岡井大二 Plays NATAL~Logic of Living Legend デビュー!!
こういうのを待っていたのよ!
ナ~ンの文句もありません。問答無用で最高です。
もうコレだけでチャッチャと今日のマーブロ切り上げたいぐらい。
 「Logic of Living Legend」というグループ。
「Logic of Living Legend」というグループ。
大層仰々しい名前だけど、演奏の内容はもっと仰々しい。
超腕利きが集まってプログレッシブ・ロックの名曲、そして難曲を演奏しようという企画。
すいませんね、興奮しちゃって!プログレ好きなもんで勘弁してくださいね!
だってサ、King CrimsonならまだしもBrand Xとか演るっていうんだよ!プログレ好きなら興奮しない方がおかしいでしょ?!
 キラ星のごとく集結したミュージシャンは…
キラ星のごとく集結したミュージシャンは…
リーダーの仙波清彦。 ギターに鬼怒無月。
ギターに鬼怒無月。
 ヴァイオリンに高橋香織。
ヴァイオリンに高橋香織。
 キーボードは久米大作。
キーボードは久米大作。
 それにベースがバカボン鈴木。
それにベースがバカボン鈴木。
 こんなメンバーでプログレ演られてごらんなさいよ、アータ。タマらんよ。
こんなメンバーでプログレ演られてごらんなさいよ、アータ。タマらんよ。
そして、肝心のドラムは…
 岡井大二!
岡井大二!
 しかもドラムはNATAL!
しかもドラムはNATAL!
大二さん、大層NATALを気に入っていただきましてネェ、うれしい限りです。
 今回のこの企画は皆さんがイッパイやっている時に「プログレやろうよ!」という話しになって、仙波さんを中心に結成された。ま、音楽達人たちの趣味の世界?だからおもしろい!
今回のこの企画は皆さんがイッパイやっている時に「プログレやろうよ!」という話しになって、仙波さんを中心に結成された。ま、音楽達人たちの趣味の世界?だからおもしろい!
「めずらしくリハーサルを(1回だけじゃなく)2回やった。途中で演奏が止まっちゃったらアタマからやり直すので、その時はよろしく!」なんておっしゃっていたが、そんな場面がない、まったく危なげない演奏だった。
 鬼怒さんはずいぶん久しぶり。以前、最後のFrank Zappaのバンドのギタリスト、Mike Kenallyが来日した時以来。ちなみにMikeは私のことを「Mr. Marshall」と呼んでくれていたんよ。
鬼怒さんはずいぶん久しぶり。以前、最後のFrank Zappaのバンドのギタリスト、Mike Kenallyが来日した時以来。ちなみにMikeは私のことを「Mr. Marshall」と呼んでくれていたんよ。
あの時はホッピーさんやナスノミツルさんらと「Black Page」を演奏した。開演前、Mikeと鬼怒さんがエンディング前の11連譜が連続した超絶フレーズを楽しそうに練習していたのを思い出す。
後日鬼怒さんにこの時の譜面を分けてもらったのだが、今でも宝物として『Zappa in New York』のLPといっしょにしまってある。
 レパートリーはというと、メンバー各自が「アレやりたい」、「コレやりたい」というノリで決定された。
レパートリーはというと、メンバー各自が「アレやりたい」、「コレやりたい」というノリで決定された。
 しかも、ドラムが大二さんであ~る!
しかも、ドラムが大二さんであ~る!
大二さんは実は「ゲスト」という扱い。なぜなら、こ飲み屋さんでこの企画が浮かんだ時にはドラマーがまだ決まっていなかった。それで「プログレのドラムといえば…四人囃子の岡井大二!」ということで白羽の矢が立ったのだそう。 子供の頃から大二さんのドラミングが大好きでしてね。ナンカ、大陸的な大らかさを感じるんだよね。要するに日本人離れしてる。それが我がNATALを叩いているなんて!こういう仕事をしていて一番うれしい瞬間だよね。ミョーリ、ミョーリ。
子供の頃から大二さんのドラミングが大好きでしてね。ナンカ、大陸的な大らかさを感じるんだよね。要するに日本人離れしてる。それが我がNATALを叩いているなんて!こういう仕事をしていて一番うれしい瞬間だよね。ミョーリ、ミョーリ。
それにしもこの音!大二さんのドラムって音が大きいのにまったくうるさくない。大二さんもドラムだけ聴いていても音楽が成立するプレイだ。
名手が叩いているからなのは百も承知だけど、我ながらNATALってホントに音がいいと思う。ものすごく音楽的な音だ。 順不同にはなるが、全曲ではないが演奏の内容を紹介しよう。
順不同にはなるが、全曲ではないが演奏の内容を紹介しよう。 鬼怒さんのリクエストで「Crazy Eight」という曲。フランスのヴァイオリニスト、Didier Lockwood(デディエ・ロックウッド)の作品。
鬼怒さんのリクエストで「Crazy Eight」という曲。フランスのヴァイオリニスト、Didier Lockwood(デディエ・ロックウッド)の作品。
この人は70年代にはMagmaにいた人。その後、Pierre Moerlen's Gongの『Downwind』やZaoの『Kawana』や『Live!』にも参加している。 『Storyboard』とかいうソロ・アルバムがあってSteve GaddやJoey DeFrancescoというメンバーに魅かれて買ってみたけどあんまりおもしろくなかったな。先のGongも『Expresso II』とか『Gazeuse』に比べるとチョット…。Zaoの2枚はとってもいい。
『Storyboard』とかいうソロ・アルバムがあってSteve GaddやJoey DeFrancescoというメンバーに魅かれて買ってみたけどあんまりおもしろくなかったな。先のGongも『Expresso II』とか『Gazeuse』に比べるとチョット…。Zaoの2枚はとってもいい。
で、この鬼怒さんの選んだ曲、めちゃくちゃカッコいい!何でもモントルーでBilly Cobham、Jack Bruce、David Sancious、Allan Holdsworthらと演奏していて鬼怒さんのベスト・フュージョン・ナンバーとのこと。
 久米さんはDavid Sanciousの大ファンなのだそうだ。何しろファン・クラブに入っていたとか…というかDavid Sanciousのファン・クラブなんてあるのね?
