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2021年2月 4日 (木)

D_Driveと夜のドライブ <新横浜strage編>

 
今日のレポートは、D_Driveのシリーズ企画『Night Drive』。
会場となった横浜アリーナ併設の「strage」に私がお邪魔するのはコレが初めてのこと。
「strage」…「ストレージ」ネェ。
いかにも頻出の英単語っぽいけど、知らないな。
「ヤレヤレ、相変わらずの勉強不足だワイ」と思って英和辞典を引いてみたが、どうにもこの単語が見つからない。
インターネットで調べてみても、やはり「strage」なる英単語は見当たらない。
「きっと造語なんだろう」と調べるのを諦めかけた時にフト思いついた。
「1音節でいかにも英語っぽい字面だけど、コレは英語じゃないんじゃないか?」
そこで調べる範囲を他の国の言葉に拡大してみると…あった、あった!
「strage」というのはイタリア語で「虐殺」という意味だった!
だから発音も「ストレージ」ではなく「ストラージェ」。
あ~スッキリしたけど、ずいぶん物騒なお名前ですな。
 
全く自信はないんだけど、私は外人から比較的英語の語彙が豊富だと思われることがあるようなのね。
ホントに自信はないんですよ…せいぜい『試験に出る英単語』を1冊やったぐらいだから。
それでも、相手が手加減してくれているとはいえ、Marshallのイギリス人のスタッフと電話で1時間ほどミーティングしていて知らない単語に2つ、3つ出くわす感じなので、単語に関しては海外に滞在しても普通にしていれば苦労することはほとんどないワケ。
…ってんで、いい気になって「英検1級」のレベルってのはどんなもんか?とインターネットに出ていた過去問を調べてみた。
マジでビビった。
最初の設問がよくある「( )の中に適切な単語を下の4つから選びなさい」というヤツ。
問題の文章の意味はわかった。
しからば、選択肢となる4つの単語はどんなんかな~?と思って目をやると…なんと!
4つが4つとも見たことも聞いたこともない単語だったのだ!
もちろん私の周りのイギリス人もアメリカ人もそれらの言葉を口にしているのを聞いた記憶もない。
ま、知らない単語だから聞き逃しているのかも知れないが…。
愕然としてしまって2問目にはもう一瞥もくれなかった。
初めから英語に自信なんてないので、落ち込むことも全くないんだけど、アリャもはや通訳級の英語で一般人には「無用の長物」だな。
というか、一種の「競技」?
自分に克つためのアタマの荒行だわ。
デイヴ・スペクターが英検1級を受験して「あんなの受かるワケがない」と言っていた意味がわかった。
でも、同時通訳を目指す人は、勉強の期間中は見たことも聞いたこともない単語を毎日50個覚えるらしいよ。
「毎日50個」だって!

10vステージに並んだD_Driveのデフォルト・バックライン。
この写真を見て他のライブハウスとは何かがチョット違うことに気づいた?20時間になってD_Drive登場!

30Seiji

40vSeijiスペシャルのJVM410Hと1960A。
この「コフィン・ロゴ」と「ECフレット」によるビンテージ・ルックスがSeijiさんのこだわり。
「コフィン」とは「棺桶」のこと。
イギリスではこのフォントは棺桶に取り付ける故人の名を記した銘板に使われる。
実際、忙しくて手一杯の時、Marshallはキャビネットの製造をホンモノの棺桶屋に下請けに出してだしていたことがあったという。
「フレット」というのは、Marshallが「フレット・クロス」と呼ぶ前面に張ってある布地のこと。
「サラン・ネット」とかいう人をタマに見かけるけど、それはウチじゃない。
ヨソでやってくれ。
Marshallは「フレット・クロス」だ。
「EC」は「Extended Check」の略。他によく「グレイのヤツ」と言われている70年代Marshallに採用されていたマス目の大きなチェックは「LCフレット」という。
こっちは「Large Check」の略だ。
イヤね、楽器系の雑誌を見ていると勝手に名前をつけて無神経に記載しているのを見かけるもんで久しぶりにまとめておいた。
ついでに書いておけば、周りをくるんでいるビニールね、「トーレックス」とか言う人がいるけど、それもヨソでやってくれ。
もし本当にMarshallが好きなら「カバリング」と呼んでくれ。50vYuki

60vYukiちゃんのJVM410Hのハーフ・スタックは「Blue Rose Special」。70v以下はSHOW-YAさんの記事にも書いたんだけど…「Blue Rose」のことね。
 
あの人気俳優のジョージ・クルーニーの叔母さんは、歌手のローズマリー・クルーニー。
ニックネームは「ロージー」。
ちょっと鼻にかかった歌声がなんとも魅力的で、「料理はすべてチン」みたいないかにも白人丸出しな雰囲気がメチャクチャかっこいい。

