amber lumber~7周年記念ライブ<前編>
amber lumberの7周年を記念するステージ。「本日はようこそいらっしゃいました!」
ステージに上がるなり「♪ナ~ナナナナ~」と、ザ・ウォーカー・ブラザーズの「Land of a Thousand Dances(ダンス天国)」を口ずさむ2人。
コレ、私が幼稚園生だった頃のヒット曲だけど、すごく流行っていたのを覚えている。
久しぶりに聴いてみると…コレ、「♪ナ~ナナナナ~」ではなくて「♪ラ~ララララ~」と歌っているね。
私もズッと「ナ」だと思っていたけど「ラ」だった。
amber lumberは「2017年1月に結成した」としているので、このステージの時は実はまだ満7周年になってはいなかった。
イヤ、そんなハンパなことをこの2人がするワケないと思ってこの日の来場者に配布されたエッセイ「ambering lumbering」の386号を読んでみるとやっぱり…。
2人が初めて一緒に演奏したのが、つまり「amber lumber」という形になったのが2016年の11月10日だった。
だからこの11月でちょうど7周年!
おめでとうございます。ちょうどいい機会なのでMarshall Blogでのamber lumberの歴史を振り返ってみるか。
amber lumberが初めてMarshall Blogに登場したのは2017年7月12日のこと。
5月26日に開催されたイベントに出演した時のライブ・レポートだった。この時からほぼ7年!
出したアルバムは6枚。
よくぞ続けてくれました!
…ということでamber lumberの「ララ周年記念」のショウの始まり、始まり~!
森永 JUDY アキラ山本征史
まずは「ランデブー」で陽気に幕を開けた。続けて『Mother Moon』から「ドウシテコンナニコワイノダロウ?」。
コレ、珍しいんじゃない?
アキラさんのピックを使わないファンク・ストラミングが炸裂。アキラさんの歌と自分で弾くギターのバッキングがゴキゲンなグルーヴを生み出す。
しかし、ギターの音がいいナァ~。アキラさんは今日もMarshallのアコースティック楽器用アンプ『AS100D』を使用している。
ま、自分で言うのもナンだけど、ホントにいい音だと思う。
コレを一回使っちゃうとラインに戻れなくなってしまうのも当然のことでしょう。
特にアキラさんの場合、この曲のようなファンク・ストラミング(かつては「16ビートのカッティング」ぐらいのことを言っていましたが、コレは日本でしか通用しない方言らしいので最近は呼び名を変えました)にすごくマッチしていると思う。
どういう風にいいのか?と言うと、そのギターが持っている音をそのまま出すことができるの。
加えてナチュラルでパンチが効いてる。そのアキラさんのストラミングに乗って展開する征史さんのソロ。
歪み具合が絶妙。征史さんもいつものMarshall。
ヘッドは1978年製の「1992 SUPERBASS」だ。いつも賑やかで楽しい足元のようす。
前回とはチト違う。そして、アキラさんが「♪プライド、プライド、プライド」とファンキーにまとめ上げた。
「さて私たち、8月にココでワンマンさせてもらった後、10月、11月とチョット長い旅をして来ました。
一応、レコ発ツアーで関西方面と北海道と行って来たんです…曲を育てて来たんですよ」「一番最初は11月にレコ発をやるつもりやったんですよ。
それが頑張ったらアルバムが早く出来ちゃって、前倒しでツアーに出たワケです」「で、7周年記念ということで初めて記念Tシャツを作りました。
今まではナ~ンとなく作っていたんです。
山本さんが良さげな絵を描くと私がTシャツにする…っていう形でした。
今回は初めて私の絵が使われました…ま、落書きなんですが…ホント、すみません。
秘密をバラすとね、左側にお日様みたいなのがいるでしょ?
それを半分ずつ見ると山本さんに似ていて、もう半分は私になってるの。
自分じゃわからないでしょう?」この日からそのTシャツの販売がスタートした。
こんな図柄。
イヤイヤ、「落書き」だなんてトンデモナイ!
とてもいい感じのイラストではありませんか。
アキラさんも絵がウマいからね。
続けて演奏したのは最近作『オーダーメイド』にも収録されている「モノラル」。
アルペジオの音もいいナァ~。
① カレンダー②白紙③太陽④抱き枕⑤瞳に映った月⑥感触⑦モノラルという7つのお題を使ってビスポークされた1曲。
「ビスポーク(bespoke)」は「オーダーメイド」を意味するイギリスの英語…コレは前にも書いたね。ディレイを効かしたフレットレス・ベース・サウンドが深い!
