LIVE ROKUGENSHIN~CROSSOVER DAY <前編>
すさまじいまでのギターの洪水、『ROCK DAY』に続いての『LIVE ROKUGENSHIN』はクロスオーバー系(この言葉を使っているところが何ともうれしい!)のスター・ギタリストが結集した。
『ROCK DAY』同様、ロビーに飾られた出演者たちの愛器。
『CROSSOVER DAY』のオープニングも山本恭司の「君が代」。
恭司さんは両日ともJVM410Hのパワー・アンプと1960Aを使用。
Marshall伝統のパワーステージと1960Aが織りなすギター・サウンドは天空に上る白竜のように美しい(見たことないけど…)。
「君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて 苔のむすまで…」。この2日間のイベントは音楽に対してまさにこの歌詞がピッタリだ。「君が代」を「Crossover」に替えても、「Rock」に替えても、「Guitar」に替えてもよい。要するに「Long live music」なのだ。
大野さんもMC、インタビューとリハーサルも含めて大忙しの4日間だ。
今日最初の「六弦心」ギタリストは鈴木茂。
茂さん、ナントMarshall。JVMの50W、1×12”コンボ、JVM215Cをプレイ。
グッド・サウンド!ま、結局は「茂さんサウンド」なんだけどね~。
恭司さんとデュエットの「紅葉」。
これまたホンワカ、茂さんらしい秋のメロディにうっとり。
オハコのボトルネックが何とも味わい深いのよ!あぁ、「砂の女」も聴きたいな~。
フラメンコ・ギタリストのICCOU登場。
ICCOUさん、まさかのストラトキャスターでみんなからヤンヤヤンヤ。
もうステージに正面を向けてセットするスペースがなかったのでICCOUさんのアンプは上手の一番端におかれた。VintageModern2466と425Aのセット。
茂さん、恭司さん、ICCOUさんというものスゴイ取り合わせで演奏されたのは、Billy Cobhamの「Stratus」。
それにしてもこの曲は有名になったもんだ。チョット前までは誰も演ってなかったハズなのに…恐ろしやジェフ、ベック先生(ダディ竹千代風に)。
変わった組み合わせだけあって、やはりおもしろい結果が出たといえよう。
音数は決して多くないが、深みのある渋いプレイの茂さん。
我が意を得たりと縦横無尽にロック・フレーズを宙に放つ恭司さん。
ガシガシとバッキングに集中する茂さんもステキ。
でも一番衝撃的だったのは歪み系のエフェクターまで持参して、マクラフリンのように速弾きで空間を埋め尽くしたICCOUさんのプレイであったことに異存はあるまい。
後ほどまた本職でご登場いただく。
さて、『ROCK DAY』に続いてのホスト・バンドは…
キーボード、石黒彰。
ベース、二家本亮介。
ドラム、山本真央樹。
おもちゃ箱のように次から次へと宝物が出て来る。
続いては小沼ようすけ。
小沼さんとは昔よくお仕事をご一緒させていただいたんよ。1974Xを使っていただいていたこともあったしね。
感動したのは今日のこのナイロン・ギター。これはその当時に使い始めたギターで、それを今でも大切に使ってくれている。メチャクチャうれしかったな。
いくら事前に許可を頂いたとはいえ、ク~、静かすぎてシャッター切りにくい!でも久しぶりの小沼さんだからお言葉に甘えて撮らせてもらっちゃう。
でもこの静謐さがタマらん。よく弾けるな~。見てるだけでドキドキしてくる。
小沼ヴォイシングが快感のソロ・プレイなのでした!
これまたスリリングなデュオでマイった。
ソロもさることながら、あの有名なサビのメロディに小沼さんが付けるハーモニーのエグイこと!
「ギターが2本集まると何かが起こる」…的な発言をしたのはLarry CoryellだったかJohn McLaughlinだったか。
まさにそれを実証するかのような奥行きの深い演奏…。観客の誰もが固唾をのんだハズだ。「Take Five」は「乱調五番」というタイトルで、ある日本の覆面バンドが壮絶な演奏を残している。そのギター・ソロが筆舌しがたいほど素晴らしい。
個人的にはそのソロを香津美さんの「Manhattan Flu Dance」と並んで日本のインスト曲における最上のギター・ソロのひとつに挙げたい。
残念なのは覆面バンドだったので誰がそれを弾いているかがわからないのだ。
でも、今日の恭司さんはその人にまったく引けを取らないぐらい素晴らしい!
今度はクラシック界から木村大。
ここはICCOUさんとのアコースティック・デュオだよ。曲は「さくらさくら」。
このセットもあまりにも静かで見ている方が緊張してしまいそう…。
さすがにとてもじゃないけどステージ下からの至近距離で撮影はできなかった。私のカメラのシャッター音なんかでこの演奏の邪魔はしたくないからね。
私もギタリストなのでそれぐらいのエチケットはわきまえてる…「誰がギタリストなのよ?」って家内が横で笑ってら!ふたりにシャッター音が聴こえないようにステージから離れ、客席の後ろとサイドから撮った。
2人が心を込めて奏でる一音一音が会場内を静かに舞っているかのようだ。
やはりこのあたりのアコギ・セクションは「CROSSOVER DAY」のひとつのハイライト地帯となった。この後もそう。
で、アコギを片手に登場したのが天野清継。
「Spain」でしょうね~。ここは。
しかし、この曲も驚くべき浸透度だよね。人生で一体何回耳にすることだろう。昔はこんなにみんな演ってなかったよ。
『Light as a Feather』が1973年の発表。もう40年も前の曲だ。名曲ってのは育つもんだネェ。
「La Fiesta」だの「Almando」だの「Got a Match?」だの「Sicily」だの、Chickにはもっと頭角を現しそうなの名曲があるけど、やっぱりみんな「Spain」がいいだね~。
頭の「アランフェス」がまたグッとくるんだろうね。「アランフェス」というとキマって第2楽章だけど、実は第1楽章がメチャクチャかっこいいんだぜ。
今夜もコレ、名演でしょ。
最高の名手が最上の素材を料理。今日もおいしいものがたくさん食卓に並んどります。
今度は恭司と木村さんのアコースティック&エレクトリック混合デュオ。
恭司さんのE-Bowを使ったソロが幻想的だ。
今日はCD『六弦心 vol.2』収録の「竹田の子守唄」。
ここにも他ではきっと見ることのできないであろう極上のギター・ミュージックが展開したのであった。
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