25年目の『篁』 ~再発記念、THE 四半世紀「篁」LIVE!~
真夏のある日。
薄暮の川崎…ラ・チッタデッラ。
お祭りやってるんだね。
クラブチッタの前は開場を待つ人、人、人!
それもそのはず、今日はLUKE篁のソロ・コンサートの最終日なのだ。
『25年目の「篁」 ~再発記念、THE 四半世紀「篁」LIVE!』というタイトル通り、LUKEさんのソロ・アルバム『篁』がリリースされた1991年から今年でちょうど25年!
『篁』のシルバー・ジュビリーなのだ!
25周年を機に、その『篁』にライブアルバム『Soking Wet Live』をカップリングし、リマスターを施した『篁&SOAKING WET LIVE-special edition-』が発売されたのだ。
その発売記念ライブが今日レポートするソロ・コンサートということになる。
会場はこの日を待ち望んでいたファンでギッチギチ!
このバックドロップのデザイン、「篁」になってるんだね~。
オープニングはLUKEさんを除いたバンドのみの演奏。
今回のソロ・コンサートをサポートしたのは…K-A-Z。若井望
LUKE篁!
すさまじい歓声。曲は『篁』から「ロックスターの悲劇って…」。
LUKEさん、ひとまずギターは下げていないが、背中にはMarshall。
JVM410H、JCM2000 DSL100、そして1960AXたちだ。
フリを交えてパワー全開で歌うLUKEさん。
何やらすごく楽しそうだ!
続けざまに「CUTE BOYのユ・ウ・ウ・ツ」。
コレもアルバム『篁』から。
早くも観客との共同作業。
声を合わせて歌うお客さんとの一体感がスゴイ!
コレ、普通ならコンサートの終わりの方のヤツじゃん!
「よく来たな~!誰を待ってたの?最後まで頼むよ子猫ちゃん!」
『篁』を全曲演る…というLUKEさんのアナウンスに大歓声が上がる。
「毎日、毎日、大変ですね。会社に行かないといけないし、会社に行かないとゴハン食べれないもんね。プレッシャーを抱える人生ってことさ!そんな苦しい胸のうちを歌った曲」…
ドラムとベースからスタートするのは「PRESSURE LIFE」。
そう、会社勤めは大変です。
仕事の内容云々というよりも、色々とガマンしなければならないことばっかり!
コレが大変なんだよね。でもそれが「組織」ってもんだ。
私も四半世紀会社勤めをしたけど、給料の七割が「ガマン代」と考えれば気持ちがラクになる…ということに気が付いたときはもう遅かった。
「オレが、オレが」系の人は九割ぐらいになっちゃうかもしれない。
LUKEさんのおっしゃる通り、大変だからお金がもらえてゴハンが食べられるんですな。
曲の中盤をシアトリカルに演出する。
ステージに倒れこむLUKEさん…
でもまた朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて…ゴックン。
さぁ、また会社に行かなくちゃ!
チョット関係ないけど、思い出したんで書いちゃう。
私は何年か前にMarshallの本社で机を用意してもらって一週間ほど現地社員をやったことがあるんだけど、向こうの会社員はスゴイよ。
会社のために命はもちろん、自分の生活を犠牲にするなんてことはゼッタイしない。
Marshallは朝八時から夕方五時までが就業時間なんだけど、もちろん八時前には全員そろっていて、八時にはもうバリバリ仕事をしている。
汗をかきかき事務所に走り込んで来るヤツなんかひとりもいない。
通勤に一時間もかけているヤツもいない。
ランチは近くのスーパーにサンドイッチを買いに行ったり、工場に売りに来る弁当でごく簡単に済ませちゃう。
映画でよく見るようにリンゴ一個で済ませてしまう人もいる。
で、五時になるとピタリと仕事を終える。
そして、五時を一分になると事務所にはもう誰もいなくなっちゃう。この引き際が見事で、ホントにいなくなっちゃうんだよね~。
残業が当たり前な生活を四半世紀送っていた私なんか本当にビックリしたよ。
家には五時半ぐらいには着いちゃう。
イギリスは春から夏にかけては夜の九時ぐらいまで(六月あたりは十時になってようやく日が暮れだす)明るいので、もう一回その日を繰り返すことができる感覚なのね。
冬には三時過ぎると暗くなってくるけど…。
そんなサイクルだから仕事で疲れて、かえってバタンキューなんてことがない。
見ているとごくごく普通の人でも心底人生と自分の時間をエンジョイしている感じがするんだよね。
だから、残念ながらイギリス人には「PRESSURE LIFE」の「♪早死にするだけ」や「♪早起きするだけ」という部分はほとんど理解できないかも…。
あと、イギリスの人ってあまり貯金をしないのね…長くなるのでこの話はまた別の機会に!
エキサイティングに展開するステージに客席の熱は上がるばかりだ。
ここのところはズット『篁』からのチョイス。
当たり前か…『篁』の25周年を記念するコンサートだもんね。
続いての曲は聖飢魔Ⅱのナンバー「Masquarade」。
ファン、狂喜乱舞~。
「そして、オレ…」と言いながら加わるLUKEさん。
キタキタキタキタ~!
今日最初のMarshallサウンドなの。
ギターを提げるLUKEさんの姿にドデカい歓声が浴びせられる。
やっぱりみんなギタリストとのしてのLUKEさんも大好きなのね?
でも、すぐにギターを降ろしちゃうの。
するとお客さんから「エ~!」と落胆の声が!
