GUITAR CANVAS vol.4
これまでMarshall Blogで2度ほどレポートを掲載したマンスリーのイベント『VINTAGE & PREMUM GUITAR RHYTHMS & ROASTS』。
このイベントが12月に開催された第4回目から『GUITAR CANVAS(ギター・キャンバス)』と名称を変更した。
会場はそれまでと同じ東京スカイ・ツリーのとなり、MIZUMACHIにある「LATTEST SPORTS」。
一番最初のレポートの時、昔、この辺りは「小梅村」と呼ばれていたということを書いた。
その時、書き忘れてしまったのだが…この「小梅」という地名は夏目漱石の『坊ちゃん』に登場するのだ。
「赤シャツ」が主人公の「おれ」に「君釣りをした事がありますか?」と尋ねる。
すると「おれ」は「あんまりないが、子供の時、小梅の釣り堀で鮒を三匹釣った事がある」ことを思い出す。
この「小梅」が会場のLATTEST SPORTSがある辺りの村の名前だった。
もちろん今ではその釣り堀は見かけない。
明治39年、『坊ちゃん』を著した頃、漱石は今でいう文京区の千駄木に住んでいた。
なので、そう遠くない小梅の釣り堀に足を延ばして遊びに来ていたのかも知れない。
隣りで釣り糸を垂らしていたオッサンが夏目漱石だった…なんてオモシロイなぁ。
もしかしたらその向こうが千束から来ていた樋口一葉だったりして…。
スゴイよ、だって1,000円札と5,000円札が仲良く釣りをしている姿を想像してごらんよ。
ちなみに「歴史探偵」の別名を取り、小梅村からほど近い向島の出身で元文藝春秋の編集長だった半藤一利は『漱石先生、ぞなもし』という小説で1993年に「新田次郎文学賞」を獲得した。
私は半藤先生が2004年に上梓された『昭和史』という本が大好きで、ブックオフで「半藤一利」という著者名が載っている本は、安ければほぼ問答無用で買ってしまう。
読むかどうはまた別の話なんだけどね。
戦争で塗炭の苦しみを味わった徹底的な反戦主義者でいらしたが、2年前に90歳でお亡くなりになられた。
で、この半藤先生の配偶者が「未利子(まりこ)」さんとおっしゃった。
旧姓は「夏目未利子」さんで、そう、夏目漱石のお孫さんだった。
スゴクね? 下の写真は上の文庫本の『坊ちゃん』の表紙に描かれている道後温泉駅の前にある「坊ちゃん列車」。
11月に愛媛に行って来た時についでに寄った道後で撮ったもの。
あ、ワタクシ、特段漱石ファンということではないのです。
あれだけロンドンにも行っていても「漱石記念館」には一度も立ち寄ったことがないぐらいだから。
ハイ、脱線終わり。
さて、12月8日に開催された4回目となるこのイベント、事前に告知記事が夕刊フジに掲載された。
フムフム、どれどれ…「トークゲストには、Marshallの創始者、ジム・マーシャルと一緒に仕事をした最後の日本人といわれる」として自分の名前が出ていてビックリ仰天!
初めて自分の名前を新聞に載せてもらったけど、悪事でなくてヨカッタ!しからば…「ジムの思い出話」でもさせて頂こうかと思い、11年前に自分が書いた『マーシャル・クロニクル(シンコーミュージック刊)』を引っ張り出してネタを仕込んでおいた。
クリスマスが近かったので会場には大きなツリーが飾られていた。
今回のステージのようす。
『GUITAR CANVAS』に生まれ変わったイベントのオープニングは…
この布陣。
ホスト・リズム・セクションのベーシスト、SHIHO。
ドラマーはTK。
レギュラー・ゲストのKUNIO KISHIDA。
今、演奏している1曲目は岸田さんのアルバム『X』のオープナーの「Down in the South」。同じくレギュラー・ゲストのジョージ吾妻。
西尾智浩さんもおなじみのゲスト・プレイヤーだ。
2曲目は、今回は少々フェイク気味に演った「Statesboro Blues」。
今回もハナから気合の入りまくった演奏!
ハハハ。
今回は1962 Bluesbreakerを用意したんだけど、きっと岸田さんがお使いになるだろうナァ…と予想していたらその通りだった!
ボトルネック・サウンドが唸る、唸る!