「育ってます?
やっぱり、同じ曲を何回も演って、何回も歌っていると曲が段々育っていくのね」
育っています。 炊事、洗濯、掃除…家事ってメチャクチャ大変だよね。
身体だけでなく頭も使う。
会社でエラそうにペッタンペッタンとメクラ判を押しているより何千倍もシンドイ仕事だ。
その過酷な家事の業務の中で一番苦労する仕事は、洗濯でも掃除でもなく、食事のメニューを考えること…ということをよく耳にする。
ホント、大変だと思いますよ。
家族の栄養を考えて、文句を言われないようなモノを日に3度も作らなきゃならないんだから。…というようなことを征史さんが考えて歌詞を書いたのかどうかはわからないけど、amber lumberならではの1曲が次の「バジトーフー」。
「♪トーフー」
前にも書いたと思うけど、ウチの周りにはチャンとしたお豆腐屋さんが3軒もありましてね。
とてもシアワセです。で、もう一度登場して頂くのがこのアタマの形がウリの幕末の政治家、学者、医師他の大村益次郎。
豆腐が大の好物だった。
で、行って来たんよ…どこへ?って?
豆腐屋じゃなくて、益次郎さんの家。これが益次郎の家の跡。
場所は愛媛の宇和島。
今気が付いたけど、後ろは墓地だったんだネェ。益次郎は長州の人なんだけど、その優秀さを買われ、時の宇和島藩主で、福井の松平春嶽、薩摩の島津斉彬、土佐の山内容堂と並んで「幕末の四賢候」とひとりに数えられた伊達宗城(むねなり)に招聘され、宇和島藩士の教育係を務めた。
シーボルトの孫弟子ということでオランダ語が達者だったが、それは読み書きだけの話で、発音がカラっきしNGだったという。
何しろ教わっている弟子の方がそのヘタクソな発音で吹き出してしまったという。
益次郎はそのことをシッカリと認識していて「どうせ話す機会がないのだから読み書きが完璧にできればよろしい」と発音の巧拙は切り捨てていたそうだ。実はこの時、益次郎の家の跡を見にこの地を訪れたわけではなく、本当の目的はココだった。
幕末の頃、ココには「三角屋敷」と呼ばれる家が立っていた。
シーボルトのお嬢さんの稲本イネ、通称「オランダお稲」が住んでいたのだ。
おイネさんはお父さんであるシーボルトの高弟だった二宮敬作を頼って長崎から宇和島、あるいは西予卯之町に出て来たんだネェ。
何の血縁もないけれど、ウチは長崎にある稲本家のお墓まで行っているのよ。
もちろんこの時、西予卯之町の二宮敬作の墓もお参りして来た。場面は替わって「ラッタカ」。
「♪ラッタカ~、ラッタカ~、髪洗ったか?」
シャンプーも石鹸も減らすことのない「地球にやさしい女」のことを歌ったこの曲が私は大好きなのです。征史さんのエキサイティングなソロもバッチリ!
さて、さてさて、今日の脱線のハイライトだよ~!
下はジュディ・ガーランドとジェイムス・メイスン主演の1954年のアメリカ映画『スタア誕生(A Star is Born)』。
私のお気に入りの1本なんだけど、先日また観ていてスゴイことを発見してしまった!
それは…今ココに2人の「ジュディ」がいる。
ひとりは髪の毛を滅多に洗わないということになっている「森永 JUDY アキラ」。
片や子役時代に『オズの魔法使い』で「Over the Rainbow」を世界的にヒットさせ、押しも押されぬハリウッドの大女優&歌手だったJUDY Garland。
ハリウッドのジュディがこの『スタア誕生』の中でこう言うのだ。
「私はムシャクシャするとすぐに頭を洗うの。とにかく髪の毛を洗ってサッパリするのよ!」
どうよ。
やっぱり髪の毛を「洗う/洗わない」でジュディはつながっていたんだネェ。
ん?…あるいはこの曲の詩を書いた征史さんはこの映画のことを知っていたのかな?
