amber lumber~8周年記念ライブ<後編>
時の経つのはやっぱり早い。
早くもamber lumberの8周年を記念するライブのレポートも<後編>だもん。第2部ではバンド・メンバー全員がいつも通りの衣装を身につけて登場。
「さっき歌ってる間に2部では山本さんにコレを貼ってやろうと思ったの。
それを想像しただけで笑いがこみあげてきて…危うく歌えなくなりそうだった!」
「コレ」とはこの日、アキラさんが「ハリウッド・セレブみたい」とご満悦だった眉間に貼っていたキラキラの飾りのこと。コレを征史さんの額にも貼り付けてみた。
「なんか私たち…『正義の味方amber lumber』?
♪インドの山奥で~修行をして~。レインボーマンってどういうヤツだっけ?
コレが丸じゃなくて三日月だったら『月光仮面』だわ!」「ココでのワンマン・ライブはいつもMarshall Blogに取材をしてもらっているんですが、その中身ね…筆者の博識ぶりからすごい枝葉が伸びて、まるで雑談みたいな感じになっていていつもオモシロいんですよ。
で、そのライブのレポートを見ていると割とおんなじ曲ばっかり演ってんなぁ~と思って…。
今日はチョット違う曲を多めに演ろう思っています」
普段演っていない曲の中の中から演りたい曲をお互いに1曲ずつリクエストしてみよう…という企画。ところで征史さん、「博識」とはありがとうございます。
もちろん博覧強記でありたいといつも思ってはいるんですけど知っていることしか知らないのが情けない。
「博識」かどうかをキメるのはひとえに若い頃の読書量によるでしょうね。
中学を卒業するぐらいまでにいかにチャンとした文学作品を読んでいるかどうか…それも大量に。
だいたいコレで将来東京大学に行けるかどうかが決定する。
私なんか筒井康隆とか横溝正史とかだったからナァ。
東大へ行きたかったナァ…なんて言っているのがアホの証拠か?
さて、アキラさんの口から「レインボーマン」という名前が出たので、<後編>はコレで「雑談」させて頂きましょう。
『愛の戦士 レインボーマン』は私が小学校4年生の時にテレビで放映されて私も夢中になって見たクチです。
コレ、原作が川内康範だったんだね。
だからアキラさんが「月光仮面」と言ったのもあながち遠くない。
で、主人公がレインボーマンに変身する時(だったと思う)に呪文を唱えるでしょう?
「アノクタラサンミャクサンボダイ、アノクタラサンミャクサンボダイ…」
この呪文がカッコよくて、今でも頭に残っている。
果たしてこの「アノクタラサンミャクサンボダイ」に意味があるのかどうか試しに調べてみたことがあった。
こんなことができるのはインターネットの恩恵ですな。
そうでなければ、こんなこと調べようがない…ま、知らなきゃ知らないで一向に構わないんだけど。
結果はこうだ。
テッキリ適当にこしらえた呪文っぽい文句だと思っていたらとんでもなかった!
「アノクタラサンミャクサンボダイ」はれっきとしたサンスクリット語で、漢字では「阿耨多羅三藐三菩提」と当てる。
意味は、「仏の悟りや真理を悟った境地」、さらに「この上なくすぐれ、正しく平等である悟りの境地」ということを表しているのだそうだ。
コレでひとつ「博識」に近づきましたとさ。いつもやっていない曲…まずは『運命のわっか』から「それでいいんだよ」。
ウン、確かにこの字面は打った記憶がない。
アルペジオの優しい歌い出しから…「♪大空へ飛んでいけるよ」
いつしかギターをストラミングしながら力強く歌うアキラさん。征史さんのベースはまるで遠雷の音を聴いているようだ。
「もうハズしていいよ。なんか笑っちゃって!」とアキラさん。
一方、「なぜ?せっかくスイッチが入ったのに」と額のキラキラが気に入った様子の征史さん。 ココで今日のペダル・ボードの話に。
コレがこの日ステージにセットされたボード。
夜叉のステージで使うボードを試す機会がないので、この日持参して実戦で試してみたそうです。
だから2セット床に置いてある。そして、夜叉の話。
「去年はボーカリストが心筋梗塞になって…ホントに歳が歳やからね。
でも、だからこそやれるウチにやっておきたいなと思うワケです」 「本当にそう…私なんかメッチャ健康優良児だけど、こんな私ですら色んなところにガタが来ていて、アチコチ痛かったりするんですよ。
私も死ぬまで歌っていけたらいいと思っていて、120歳くらいまで演ったら歴史に残るんじゃねぇ?とか思ってたんだけど…実際にはできなくなってくるワケじゃんね。
私の場合は、マァ90歳ぐらいなったらそういうコトもあるのかと思う。
だからライブ1本1本の大事さを実感しますよね」「120歳」か…。
現在、我々が話したり書いたりしている日本語の基礎を作った上田萬年(かずとし)という日本で最初の言語学者に関する本を読んでいて「物集高見(もずめたかみ)」という人を知った。
物集さんは、世界で最初の辞書と言われているイギリスのOED(Oxford English Dictionary)の日本語版のような『広文庫』という全20冊組の辞典をたったひとりで編纂した学者。
高見さんの「和子」さんというお譲さんは「平塚らいてう」と日本初の女性だけの文芸誌「青鞜(せいとう)」を興した人。
後の青鞜の編集長は「大杉栄」の奥さんで「甘粕正彦」に扼殺された「伊藤野枝」だったことは有名。
一方、息子のひとりが「高量(たかかず)」という作家/編集者で、この人のダイナミックな人生に俄然興味が湧いて3冊ほど著書を読んでみた。
とてもオモシロかった。
何しろ二葉亭四迷や幸田露伴が知り合いだったっていうんだよネェ。
その他にも明治時代のスゴイ人の名前がゾロゾロ出て来る。
高量さんは「200歳まで生きる」と豪語したが1985年に106歳で没した。
その長寿のエネルギーの源泉は「女性」。
105歳で入院した時、看護婦さんのスカートに手を突っ込んで大層怒られたという。
やっぱり長生きの秘訣はストレスのない生活とナニかの目標に向かって前進し続けることだそうです。
高量さんには知りたいことが山ほどあって、200歳になる頃までには全てそれらを知り尽くしているだろうという計算を真剣にしたらしい。
そうなるとアキラさんにも120歳まで歌い続けてもらいたいね。
スゴイんじゃん?…歌に味が出まくっちゃって!
