Silex Presents 'Masha & Tatsuya Studio Live & Talk'
ひばりが丘…いかにも青春ドラマの舞台になっていそうな地名ですな。
生まれて初めてやって来た。
その「ひばりが丘」駅の北口から歩いてすぐのところにあるのが…
「STUDIO VITO」…「スタジオ・ヴィトー」という名前を聞いてすぐに連想したのが横浜元町と人形町の水天宮。
ひばりが丘と併せてこの3つの場所は切っても切れない関係にある。
ナンだかわかる?
ま、普通はわからないよ。
まず、横浜元町。
元町商店街の港側のハジッコにあるクレープ屋「ドン」。
ココは古いよ。
以前にもMarshall Blogで紹介したことがあるけど、私が大学生の時にはもうあった。
お年を召したものの、ご主人も相変わらずお元気で40年以上クレープを焼き続けていらっしゃる。
横浜出身の今の家内と元町でデートをした時は必ずココでクレープを食べていた。
私はいつも生クリームチョコだった。
ひばりが丘には今回お邪魔した「ヴィトー」。
そして、人形町の水天宮様のすぐ近くにあるイタリア料理店が「CORLEONE(コルレオーネ)」。
この3つをつなげると、「ドン・ヴィトー・コルレオーネ」。
ハイ、古い映画が好きな方であれば頭の中でニーノ・ロータのあのメロディが流れているハズだ。
「ドン・ヴィトー・コルレオーネ」は1972年公開の映画『ゴッドファーザー(Godfather)』でマーロン・ブランドが演じた主人公の役名。
スタジオの社長さんに店名の由来をお尋ねしたところ、やはり『ゴッドファーザー』というか、コッポラが大好きでいらっしゃるそうだ。
いいスタジオだ。
下は私の映画チラシのコレクションから。
『ゴッドファーザー』の方は50年前にロードショウ公開された時の実物。
誰かから譲り受けてずっと大事に保管してきた。
シネラマで上映したんだねェ。
今、「シネラマ」とか「70mm」なんて言葉を知っている若い人は、よほどの映画好きでなければひとりもいないだろう。
『PART II』は私が中学生の時に公開されてモノスゴく話題になっていたのを覚えている。
チラシはやはり46年前にロードショウ公開された時のモノで、有楽座かどこかで実際に私がもらって来たモノ。
スタジオ・ヴィトーの店内に飾ってあったパネル。
冒頭のシーン。
ギャングの親分、ドンの娘の結婚式の日、ある男が自分の娘に暴行を加えたチンピラに復讐をして欲しいとドンに頼む。
ドンはその男が面倒を嫌ってコルレオーネ一家を敬遠していたことを指摘し、依頼を引き受ける代わりに一家に忠誠を誓わせる場面。
「いつか…その日は来ないかも知れない…何がしかのお願いをしに私が君を訪ねることだろう。しかし、その日が来るまでこの正義は贈り物として受け取っておくがいい」がパネルにあるセリフの直訳。
映画ではこのセリフの後に「…of my daughter's wedding day」ともう少し続いていて、字幕では「いずれ わしが何か頼む事があるかもしれん その日まで裁きは娘の結婚祝いだ」となっている。
「justice」を「裁き」と捌いているところがウマいな。
ドンは特に生徒を募集しているワケではないのであしからず。
さて、このスタジオ・ヴィトーでナニがあったのかというと、タッタリアやバルジ―二やソロッツォらが集まって寄り合いをしたワケではない…くどいか?イヤ~、好きなもんで。
SilexのMashaと石川達也の2人によるライブ&トーク・ショウだ。
Silexもコロナに活動を制限され、大いに苦しんだチームのひとつだ。
後で出て来るが、2人は2016年に開催した第1回目の『Marshall GALA』で初めて共演し、続いてその3年後の『Marshall GALA2』の時も同じチームで出演してもらった。
その直後の2020年の年明けから達也くんが正式にSilexのメンバーとなって活動を開始しようとした矢先にコロナ勃発。
何というタイミングの悪さ!
