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2024年12月 9日 (月)

様式美大作戦2024<前編>~Strange,Beautiful and Loud

 
目黒鹿鳴館の名物イベントのひとつ『様式美大作戦』が今年もやって来た!10vこのイベントを主宰するのは「様式美党」の総裁・岡垣'Jill'正志。
何しろ目黒鹿鳴館で開催する『様式美大作戦』は今回で最後…そんな機会を飾るにふさわしい濃い~メンツを集めてシキビってくれた。15v今回はせっかくの機会なので『様式美大作戦』を振り返っておこう。
スタートは2012年。
第1回目は同じ目黒でもJRの線路の向こう側の「LIVE STATION」で開催された。
出演はJill's ProjectとAPHRODITE。
そしてゲストは赤尾和重さんと三宅庸介さん。
三宅さんは一番最初から参加していたんだね。Ysb2012明けて2013年。
第2回目から『様式美大作戦』はココ目黒鹿鳴館で開催されるようになった。
この時の出演はJill's Project EXとAPHRODITE。
ゲストはYOU(足立祐二)さん、西川茂さん、そして再びCazさんと三宅さんだった。
総統によると、この「作戦」はJill's ProjectとAPHRODITEをレギュラーに据え、加えてTerra Rosaの面々をゲストで迎えるのを基本としているとのこと。Ysb201310年以上の歴史を持つこのイベント、 ほんじゃMarshall Blogはどういう風に取り扱って来たか…。
最初のレポートは2013年の『様式美大作戦』だった。
エヘン!第2回目、すなわち初めて鹿鳴館で開催された時から取材してるんだよ。
そのレポートはコチラ 
  ↓  ↓  ↓
JILL岡垣~様式美大作戦2013 <前編> 
JILL岡垣~様式美大作戦2013 <後編> 
250_3 で、その1年前の2012年9月7日に『「様式美」でいこう!』という題名でShige Blogにライブ・レポートを掲載している。
この記事は2013年7月8日にMarshall Blogに引っ越して来たのだが、コレはとりもなおさず2012年8月4日にLIVE STATIONで開催した一番最初の『様式美大作戦』なのよ!
つまりMarshall Blogはこのイベントを一番最初からレポートしていたんだね。
そのレポートはコチラ 
  ↓  ↓  ↓
「様式美」でいこう!6a0163044657d3970d017d3bd2df1497_4 さて、今年の『様式美大作戦』、目黒鹿鳴館での最後の開催とあって、絶対にMarshall Blogに記録しておきたいと意気込んで参加させて頂いた。20まずステージに上がったのはStrange,Beautiful and Loud(以下「SBL」)。
Marshall Blogへの登場は2023年4月以来。30緞帳の向こうから漏れ聞こえて来るギターの音が耳に入った瞬間からSBLの世界が広がる。Zz 三宅庸介100v河野充生0r4a0185 金光KK健司
S41a01371曲目は「virtue」。
エキサイティングなミディアム・ファストのワルツ。80三宅さんは当然Marshall。
使い慣れた「JVM210H」と「1960A」のコンビネーションだ。
もちろん三宅さんは今ハヤリの外部のプリアンプを使ってワザワザ最上の神戸牛をハンバーグにするようなことは絶対にしない。
ギターという楽器をどういう音で鳴らすべきか、そしてそのためにはMarshallを正当な方法で用いなければならないことを熟知しているからだ。
プリアンプが違えば、何をどうやってもそれはMarshallのサウンドではないから。
Marshallの音はケタ違いに図太いのだ。
90vノッケから出るわ出るわ、凡百のロックギタリストとは一線を画する三宅さんだけのフレーズの数々。40手を合わせる三宅さん。
心の中で仰いでいるのはジミ・ヘンドリックスか?マイルス・デイヴィスか?110_dv続いては「devil」。
音程差の激しいハードなリフはいかにも三宅チック。0r4a0083 縦に横に張りめぐらされる河野さんの低音。
最高にカッコいいベースだ。130vその低音と緻密に絡み合う金光さんのドラムス。
金光さんはNATAL(ナタール)。材質はメイプル。
今日も「金光ビート」がウネる!140いつも通り12"のタムタムをひとつだけ擁するコンフィギュレーション。
タムタムってのは1つにするとキット全体の鳴りが良くなるんだってネェ。
150焼けつくような激しいフレーズ回しと印象的なテーマのメロディが見事なコントラストを示す1曲。
コレはまだSBLの既出の2枚のアルバムにはまだ収録されていない。
次のアルバムに期待。
0r4a0229 「ありがとうございます…なんかうれしいナァ。
『様式美大作戦2024』ということで…様式美じゃないですけど。
そこは『かつて様式美を演っていました』ということで…」
イヤイヤ、SBLの音楽は「三宅ミュージック」というひとつの「様式」なんですよ。
日本語の「様式美」という言葉の意味からすれば、十分にそれに当てはまると思うのだ。
早い話、「確固たるスタイルがガッチリと成立している美しさ」ということです。
170「鹿鳴館でこのトリオで演奏することはもうないだろうと思っていたら、移転する前の最後の最後に呼んでもらうことができてとてもうれしいです。
まさか、またこの光景が見られると思っていませんでした。
