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2015年7月30日 (木)

MUSIC JACKET GALLERY 2015

最近facebookを通じて、「日本の音楽ビジネスのガラパゴス化」という現象に関する一文を目にした。
日本の音楽業界は「特有の側面を多く持っているがために、外人アーティストの参入や日本企業の海外での成功を妨げている」というのが命題になっていて、その原因を論じていらっしゃる。
書き手はこの業界に長い外人の方。
先方は覚えていらっしゃらないと思うが、実は私はこの方に数回お会いし存じ上げている。と~ても温厚で素敵な紳士だ。
音楽を見て来た環境が大きく異なることが想像されるため、熱心に反駁を加えるのは控えるが(この業界は世界規模でやたらと狭いし)、ひとつ、いや、ふたつ気になったことがあったので記しておきたいと思う。
私は学理的に音楽を分析するのは好きな方だが、ロックあたりで「文化」がどうだの「時代」がどうだとゴチャゴチャしかつめらしい言葉を使って大上段に構えた論議が好きではない。
第一、そんな文章はつまらん。
あ、この方の文章について言っているのではありませんよ。この方の文章の内容はストレートで読みやすい。
…なのでジーサンの言いたいことを上っ面だけ書かせてね。

さて、ひとつは「外人アーティストの参入」を妨げていると診る件について。
コレは日本にロックが普及してしまい、ロックのやり方を覚えてしまったため、ワザワザ言葉のわからない外国の音楽を聴かなくてもよくなったってことでしょうネェ。
それと、元来我々は西洋音楽についてはカテゴリーを問わず、すべて欧米がやることを手本にしてきたワケだけど、ロックに関していえば、パンク/ニューウェーブのムーブメントが収まったあたりから特に手本にすることがなくなっちゃたんじゃないかしら。
もう全部自分でできるもん!ということ。
簡単に言えば、洋楽がつまらなくなったということよ。
いつも書いているように私はゴリンゴリンの洋楽派だ。でも、つまらんものはつまらん。
それに日本人も生活様式や食べ物の欧米化で、ある種白人に近づき、それほど向こうの文化に憧れる必要がなくなったということもあるかもしれない。

でもね、コレは話が反れちゃうけど、キチンとした場所、すなわち紳士がタキシードを着、淑女がイブニング・ドレスをまとうような機会に接した時のあの猛烈な劣等感はマジでツライよ。
みんな色は白く、大きく美しい瞳、長いまつ毛、形のいい鼻梁とさわやかに上がった口角。
手足が長く、背筋がシャキとしていて、腰の位置が高く、男性の場合は肩の線や胸板の張り具合など問答無用でカッコイイ。
そして、自信タップリに腹の奥底から声を出して、歌うように話す自然な英語。
マンツーマンなら何でもない。
何十人にも囲まれて何時間も一緒に過ごしてごらんなさい。酒も入るし、つい自分もそうなっていると錯覚しちゃうんだな。そして、トイレの鏡で己が姿を目にした時の落胆ぶりったらない。
これは『国家の品格(新潮新書刊)』を著した数学者(新田次郎と藤原ていの次男)の藤原正彦氏ですら同書内で触れていた。
マァ、そんな時には「ナ~ニ、連中には着物は着れまい。よしんば着れても似合うまい…」と思うしかない。しかし、考えてみると自分も着物は着れないし、似合いもしないのだ!

話しは戻って…
それともうひとつは、「日本はいまだにCDが主流」ということ。スペシャル・バージョンでひと儲けしたい人やオマケが欲しいファンには好ましかろうが、新人やカルトなアーティストがお店にCDを置いてもらうのに四苦八苦しているという状況が指摘されている。
このあたりは「大きなお世話」でしょう。
コレについは国民性が強くからんでいるんじゃないかしら?
モノに対する感覚っていうのかな?
日本人は肉親が亡くなればお墓を建てて、家には仏壇を据えて、それらを丁寧に愛でることによって故人を偲ぶでしょ。結局モノが好きなワケ。
でも西洋の人は、死んだおじいちゃんが大切にしていた懐中時計一個がありさえすればいいの。一番大切にするのは思い出なのね。
もちろん連中だってお墓は建てるし、今でも火葬を避けたがる傾向が強い。
向こうの人は写真をとても大切にして、やたら飾るでしょ?あれは思い出を飾ってるワケ。モノより思い出の方が大切なんだ。
でも日本人は絶対に「モノ」。だからいつまでたってもCDという実在する「モノ」がスキなの。
「心はかたちを求め、かたちは心をすすめる」
これは稲荷町の仏壇屋のコピーだけど、仏教の何かの経典が出自になっていると聞いた。(その仏壇屋に尋ねた)
仏教で言ってるぐらいなんだから…それぐらいモノを愛でる国民なんですよ。
だから、みんなでCDという「音楽のモノ文化」を守ろう!