それから早や丸2年、昨年末のヴァーチャル楽器フェアでMarshallやNATALのデモンストレーションをお願いしたこともあったが、退部活動と言う面においては悶々とした日々を過ごし続けている。
コレはちょうど達也くんがSilexに加入した頃の『Marshall GALA2』の時のビデオ。
この日Mashaくんが使用したMarshall。
1987、2203を弾いてきて、今コレ。
JMP-1を2203のパワーアンプにつないで1960AXを鳴らした。
達也くんのNATAL。
材質はメイプル。
フィニッシュは「メタリック・ホワイト」と白地に細かいラメがまぶされたキレイなヤツ。
達也くんはバスドラム・ペダルもNATAL製を愛用している。
メッチャ踏みやすいのだそうです。
ハイハット・スタンドはスタジオのモノを借用。
予約して頂いたお客さまが揃ったところで早速スタート。
「すごい!スタジオにこんなに人がいるなんて!」
「第1部の司会を務めます石川達也です。
本日はお集まりいただきありがとうございます。
変わった形式でやっていきます。
コロナで思うようにライブ活動ができず、今までとやり方が違っていてもボクたちにできることはないかなぁ~…と思ってこういうスタイルになりました」
「より近い距離で…『ファンサービス』なんて言うと偉そうに聞こえるんで…『交流』?」
「PAを通さない楽器の生音を楽しんでもらいたいと思います」
「そして、こうしたリハーサル・スタジオで大きな音で楽しんで頂きます。
皆さん、あまりそういう経験無いと思いますので、その辺りも楽しんでください。
音が大きすぎたら耳栓を付けてくださいね。
今日は5曲を予定してます。
1部と2部で1曲違う5曲。
おしゃべり込みで1時間くらいを予定してます」
「まず1曲演ってみます」
さすが優しいマシャタツ。事前に用意した耳栓をお客さんに配布した。
「♪ジョコジョ~ン」
音の大きさがどんなものかとMashaくんがチラリとサンプル音を出す。
お客さんの耳のサウンド・チェック。
「こんな感じなんですけど、大丈夫ですか?
耳栓持ってますか?
じゃ、さっそくいきますか!
前のギターとドラムに後ろのスピーカーでベースの音を足しますので違和感あるかもしれませんが、ご了承ください。
歌はありませんので、心の中で歌ってください。
5曲目はマシャ名義、そのほかはSilexの楽曲となります」
1曲目は「Arise」。
2017年にリリースしたSilexのファースト・アルバムのタイトル・チューン。
冒頭からMashaくん、クライング。
爆音のMashaくんは久しぶり。
Silexのライブではおなじみだったこの曲を達也くんのドラミングで聴くのは初めて。
言い換えるとSilexのNATALサウンドは初めて。
双方とてもいい感じ!
Mashaくん、またギターを変えた。
今度はMoon Guitars。
イヤ~、私も好きでね、長野でハコバンをやっていた30年近く前に3本ほど持っていた。
当時あった東京のショウルームまでワザワザ信州から見に出て来た。
今日はキャビがCelestionのGreen Backを搭載した「1960X」とあってキャビネットのサウンド・キャラクター強し。
達也くんのNATALはMarshall GALAや先日の映画の撮影でも使われた勝手知ったるキット。
「ファーストアルバムの1曲目を聞いて頂きました。アレンジが変わってる。
ボク、Silexで人前で叩いたのって、シングルの『In the Light of Destiny』をリリースした時の大阪だけなんですよね。
その1回だけで、発売して東京では何も披露もできていない」
かわいそうに…本当にツイてない!
