JEKYLL★RONOVE ニューシングル『II FACE』発売記念ライブ <後編>
アコースティック・セットが終わり、サポートの2人がステージに戻る。
後半戦に突入だ!アコースティックの雰囲気から一転、ハードにシャウトするJEKYLL(以下「スミレちゃん」)。
曲は「Venom」。
「venom」というのはヘビとかサソリとかが持っている「毒」のこと。
歌詞に「I gave a soul to Ronove」なんて文句が出て来る。
コレはJEKYLL★RONOVE(以下「ジキロノ」)のテーマソングみたいな位置づけなのかしらん?今日初めて7弦ギター取り出したN★OTO(以下「NAOTOくん」)。
リフの成り立ちからして7弦丸出しのヘヴィ・ギター!
後半の幕開けにふさわしい1曲。
まだまだガンガン盛り上がるぞ~!この曲には「ロミオとジュリエット」の1節が出て来たりしてスミレちゃんの教養の高さを示しているんだけど、うれしいのは「Catch-22」ね。
コレはジョセフ・ヘラーという人の小説のタイトル。
「catch」は「落とし穴」、「22」は「米軍規22項」を意味する。
「22項」というのは、「気が狂ってしまった場合、自分から申告すれば除隊することができるが、気が狂っていることを自覚できるウチは正気だから除隊できない」…一体ナンやねん?という規則。
そこから転じて「板挟み」とか「四面楚歌」を意味するスラングになった。
「I'm in a catch-22!(ニッチもサッチもいきやしねぇ~!)」みたいに使うんだけど、実際にコレを口にしているアメリカ人にもイギリス人にもお目にかかったことがない。
この小説は1970年に映画化もされて、日本では私が小学校3年の時に封切られた。
父の影響でその頃から洋画を観ていた私はこのタイトルのことをすごく不思議に思ったのを覚えているんだけど、一度も観たことがないでいた。
監督はマイク・ニコルズだし、アラン・アーキン、マーチン・バルサム、アンソニー・パーキンス、マーチン・シーン、ジョン・ヴォイト等々すごい役者がたくさん出ていることもあって数年前にDVDを買った……買ったんだけど、まだ観てないのよ! 達也くんのマーチ風のスネア・ドラムスに… NAOTOくんの哀感漂うギターが被さってスタートするのは「Dear One」。『II Face』を締めくくっているミディアム・スローのバラード。スミレちゃんは分厚いディストーション・ギターと起伏に富んだベースラインにのって魅惑のメロディを歌い上げる。その美しいディストーション・サウンドはMarshallから。 NAOTOくんはSilver Jubilee 2555Xと1960BVを愛用している。 「さぁ~!みんな手を上げていきましょう~!」
しかし、カッコいい声だ。
以前にも書いたことがあるが、何年か前、ゲスト・ボーカルズとして若い女性バンドでスミレちゃんが歌った時のこと絶対に忘れない。
自習の時間で大騒ぎとなっていた教室に、いきなり先生が入って来て一喝したかのような歌いっぷりでカッコいいことこの上なかった。
男女の別を問わず、こういう声で歌を歌う音楽を「ロック」って昔は言ったんですよ。
ジキロノは「ロック」だ!雰囲気は一転。
ソリッドなリズムを繰り出すのは満園正太郎と…ドラムスの石川達也。
また舌を出してる。
達也くんとのお付き合いもいい加減長くてウチではこれまでに撮った夥しい数の達也くんの写真を保管している。
その写真の7割方で舌を出しているんだよね。
しかし、改めてこうして見てみると、なるほど長くて立派な舌ですな。
いつも出しているから伸びちゃったのかな?
牛角だったら結構取られるよ、コレは。
達也くん愛用のNATAL。
どんなベロシティ(速度)の曲にも対応する。 お客さんと一体となって手を振るのはシングル『Oneness』から「Go Hand in hand」。ココの場面はトリッキーだったんだよね~。
ナニが起こったのかは書かないけど…。
バンドが始まって以来の椿事だったそうです。NAOTOくんお得意の「背中弾き」も飛び出してとにかく大いに盛り上がった!おおおおお?!
