様式美大作戦2024<後編>~JILL'S PROJECT
目黒鹿鳴館で開催される最後の『様式美大作戦』もいよいよトリの登場を迎える。
様式美党総裁・岡垣"Jill"正志率いる「Jill's Project」のお出ましだ!この日の岡垣さんの屋台村の様子。
スゴいアイテム数!APHRODITEのフーディやJill's ProjectのTシャツも目を惹いた。
「パーカー」は日本の方言で、欧米では「フーディ(foodie)」と呼ぶ。
フードがついているから「フーディ」。
雨の多いイギリスでは、少しぐらいの雨量だったらフーディを傘とレインコート替わりに着用する。
中には傘がキライなのか、はたまたナニかの意地なのか、ドシャ降りの中でビッチョビチョになりながらフィーディで耐え忍んでいるヤツもいるからね。ステージの背面に「Jill's Project」のロゴが映し出され、ホルストの「火星」にアドルフ・ヒトラーの演説を組み合わせた強烈なSEが流れる。
もしJill's Projectがドイツで演奏するような機会があった時にはお気をつけあそばせ。
何しろドイツでは5本すべての指を伸ばした状態で手を挙げることすら大変なタブーとされているぐらいですから。
法律で禁止されているんじゃなかったかな?
そうとは知らずに私はフランクフルトで似たようなことをやってしまい、Marshallの連中から厳重に注意を受けたことがある。
だから我々がよくやる遠くにいる人に向かって手を挙げて「こっち、こっち!」と手のひらを上下させる仕草ね…アレもドイツでは絶対にやってはイケない。
指を1本だけ立てていればOK。♪グワァァァァァァァァン!
ギターの轟音一発で緞帳が上がる。 姿を現したJill's Project!
この場所でこの雄姿を目にするのもコレが最後。岡垣"Jill"正志。
Dio Ken
島紀史
関勝美
金光健司
金光さんはNATALツーバスのキットに衣替え。
1曲目は「Reach Out for Something」。
高速で猛然と突き進む正統派メタル・チューン。
転調、そして一気に飛び出してくる島さんのギター・ソロ!
迎え撃つ岡垣さん。
そしてキーボーズとギターの一糸乱れぬアンサンブルがスリリングなメロディを繰り出す。
1曲目から凄まじいまでのハイ・ボルテージ!ガラっと変わって2曲目はまるでベートーベンの「月光」のような悲し気な岡垣さんのピアノから。
そこに島さんのクリーン・トーンのギターが絡む。
極太のクリーン・サウンド。
いい音だナァ~。島さんはもちろんMarshall。
いつも使用している「MAJOR1967」と「1960B」。そして左腕にはMarshallのリスト・バンド!
Marshallは島さんのパワー・ギターの源なのだ!ミディアム・テンポのヘヴィ・ナンバー「I Have the Shakes 」。
情感を込めてジックリと歌いこんでいくKenちゃん。島さんはエキゾチックなフレーズを散りばめて独特なソロを展開した。
一方、リズム担当陣は金光さんがツーバスを効果的に使って…
ANI-Katsuさんと完璧なタッグを組む!
やがてリズム隊が動きを止めると無伴奏のギター・ソロに。
島さんはワーミー・バーを大胆に上下させてダイナミックなソロを聴かせてくれた。ダルセーニョして再び岡垣さんのピアノの調べが流れて…
再びギターが雄叫びを上げて曲は頂点に達した。
イヤ~、すごい密度のギター・ソロだったわ。「サンキュー!Jill’s Projectです。お待たせしました!
今日は島さんを除いてのメンバーは『最後の目黒鹿鳴館』なんです。
最後だと思うと普段見ていなかった所に目をやったりして…舞台の天井って黒くなかったんだぁ~とか。
気持ちがチョット熱くなってるところです。
ボクにとっては本当に最後の目黒鹿鳴館。
皆さん、最後まで声を出していきましょう!」次の曲も冒頭から島さんのギターがモノを言うミディアム・テンポのドヘヴィ曲「Heavy Rain Sheds Blood」。
Kenちゃんの絶唱がド迫力!
この手の曲には風琴のサウンドがピッタリですな。
曲が本来持っている重量感が増長されるのだ。ココでも中近東風のエキゾチックなメロディを弾いた後、伸びやかなフレーズをつないでから必殺のスレッディングをリレーする構成でギター・ソロを組み上げた。
金光さんのカウントから「Naked Blood」。
ギターが奏でるリフが魅力的なミディアム・ファストの3連ナンバー。
こういう曲にKenちゃんの歌はピッタリだね。
この曲でも岡垣さんはオルガンでバッキングにソロにと大活躍!
再び「転調⇒ギター・ソロ」のパターン。
しかし…いい音だな。
まさに真空管アンプにしか出せない音、すなわち「ホンモノのロック・ギター」のサウンドだ。ブレイクを挟みながら曲の最後まで轟然たるソロを聴かせた島さん。
やっぱり金光さんとのコンビは快適ですな。
楽器も「NATAL=Marshall」でバッチリ!岡垣さんが背中のムーグに指を重ねる。
キーボーズのソロだ!