さっそくトークのコーナーに入って行く。
「『Destiny』を出すに当たり、どうゆうコンセプトがありましたか?」
コレが達也くんが触れているシングル『In the Light of Destiny』。
「2020年4月のリリースですね。
バンド自体は紆余曲折ありました。
「Destiny」は2年前、新しいボーカルズのダンを迎えて『新体制』という希望を込めて作った曲です。
メンバーとの出会いがあったからこその曲で、この『Destiny』を作ったことで自分に自信がついた。
Marshall GALAで達ちゃんと出会い、一緒に演奏して純粋な新メンバーに迎えた。
今までの自分や体制では作れなかったであろう曲ですね。
メンバーを見ながら、そして思いながら完成させた曲。
『このメンバーならではの曲』ということを感じてもらえたらうれしい。
そして、シングルを出せたことがうれしい。
誇らしくさえ思っています」
「また来年、さらに進化した物を出せたらなぁと思っていまして、コンセプトは特にないんですが、Silexならではの曲をたくさん作っていきたいと思っています。
バンドの個性やクセだったり、お互いのことを思った集合体だと思っているので、Silexの今のメンバーの個性を凝縮した個性的なアルバムを作りたいですね。
楽しみに待っていてください」
「デモを聴いた時、すごくシッカリそれがわかりましたよ。
メンバーのことを想像してくれてるんだなぁ…と思いながらデモ音源を聞きました」
コレがMashaくんが言っていた2人が初めて一緒に演奏した2016年の最初の『Marshall GALA』の時のようす。
なつかしいね。
この時は「HE SHRED MASTERS」という名義でオープニングでご登場頂いた。
すごい歓声だった。
それを聞いた瞬間、このイベントは間違いなく「うまくいく!」と思った。
実際うまくいった。
そして、2回目のMarshall GALA2にも2人にご出演をお願いし、コレまたうまくいった!
さて、3回目はどうなのよ?
今年は「Marshall創業60周年」なのに。
この時のようすはコチラ⇒【Marshall GALA レポート】 vol.3: THE SHRED MASTERS
ということで2曲目はその「Destiny」。
Mashaくん、カメラに向かって指差し確認。
チャンと撮ってますよ~!
達也くんお得意の「ベロ出しポーズ」。
コレをすることによって体温を少し下げる。
激情的なイントロ。
メンバーのことを想像して作ったというが、転調を重ねてドラマを積み上げていく曲想はいかにもMashaくんらしい!
ドライブ感あふれるドラミングは達也くんの真骨頂だ!
ソロもMashaくんカラー全開!
端正に構築されたソロ運びはMashaくんならではのもの。
続けて「Destiny」のカップリング曲。
バラードの「Made of Lies」。
「Masha」くんだけにクライング「ましまし」!
この曲はよ~く知ってるんだ。
ナンとならば、Mashaくんと一緒にこのビデオを作ったから。
ココで質問コーナー。
「お客様からボクたちに質問がありましたらどうぞ!」
お客さんの質問に熱心に返答する2人。
こうしたイベントならではの光景。
続けて『Arise』収録のインスト曲「Forevermore」。
この曲って『Marshall GALA』の1曲目でも演奏したんだよね。
その後でこれまで何曲が演奏されたのかは数えたことがないが、『Marshall GALA』というイベントの記念すべきいっちばん最初の曲がこの「Forevermore」なんです。
そして、「体験コーナーあり」のお知らせに続いて最後の2曲を演奏した。
まずはMashaくんが敬愛するジーノ・ロートに捧げた「Wind from the East」。
メロディと丁寧なギター・プレイが完璧にマッチしたパフォーマンス。
「勝手に捧げた」なんて紹介していたけど、その想いが天国のジーノに届くかのような入魂のプレイだった。
そんな思い入れタップリのMashaくんをカッチリとサポートした達也くん。
そしていよいよ最後の曲!
ナント、まだ題名も付けていない新しい曲を披露した!
目の覚めるようなストレートなドライビング・チューン!
ウワ~、こりゃまたエラく作り込んだな~。
Mashaくんらしいわ。
大胆に3/4を取り入れているところなんかもカッコいい。
音源になるのがとても楽しみだ!
「以上で終了です!
今日はご来場いただきましてありがとうございました!」
1時間とチョットの短い時間ではあったが、充実した内容で訪れたファンを存分に楽しませた2人なのであった。
早くSilexとして活動できますように…それまで絶対に止めちゃダメだぞ!MarshallとNATALがいつも応援しているから!
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website
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Reigning Days(レイニング・デイズ)!
このバンド、もう解散しちゃいましてね…なかなかいいバンドだったんよ。
音源はMarshall Recordsオンリー。
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