アイラ・ガーシュインとハロルド・アーレンが作った挿入歌「The Man That Got Away」がとにかく素晴らしい。
いつか髪の毛を洗わない方のジュディにもこの曲を歌って頂きたいと思っている。「髪を洗う」でもうひとつ。
英語で言うと…「I wash my hair」。
コレを現在進行形にして「I'm washing my hair」とか「I have to wash my hair」と言うと、誘いを断るセリフになるんですって。
ま、言われたことないけど…誘わないから。
「Why don't we go shopping?(買い物に行かない?)」
「I have to wash my hair(行きたくない)」
となるワケ。
だからアキラさんは自然に対してだけでなく、みんなにやさしい女性ということになりますナ。
ココで相撲の話。
今は「正代」というお相撲さんに夢中なのかな?
ところで寺尾にはビックリしたネェ。
ココの家は、長兄の鶴嶺山が61歳、次兄の逆鉾が58歳、そして寺尾が60歳と、ずいぶん短命だったんだネェ。
気の毒にナァ。ファースト・アルバムから「Eしか弾けない」。
ナンカとてもなつかしい感じがする。CDを初めて聴いた時のことを思い出させてくれる征史さんのソロ。
「正代、カッコいいゼ!」とアキラさん。
そして、そのアキラさんににじり寄る征史さん。
Eコンビではありませんか!「頭の中が正代になっちゃった!
私はいつも母親とお相撲を見ているんだけど、母親は正代が負けるとこが見たくないって言って見ない。
本当は正代のことが大好きなのに…。
ところで今のはファースト・アルバムの1番最初に入ってる曲でした。
そして、今から歌うのはファースト・アルバムの最後に入っている曲です。
ファースト・アルバムを作った頃はまだマァマァ仲が良かったんだよね」「まだ知らなったからね…知っちゃうとチョットね」
イヤイヤ、そんなこと言わないの!『運命の輪っか』の最後の曲とは「毒をはく」。
コレはアキラさんがamber lumberを始める前から演っていて、この曲を聞いて征史さんは一緒に演りたいと思うようになったそうだ。この曲に「♪テレビでは立派そうな大人たちが子供のように罵り合う 些細なことじゃない 大きな問題で」というパートがある。
コレは政治家のことでしょう。
この国の政治家は本当にどうしようもないね。
勉強すればするほどそのヒドさがわかってくる。
でも、その政治家を選んでいるのは他でもない我々ですから。
とにかく日本国民は勉強しないと!もっと本を読まなきゃダメだよ、歴史に関する本を。
もともと政治は五流、でもかつては経済があった。
その経済が衰えてしまった今、この国はまた世界の三流以下の国になってしまった。
やっぱりナントいっても「世界の一流国」のトップはイギリスなんだってサ。
…ということで、アキラさんにはこれからもジャンジャン毒を吐いて頂きたい。アキラさんの傍らでは征史さんが低音域で毒を吐き続けた。
ココまでが第1部。
しばし休憩。送られた鉢植えの祝い花。
屋台村はいつも通りの賑わいを見せた。
もちろん今回もエッセイとネコ大仏の「おさとし」が来場者に配布された・
「一日一日が人生」か…全くだナァ。第2部はアキラさんの叩き語りでスタート。
人の曲シリーズ…前回は「ここに幸あり」を取り入れていたけど、今回は趣向をガラリと変えてダイアン・リーヴスの「Endangered Species」という曲。「絶滅危惧種」か…私は知らない曲だったので調べてみた。
チョット失礼なんだけど、オリジナルを聴いて大笑いしてしまった。
だって、「オリャ~!」感が本当にアキラさんみたいだったんだもん。
そしてドラムスがやたらと幅を利かせたアレンジなのよ。
このシーンに完璧すぎる選曲と言って間違いないでしょう。征史さんのソロもタップリとフィーチャされてからの~…
「I Wanna be Your Blood」
キタキタキタキタ~!「♪ドクド~ク、ドクド~ク」
ハード・ロッカー征史さんの面目躍如たるシーン。
まさに血がたぎるパフォーマンス!最後はジャ~ンプ!
「サンキュ~!」
コロナの頃はネタがなくてライブ・レポートを2本立てで構成するのが常だったけど、ここのところ大分落ち着いてまた以前の通りシングルで記事を作ることが普通になった。
でも、今日は「7周年」のお祝いということで2本立てでタップリとお送りします。
<後編>もお楽しみに!
amber lumerの詳しい情報はコチラ⇒amber lumber Official Site