Silex~THE EVERLASTING NIGHT
昨年の4月1日のステージを最後にドラムスの石川達也が脱退。
7か月の準備期間を経た後、後任のドラマーを迎えたSilexの初のライブが開催された。
「新生Silex」だ。
Marshall BlogはSilexが誕生した時からお付き合いをさせて頂いて来たワケだが、今回は何度目の「新生」となったことか…。
絶体絶命の窮地に立たされながらも、その都度その難局を乗り越えて来たリーダー、Mashaくんの不屈の闘志には頭が下がるばかりである。
そう、「始めちゃヤメ、始めちゃヤメ」と取り組んだそばからヤメていたんじゃ良いモノなんてできるワケがないのよ。
東京おとぼけキャッツじゃあるまいし、何事も「Easy come, easy go」はダメなのよ。ということで『THE EVERLASTING LIGHT(永遠の灯)』と題された新生Silexのお披露目ライブ。
満員の客席に向かって最初にブッ放したのは「Arise」。Cho
Masha
Kohta
Hayate(颯)
そして、新加入のドラマー、Takaya。
初っ端からMashaくんのクライング・ギターが大炸裂!
もちろんその素晴らしいサウンドを送り出しているのはMarshall。
プリアンプが「JMP-1」、50W+50Wのステレオ・パワー・アンプの「9100」、そしてスピーカー・キャビネットは「1960A」という布陣。
今回、このセットが「恐るべきモノ」であることをコンサートの中盤でMashaくんが思いっきりアッピールしてくれた。
どういうことか…それは後ほど。足元のようす。
昨年リイシューされたMarshallのビンテージ・リイシュー・ペダル「The Guv'nor」が加わった。2曲目は「Metal Nation」。
まだ2曲目だというのに客席との一体感がスゴイ!
みんなSilexの活動再開を首を長くして待っていたんだネェ。メンバーたちも楽しそうだ!
「皆さん、こんばんは!
Silexソロ・コンサート『THE EVERLASTING LIGHT』にお越しくださいまして誠にありがとうございます。
我々がSilexです。
こんなにたくさんの方にお越し頂いて本当にうれしい限りです。
今年最後のライブになります…追加公演は入らないと思います。
ライブ回数が多くないバンドではありますが、今日のこの機会をみなさんと一緒に楽しんで盛り上がりたい思います」ココで新しい曲を披露。
ワウ・ペダルを踏んだMashaくんのギターでスタートするのは「The Everlasting Light」。
今日のコンサートのタイトルだ~!煙が出るような壮絶なスピード・チューン!
歌のメロディはどこまでもSilexyだ。続いても新曲の「Find My Own Way」。
コチラはミディアム・ファストのマイナーのヘヴィ・チューン。
チョット今までになかったパターン?ドワ!
メジャーでギター・ソロに入る展開が意表をつく。
ウ~ム、コイツぁどうにもウマい!ココでMashaくんからごあいさつ。
「こんばんは!本日はお越しくださいましてありがとうございます。
ハァハァ…歌ってもいないのにナンでこんなに息切れがするのかな?
新曲を聴いて頂きました。なかなかいい感じになっていると思います。
話せば長くなりますが…何度も『新生Silex』があったりするワケなんですが、とにかくやるしかない。
ボクがやらないと誰もSilexをやってくれないんで…ボクが一生やるかな?って感じ?
今回、素晴らしい仲間を迎えました。
まだまだ生まれたてヒヨっこちゃんなんでみんなで育ててください」
と述べてメンバーを紹介した。ごあいさつの後は「Everlasting Symphony」。
スッカリ見た目が変化したKohtaくんのソロ。
今日もキーボーズのコーナーがあるのかな?
とても楽しみだ。この辺りはSilexのステージではおなじみの曲が続く。
「Call of the Northern Wind」から…「Heart of Steel」。
Mashaくんの情念のこもったギター・ソロをタップリと!
早くもバンドで2番目に古くなった颯くんはMashaくんの音楽を完璧にサポート。
颯くんとバッテリーを組むことになったTakayaくんのプレイもバッチリだ。
雰囲気を替えて「Made of Lies」。
その雰囲気のまま、Kohtaくんのピアノから「Cry for the Moon」。
ChoくんもMashaくんの向こうを張ったクライングな歌声でお客さんの耳目を惹き寄せた。
Choくんがステージを降りて、ココからSilex名物のインスト・コーナー。
要するに「楽器演奏腕自慢コーナー」。
まずは「Wind from the East」をバンドで演奏。そして、Mashaくんひとりがステージに残ってア・カペラでギターを奏でる。
冒頭に書いた「恐るべきモノ」を見たのはこの時だった。
「聴いた」と言った方がいいのかな?