聴いてみたいけど、私はとても生きていられないナァ…残念!
今回の脱線は以上で終わり。 第2部の2曲目は『Hermits』から「ボクの場所」。
テーブルの上に砂が1粒あって、ナゼこんなところに砂粒があるんだろうと思いながら出来た曲だそう…って、そういうことで曲ができちゃうの?
サビの展開がすごくステキ。アルバムではバンド・フォーマットのアレンジとなっているが、このデュオ形態での演奏も実に味わい深い。
以上の2曲が「いつも演っていない曲」かな?続いて「冗談じゃない」。
第2部では鉄弦のギターに徹したアキラさん。
この曲も心地よいストラミングとハリのある歌声のコラボレーションが素晴らしい。ガツンとディストーションをかけた征史さんのソロは超アグレッシブ!
amber lumberのステージの頻出曲のひとつだけあって、冗談では済ますことのできない熱演が繰り広げられた。
「よし!続けていくぞ!」
この2日前、ハンドマイクで歌ったという「Eしか弾けない」。
「E」も久しぶりなんじゃない?
昔は毎回取り上げていたものです。 征史さんからCDを預かって一番最初に聴いたamber lumberの曲がコレ。
ファースト・アルバムの1曲目。
だから「amber lumberのイメージ」というと真っ先にこの曲が頭に浮かぶ私の「ひよこナンバー」。「♪Eっていい!カッコいい!」
お客さんの大合唱も得てバッチリと締めくくられた。「スゴイね。カッコいいです、山本征史さん。
しかもアコべで良い音だったわ…Marshallの良さが出てる」「古い真空管のアンプなんですね。
こういう古いヤツってダイナミクスとかがスゴいんですよ。
専門的なコトになると、電圧が違うとか色々あるんですが、今ハヤリのデジタルのアンプではこうはならない」
その通り! 征史さんのMarshallは完全真空管駆動の「1992 SUPER BASS」というモデル。
「メチャおたくっぽい!
ところで意外と私も引きこもりみたいに家にいるんですけど、時間が経つのがすごく早いんだよね。
やたらと半月じゃない?
新月と満月は1ヶ月に1回ずつしかないけど半月って2回あるからね。
しかも今日あたりは半月じゃない?
昨日ももうチョットで半月だと思って見ていました」となるとamber lumberファンはもう次に演る曲は見通しですな?
予想通りの「半分の月」。征史さんのどこまでも深い低音に支えられて…
アキラさんは心行くまで情感を込めてこの曲を歌いあげたのであった。
「やっぱり2人で演る方がいいよね。
もう、絶好調ですよ。今年1番の絶好調ですよ。
「惚れ込んでね。一緒に演らせてくださいってね。オレの目に狂いはなかったな」
「私、なんかお断りしてたんだよね…でも断らなくて良かったな。
なんか一緒に出来てよかったね!
好きか嫌いかと言われると好きではないですけど…」
ハハハ!まさに「音楽が取り持つ縁」ですな!「仲のいい人たちがケンカしたらケンカ別れになるじゃん。
でも仲良くないとケンカしても別れない。
コレ本当なの。
少しぐらいケンカしたくらいじゃ解散する理由にならないのよ!。
本当はこのまま2曲続けようかと思ったんだけど、どうしても言いたいことがあって…。
また変なことを言ってると思ってもらってもいいんだけど、前世の記憶を持ってる子がいるとか言うじゃん?
その子たちって全員雲の上にいたって言うんだよね。
やっぱり水じゃネェ?って思った。
雲の上にいたというのは水の上にいたということ」「で、言葉はアレですけど死んだら天に行くのは水なんだよ。
それで雨になったり、海になったりするワケよ。
そんな中で水のひとつが精子になっちゃうから子供が生まれてくるんだよ。
これスゴくねぇ?この話わかった?
