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2015年4月21日 (火)

Nuovo Immigrato ワンマン・ライブ

Marshall Blogへはも~んのスゴく久しぶりの登場となるNuovo Immigrato(ヌーヴォ・イミグラート)。
最近ではトキ級に珍しくなってしまった純プログレッシブ・ロック・スタイルのバンドだ。
今日のレポートは、浜松、名古屋、大阪を回った「2015春のライブ・ツアー」の最終日。
相変わらずの鉄壁の演奏で最高に楽しませてくれた!

10五十嵐"Angie"久勝

20v難波弘之

30vBURNY日下部正則

40v高橋竜

50v下田武男

60vWes Montgomeryの「Four on Six」がオープニングSE。
このタイトルは「6本の弦の上の4本の指」という意味。5度音程で組み立てられたカッコいいリフはジャズ・ギターを志す者なら誰しもがコピーするであろう有名なものだ。
もちろんNuovoのサウンドはWesの音楽とは似ても似つかないものだが、「ダイナミックさと緻密さ」という魅力に関しては共通項が見い出せるのかもしれない。

1曲目から圧倒的な演奏!「ウマい!」なんて言っちゃもちろん失礼なんだけど、やっぱりウマい。
若い人の間でもこういう演奏ができるバンドが出て来てくれるといいんだけどナァ。

702曲目は難波さんのオルガンが活躍。

805/4拍子のゴキゲンな展開!
140
また竜さんのベース・ラインのカッコいいこと!

90BARNYの確実なプレイ。久しぶりに聴いたけど、ものすごい安心感!

100v今回は1987Xと1936Vの組み合わせ。

110v炎のようなプレイは健在だ!

120ミニ・ムーグのソロ。繰り出されるフレーズのひとつひとつの重みがスゴイ!

1303曲目はスロー・テンポで難波さんが歌う。
380
ちょっとジャジーなピアノのソロがいいッ!
190

中間部のインスト・パートも大きな聞かせどころだ。

180やっぱりプログレはいいナァ~。

S41a3169 4曲目はややスローなナンバー。
200
難波さんのメロトロンの音色が実にいい感じ。
やっぱりメロトロンの音色はこの手の音楽に欠かせませんナァ。

160

ここでBARNEYの泣きのソロ!
360v

フレーズを丁寧につなげて物語を作っていく。

220BARNEYのギターを聴くとホントに「ロック・ギター」を聴いている気になるよ。

230v5曲目では竜さんのボーカル。
実はアコギを使って歌ったのだが、あまりにも暗くて写真が撮れなかった!
静かなワルツ…

240v一転してオルガンが唸り出し、曲が暴発する!

250ここでもBARBEYのハードなソロが炸裂!

260v6曲目はピアノとボーカルのデュオで静謐な様相を見せるが…

145

ギターのリフでハードに展開していく。

270なんぞGreensladeみたいでカッコいいぞ!
S41a3213
7曲目はインストゥルメンタル。
310
いかにもNuovoのバンド・チームらしい手の込んだ演奏で聴く者を魅了する。
340v

300v
150v

S41a3216

再び難波さんのリード・ボーカル。ん~、いいメロディ!

170
竜さんのベース・ソロ。
今日は残念ながら違うが、竜さんもMarshall 1992 SUPER BASSの愛用者だ。
330
そして、ギター・ソロ。

350この日、ここまでで一番のロング・ソロ。
そのすさまじい弾きっぷりはまさにJaw-dropping!

210v_2 ここから後半に入る。
何せツアー・ファイナルだからね。盛りだくさんだよ。
Angieさんのヴォイスも絶好調だ!

280v

BARNEYはレスポールに持ち替え。ルックス的にはやっぱりコレがシックリくるナァ。

370v静かなワルツから始まりシーンがコロコロと変わっていき、ケルト風のパートまで!
コレはタマらん!
典型的プログレ展開に大満足!

390v…と最後まで実況的にレポートをしたかったのだが、残念ながらここで失礼せざるを得ず後ろ髪を引かれる思いで会場を後にした。

それにしても、日本はどうしてこの手のバンドがあんまり出て来ないんナァ。こんなにプログレ人気が高いのに。
以前にも書いたが、お茶の水の明治大学の旧記念館の前にある中古&輸入レコード屋さんは世界一『In the Court of the Crimson King』を売る店だったとか。
AreaとかNew Trollsとかが来日して平気で会場を満員にするじゃない?今度はAtollが来るでしょ?
こんなのイギリスじゃ絶対あり得ない。
だって、いつか「How is progressive rock in the UK?」みたいなことをイギリス人ギタリストに尋ねたところ。「ナニ?Prog rockのことを言ってるの?そんなのイギリスで聴いているヤツはいないよ!」と一蹴された。
これこそイギリスのロックなのにね。

私は子供の頃からプログレッシブ・ロックが大好きだったので、どうしてもプログレの肩を持つような言動に走ってしまう。
でもそれとは別に、私が本当に望んでいるのは、こういうしかっりした器楽演奏ができる若いバンドが出て来て欲しいということなのね。
もちろん歌は大いにあってよい。
でも、楽器が歌のようにメロディを奏で、考えつくしたアレンジでアンサンブルを分厚くする。
こういう作業を経た音楽を渇望しているのだ。
ギターをジャンジャカかき鳴らしてパワーだけで押し通すのもロックという音楽の魅力なのはわかるし、プログレのような音楽に飽きて、そうしたパワー一辺倒のロックが台頭した背景もよく理解している。
しかし、今あまりにも偏り過ぎているんじゃないですか?…ってこと。
世界一のプログレ国なんだもの、Nuovoみたいなバンドが続々と出て来る素養はあるんじゃないの?

400(一部敬称略 2015年3月20日 沼袋サンクチュアリにて撮影)