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2013年10月15日 (火)

QUORUM at 鹿鳴館~Tasuya Plays NATAL!

Marshall Blog早くも3回目の登場となるQUORUM。
やはり一般の音楽愛好家だけでなく、たくさんの音楽関係者からも注目されているようだ。

10_2本当はですよ、本当は、制作サイドが「売り上げ至上主義」にのっとって世に送り出した、時間がチョット経てば灰塵と化してしまうどうしようもないロックもどきの出番をホンノ少し削って、「黄金時代のロック」を伝承していく作業をマメにしていたらQUORUMは今、注目を浴びてなかったかもしれない。

そういう意味ではQUORUMはラッキーだったとも思えるし、本物のロック・バンドだともいえるし、一番早い話し、ようやく現れたロックのストレートな救世主ということができると思う。

私は中山康樹さん(元スウィング・ジャーナル編集長)の音楽評論が好きで、影響を受けない程度に楽しみながら読んでいる。あまり読みすぎて影響を受けちゃうと、つい受け売りが多くなったりしてMarshall Blogが書きづらくなっちゃうからね。

ちなみに中山さんの著書、『新マイルスを聴け!アコースティック1945-1967 』や『リヴァーサイド・ジャズの名盤50(ともに双葉文庫)』、『ビル・エヴァンスを知る名盤50選(廣済堂出版)』の表紙のデザインはこのMarshall BlogやShige Blogのバナーをデザインしてくれた梅村デザイン研究所の作品だ。

で、中山さんが『さよならビートルズ(双葉社)』という著書の中で、「近い将来、日本から洋楽が消えてなくなる」と記されている。
同感ですな。み~んな洋楽から教えてもらったのに…。
こういうことは以前から言われて来ていることだが、中山さんの経験や知識、鋭い洞察眼を通して分析されると、いよいよか…とうなずいてしまう。
スティーヴ・ジョブスは家では音質を尊重してアナログ・レコードを愛聴していたというし、もうメチャクチャですな。「大山鳴動して」出て来たのは「カッコいい音楽の死滅」ということか。

さらに中山さんのご指摘に同感したいのは、「レコード会社の最大の失策は、コピー防止など、商敵を消費者に設定したことであり、本当の商敵は他の娯楽業界であったことに気付かなかったこと」という部分。いまではアニメやゲームの他の業界に頼らなければならないところは皮肉な話しだ。

そんな状態を目の当たりにすると、いよいよこのQUORUMが頼もしくなってくるのだ。「QUORUM」が何とかしてくれる!…って。QUORUMを支持している人はみんなそんな気持ちで彼らに接しているのではなかろうか。

20ボーカル、真太郎。

30v_3ギター、遊太。

40v_3ベース、幸人。

50v_3ドラムは達也だ。

60v_3今日のレポートは9月に目黒鹿鳴館で開催されたイベントの一幕。
何の飾り気もない約1時間のステージであったが、着実に前進する4人の姿を定点観測するとてもいい機会だった。

70_3Marshall Blog読者の中にはまだQUORUMの音を聴いたことがないという方もたくさんいらっしゃると思う。
ラッキーなことにQUORUMの公式ウェブサイトから「サワリ」を発信しているので、今日はそれを交えていくことにする。
3曲紹介するので、是非クリックして聴いてみて欲しい。

80v_2オープニングはバンドのテーマ曲ともいうべき「Quorum」。音源はコチラ
QUORUMらしさが満載の実にカッコいい曲だ。

Why don't you listen to "Quorum"?

90どんなバンドでも場所もメンバーも同じとなると、レポートが書きづらくなるものだが、今回は違う。
それは達也のドラム!

100v_2Marshallのドラム、NATALを使用しているのだ!

110_2使用しているのは、22"Bass、13"Tom、14"Floor、16"Floor、14"x5.5"SnareからなるTraditional Customというキット。色はGloss Black。材質はMapleだ。

120vただでさえワイルドでクリスピーな達也のドラミングにシャープさが強調された感じで実によろしい。

200v遊太は当然Marshall。今回もJCM900 4100を使用しているが、本当のお目当ては1987だ。

130v1987をXキャビで鳴らしたらいいだろうな~。本当に70年代の黄金のサウンドになることは疑いようがない。
ちょっと勘違いして欲しくないのはナニも私が「古ければよい」といっているワケではないからね。そんなつもりはまったくなくて、「いいものはいい」といっているだけ。
先日、マンチェスターから来たThe Virginmarysというバンドを観たが、実にヨカッタ。ちっとも新しくないのに古いというか、古臭いのに新しいというか…。その種明かしは後日アップする記事トを待っててちょ!

140v_2バラードで「Tennessee」。「田無」ではない。音源はコチラ
し、しかし、同じ若者でテレビに出て来るようなバンドとどうしてこうも違うかね?ここまで来ると喰い物の違いを疑ってみたくなる。こうしたバラードにも真太郎の魅力が横溢している。

Let's have a break over "Tennessee"!

150v_2もう1曲は「Danger」。音源はコチラ
ウ~ム、ウマイところでフェイドアウトしたな?この先がまた滅法カッコいいのに!
これもQUORUMのいいところが惜しみなく出ている今のところの代表曲だと思う。

"Danger" is dangerous!!  Please come over to the gig to experience the further part of this song!!  It's a killer!!

160v_2今日リンクした3曲以外にもQUORUMワールド全開のロック・チューンが演奏された。

170_2遊太には並々ならぬ才能を感じていることは以前にも書いたが、終演後、彼は私に向かってこう言った。
「シゲさん、オレがんばりますよ!もっともっといい曲たくさん書きますからネ!」って。
すごく頼もしかった。
がんばらなきゃいけないのはMarshallの方かも知れない。

180_2
ま、私は根っからのギター族で、ドラマーの良し悪しに興味はあってもドラム・セットの良し悪しには興味はなかった。
しかし、ドラム・キットが変わるだけで、とこうしてものすごくバンド全体のイメージが変わるということがよくわかった。

Qr_img_1972NATALの創設は1965年のロンドン。69年に創造性のピークを迎えたといわれているロックの揺籃期にスタートしている。
元々はパーカッションのブランドだが、こうしてドラム・キットを作ってもやはりそのブリティッシュ魂には何の揺らぎも感じられない。
それがQUORUMのロックに完全にマッチしているのだ。
やはり、ホンモノにはホンモノがシックリくるということだ。
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音源はいかがだっただろうか?気に入ったら是非コンサートに足を運んでいただきたい。その際には入り口で「Marshall Blogを見ました」と伝えて欲しい。何にももらえないけど、私がうれしいです。(あ、ホントは言わなくていいです)
190v_2QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

220_2(一部敬称略 2013年9月15日 目黒鹿鳴館にて撮影)