Nuovo Immigrato ワンマン・ライブ
Marshall Blogへはも~んのスゴく久しぶりの登場となるNuovo Immigrato(ヌーヴォ・イミグラート)。
最近ではトキ級に珍しくなってしまった純プログレッシブ・ロック・スタイルのバンドだ。
今日のレポートは、浜松、名古屋、大阪を回った「2015春のライブ・ツアー」の最終日。
相変わらずの鉄壁の演奏で最高に楽しませてくれた!
Wes Montgomeryの「Four on Six」がオープニングSE。
このタイトルは「6本の弦の上の4本の指」という意味。5度音程で組み立てられたカッコいいリフはジャズ・ギターを志す者なら誰しもがコピーするであろう有名なものだ。
もちろんNuovoのサウンドはWesの音楽とは似ても似つかないものだが、「ダイナミックさと緻密さ」という魅力に関しては共通項が見い出せるのかもしれない。
1曲目から圧倒的な演奏!「ウマい!」なんて言っちゃもちろん失礼なんだけど、やっぱりウマい。
若い人の間でもこういう演奏ができるバンドが出て来てくれるといいんだけどナァ。
5/4拍子のゴキゲンな展開!
また竜さんのベース・ラインのカッコいいこと!
BARNYの確実なプレイ。久しぶりに聴いたけど、ものすごい安心感!
ミニ・ムーグのソロ。繰り出されるフレーズのひとつひとつの重みがスゴイ!
3曲目はスロー・テンポで難波さんが歌う。
ちょっとジャジーなピアノのソロがいいッ!
中間部のインスト・パートも大きな聞かせどころだ。
4曲目はややスローなナンバー。
難波さんのメロトロンの音色が実にいい感じ。
やっぱりメロトロンの音色はこの手の音楽に欠かせませんナァ。
フレーズを丁寧につなげて物語を作っていく。
BARNEYのギターを聴くとホントに「ロック・ギター」を聴いている気になるよ。
5曲目では竜さんのボーカル。
実はアコギを使って歌ったのだが、あまりにも暗くて写真が撮れなかった!
静かなワルツ…
ギターのリフでハードに展開していく。
なんぞGreensladeみたいでカッコいいぞ!
7曲目はインストゥルメンタル。
いかにもNuovoのバンド・チームらしい手の込んだ演奏で聴く者を魅了する。
再び難波さんのリード・ボーカル。ん~、いいメロディ!
竜さんのベース・ソロ。
今日は残念ながら違うが、竜さんもMarshall 1992 SUPER BASSの愛用者だ。
そして、ギター・ソロ。
この日、ここまでで一番のロング・ソロ。
そのすさまじい弾きっぷりはまさにJaw-dropping!
ここから後半に入る。
何せツアー・ファイナルだからね。盛りだくさんだよ。
Angieさんのヴォイスも絶好調だ!
BARNEYはレスポールに持ち替え。ルックス的にはやっぱりコレがシックリくるナァ。
静かなワルツから始まりシーンがコロコロと変わっていき、ケルト風のパートまで!
コレはタマらん!
典型的プログレ展開に大満足!
…と最後まで実況的にレポートをしたかったのだが、残念ながらここで失礼せざるを得ず後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。
それにしても、日本はどうしてこの手のバンドがあんまり出て来ないんナァ。こんなにプログレ人気が高いのに。
以前にも書いたが、お茶の水の明治大学の旧記念館の前にある中古&輸入レコード屋さんは世界一『In the Court of the Crimson King』を売る店だったとか。
AreaとかNew Trollsとかが来日して平気で会場を満員にするじゃない?今度はAtollが来るでしょ?
こんなのイギリスじゃ絶対あり得ない。
だって、いつか「How is progressive rock in the UK?」みたいなことをイギリス人ギタリストに尋ねたところ。「ナニ?Prog rockのことを言ってるの?そんなのイギリスで聴いているヤツはいないよ!」と一蹴された。
これこそイギリスのロックなのにね。
私は子供の頃からプログレッシブ・ロックが大好きだったので、どうしてもプログレの肩を持つような言動に走ってしまう。
でもそれとは別に、私が本当に望んでいるのは、こういうしかっりした器楽演奏ができる若いバンドが出て来て欲しいということなのね。
もちろん歌は大いにあってよい。
でも、楽器が歌のようにメロディを奏で、考えつくしたアレンジでアンサンブルを分厚くする。
こういう作業を経た音楽を渇望しているのだ。
ギターをジャンジャカかき鳴らしてパワーだけで押し通すのもロックという音楽の魅力なのはわかるし、プログレのような音楽に飽きて、そうしたパワー一辺倒のロックが台頭した背景もよく理解している。
しかし、今あまりにも偏り過ぎているんじゃないですか?…ってこと。
世界一のプログレ国なんだもの、Nuovoみたいなバンドが続々と出て来る素養はあるんじゃないの?