THANX RONNIE JAMES DIO LIVE vol.2~IN MEMORIES OF COZY POWELL<後編>
さて、後編いってみよ~!
残り2つのバンドはともにRainbowのトリビュート。Ronnieの長く輝かしいキャリアの中にあって、やはりRainbow時代がハイライトということになるのであろうか。
出演はRonnie Handsomeman[EIZO Sakamoto Unit]。
EIZO SAKAMOTO
ギターは清水保光。
ベースに臼井OZMA孝文。
ドラムは本間大嗣だ。
Judy Garlandの「We must be over the rainbow…rainbow…rainbow」のセリフに導かれてスタートするのは当然「Kill the King」。
このユニットはキーボードなしだ。
武道館でコレを見た時、まだ子供だったんで何とも思わなかったけど、コンサートのオープニングで新曲を堂々と演っちゃうんだもんね~。「♪でいんじゃっ、でいんじゃっ」って。よっぽど自身があったんだろうね。
でも、結局は後世に残る名曲にになった。やっぱりリッチーはスゴイね。
清水さんも根っからのマーシャリストだ。
見よ!このスウェット・バンド!
この日はJCM900 4100で縦横無尽にリッチーを演じた。
EIZOさんは「Classic Rock Jam」のレポートでもMarshall Blogに登場していただいているが、その昔、某大手レコード会社の主催で「Marshall Night」というイベントを開催したことがあって、その時も惜しみない協力をしていただいた。あの頃マーブロやっていたらナァ~。おもしろい記事が残ったと思うんだけど…まだあの時はブログもなければ、私も写真に興味すらなかった…。あの時のEIZOさんが歌ってくれた「Speed King」が忘れられない。
2曲目はDeep Purpleの「Mistreated」だ。愛の虐待の歌だ。
子供の頃、この曲のタイトルって「ミステリー・テッド」で、テッドという人のミステリーの歌かと思ってた。
今日も大絶唱のEIZOさん。まるでロニーに憑りつかれているかのようにシャウトし続ける…憑りつかれているのだ!
3曲目は「Sixteenth Century Greensleeves」。
そして「Stargazer」。
やっぱり好きな音楽に没頭している姿はプロアマの境なくみんな楽しそうだ。
OZMAさんもステージ下手で汗みどろになって暴れまくる!
近寄られるだけで周囲の気温が上がってしまうような燃えたぎるプレイだ!
バシバシと破壊的なまでにパワフルなドラミングを見せてくれた本間さん。
ドラム・ソロも大フィーチュア。 もちろんチャイコの「1812年」つき!
何しろこのイベントはRonnieだけでなくCozyにもトリビュートされたものだからして、ここは大きなハイライトとなった。
文句なしの快演!
それにしても荘厳なクラシックの曲とドラム・ソロを組み合わせるなんてよく考えたものだ。これもCozyだから成せるワザなのだろう。
EIZOさんのエネルギッシュなステージングでいいように盛り上がってしまう!
いよいよこのセットも大詰めだ!
そして最後はハード・ロック野郎どもの人生讃歌、「It's Only Rock'n'Roll」…なワケない!「Long Live Rock'n'Roll」だッ!
見事にリッチーを演じきった岸町の名人。
なんか、このセット…恐ろしく燃え尽きた感が強いなぁ。モノスゴイ熱演だったからね~。
そして、Marshall Full Stackがステージに現れる。
この盛り上がり状態をキープしつついよいよ最後のバンドの登場だ!
「工藤"KUDO→"義弘、島紀史 with 虹の騎士ショー」だ。
Judy Garlandの「We must be over the rainbow…rainbow…rainbow」のセリフに導かれてスタートするのは当然「Kill the King」ってさっきといっしょだ~!
いいの、いいの、カッコいいものは何回見たってカッコいいのさ!それに誰だってコレはやりたいもんね~!ナンバー・ワンかどうかはわからないが、ロック・コンサートのオープニングのベスト10には間違いなくランク・インするだろう。
最後をビシと決めるべく、DIOKEN再登場!
ん、アノ人っぽく撮れたと思わない?
島紀史
ベースはSHIGE NAKAYASU。
キーボードはTOSHI SHIMADA。
ドラムは工藤"KUDO→"義弘。名前がグレードアップしてる四輪工藤屋さん!
DIOKENさん、最後の出番!思いっきり歌うゾ~!