やっぱりスゲエ音だナァ。エフェクターなんてナニも要らない。
もちろん岸田さんはアンプに直で接続している。
昔のモノって本当によくできているナァ。
悪いけど、どのコンボ・アンプもこの60年近く前に開発されたモデルに敵わんでしょう。続く「All Along the Watch Tower」ではジョージさんと…
西尾さんのソロをフィーチュア。
今回も司会は「bhodhit magazine(バディット・マガジン)」の北村和孝。
北村さんの紹介でギタリストが2人加わる。
iBerry
SEKAI
曲はこれまたボブ・ディランの「Knockin' on Heaven's Door」。
熱のこもった演奏で会場はクリスマスと正月がいっぺんにやって来たようなにぎやかさ!
気前よくまたまた出演者を入れ替えて「Honky Tonk Women」。
RICKEY
惺光 玖拾玖(さとみつくも)
こうじ隊長
MADOKA YAMADA
西尾祐理子
そしてSEKAIくんがオハコの「I Love Rock'n Roll」で大いに盛り上げた。
続いては壮絶な対戦が展開したジャンケン大会。
勝者への賞品のひとつは「FRET BUTTER」というフレット磨き用のクロス。
この商品を取り扱っているジョージさんから直手渡された。
なるほど…商品名は「Bread & Butter」のシャレになっているのね?
ちなみに「bread and butter」というのは「パンとバター」という意味だけでなく、「生計を立てるための仕事」を意味する慣用表現でもあるんだよ。ココで『GUITAR CANVAS』の主催者、FUJIWARA GUITAR CASEの藤原靖弘からごあいさつ。
「皆さん、ありがとうございます!
ギターが大好きな大人が集まるイベントです。
今日はお客さんにお越し頂いて大変ありがたく存じます。
これからもよろしくお願いします!」
と、来場者と関係者に感謝の言葉を伝えた。この藤原さんが手がけている「ケース」というのは、ギターを持ち運ぶための取っ手のついた一般的なケースではなくて、展示用のアクリル・ケースのことね。
下の写真のようなアイテム。
中身はジョージさん所有の「JAGUAR」。
ところで、この「jaguar」って単語ね。
イギリスではハッキリと「ジャギュア」と発音する。
アメリカはどうかしらん?と思って調べてみると…「ジャグゥア」みたいな感じ?
だからあの車の「ジャガー」ももちろん本国では「ジャギュア」と呼ばれている。
一体どこでどうして日本だけ「ジャガー」という発音になっちゃったんだろうね?
1964年の小林旭の「自動車ショー歌」ではすでに「♪ジャガジャガ呑むのもフォドフォドに…」とやっているので、それより以前、つまり60年以上前から「ジャガー」って読んでいたんだろうナァ。トーク・コーナー。
今回は「アンプ特集」ということで私も末席を汚させて頂いた。冒頭で触れた通り、「ジム・マーシャルの思い出」について語ろうと思ったのだが、「時間がない」ということで今回提供したMarshallの紹介をさせて頂いた。
まずは人気のSTUDIOシリーズから「SV20C」。
「1959がこんなに小さくなっちゃった!」のコンボ・バージョンね。
昔は「2159」という1959をそのままコンボにしたモデルもあったんだよ。
それに目をつけた私は100Wのコンボでは大ゲサなので、50Wの1987のコンボ・バージョンだった「2187」というモデルをMarshallに頼んで日本限定で50台作ってもらったことがあった。
全部アッという間に売れちゃったけど、アレを買った人はラッキーだったね。
Marshallはもう絶対に作らないだろうから。
…という話しは全くしなかった。向かって左がASTORIA CLASSIC。
Marshall初のブティック・アンプ。
これには色々な思い入れがありましてね…コレも話さなかったけど。
となりは「JCM800 2203がこんなに小さくなっちゃった!」のコンボ・バージョンの「SC20C」。
JCM800 2203ドンズバのコンボ・バージョンは「4103」というモデルだった。そして、コレが先ほど出ていた岸田さんがお使いになった「1962」、通称「Bluesbreaker」。
エリック・クラプトンやブルースブレイカーズで知られているモデルね…コレは話した。
この「1962」は「エリック・クラプトンのリクエストで開発された」という都市伝説があるんだけど、その真相についても語らせて頂いた。そして、ギタリストの皆さんのギター自慢。
岸田さんのテレキャスターはキース・リチャーズから頂戴したモノなのだそうだ。再び演奏のコーナーに戻って…
玉谷孝博…
西尾知矢が登場して「Manic Depression」、「Goin' Down」…
「Immigrant Song」…
「Kill the King」等のハード・ロック・スタンダードを演奏した。
こうして本編が盛り上がってか~ら~の~…
アンコール。
このイベントでは定番のジョージさんの「The City」… 「Cocaine」…
このイベントの〆、「Johnny B, Goode」を演奏して第4回目の幕を降ろした。
ギターっていいもんですナァ。
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