久米さんはDavid Sanciousの大ファンなのだそうだ。何しろファン・クラブに入っていたとか…というかDavid Sanciousのファン・クラブなんてあるのね?
この人はBruce SpringsteenのE Street Bandでキーボードを弾いていた人。Stanley ClarkやZucchero、Peter gabrielなんかとも共演している超売れっ子キーボードプレイヤーだけど、私は接点がなかったな~。
「Prelude」という曲の他もう1曲を演奏。とてもいい曲だった。
 客席から「おお!」と声が上がったのは、「Lark's Tongue in Aspic Part2」のイントロが聴こえた時だ。「太陽と戦慄 パート2」ね。
客席から「おお!」と声が上がったのは、「Lark's Tongue in Aspic Part2」のイントロが聴こえた時だ。「太陽と戦慄 パート2」ね。
 この曲をカバーしているバンドは他にも観たことがあるが、このバンドは演奏は他とはゼンゼン違った。
この曲をカバーしているバンドは他にも観たことがあるが、このバンドは演奏は他とはゼンゼン違った。
ちなみにこの曲の原題は「肉汁ゼリーのなかのヒバリの舌」という意味だが、これもJamie Muirのアイデアだったそうだ。
 仙波さんが何かを鳴らすだけで場の雰囲気がガラリと変わる!
仙波さんが何かを鳴らすだけで場の雰囲気がガラリと変わる!  この日のショウは2部構成だったが、構わず続けて書く。曲順も実際のものとは異なることをもう一度記しておく。
この日のショウは2部構成だったが、構わず続けて書く。曲順も実際のものとは異なることをもう一度記しておく。
ELPも出て来た。「Hoe-down」。
「プログレのお湯に浸かりたい」ぐらいプログレがお好きな香織さん。いい人だ~!私はヴァイオリンの入ったロックが大好きだ!Caravanのヴィオラ、AnekdotenのチェロもOKね。(ちなみにこの名前、現地のスウェーデンの人が発音すると「アニクドウトゥン」のような感じで「ド」にアクセントが来る) 一応言っておきますが「Hoe-down」はELPのオリジナルではござらんからね。アメリカのクラシックの作曲家、アーロン・コープランドの作品。後期 にレパートリーに加えた「庶民のファンファーレ」もそう。「Hoe-down」はバレエ音楽『ロデオ』の挿入曲。あの曲をこんなにカッコいいロック曲にし てしまうのはさすが。「ファンファーレ」もあんなブギにしちゃうんだからスゴイ。
一応言っておきますが「Hoe-down」はELPのオリジナルではござらんからね。アメリカのクラシックの作曲家、アーロン・コープランドの作品。後期 にレパートリーに加えた「庶民のファンファーレ」もそう。「Hoe-down」はバレエ音楽『ロデオ』の挿入曲。あの曲をこんなにカッコいいロック曲にし てしまうのはさすが。「ファンファーレ」もあんなブギにしちゃうんだからスゴイ。
前にも書いたかな?ELPには「原曲探し」の楽しみがあって、 ヒナステラやヤナーチェク、そしてKeith Emersonのピアノ・ソロなんかを聴いていると、出るわ出るわジャズの名曲。「Scraple from the Apple」は前から知っていたけど、こないだ何かのライブ盤を聴いていたらHorace Silverの「Quicksilver」がまんま出て来たのには笑った。アレ、J.J.Johnsonの「Wee Dot」だったかな?しばらく聴いていないウチにわかんなくなっちゃった!でもどっちか演ってるのは確か。
このメンバーで「Tarcus」演ってもらいたいな。
 ゲストの大二さん、インタビュー・コーナー。「実はプログレそんなでもない」という大二さん。そうなんだよね。大二さんというと四人囃子とPink Floydのイメージで即「プログレ」というイメージがあるけど、実際に大二さんと音楽の話しをするとそうでもないことがわかる。もちろんお詳しいけどね。
ゲストの大二さん、インタビュー・コーナー。「実はプログレそんなでもない」という大二さん。そうなんだよね。大二さんというと四人囃子とPink Floydのイメージで即「プログレ」というイメージがあるけど、実際に大二さんと音楽の話しをするとそうでもないことがわかる。もちろんお詳しいけどね。
King Crimsonとかは縁遠い…と告白されていた。
 で、大二さんのリクエストはというと…Brand Xの「Enthanasia Waltz」。『Unorthodox Behavior』収録の「安楽死のワルツ」だ。