ボクが東京で初めてライブを演らせてもらった場所でもありますし、自分の『ミュージシャン』としての歴史の最初からずっと印象深かった大事な場所なので、ココで自分の音楽を演奏できる機会に心から感謝します。
聴いて頂いているみなさん、どうもありがとうございます」
三宅さんの記憶によると、初めて東京で演奏したのは1987年6月のTerra Rosaの鹿鳴館でのステージだったそうだ。180vSBLのメンバーを紹介して…
「インストだし、曲も内容がチョット多すぎる感じのモノもあるかも知れませんが最後までお付き合いください。
よろしくお願いします」S41a0096熱情的なイントロは「bloom」。0r4a0113静謐なテーマに「バチン!」とはじけ飛ぶローEの音!190_blかさぶたが剥がれたばかりの傷口をやさしくやさしく撫でるようなサトルな金光さんのドラミング。
こういうナイーヴなプレイも金光ドラミングの魅力のひとつだ。200v一転してガツンと出て来るのは他に類を見ない、三宅さんのレパートリーの中でもひときわ印象的なテーマ・メロディ。0r4a0106 慎重に選んだ音をつなぎ合わせてソロを構築する河野さん。
やがて4分音符を規則的に置いて…
70リズムがジャズ・ワルツにになったところで三宅さんのソロ。
はじめはクランチ直前ぐらいのサウンドで舞台を整えておいて…210v図太いディストーション・サウンドで暴れまくった!
Marshallの持てる能力をすべて引き出すかのような演奏だ。
「ああいうヤツ」でこういう音を出すことは不可能です。240v続けては「murt ’n akush 」。0r4a0045 金光さんがシャープに打ち出す5/4拍子。
260vポール・デズモンドの「Take Five」のように奇数拍子でも全く違和感がない名リフ。
私は三宅さんがこの曲を初めて人前で演奏した時から耳にしているが、今でも新しい曲を聴いているような新鮮な感覚がある。270v題名が示す通りのエキゾティックな雰囲気。280河野さんが容赦なくグルーヴを放出すると…290v三宅さんのソロ炸裂。
アータ、こんなギター・ソロを弾く人いる?
今の日本にはいないでしょう?
これが「三宅様式」なのだ!310vテンポをスローにしてそれまでとは表情を変えたパートで締めくくるアイデアもシブい!S41a0115 フィードバック・サウンドがグワァ~っと巻き起こる。330_if♪ズダダダダダダダダ…この形相!
金光さんが魂を込めて叩くスネア・ドラムが入って来る。340v_if曲はSBLのキラー・チューン「if」。360vSBLのレパートリーの中で最もポップ(?)な1曲。
「ポップ」というのは「キャッチ―」という意味では全くない。
険しく厳しい三宅ミュージックの中にあっては比較的受け止めやすい…という意味だ。
380vココでも河野さんのスケールの大きなベース・ラインが曲に厚みと深みを与える。370vまさに「身を削るような演奏」…2016年の「Marshall GALA」の時の熱演を思い出す。390vそのままつなげて出番の最後を飾ったのは三宅さんの愛奏曲「petal」。400_ptl長いブレイク、ギターのアルペジオ…
470vそしてギター・ソロで構成するセットを…410v3人でユックリと、慎重に、しかし大胆に繰り返していく。490すると熱くない炎のようなモノが知らないウチに燃え盛っていて、曲が終わるころにはすさまじいパワーを生み出している。
そんな3人の演奏でSBLは出番を終了した。460  
420v_4 500v床に放り出されたストラトキャスター。
モノ言わない三宅さんの愛器がこの日の充実した演奏を物語っているようだ。
しかし…こうしてみるとSBLが毎月ライブをやっていた頃が夢のようですな。
本当にこういうオリジナリティに溢れた音楽をスゴいギターの音で聴かせてくれるライブがもっと頻繁にあってもいいハズなのよ。
ああいうのを使っている連中に三宅さんの演奏を聴かせてやりたいのだ。
510「ありがとうございます。
やぁ~うれしいな…本当にありがとうございます。
この後、AYA PROJECT、APHRODITE、Jill’s Project”と続きますので最後まで楽しんでいってください。
ありがとうございました!」520今日演奏した曲…
「virtue」と「bloom」はSBLのファースト・アルバム『Lotus and Visceral Songs』に、そして「murt ’n akush」、「if」、「 petal」はセカンド・アルバムの『Orchestral Supreme』に収録されています。
どちらも三宅さんが奏でる素晴らしいMarshallサウンドを味わうことが出来るアルバム。
セカンドは金光さんが叩くNATALの極上サウンドも楽しめます。0r4a0251さて、三宅さんがMarshallのデジタル・アンプ「CODE25」をデモンストレーションするビデオ『BREAK the CODE』はコチラ。
世界の人が三宅さんの音楽を楽しむことができるように英語字幕を入れたのです。

一方、金光さんがNATALのビンテージ・モデル・キット「ZENITH(ゼニス)」を解説するビデオはコチラ。
ビデオのオープニングで金光さんが叩いているパターンは今日演奏した「if」です。
私がリクエストしてプレイしてもらったの。

<つづく>
 

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200 (一部敬称略 2024年11月9日 目黒鹿鳴館にて撮影)