「ウジムシ」だの…にぎやかになりそうだワイ!
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒犬神サアカス團公式家頁

540

<sideB>につづく

  
1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square ★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版) ★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。 ★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。 詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年10月19日 下北沢楽園にて撮影)