Kelly SIMONZ's BLIND FAITH~ARE YOU READY TO RIDE 2016 <前編>
え~、そんな前だったけ?
トモ藤田さんとの『Guitar Academy』、KAMIJOさんやBe Choirとの『もしクワ』があったせいか、それほど久々感がなかったKelly SIMONZの東京キネマ倶楽部。
しかし、BLIND FAITH単位で考えると、前回にステージに上がったのはアルバム『AT THE GATES OF THE NEW WORLD』の発売ライブ以来のことで、あれから早10か月が経過していた!
今回のコンサートは『ARE YOU READY TO RIDE 2016~Tokyo Kinema Club -The 11th-』と冠されたゲストなしのストレートな構成。
ファンにとっては濃いことこの上ない最高のKelly SIMONZショウになったハズだ。
冒頭サブステージから「Prologue」で登場したKellyさん。
そして、Yosuke Yamada。
オープニングは最近作『AT THE GATES OF THE NEW WORLD』から「Bound for Glory」。
サポート・ボーカルのYAMA-B。
今回は最初からステージに立った。
BLIND FAITH感満載のスピード・チューン!
激情の一夜にふさわしいオープニングだ!
2曲目は雰囲気をガラリと変えて「In the Name of love」。
こういうメジャーのメタル・ナンバーって好き。
しかし、曲は長→短→長とコロコロと姿を変えていく。
その先にはKellyさんのソロ。
ソロ中、メジャーになったところの開放弦を使ったパートがおもしろい!
タイトルから類するに…恋に破れた女性が、忘れることのできない恋人との幸せシアワセだった時間を胸中に北の地を目指すシーンをテーマにした感傷的で静かなバラードのような印象を受ける。
バカ言っちゃイケない!
こちとらKellyよ、SIMONZよ。
誰だ、んなこと言ってんのは?!(…私です)
トンデモナイ!
泣く子もダマるへヴィ・チューン!
前作『BLIND FAITH』にも収録されていたナンバー。
BLIND FAITHのステージでは必ずと言っていいほど演奏されるKellyスタンダードのひとつだ。
イントロからKellyさんのギターが大炸裂。
派手にブチかますディミニッシュがスリリングだ。
こういう音楽にディミニッシュを持ち込んだのは誰なの?やっぱりYngwieってことになるのかしら?
Kellyさんの燃焼にジャンジャン油を注ぐリズム隊の2人。
ここでYAMA-Bさんはお休み。
「今日は少しMCを減らそうと思っているのですが…」とは言ったものの、途中でそんなこと忘れちゃったみたいだけど…。
サングラスをかけて『AT THE GATES』から「I am Your Judgement Day」。
個人的好みでは前アルバムのベスト・ソング。要するに70年代ハードロックの香りがタマらないの。
続けて「Signs of the End of the World」。
飛ばしまくるkellyさん!
歌にソロにといつもより気迫がこもっているようだ。
MCを挟んで今度はバラード、「Still~時空を超えて~」。
テク全開のインスト曲、ド派手なヘヴィ・チューンと並んでKellyさんらしさを演出するのがメランコリックなバラードだ。
ブリティッシュ・ハード・テイスト満載の「King of the Castle」。
完璧にイキの合ったプレイでKellyさんに寄りそうKAZさん。大変だナァ。
この曲はKellyさんの作品の中でもエキゾチックな雰囲気で異色な感じだねェ。
すごくいい!
ミニ知識…「Opus」が付く曲。
★Opus One:Tommy Dorseyの超有名なスタンダード曲。フランク・シナトラはかつてトミー・ドーシー楽団の専属歌手だったんですよ。
★Opus Number Zero:穐吉敏子の『Lomg Yellow Road』収録のスリリングな名曲。一時アメリカでは穐吉敏子のオーケストラとFrank Zappaのバンドに在籍したことがあるミュージシャンはオーディション不要、つまりシード、と言われていたらしい。敏子さんの楽団はそれほど超絶技巧を誇ったジャズ・オーケストラだった。
…Kellyさん、すいません、つい…。
しかし、毎回見惚れちゃうのはKellyさんの手。特に右手。
赤ちゃんのようにプックラしていて可愛い。
それなのにナンダってあんなに早く正確に動くかネェ。
それは練習しているから。
Kellyさんは「あまり練習しなかった」的なことをおっしゃるが、それは絶対違う。あり得ない。
練習を練習と感じていないだけなのだ。
かの渡辺香津美さんがおっしゃっていた…「『天才ギター少年』とよく言われましたが、冗談じゃありません。毎日10時間以上練習していて『天才』はないものだと思いました」と。
その「練習できる」ということこそ「天才」なのよ。
この曲はKellyさんのテクと同時にバンド・アンサンブルをジックリ味わうべき。
組んずほぐれつのバンド・エクスプレッションがこの曲を名Opusの仲間入りさせている。
「Opus」というのはストレートには「音楽作品」という意味だが、同時に「芸術作品」という意味も持っている。
またしてもガラリと場面を展開させて「Stay in my Heart」を熱唱した。
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website
<後編>につづく
(一部敬称略 2016年5月4日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※東京キネマ倶楽部はMarshallの壁が設置できる英Marshall公認のオフィシャル・ライブハウスです。詳しくはコチラ)