で、大二さんのリクエストはというと…Brand Xの「Enthanasia Waltz」。『Unorthodox Behavior』収録の「安楽死のワルツ」だ。
 Edgar Winterの「Frankenstein」。1973年、Paulの「My Love」に蹴落とされるまでの1週間、Billboardのナンバー1に在位したインスト曲。
Edgar Winterの「Frankenstein」。1973年、Paulの「My Love」に蹴落とされるまでの1週間、Billboardのナンバー1に在位したインスト曲。
Marshallの50周年記念コンサート『50 YEARS OF LOUD LIVE』のオープニングに選ばれた曲だ。 サビからすごくアメリカっぽくなっちゃうところがチト性に合わないが、ロック史に残る名リフだ。
サビからすごくアメリカっぽくなっちゃうところがチト性に合わないが、ロック史に残る名リフだ。 ん~、コレは人間が実際に演奏するのを初めて見たな。King Crimsonの「Starless」。鬼怒さんのボーカルだ。
ん~、コレは人間が実際に演奏するのを初めて見たな。King Crimsonの「Starless」。鬼怒さんのボーカルだ。
もうこの曲が嫌いになるぐらい練習されたそうだ。完璧!
 かつて、何かのインタビューでRobert Fripが「美しいメロディ」と自画自賛していたが、確かに名曲だわね~。
かつて、何かのインタビューでRobert Fripが「美しいメロディ」と自画自賛していたが、確かに名曲だわね~。
仙波さんによれば、「演歌みたいなメロディがいい。耳元で歌ってもらいたい」だそうだ!
 バカボンさんによる後半のあのベースのパートのカッコよさと言ったら!タマらんわ~。
バカボンさんによる後半のあのベースのパートのカッコよさと言ったら!タマらんわ~。
 そして、そのバカボンさんによる「21st Century Schizoid Man」。
そして、そのバカボンさんによる「21st Century Schizoid Man」。
 若かりし頃、レコード屋にJeff Beckの『Wired』を買いに行ったが、なくて代わりにKing Crimsonの『U.S.A.』を買った。それ以来のプログレ浴だそう。
若かりし頃、レコード屋にJeff Beckの『Wired』を買いに行ったが、なくて代わりにKing Crimsonの『U.S.A.』を買った。それ以来のプログレ浴だそう。
これまた完璧な演奏でした! そして、アンコールは大二さんリクエストで再びBrand X。2枚目の『Moroccan Roll』から「Dico Suicide」。
そして、アンコールは大二さんリクエストで再びBrand X。2枚目の『Moroccan Roll』から「Dico Suicide」。
ナンダカンダおっしゃって自分も超ムズカシイ曲をお選びだ!
 あ~、スゴカッタな~。
あ~、スゴカッタな~。
リハーサルの時からご一緒させていただいたのだが、またソレがスゴカッタ。ちょっと演奏が引っかかると、みんなで譜面を確認しながら「ソコ、四分の四(しぶんのし)に八分の一をひとつ付けて」とか「5/4に11/8でいいんだよね?」とかモノスゴイ会話が飛び交っていた。それでそのままスラスラ演奏しちゃうのである。変拍子ばかりがエライわけではないけど、やっぱりこうした演奏技術の高さを目の当たりにするとひとつの感動を覚える。
ホントに見応えのあるコンサートだった。それにやっぱNATALいいわ~。
 チャンス到来。Logic of Living Legendが再登場する。3月3日、場所は代官山の「晴れたら空に豆まいて」だ。
チャンス到来。Logic of Living Legendが再登場する。3月3日、場所は代官山の「晴れたら空に豆まいて」だ。
お見逃しなく!
 Marshall Blogをご覧のギタリストの皆さん!バンドのドラマーさんに↓↓↓を教えてあげてくださ~い!
Marshall Blogをご覧のギタリストの皆さん!バンドのドラマーさんに↓↓↓を教えてあげてくださ~い!
NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、今ならNAMMでフィーチュアされていたStave Snareシリーズもご用意しています。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
(一部敬称略 秋葉原CLUB GOODMANにて撮影)

