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2014年8月21日 (木)

還暦ーズ ライブ2014~Sweet Sixty 1954~

最近「還暦」にまつわる記念コンサートに出くわすことがよくある。実にいいことだね。ポピュラー音楽の寿命がドンドン延びているということだ。

60年前の1954年というと、ロックンロールがまだ若き頃、お生まれになった方々にはビートルズの出現が小学生の時、60~70年代のロックやフォークが一番エキサイティングだった時代を経験している。何よりも、最もいい音楽を聴いて育った世代の人たちなのだ。
そして、日本のロックやニューミュージックが市民権を得、オリジナリティを保ちながら隆盛を極めた時代に自分たちの音楽をクリエイトしてきたワケだ。
すなわち、日本のポップスが一番おいしく、おもしろい時代に作る側の中心にいたことになる。

コンピュータで音楽を作るなんてことなど発想すらなかった時代。「同期」といえば「桜」の方に親しみを感じる世代の方々。
楽器の腕は超人的だ。よりオリジナルに近いところで音楽を吸収し、楽器に関する情報が極端に少ない中、手探り、体当たり、根性、意地、そして音楽への愛情で楽器の奏法をマスターした人たちだ。

さて、出演者がお生まれになった1954年にはどんなことが起こっていたかちょっと調べてみた。昭和29年。戦後から10年も経っていない。
●アメリカで世界初のカラー・テレビの放送が開始。
●ジョー・ディマジオとマリリン・モンローが2月に新婚旅行で来日してる。
●3月に第五福竜丸の死の灰事件。60年後の今も同じ事件が起こってる。
●初の集団就職列車が運行された。青森⇒上野だ。
●明治製菓から缶ジュースが初めて発売されたそうだ。
●「自衛隊に海外派遣させない」ことを参議院全会一致で可決。何だ今の日本は?いかに今戦争の惨禍が忘れ去られたかがわかる1件。
●9月には洞爺丸事件。台風で青函連絡船が沈み1155人が亡くなった。日本海難史上最悪。
●アメリカNBCで『The Tonight Show』がスタート。コレ、60年もやってんのかよ!
●映画『ゴジラ』公開。ゴジラも還暦なのね。
●『七人の侍』もこの年の封切りだ

今日のレポートは去る7月6日に開催された還暦を迎えたミュージシャンによるスペシャル・コンサート『還暦ーズ ライブ2014~Sweet Sixty 1954~』。
思い出の名曲でつづる「お祝いコンサート」だ。

10カセット・テープのイラスト、テープの部分には「SIXTY YEARS OLD」と入っている。「60」のレタリング、そして赤…完璧な60'sグッズ!
カセット・テープずいぶん買ったな~。中学の頃は秋葉原へ行ってハコ買いしてた。まだワープロなんか全然ない時代で、レーベルには手で慎重に曲名を書き込んだ。

「Lカセット」ってのもあったね。アレまだ持っている人ってこの世にいるのかしらん?
MDってのもサッパリ見なくなった。
そうしてみるとこのオープン・リールに代わって登場したカセット・テープというものはかなり長命だったことになる。大発明だったんだね。

20さて、コンサート。
オープニングは「すてきな60才」。ウマい!

もちろんオリジナルはニール・セダカの「すてきな16才(Happy Birthday Sweet Sixteen)」。
歌詞が「♪Happy Birthday Sweet Sixty」になってる!
いい曲だよね~。
私も以前、会社の都合で信州に住んでいた時、パブのハコバンを長いことやっていたんだけど、この曲よく演ったな。我々が演奏するとギンギンのドライビング・チューンになっちゃってたけど…。

30出演は…
庄野真代水越恵子。

40サーカスの叶高。

50v杉真理

60v白井良明

70v岡崎倫典

80坂本洋

90v林敏明

100vそして我らが伊藤広規!
み~んな60歳!若い!みなさん映画が1,000円で観られるそう。

広規さんは生まれ月の2月に盛大に還暦のお祝いをしたもんね。その時の模様はコチラ

110v懐かしのメロディでも超人的にグルーヴしちゃう広規さんのお手伝いするのはEDEN。
最上位機種World Tour800と4x10"スピーカー・キャビネットD410XLTが2台のフルスタック!

130vホント音いいわ~。もっとも弾き手がスゴいんだけど…。

140真代さんと恵子さんでザ・ピーナッツ。
曲は「ふりむかないで」。岩谷時子と宮川泰コンビの初のヒット曲。コレ、元はアメリカン・ポップスなのかとずっと思ってた。
1962年の発売。52年前だよ!Marshallアンプの第一号機が産声を上げた年だ。

偶然にもこの曲がMarshall Blogに登場するのは2回目だ。
以前に登場したのはイリアさんが演奏した時のことだ。
ちょっとコチラをご覧いただきたい。↓
The Paisleys & JUICY HALF ジョイントLIVE <後編>

この曲の可愛さについて触れた。
今回、真代さんと恵子さんもまったく同じことをMCでおしゃべりになられたので驚いた。
「可愛いわよね~、靴下を直しているところを見られたくないなんて!」って。
やっぱりみんな思うんだね。
メロディやアレンジだけじゃなく、歌詞も素晴らしい。ホントに昔の曲は魅力的だ。古くなるどころか齢を重ねるにつけ価値が増しているではないか!
210
このコンサート、トーク・コーナーがまた充実している。もちろん昔話…イヤ、思い出話。
「物心ついた頃の最初の曲の思い出」や「はじめて買ったレコード」の話しで盛り上がる。