12gc

Rc_2

 そのロージーが偉大なるデューク・エリントンと組んで1956年にリリースしたアルバムのタイトルが『Blue Rose』。
10_12_2ココからは今初めて書く。
 
自然界に青い花は色々あるんだけど、バラはないんだってね。
それが転じて青いバラには「不可能」とか「この世にないモノ」のような花言葉が当てられていたそうだ。
存在しない花に花言葉があるのも不思議ではあるが…。
ところが遺伝子の組み換え技術によって日本の研究者が世界で初めての「青いバラ」を作り出した。2002年のことだっていうからごく最近だ。
転じて「Blue Rose」の花言葉は「夢かなう」となった。
ちなみに、ロージーが「Blue Rose」という曲でナニを歌っているのかと言うと…ナニも歌っていない。
つまりデューク・エリントン楽団によるインスト曲なの。もちろん極上。
だからD_Driveにピッタリの話題だ。
付け足しておくと、デューク・エリントンは、大幅に時代が異なるにもかかわらず、「エリントンがいなかったらマイケル・ジャクソンも存在していなかった」と言われるぐらい、今でもアメリカのポピュラー音楽に多大な影響を与え続けている偉大な音楽家ね。
BrToshi80vToshiくんのEDEN(イードゥン)。
愛用の旧タイプ、WT-800ヘッドにキャビネットはD212XSTとD410XSTのワンハーフ。
今日もコレで暴れてくれます。90vChiiko100vChiikoちゃんのNATAL。
こっちも青だ。
青いラメラメがとても美しい!
110ChiikoちゃんとNATALコンビが叩き出すの激烈フィルからスタートしたのは…

120_grYukiちゃん作の「GEKIRINー逆鱗ー」。
珍しいオープニングではあるまいか?
12s41a0172 続けて「Russian Roulette」。140v_rrみんなで参加する中間の手拍子のパート!150v更に続けたのは「1,000,000 hp」。160_mhp今日はホント、冒頭からスゴい勢いだ。170vD_Driveのレパートリーの中でも一、二を争うアクロバチックなナンバー。180vNAMMのステージで披露した時、お客さんが目を「白黒」させていたのが印象的だった。190vイヤ、一部「目を白青」してた。200v「みなさん、こんばんは!
D_Driveです!
ライブを演るのはメチャクチャ久しぶりです。
9月に本八幡で配信ライブを演りましたが、その時はお客さんは入っていませんでした。
皆さん、お元気ですか?
コロナ禍で大変だと思いますが、そんな中D_Driveのライブに駆けつけてくださいましてありがとうございます!
久しぶりのライブでウキウキする気持ちもあると思うますが、声を出さないで最後までお楽しみください!」

210v続いてのセクションの1曲目は「Gradation」。230v_gd楽しくいこう~!

S41a0151 ヘヴィな3/4拍子のイントロは「Mystery Zone」。
この辺りは単独のライブでないと聴けない曲ね。250_mzコレも久しぶりの「Among the Destruction」。
ちなみにイギリスでは「among」はたいてい「amongst」といいます。
260_ad「ありがとうございました!
ヘヴィなサウンドからお送りしています。
こんな状態で『47都道府県ツアー』もストップしていましてね。
とにかくできることをやろう!という風に取り組んでいます。
Marshallアンプの紹介のビデオとか…みんな見てくれましたか?」270Marshallのビデオとはコレのことね。
このビデオ、Yukiちゃんが独自に内容を考えて作ってくれたんだけど、「わかりやすい!」とか「そうだったのか!」みたいな感想が、一般の方々からだけでなく、プロのギタリストからも寄せられて大好評なのです。


「D_Driveの皆さんは最近どうしていますか?」
440 「最近?そースね~。ギター弾いてますよ~。
自粛言うても限界がありますしね~。
そうそう、最近は朝早く、8:00に起きてます。
8:00に起きるには12:00に寝るようにしないとアカン」
ま、もうチョットするとイヤでも5時に目が覚めるようになるからご心配なく。
すると夜10:00には眠くなるようになります。220「3人に教えてもらってDTMを触り出しました。
わかりやすく言うとパソコンで作曲とかするヤツですね」630「結婚しました。
もう5回ぐらいライブで言っているので恥ずかしくて…。
毎朝8:00に起こしてくれますよ!杉森家のルールです」
大丈夫、20年も経てば起こされなくても毎日朝5:00に目が覚めますから。
すると夜10:00には眠くなるようになります。
640vMCに続いてはYukiちゃんコーナー。

270_dsnお姉さんのYukariさんをイメージして作られた「Shape of Your Life」。
Yukariさん、元気にしていらっしゃるかしらん?