庄太郎ちゃんも!達也くんはドラムスを叩きながら上のような景色を見ています。 「ありがとうございます!
ナニごともなく完璧でしたね!」…え?
ん…?
「♪Don't stop rock 'n' roll」…NAOTOくんが歌う「Don't Stop R N 'R」が会場内に流れ出した。
この曲をライブで演るか演らないか…というジキロノのライブではおなじみの論争が始まった!
すると庄太郎ちゃんから「今度演ったらいいよ」とプッシュが入った。
ツルの一声で「庄太郎さんに言われたら演るしかないですよ!でも他の曲と比べたら薄っぺらな曲なんもんで…」となった。
庄太郎ちゃんの「薄っぺらも大事だよ。なんでも重厚がいいってもんじゃないじゃん?」のひと言でNAOTOくんの運命が決定。
NAOTO発言は、この2022年12月19日公開のMarshall Blogに記録しておきます。
「♪One for the money, two for the show…」のナマの歌声が楽しみだ!先生方も物販を紹介。
「達也と申します。
コレ、オリジナルのタオルです…シルエットと名前が入っています。
それと、ハンドメイドのシンバル・ネックレスを持って来ました」
コレがその達也グッズ。
好評発売中!『II Face』のレコ発ライブの本番も残すところあと2曲! まずは前曲に引き続いて『Oneness』から「Uncover」。
達也くんのドラムスが猛進するドライビング・ナンバー。
トラディショナルなコード進行に乗ってスミレちゃんが熱唱する光景は、クドいようだけど「ロック」そのもの!NAOTOくんはコンパクトな空間を徹底的にシュレッド! 本編の最後を締めくくったのは「Guilt or Innocence」。ジキロノのキラー・チューンに客席は大盛り上がり!NAOTOくんが下手のスピーカーの上にやって来て…向こう正面のスピーカーの上には庄太郎ちゃん!その2人を容赦なくプッシュする達也くんのドラミングがまたスゴイ!
ノリノリのお客さんの姿を目の当たりにしてほほ笑むスミレちゃん。
今日は思いっきり自分の好きなようにジキロノの音楽を聴かせることができた喜びがにじみでているかのようだ!最高に密度の濃い13曲を演奏して4人は一旦ステージを降りた。シングル『II FACE』絶賛発売中! 「今日は本当にありがとうございます!
歳を重ねるごとに感謝の気持ちでイッパイになります。
若い頃っていろんな方に出会ってもなかなかその出会いに感謝できない時ってあるじゃないですか?
なんかそういうことを当たり前に思ってしまうんですよね。
でも、年を重ねるごとに出会った人との『ご縁』っていうモノを深く感じることができるようになりました。
今日もこうして貴重な時間を使ってお越しくださった皆さんに心から感謝申し上げます」「それとですね…『歳を重ねる』と言えば、NAOTOが愛用しているギター・アンプのMarshallは、ナント今年で創立60周年と言うことです!
そして、今日写真を撮影してくださっているMarshallの牛澤さん…ご夫妻でいらしてくださってるんですけど、ナント牛澤さんも60周年をお迎えになりました!
今日は他にもおめでたいことがいくつか重なっておりまして、そんな日にこうしてワンマンをやらせて頂いております。
本当ににありがとうございます。
と言うことで最後の最後にこの曲をお届けしたいと思います」
スミレちゃん、どうもありがとう!
私もいよいよ『歳を取る』ということの例に挙げられるようになって来ました!