今日の本題…CDという親亀がコケれば、いとも簡単にコケてしまうのがジャケットだ。
そのジャケット文化を保護・普及する努力を続けているのが『MUSIC JACKET GALLERY』。
Marshall Blogではもうスッカリおなじみですな?
その特別展が今年も五月に東京で開催された。(開催期間は5月15日~24日)
私は、折悪くイギリス行きと重なってしまい今年はお邪魔することができなかった。
そこで、出展者のおひとりでもある日本屈指のLP/CDコレクター、植村和紀さんに写真を借り受けここにレポートさせて頂くことにした。

05

今年も会場は新宿の高島屋一階のオープンスペース。

10_2内容は今年も開催された「ミュージック・ジャケット大賞」の受賞作の紹介。候補作が50点展示され大賞をはじめとした受賞作品がを発表された。

30_2日本のジャケットデザイナーたちによる作品の数々を、その時代性と芸術性を軸に紹介するコーナー。

40v_2洋楽レコード国内盤のジャケットやオビの展示。
原題から大きくかけ離れた独自の邦題、味わい深い手書き文字によるタイトルデザイン等、洋楽レコード日本盤だけの「オビ付き」ジャケットを展示してその魅力をアッピール。
Roy Woodの『Mustard』が入ってるね。植村さんらしい。

50v_2そう、これらはすべて植村さんのコレクション
言い方を換えれば植村さんの本の現物展示だ。
この本についてはコチラ⇒【Music Jacket Gallery】 植村さんの本!

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ドワ~。こんなデカオビも!スゴイな…ナントカダイオウイカを釣り上げたみたいだ!

70v_2さらに、豪華・特殊パッケージをド~ンと展示。2014年に発売された豪華な特殊仕様のパッケージ(初回限定盤、リミテッド・エディション、立体パッケージ、BOX アーカイブ等)が集められた。

80v_2また、今回はジャケット・デザイナーによるトーク・ショーなどが企画され、ピーター・バラカンさんも檀上に上がった。
バラカンさん、『Hot Rats』を手にしてナニを語っていらっしゃるのかな?
氏の著書『わが青春のサウンドトラック(株式会社ミュージックマガジン刊)』や『ジャズ・ロックのおかげです(中山康樹、市川正二共著:径書房刊)』で『Hot Rats』を大推薦されているぐらいだからさぞかし熱意のこもったお話しが聞けたことだろう。
バラカンさんは1970年11月にロンドンでFrank Zappaをご覧になっているという…何ともうらやましい!

90_2他にも、普段見ることのできないCD とアナログレコードの製造過程をプレス工場潜入ムービーと途中生成物を展示してわかりやすく解説したり、音楽Blu-ray Discの映像作品を上映したりと例年通り盛りだくさんの内容でたくさんのお客さんの耳目を集め、ジャケットの楽しさや重要性をアッピールした。
考えてみりゃ、今度Marshall Blogも紹介してもらおうかな…。

昨年のレポートはコチラ⇒MUSIC JACKET GALLERY 2014

さて、盛りだくさんといえば、またまた植村さんがらみで興味深いイベントがもうすぐ開催される。
『70's バイブレーション!YOKOHAMA』と題した展示会。
キャッチ・コピーはこうだ…真夏の横浜・赤レンガ倉庫に70年代ニッポンの音楽とポップカルチャーが蘇る…。
ああ、麗しの70年代。
我がセイシュン時代。音楽の関しては「甘い」の一辺倒、恋愛に関しては「酸い」一筋!
開催は8月1日からだが、7月31日の内覧会&レセプションにご招待頂いたので、しっかり取材をして来たいと思っている。
Marshall Blogの宣伝にもなるかな?

70's バイブレーションYOKOHAMA!の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

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Marshall Blogのミュージック・ジャケット・ギャラリーもよろしく!⇒コチラ

(一部敬称略 2015年5月16日 新宿高島屋特設会場にて撮影 ※写真提供:植村和紀氏)