LUKEさんもそれを面白がって何度もギターを持ったり、離したり…。
いつもは準主役のギターが今日は格好の小道具になってる!
「今日はやることないの。ギターはチョット弾くだけ…。チョット弾くだけでこんなに沸くってスゴイね!いつも弾いてるのに!
歌が楽しくて!いつも歌ってツライと思っていたんだけど、このバンドのリハでスッカリ気持ちよくなっちゃった!」
…と、本当に楽しそう!
「歌の人の気持ちになるとギターうるさいね!」だって…チョット、チョットチョット!それはないでしょ~!
で、歌と『篁』に戻って「DECADENCE LOVE」。
ココで桃さんのトーク・コーナー。
爆笑の渦。
何でもLUKEさんの仮の姿の時は、桃さんのお母さんとお顔がよく似ていて心がなごむとか。
よくあるツアーの思い出では、K-A-Zさんに携帯電話を焼肉の網の上に乗せられた話でドッカ~ン!
「携帯電話を焼くのだけはやめて欲しい」そうだ。
当たり前だ~!でもやってみたい!
再びギターを弾くLUKEさん。
アンプはMarshallね。
聖飢魔Ⅱナンバーから「人生ゲーム」。
あまり人気のなかった曲…だというのだがなかなかどうして!
普段コンサートでは聴くことがない曲が聴けるのもこのコンサートの魅力。
バンドが変わることの利点のひとつだ。
「いよいよ佳境です!最後までいってみよう!」とギターを再び手にしたLUKEさん。
アッという間だな~!
聖飢魔Ⅱナンバーの「DESERTED HERO」。
さらに『篁』のオープナー、「REMEMBER FLAME」が続く。
いよいよ佳境に入ってバンドのボルテージが頂点に達する!
腕利きのLUKE'S MENだけあって、そのパフォーマンスたるや、すさまじいまでのロック・スペクタクル!
ワーグナーの熱狂的信者は「ワグネリアン」、誇りあるデューク・エリントン楽団のメンバーは「エリントニアン」、シカゴ生まれの人は「シカゴアン」。
LUKEさんバンドの皆さんは「ルークアン」?チョットな~…と思って「LUKE'S MEN」にしてみたがいかがだろう?
こうして見ると、このコンサートはルークさんのワンマン・ショウであるだけでなく、荘厳な「ギター・ショウ」でもあったね!
「BRAND NEW SONG」経て、『篁』の最後に収録されている「DREAM OF THE LOTUS LAND」をプレイして本編の幕を下ろした。
「お前らよりオレの方が楽しいぜ~!」とアンコールではマントをまとってソロで登場。
ツール・ド・フランスの話をやたら熱っぽく語っていたナァ~。
勉強不足で失敬だけど、LUKEさんがあんなに自転車に熱いなんて知らなかった!
『弱虫ペダル』の名前まで出たりして…ちなみにアニメのテーマソングを担当しているMagic of LiFEのドラムはNATALです。
そして、アコギ一本で歌うはCANTAナンバーの「MIRACLE」。
しっとりと歌い上げてマントを取ると~!クワ~、スゲエ衣装!
こんなの着れないよ~、フツウ!
「まだ約束して演ってないヤツあるね!」とダイナミックな振り付きで歌ったのが「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ」。
ド派手なフィナーレに客席はもはや興奮の底なし沼!
「次は新曲とともに戻って来ます!」と宣言して熱狂のステージは幕を下ろしたのであった。
イヤ~、メッチャおもしろかったわ~!
今回、LUKEさんはご自分でもしきりに「楽しい!」を連発されていた。
CANTAの時もそうだし、Marshall GALAの時もそうだったが、LUKEさんはいつだってお客さんを楽しませることに全力を注ぐ、ギタリストやシンガーという枠を取っ払った仕事熱心なエンターテイナーなのだ。
それにガムシャラ感みたいなものがまったくなくて、ものすごくスマートなんだな~。サラっとこなしちゃう。
今日のステージを見て、LUKEさんには「プロ中のプロ」という表現がまさにピッタリだと思った。
そんなプロがMarshallを愛でていてくれることを誇りに思う。
LUKE篁の詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site
さて、マーブロの第二部。
そのMarshall達人のLUKEさんから皆さんへのお知らせ。
LUKEさんが愛用するモデルの紹介だ。
それは、この1959SEという100Wヘッド。
ごく少量、日本マーケット向けに生産された限定モデルだ。
LUKEさんからおススメの言葉を頂戴した。
「僕がメインで使用している名機の誉れ高い1959RR(ランディ・ローズ・シグネチャー・モデル)が、黒いカバリング小さいMarshallロゴを身にまとったらどうなるか…。
最高にCoolなMarshallにならないか?…ということで、出来たのがこの1959SE!
普通の1959としても充分に使える質の高いAmpだ!
こいつのVolumeとレスポンスの良さは天下一品!
どうか一生に一度はチェックして欲しい。
損はさせないぜ!」
LUKE篁
ビンテージから最新モデルまでMarshallを知り尽くしたLUKEさんのご推薦!
発売当初はスピーカー・キャビネットも併売されていたが、すでに完売している。
幸運にも1959SEはまだ入手可能なので是非チェックしてみてもらいたい。
ギターをやらないLUKEさんファンの皆さんも、ギタリストのお友達に教えてあげてね!
詳しい情報は⇒『Marshall 1959SE 日本市場 限定生産』を検索ワードに入力!
(一部敬称略 2016年7月28日 クラブチッタ川崎にて撮影)