アノね、そんじゃ言っておきますがね…私はロックの世界の入った時期が同世代の他の連中に比べるとかなり早かった。
1970年代の話ね。
当時は高校生で渋谷の屋根裏や新宿のロフトに通う高校生なんてほとんどいなかったワケ。
だからどこのライブハウスに行っても必ず最年少だった。
「え?キミ高校生?いいね~若くて!オレにもそんな頃があったよ!」と、どこでへ行っても言われた。
それがどうだ、エエッ? 今となってはどこへ行っても最年長だよ。
こうなりゃカメラのシャッターが切れなくなるまで、パソコンのキーボードが叩けなくなるまでMarshall Blogを書き続けて「世界最長Marshallジジイ」を目指すよ。
略して「マージ―」…ビートルズも驚くぞ!
こうして歳を取ってつくづく思うのは…「死んだらおしまい」ということ。
ミュージシャンが物故すると、「今頃天国で〇〇とジャムってんだろうな…」なんて投稿をよくSNSで見かけるけど、そんなことはありません。
「死」は「無」です。
こんな世の中になってしまったけど、とにかく健康で一日も長く現役で過ごしていきたいと思っていますのでジキロノもガンバれ!
Marshallが応援しています!アンコールで演奏したのは…もちろんこの曲「Helter Skelter」!スミレちゃんはとても勉強熱心でロックの歌詞のクリシェ(決まり文句)をよく引用するけど、こういうのはどうかしら?
「You ain't heard nothing yet!」と叫んでから曲をスタートする。
コレは1920年代に活躍したアル・ジョルソンという歌手のセリフ。
ジョルソンは1927年に『ジャズ・シンガー』という世界で最初に成功したトーキー映画に出演した超人気歌手。
ガーシュイン兄弟がこの人に曲を書いていたんだからスゴイ。
そして、彼の口グセが「You ain't heard nothing yet!」だった。
「アナタはまだナニも聴いていない」という意味から日本では「お楽しみはこれからだ!」という訳が付けられている。
けだし名訳。
ジョルソンはユダヤ系の白人だけど、顔を黒く塗って黒人のマネをして人気を得た(ミンストレル・ショーの借用)。
だから「ain't(=are not)」と「nothing」と、黒人がよく使う二重否定という文法的な誤りを故意に入れているワケ。
1946年のアル・ジョルソンの伝記映画『ジョルソン物語』という作品はよくできていてオモシロいですよ。 おなじみの「Helter Skelter」のイントロが流れると、「You ain't heard nothing yet!」とスミレちゃんが叫んだ!
そうまさにお楽しみはコレからなのだ!…とやる。
そして、すべての演奏が終わったら「Jekyll Ronove has left the building!」で〆る。
コレは自分で調べてください。
ロックに関する極めて重要な英文です。まさにそんな空想通りの展開!ステージ上の4人がひとつのゴールを目指して一丸となった!
エンディング間際…下手のスピーカーの上に移動して来た庄太郎ちゃん。そして…ドラゴン・ファイヤー!ドラゴン・ファイヤーのクリア・ファイル絶賛発売中!タップリ楽しませて頂きました!
やっぱりこういうロックはいいね。
問答無用で素晴らしい。
さっきのスミレちゃんのMCじゃないけど、こうして歳を取ってしまったけど、私は若返ってもう一度人生を歩みたいなんてことは全く思わない。
でもロックだけは、ジキロノが取り組んでいるような1970年代のトラディショナル・テイストに回帰してもらいたいと思っている。
ロックが一番クリエイティブだった時代の「ロック」。
ま、残念なことに「戻る」どころか「絶滅」しそうなんだけどね。
だからジキロノには本当にガンバってもらいたいのだ!コレで楽しかったJEKYLL★RONOVEのシングル『II FACE』の発売を記念するライブの記録を半永久的に残すことができました。
記録しておかなかったらナ~ンにも残らない。
でも、こうしておけば、いつでも、どこでも、行った人はこの時のことを思い出すことができるし、行かなかった人はその様子を窺い知ることができる。
そう、Marshall Blogに登場することは「残す」ということなのです。
それがMarshall Blog!
JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒JEKYLL★RONOVE official site
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