150開演前にセットリストを頂戴した瞬間「スーダラ節(伊藤)」というのが目に入った。
「オワ!広規さん、スーダラ節歌うのかよ!子供ばんどみたいだな!」…と思ったら大間違い。広規さんの思い出の曲だった。

160vみんなで持ち寄った幼少時代の写真がまたウケるウケる!
電車のおもちゃを大事そうに抱えているのは広規さん。今はこれがジャズ・ベースになってる。
それにしても背景がスゴイな。1950年代後半ってまだこんなだったんだね。
畳屋さんか…。畳屋もあんまり見なくなったな。まだ後ろの路地は舗装をしていないように見える。
おそらくこの写真が撮影された4~5年ぐらい前まで日本はアメリカに統治されていたんだぜ。

どなたの写真だったか忘れたけど、オカッパ頭の女の子の写真が出て来て叶さんがひと言…「ウ冠みたいなな頭ですね!」って。死ぬほど笑った!

170広規さんがはじめて買ったレコードはThe Bee Geesの「Massachusetts」だそうだ。1967年のヒット曲で、全世界で500万枚が売れた。
歌うは杉さん。

190vそして、続くはGSの大メドレー!
ちょっとセットリストを引用する。
1.    あの時君は若かった
2.    君に会いたい
3.    スワンの涙
4.    バラ色の雲
5.    想い出の渚
6.    長い髪の少女
7.    シー・シー・シー
8.    エメラルドの伝説
9.    好きさ好きさ好きさ
10. トンネル天国
11. 小さなスナック
12. 白いサンゴ礁
13. ブルーシャトー

ハイ、マーブロ読者の皆さんはどれくらい歌えますか?私はほとんどOK。
GSブームというのは一般的に1967~69年とされているようだ。私は幼稚園だった。
なんでミリタリー・ルックだったんだろうね?「サージェント・ペパーズ」か…。

それにしてもこの名曲の数々はどうだ!今もバンド形態の歌手がひっきりなしにテレビに出ているが、50年近く歌い継がれているこれらの曲とはクォリティが雲泥の差だ。まさに「世界の終り」を感じさせる。
今の若い人たちが歳をとった時に歌う歌は一体なんだろう?今から30年後…それを見届けてから死にたいな。それまでマーブロ続けるか?
200vその名曲を最高の歌と演奏で再現してくれるのだからタマらない。思わずいっしょに歌っちゃうよね。

この時代の曲も粒ぞろいだけど、もうちょっと時代をさかのぼっていわゆるオールディーズ時代の曲をまた見直してはどうかなと思う。
この原稿を書くのにオールディーズのCDを引っ張り出してまた聴いていたんだけど、やはり、今さらながら、この時代のアメリカン・ポップスにはポピュラー音楽のすべてが入っているように聴こえたね。
歌詞も秀逸。今でこそややストレートに英語の歌詞が頭に入ってくるようになってわかってきたけど、やっぱりこの歌詞をそのまま言語で理解している現地人たちの音楽の楽しみ方は我々のそれとは全く異なるものだ。
したがって一時大流行した和製ポップスというのは至極正しい方法論だったのかもしれない。

Nancy Sinatraの「Like I Do(ナゼか邦題は「レモンのキス」。これもザ・ピーナッツ」なんてホント可愛くてステキ。「like I do(わたしのように)」をキーワードに彼氏の気を惹きつけるというような内容なんだけど、実にうまくできてる。
日本語の歌詞は似ても似つかない内容だけどね。

どの曲もいいけど、私のお気に入りはConnie Francisの「Lipsticks on Your Coller」かな?ギター・ソロがまた滅法カッコいい!この曲もコピーしてよく演った。

とにもかくにも今の日本の音楽界に必要なのは無理して黒人のマネをすることでも、新しい技術でも、はたばたファッションでもなく、「温故知新」だと思う。

220v実はこの日、ダブルヘッダーで、この第一部の終りあたりで次の現場へと移動しなければならなかった。残念!
第二部でも名曲が次から次へと演奏され、最後には合唱隊も加わるという壮大な内容となっていた。
広規さんのウクレレ・ベースの超絶プレイが見れなかったのも残念だった。

次回は…「古希」か、その時はユックリと取材させていただきましょう!
マーブロも年なんかとってられんぞ、コリャ!

230名曲たちが永遠に歌え継がれんことを願ってやまない。
そして、ご出演の方々がいつまでも元気でご活躍されることを祈っています。
還暦おめでとうございます!

240伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

250ところでこの会場、2000年に開催した「Marshall祭り」の舞台だった。
AVTシリーズの発表会も兼ね、Jim Marshallも参加した。発表会では私が通訳をやらされたんだけど、Jimの英語を聞き取るのが大変で冷や汗のかきっぱなしだった。
あの頃のJimはまだものすごく元気で、大勢のお客さんと握手をして写真を撮っていたっけ。
14年ぶりに訪れてとてもなつかしかった。

(一部敬称略 2014年7月6日 新宿スペース・ゼロにて収録)