いいね~、この音色も。
オルガン、メロトロン、ムーグ、この3つの電気鍵盤楽器がなければロックはできない!…という世代の私はこの音色がとても好きです。
「三つ子の魂百まで」で、この音が好きなのは「Tarot Woman」で刷り込まれたのかも知れない。
こうしたシチュエーションでこの音に接すると今でも「何かが始まりそう」という気分になっちゃうんだよね。定位置に戻ってオルガン。
当然、右足が鍵盤に上に乗ってグバ~っとなる。
ギターでコレをやることはできませんからね。
まさにコレぞ「鍵盤楽器ソロ」の醍醐味なのだ!そして、そのまま次の曲のイントロのメロディを奏でる。
5曲目は「Crazy Me」。
Marshall Blogの『様式美大作戦2023』を見ればわかることなので書いてしまうが、実はセットリストは昨年と全く同じ。
安定のレパートリー。
ところが、今回はナゼかミディアム・テンポの曲が目立ったような印象を受けるのはナゼだろう。そんな曲調にあってはKenちゃんの激情型の歌が実にシックリ来る。
グイグイとその熱唱に引き込まれて行ってしまう。岡垣さんのオルガンのソロ…
Ani-Katsuさんのソロ…
と、曲は様々な表情を見せながら進んでいく。
Jill's Projectの中では最も伝統的なプロッグ・ロックよりの1曲と言えよう。そして圧巻のギター・ソロ。
やっぱりスゴい音だな。
この日は、三宅庸介と島紀史という「大谷一門会」の門弟2人が顔を合わせる機会となったが、令文さんなき今、この国においては間違いなくその2人が令文さんの「正統派のロック・ギター・サウンド」を引き継いでいることを証明したと思う。
要するに「Marshallで出すロック・ギター」のサウンドだ。
やっぱり「ああいうヤツ」で出す音は細くて聞いていてツマらんよ。
こうしてチャンとMarshallを使った方がはるかにいい音がする。
まったく奇天烈なことがハヤってしまったものだ。その向こうを張ったのがKenちゃん。
この曲の絶唱っぷりも見事だった!
真空管で動かしているノドに間違いない。この日ももちろんメロイック連発!
ココで岡垣さんがマイクを握ってメンバーを紹介した。
「お疲れのところ申し訳ないんですが、すっごい長い曲を連発してしまいました。
演っている方も辛いんですよ。もうチョット頑張ってくださいね。
もう後半戦…残すところ本当にあと少しです!
最後の曲はDio Kenから紹介してください」「はい。大きな声で皆さん…愛をください!
それでは目黒鹿鳴館での最後の曲を…最後の曲になります。
でもね鹿鳴館はなくなりませんから!
目黒じゃなくなっちゃうかも知れないけど、どこかでまた始まるということです。
鹿鳴館が復活した際にはまた集まって頂けたらうれしいです。
ありがとうございました。
また会いましょう!」 島さんが弾くシャープなリフで曲はスタート。
Kenちゃんが紹介した本編最後の曲は「Upsurge Unconcious」。
Jill's Projectリズム隊が独特のウネリを発する。
心地よいテンポのドライビング・チューン。
本編最後でも島さんのシュレッディングが冴えに冴えて…
ピック投げもキマった~!
そして、3人が見守る中…
楽器を前に後ろに揺さぶる岡垣さん。
付き合いが長く深いだけあって、ANI-Katsuさんは岡垣さんが楽器を押したり引いたりするタイミングを知り尽くしているのだ。
今は岡垣さんは引いているところ。目黒鹿鳴館最後のソロにエキサイトする岡垣さん!
また右足が鍵盤に乗った~!
この日、ココまでかなりの長尺だったが、無事に本編を終了した。
で、早速のアンコール。 「ソレって心の底からのアンコール?
ホンマに演りますよ。
目黒鹿鳴館最後のJill‘s Project…本当のラスト・ナンバーになります。
皆さん、よろしいでしょうか?
もう1回訊きますよ…心の底からアンコールを望んでいますか?
(大歓声)OK!」絶大なるアンコールのリクエストを受けて演奏したのは「The Sword」。
最後の最後はもちろん景気の良いドライビング・チューン。
メンバーの4/5人がコレで最後となる目黒鹿鳴館。
そんな機会を心の底から楽しんでいるような大熱演だった!
「サンキュー、鹿鳴館!」
最後は島さんおなじみの…
エンディングのルーティンがバッチリとキマって…
目黒鹿鳴館における『様式美大作戦2024』の全ての演目を終えた。
「ありがとうございました。
これにて『様式美2024』終了とします。
ありがとうございました。
ナニより最後まで残って頂いたお客様、本当にありがとうございました」 「そして目黒鹿鳴館、ありがとうございました。
24の時からね…今、64になりましたが、40年間本当にお世話になりました。
また別の場所に移転してもお世話になっていきたいな~と思っています。
お気を付けてお帰りください。
そして良いお年を迎えてください。
ありがとうございました!」 Jill's Projectの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website
島紀史さんがMarshallのデジタル・アンプ「CODE」のデモンストレーションをしたビデオはコチラ!
<おしまい>
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!
<Desolation>
<Captives>
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このアルバム、すごくいいよ~!
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