270v_sylそして4人一丸となってのゴキゲンなドライビング・チューン、その名も「Drive in the Starry Night」。

S41a0203

290

300v

310フォーメーションもバッチリとキマって前半終了~!122dis寒い~!
休憩時間は盛大に空気を入れ換えたよ~。320場内の空気がスッカリ入れ換わったところで後半スタート。
見慣れぬ楽器を下げて登場した竿チーム。

335_boSeijiさんの新曲「Break Out」。
ハーモニクスをうまく利用したクールなリフがカッコよろしいナ。

340「Seijiさん作の7弦ギターに挑戦した曲でした!
Seijiさん、この曲は…?」
350「コロナ禍でミュージシャンとして何とも憂鬱な気分を曲にして表現したいと思って作りました。
アタマの中にあった音が6弦のギターでは足りなかったんですね。
ハーレー・ダヴィッドソン(本当は「デイヴィッドスン」)のような重い低音が欲しかったんです」

S41a0500 「イギリスのMarshall Recordsからリリースされました2曲、たくさん聴いて頂いていますか?
色んな所で聴けますのでドンドン聴いてください。
掃除しながら、テレワークしながら、D_Driveかけっぱなしで…。
その2曲を演りたいと思います」370vその2曲とは…
「Thumbs Up」と…145cd「Begin Again」ね。190cdすでにD_Driveスタンダードの一角に食い込んだ感のある2曲。380_ba完璧な演奏でお客さんを楽しませてくれた。390v

400v_tu

410v

420「次も新曲です。
私が作曲しました。
いつものD_Driveとは違う感じです。
私は'レモンちゃん'と'ラムちゃん'というセキセイインコを飼っているんですが、そのインコのことをイメージして作りました。
さすがに'レモン'というタイトルはマズいと思って'Wings'にしました。
元は4分ぐらいの長さだったんですがMarshall Recordsの方から3分台にしろと言われて削りに削って3分半ぐらいにまとめました」
そうなんです。
やっぱり世界を相手にしなきゃイケませんからね。
ビートルズの国からの指令は絶対です。
短くていい曲というのは本当に作るのがムズカシイと思う。
The WhoやThe Kinksを育てたシェル・タルミーが言っていたが、ポップ・ソングは何といっても魅力的なイントロと曲の短さだから。
ジミ・ヘンドリックスですら短い曲を作るのに苦労していたらしい。
とにかく曲…歌詞はその後。
今の日本のポップソングの聴き方は絶対に間違えている…と思う。
D_Driveは歌詞がないのでその辺りは助かってる。43016ビートのカッティングで意表をついておいてからのヘヴィ・リフ。
D_Driveの持ち味をキープしながらドンドン色んなことにチャレンジしてください!450v_wiところでセキセイインコって英語でなんて言うか知ってる?
「budgie(バジーあるいはバッジー)」といいます。
70年代にウェールズはカーディフの出身で「Budgie」というバンドがあった。
人間椅子の重要なレパートリー「針の山」の元はこのBudgieの「Breadfan」という曲ね。
コレがですね、イングランドの北の方の人たちが発音するとハッキリ「ブジー」になっちゃうでしょ。
どう聞いても「ブジー」にしか聞こえない。
も~、最初わからなくてね、バンドのことはもちろん知っているんだけど「ブジー、ブジー」と言われてポカンとしていたら「アレ?シゲはブジー知らないの?ブジー。シゲならブジー知ってるでしょう?」って。
さんざん説明してもらってそれが「Budgie」を指していることがわかったのは2012年にニューキャッスルに行った時のこと。
あの時はエリザベス女王の在位60周年記念でドエラク盛り上がっていた。
そして来年、Marshallが創立60周年なのだ。
D_Driveが何かできるといいね~。Bg続いて「Chanpagne」。
コレもワンマンならではのチョイス。
全編を貫く小気味いいChiikoちゃんのドラムスが魅力の1曲。460曲のハイライトはSeijiさんとToshiくんのバトル。
500D_Driveのライブでは実はあんまり出てこないフリー・フォームのアドリブ・パート。470手を後ろに組んで審判さながらに2人の様子を見守るYukiちゃん。480v放っておけば死ぬまで弾いている2人…。

490そこに割って入っるYukiちゃんのソロで決着をつける。

510結局、優勝はチーさま!

S41a0131 告知のコーナーをはさんでいよいよ最後のセクションに入る。
まずは「Mr. RAT Boots」。

520_ratToshiくんに思う存分暴れて頂いてか~ら~の~…S41a0081締めくくりの「Attraction 4D」。

S41a0299

540vギター・チームの見せ場もバッチリ!

550そして、鉄壁のリズム陣の激演!560vコレにて本編終了!570vアンコールは「Screw Driver」でした~。590v

600

610

620vさて、記事のアタマに戻って…この光景、どこが他のライブハウスと違うか。
マイクが1本も立ってないでしょう?
ギター・アンプにもドラムスにも。
そう、D_Driveはナマの音で演奏していたのです。
早い話、PAなし。
こうなるともうMarshallがないとどうにもならない。
今流行りのデジタルのヤツだとギターの音が後ろまで聞こえて来ないんじゃないかな?
それとNATALの音!
真空管アンプの素晴らしさと鳴りが最高に良いドラムスの音も堪能できる最高の演奏でした。650で、明後日の2月6日、今日のレポートに同じく新横浜Strageで単独ライブです!
その翌日は厚木サンダースネイク。
よろしくお願いしま~す!
 

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive official website

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200 
(一部敬称略 2020年12月19日 新横浜Strageにて撮影)