それはこのMashaくんのギターの音色。もうね、「音が良い」とか「悪い」とかそういう次元の話じゃないのよ、もはや。
彼の音楽をクリエイトするための「Masha専用の音」を聴いたって感じ。
やっぱり「良い音楽」ってのは、曲のクォリティとメロディを奏でる歌声や楽器の音色のバランスが本当にうまく調和した時にしか生まれないと思うんだよね。
どんなにカッコいい曲でも魅力のない声だったら聴いていられないし、トロけるような美声でも曲がツマらなければその美声はクソの役にも立たない。
そんなバランスの良さを見事に具現化してくれた演奏だと思った。
一般的に「良い音」でピロピロとめくめくテクニックを披露するギタリストは山ほどいるけど、こういう風に「自分の音楽」のために「自分だけの音」をクリエイトしているギタリストは本当に数えるほどしかいなくなっちゃったナァ。
ところでそんな音を出しているのはどこのギター・アンプかと思ったら…やっぱりMarshallだよ!(←ここんところはイヤらしかったか?)
で、改めてチャンとした道具を使うべきだと思ったね。
このMashaくん愛用の「9100」とか後継機種の「EL34 100/100」というパワー・アンプのシリーズは図体のワリには信じられないぐらい重いのね。
どれぐらい重いかというと…癪に障るぐらい重い!そりゃそうだ、「トランス(transformer)」という鉄のカタマリが4個も入っているんだから重いのは当然だ。
アンプ・ヘッドの重さっていうのはほとんどがこのトランスだから。
シッカリしたトランスを搭載しているからこそいい音を出すワケ…ところが~、その分重い。
でも重くて取り扱いに苦労するだけのことは十分にある。
ナンか知らんが、いつの間にかギタリストの皆さんはアンプに対して「音質」より「軽さ」を重視するようになってしまった。
「デジタル技術やPAシステムが進歩したから」とか何とか言ったってホンモノに敵わんよ。
今のデジタル・アンプやその類を捕まえて「アッチの方が音がいい」とか「イヤこっちの方ホンモノに近い」とかやっているサマは、まるでハマチの養殖池の違いを比べているようなものだよ。
そんなのナンセンスではなかろうか。
絶対に天然モノのハマチには敵わないってば。
じゃ、「オマエ天然と養殖のハマチの味の違いがわかるのか?」って?
スマン、わからんわ…そもそもそんなにハマチは好きではないし。
でも、ギター・アンプの違いはわかる。
ポイントは2つ。
①太いか細いか
②抜けるか抜けないか
そんな音の違いをMashaくんが素晴らしい自作曲と音で証明してくれたかのような演奏だった。
お客さんからお金を頂戴してギターの音を聞かせる以上、真空管があるウチは真空管アンプを使うべきです。
真空管がこの世から消滅してしまった時には潔くみんなで養殖のアンプを使って「ギター」という楽器の魅力をアッピールすればよいのではなかろうか?続いてドラム・ソロ。
凄まじいまでのパワー!
わかっちゃいるけど、ドラマーが変わるとまるっきりバンドって変わるもんだわね。
数々のメンバー・チェンジを繰り返してきたSilexだけど、今回は一番変化の大きい「新生Silex」ではなかろうか?そして、キタキタ~!
ステージ上はKohtaくんフィーチャーのキーボード・トリオに。曲は「Seizing the Moment」。
颯くんのソロにもスポットが当たる。
スリル満点、密度濃厚の期待通りの1曲だった!
Mashaくんがステージに戻って「Forevermore」。
おなじみのインストゥルメンタル・ナンバーに会場は大盛り上がり!
そして、Choくんがステージに戻る。
「皆さん、インストのセクションはお楽しみ頂けましたでしょうか?
ボクも舞台袖で楽しみながら休憩してました。
どうですか?…キーボーズとベースとドラムスの三つ巴。
あのピロピロしていた曲を作ったのはこの人です」…とマイクを握ったのはKohtaくん。
「皆さん、お疲れさまでございます。今日、初めてしゃべります。
改めましていかがでしたか?