「Kill the King」を歌いこむDIOKENさん。本当にうれしそうだ。
一方のノンちゃんはといえば…
Concerto Moonの時とも、またSTANDの時とも違う、完全ギター小僧のノンちゃん。
そう、ここにもリッチーが舞い降りてきているのだ。しっかし、みんな好きだな~、ブラックモアさん。
Moogのサウンドに導かれしは「Tarot Woman」。
次第に大きくなるギターの「♪ジャリジャリリ、ジャリジャリリ、タットコロタン、タットコロタン」には興奮しますナァ。
そういえば、中学1年か2年の時、「エイト」という近所のコインのゲーム・センターに入り浸ったことがあって、ある日そこのマスターがロックが好きだということを知った。こっちは子供だから、もしかしたらロックのレコードをカセットにダビングしてそのマスターにプレゼントすればいくらかコインをただでもらえるかも…と考えた。
で、ビートルズを数本と、その時の新譜、『Rising』をプレゼントしてみた。すると、案の定気をよくしたそのマスターが、「誰にも言うなよ…」といって数十枚のコインをお礼にプレゼントしてくれた。
数日後、そのゲーム・センターに行くと、マスターに呼び止められた。差し出した彼の手のひらには『Rising』がダビングされているハズのカセット・テープが乗っていて、彼はこう言った。
「あのサ、悪いけどコレは返すわ。うるさくてとても聴けないよ…」だって。この曲を聴くとこの時のことを思い出すんだよね。
ま、普通の人はこうなんだよね。でも今日のこの人たちは違う。根っからハード・ロッカーなのだ。どうしてそこまでのめり込めるかって?答えはカンタン。カッコいいからです。
あまりにもいろんな音楽が聴きたいアタシャ浮気性でちょっと失格ね。でも大好きよ。そうでなきゃ毎回毎回、あんなにボヤいていられません。
このキャビも最近は見なくなったナァ。1980年代半ばまで製造されていた4×12"のベース用キャビネットが1935。
しっとりと「Catch the Rainbow」。
こうしてジックリ歌いこむDIOKENさんを目の当たりにすると、これまたRonnieが乗り移っているかのように感じる。
「Stargazer」。ここもダブっちゃったけど、名曲、名曲!何回も聴こう!
演りそうで演らない「Man on the Silver Moutain」。
そして「Still I'm Sad」からソロ・コーナーへ。
まずはキーボード・ソロ。
続いてギター・ソロ。ん~、やっぱMAJORのサウンドは強力やね。
工藤さんのドラム・ソロはいつもEARTHSHAKERのステージで楽しませてもらっているが、やっぱりいつもとはチョイと違うね。
ここでも「1812年」を導入してもCozy成りきりプレイだ!
全身をスティックに換えたかのような鬼気迫るソロ!会場からは大歓声が飛び交っていた!
ここのセットも、ホント、命をささげるかのような熱演でお客さんも大よろこびだった。
これにて本編が終了。長い!
そして最後は3人のRonnieによる豪華パフォーマンス!バンドは「工藤"KUDO→"義弘、島紀史 with 虹の騎士ショー」だ。
今日は決まってらぁね、「Lomg Live Rock'n'Roll」だ!
EIZOさんの金井克子バージョンRonnie。
五木ひろしバージョンRonnie。
もうここは各々Ronnieへの万感の思いを込めての熱唱だ。
あるものはRitchieへの思慕の念を込めて!
この連中に任せておけばロックも長生きすることだろう。
熱唱、激唱、爆唱、とにかく素晴らしい歌にまみれまくったコンサートだった。
これがロック!そして、やっぱりこういうロックはやっぱりMarshallじゃないとダメだね!
大仕事を終えたDIOKENさん。本当にいいイベントだった。昨年、「来年もやるぞ!」と宣言して開かれた今回の第2回目の「THANX RONNIE JAMES DIO」。今回も宣言してたかな?…とにかく来年も開催して欲しい!
そして来年は若い人たちにもジャンジャン告知して見てもらおうよ。「カッコいいロックはこれだよ!」、「ロックはこう歌うもんなんだよ!」「ギター・ソロってカッコいいだろう!」って教えてあげましょう。
今、芸術や文化でもっとも大きな問題となっているのは「伝達」です。次の世代にいいものが伝わらない。先輩が誰も教えてあげないから。若者が「売らんかな」のマスコミのいい餌食になっちゃう。
じゃ、いつ教えるの?今でしょ!と言いたいところだが、来年のこのイベントまで待つことにしよう。DIOKENさん、がんばって!
4時半ちょうどに始まって、全部終了したのが10時過ぎ。私も子供の頃からずいぶんとたくさんのコンサートに立ち会ってきたが、フェスティバルでもないのにこんなに長いイベントは初めてかもしれない。でも、昨日も書いた通り、「アレ、一体どこでこんなに時間を喰っちゃったんだろう?」と不思議に思うくらいアッという間の約6時間だった。
やっぱり出演者たちの、音楽やRonnie、Cozy、Ritchieに対する並外れた愛情やあこがれが生み出す熱演がそう感じさせたのであろうし、やっぱりカッコいいロックはいくら聴いても飽きないということなのだ。そうでしょ、絶対?
ま~、疲れはしたけどね。でもホントにおもしろかった!
(一部敬称略 2013年5月18日 渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて撮影)