もし、わかんない人は後で教えるから」「人間は6、7割、水で出来てますやん。だからほとんど水なんですよ、ボクら。
ボクもトイレとか行くだびにオッ、オレの体内の水が意思を持ってオレの身体から出ていこうとしている…なんかそういう風に感じる。
オマエとはお別れや!って言って出ていく。
そんな風に感じていました。
だから、また戻って来いよ!とか言いながら用を足しています」話題が「水」になったところで征史さんが作詞を担当した「水の循環」を歌った曲。
曲をつけた本人が改めていい曲だなと思ったという「ウートートゥ」。 歌詞も曲も味わい深いね。
この曲が願っているようにずっと平和が続けばいいけど、そうもいきそうにないのが残念だ。ホント、いい曲だと思います。
『Hundred Suns』を出した頃のライブの時、この曲を聴いていた若い男の人が2人の演奏に感銘を受けてオンオン泣いていたのを思い出す。「ちなみにさっきハッピーとかすごい間違えたの俺の中の水だから。
今日は本当にありがとうございました。
次が今日のラストソング。
オヤジのために作った歌です。
一生懸命歌ってみたいと思います」アキラさんがドラムスに回って征史さんが歌う曲といえば…
もちろん「I Wanna Be Your Blood」!
「♪ドクドク、ドクドク」
コレが征史さんのお父さんのために作った曲だったとは知らなんだ。
そのお父さんを亡くした征史さん。
いつにも増したその熱演は観客の心を揺さぶった。この曲のルーティンのエンディングでのジャンプも無事完了。
そして…「サンキュー、赤血球!」
猛烈にエキサイトしてamber lumberの8周年を記念するショウは本編の幕を降ろした。さっそくアンコール。
ステージで2人はナニやらコソコソ会議。
「アンコールの曲でモメていました。
2曲演ります。
やっぱり今日は周年の記念ですからね。
8年前に初めて一緒に演った曲を年に1回くらいは演らなぁ~ってコトで。
あとやっぱり『宇宙』とかもやらないとということで2曲演ります。
コレ、メッチャ久しぶり演るんだよ…1年ぶりか?」1年ぶりぐらいに取り上げるという「少しずつ」。
アキラさんのソロ・アルバム『Arms』収録のバラード。「年に1回」しか聴いていないかな?
それにしては「♪少しずつ」のパートが深くアタマに刻まれている。
「Old Grey Whistle Test」ではないけど、「いい曲」ってのはそういうものなのだ。「すごい。もうおしまいって言う歌で始まったんだもんね。
なんか寂しい歌すぎてあんまり歌わなかったんだけど、その曲を演りたいって最初に言ったんだよね。
それと、どうやら進化している『宇宙』。
今日はペダル・ボードもいつもと違うみたいなのでチョット怖いですがグワッ!と演って終わろうと思います」…と、先のMC内での宣言通り2曲目の演奏に入った。amber lumberの8周年を記念するショウの本編最後を締めくくったのは「そこにある宇宙」。
アキラさんの声だけが作り得るこの音楽宇宙!
もちろん曲の後半では征史さんがグワッとやった!
アキラさんもギターで迎え撃つ!
猛り狂ったように愛器を振り回す征史さん!
足も忙しい!
思う存分暴れまくって本編終了!
予定ではココまでだったのだが熱烈なアンコールに応えてもう1曲演ることになった。
「最近家にいると、どうしても政治経済とか外国のことばっか見ちゃうんだわ。
ほんと若い子たちが行きたくもない戦争に行って命を落としたりしている。
私たちはこの平和な日本で暮らしていますけど、いつ何がどうなるかわかんないじゃん?
だから1人でも命を落とす人がいなくなるといいなって思うんだよね。
でも自分ではナンにも出来ないんだけど隣のアイツは気に入らないの。
遠くの国のことには優しく出来ても、隣のアイツは気に入らないんですよ。
そんな私です…ウフフフ」
コレはよくわかります。
アキラさんの考察はとても含蓄に富んでいてね、前回は「子孫はその家の集大成」というご講話があったが、コレ本当にその通りだと思っていてアチコチで使わせて頂いております。そんな前置きをして最後の最後に演奏したのは「毒を吐く」だった。
amber lumber、8周年おめでとうございます。
アキラさん、征史さん、これからも他では聴くことが出来ないamber lumnerだけの音楽を創り続けてください。
応援しています!
amber lumberの詳しい情報はコチラ⇒amber lumber Official web site「メッチャありがとうございます!
amber lumber でした~」
客席から「もう1曲!」の掛け声が上がる。
「もう出来ない!」「できないですね」
アキラさんのギターをサポートしたのはMarshallのアコースティック楽器用アンプ「AS100D」でした。
<おしまい>
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クールな女性バンドがお好きなアナタにピッタリのバンドはREWS!
<Birdsong>
<Today We're Warriors>
<Monsters>
<Heart is on Fire>
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