『Seizing The Moment』という曲で、『瞬間を捉える』という意味です。
その後に演った『Forevermore』は『永遠』ですので、それと対比するような感じです。
リーダーであるMasha不在のバンド演奏というのは初めての試みなのではないでしょうか?」「我々、アルバムを作るぞ!と言いながら『作る作る詐欺』になっていましたが今度こそそう遠くないウチにアルバムという形にして何曲か皆さんにお披露目できればと思っております。
Mashaさん…勝手に口走っちゃいました!
ところで、今年を振り返って、いかがですか?」「仙台に行きましたね~?
メンバーのウチ2人が初の遠征でしたね。
新幹線と車で行ったんですが…アレ?…振り返ること無かったですね!
スミマセン!」「4月のライブ以降前任ドラマーの石川達也がライブ活動をチョット休止していますが、達ちゃん本人から報告があって、復活に向けて色んな事をガンバっています。
詳しいことは今はまだ言えませんが、近々本人から発表されると思います。
今日、客席にいると思いますので『達也頑張れ!』の拍手をお願いします!
(お客さん励ましの大拍手)わ~。やさしいな~。
ボクからは以上です。ありがとうございました」達っちゃん、ガンバってます。
今、ウチでは達也くんのNATALのデモ・ビデオを作っているんですわ…この編集がギターものと勝手が違って予想以上にムズカシく四苦八苦しています。
コレはMashaくんが触れた「まだ詳しくは言えないこと」ではなくて… この時まだ発表できなかったこととはコレ。
ジストニアに苦しむミュージシャンに勇気や希望を与えるべく、クラウドファンディングで皆さんのお力添えを得、オリジナルのアルバムを制作するというプラン。
今日からスタート。
ガンバレ達っちゃん!
詳しくはコチラをご覧ください⇒muevo crowd funding さて、『THE EVERLASTING LIGHT』もまとめのセクションに突入する。
まずはSilexスタンダードの1曲「Cancion de Amor」。ドワ~、弾くわ弾くわ!
規格外の弾きっぷり。
Mashaくんは激しいパッセージを弾く時でも1音たりとも決しておろそかにしない。
「端正」っていう言葉がふさわしいのかな?
いつでも繊細極まりない。
…と思っていたら、Mashaくん、この曲で指がツッてしまった!
イヤ、ホントすごいプレイだったからね…それも無理ないよ。
曲を弾き終えた後ホンの少し休んですぐに復活!続いてはお客さん参加の「One Evening in Paradise」。
「さぁ~皆さん、やってきましたよ~!みなさんの番がやってきました!」
Choくんのインストラクションに従ってみんなで歌ったよ。「さっきツッった指がもうこんなに動いてら!」と誰かが言ったどうかは知らないが、あの「指ツリ」はどこへやら、Mashaくんはココでも華麗なソロを聴かせてくれた。
「今年はライブの回数も少なかったですけど、来年はアルバムを出すというお約束を守れるようにメンバー一同邁進して参りますのでどうか引き続きSilexをよろしくお願いします!
ラスト2曲いきます!みんな、ついて来れるか!」
会場のテンションが上がりまくったところへ…「Standing on the Grave of Yesterday」を持って来た!
最初から最後までバツグンのコンビネーションを発揮した新しいリズム隊!
起伏の激しいこの曲のメロディを完璧に歌いこなすChoくん!
そして最後。
Silexはアンコールがないからね、コレが本当の最後。新しく生まれ変わったSilexの5人が激しく、そして美しく「Destiny」を歌い上げた。
「来年もよろしくお願いします!
ありがとうございました!」
とMashaくんが最後にあいさつのひと言を演奏に添えて『THE EVERLASTING LIGHT』の幕を降ろした。
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Website
さて、Mashaくんが今日のステージでも使用していたThe Guv'nor他、Marshallビンテージ・リイシュー・ペダルのデモンストレーション・ビデオを公開しています。
音楽業界の関係者から「こんなに手の込んだ商品紹介動画を見たことがない!」という感想を頂戴した1本。
是非ご覧くださいまし!
☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
イギリス南西部のコーニッシュ出身のキング・クリーチャー。
本場のブリティッシュ・ハードロックを存分にお楽しみあれ!
<Lowlife>
<Can You Forgive Me>
Marshall Recordsからのファースト・アルバム『ヴォリューム・ワン』絶賛発売中!
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan レコードもあり〼。
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan
Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!