曾我泰久 Birthday LIVE ~ 5∞ <後編>
「宇宙発公開」と謳った新曲「2020」に続いても新曲を演ることを告げたヤッチン。
自分でも「大丈夫ですか?拍手がだんだん小さくなって来たけど…」なんて言ってたけど、ね~、新曲の披露ってムズカシイですよね~。
ファンとしはもちろん新しい作品は大歓迎なんだけど、コンサートには知ってる曲を聴きに来ているんです…みたいなね~。
え?「違う!」って?
いいの、いいの…わかってますから!そういうものですから。
と言うのは、今イギリス人のベテラン音楽プロデューサーと仕事をしているのね。
やっぱり言ってた…新曲はコンサートでは2曲までにしろって。
そこへ行くと、フランク・ザッパという人は、ほとんど新曲でツアーのセットリストを構成していた。
それを完璧な状態で録音しておいて、スタジオで音を重ね、スタジオ・アルバムとして新作を出していた。
だからレコードで耳にする新曲はほぼすべてがライブ音源だった。
それほど演奏がウマかった。
デヴィッド・ボウイはファンもファンがあんまり昔の曲ばかりを期待するので、「昔の曲はもう一切演らんけんね!」宣言をした。
それで一時期ガックリと人気が落ちたが、イギリス発でまたその人気を復活させたんだからスゴイ。
つまり、イギリスにおけるデヴィッド・ボウイって、うわべしか知らない日本とは存在の意義が全然違うんですよ。
仕方のないことなんだけど。
話は脱線したけど、新曲の話…。
クラシックは違うんだな。
誰も知らない曲を演奏して、それがどれだけウケるかでその作品の将来を決定づけた。
1913年にパリのシャンゼリゼ劇場でスラヴィンスキーの「春の祭典」を初演した時、お客さんの賛否が分かれて取っ組み合いの大ゲンカになった。
それぐらいの作品だからして、「春の祭典」は人類が滅びるまで残り得るであろう偉大な作品として評価され続けているワケ。
加えて海外の人は芸術に対して本当に真剣なんですね。
言い換えると、人間の生活における音楽の価値や意味が日本とは全く異なるんです。
だからこの日、日本橋にお越しになった皆さんはシャンゼリゼ劇場にいたんですよ!
会場の雰囲気は似てるね! さて、その新曲…ヒロアキくんとギターでハモるイントロがまずいい!
I-V-II-IVの王道コード進行。
作詞は野村さん。
ヤッチンが「グッバイっぽい」曲を作ろうと「グッバイぽい」歌詞を野村さんにリクエスト。
結果、なるほど「グッバイっぽい」曲が誕生した…というか、私には「ヤッチンっぽい」曲かな?
実はTHE GOOD-BYEの新作のアルバムのために用意した曲だが、収録曲を選ぶ段階で惜しくも落選してしまったという「いかにも「グッバイっぽい」曲!ホンモノのグッバイは衛藤浩一。和佐田達彦
そして、田川ヒロアキ。ヒロアキくんのMarshallはJVM210Hと1936。ヤッチンもMarshall。
JVM410Hと1960BV。そのまま続けて「ロマンティックゲーム」へ。本編の後半はこの曲だけsourcesのヴァイオリン・チームがステージに上がった。
加賀谷綾太郎
Aメロのペダルトーンとそれこそロマンティックなサビのメロディがメチャクチャ印象的なんだよね。
このサビは時々鼻歌が出ちゃう。
今回ヤッチンはそのメロディを一部大幅にフェイクして歌ったよ。『Special ThanX』から「アカンBe Love」。
この曲はアルバムを聴いた瞬間に絶対定番曲になると思った。コンパクトにまとめたハードなギター・ソロが気持ちいい。
しかし、音がよ~抜けること!「XYZ」…この曲をバースデイ・ライブで演るのは珍しいんじゃないの?
そうでもないか?
葉牡丹はおなじみだけど。
この辺りはショウのクライマックス。
ドンドンいきま~す!
おなじみの「Please believe me」。
「田川くん!」
ヒロアキくんの歌声も冴える!ツイン・リードのイキもピッタリ!「♪時計を回すのさ~」
ホラ!
こないだ市川のブックオフで見つけてその場でカゴに入れたよ。
値段はナイショ。
初めて聴いたんだけど、結構いっしょに歌えた!
しかし、皆さんお若いですな~。
1984年っていうから37年前。
私は大学の4年生だったかな?
アタマ横分けで、スーツ着て、ネクタイ締めて就職活動に燃えていたわ。
今じゃスーツ着るのもシンドいどころか、横分けすらできやしネェ。 「皆さん、楽しんで頂けていますでしょうか?
ペンライトもきれいだし、コッチから見ていると皆さんスッゴイいい顔をしていらっしゃいます。
いっぱいエネルギーをもらっています!
さて、タオルなんぞをお手元に用意して頂いて…『ナイス!』の掛け声とともにココをキレイなお花畑にしてもらいたいんです」
曲はもちろん「Yes! Yes!! Yes!!!」。「浩一!」
衛藤さんまた熱唱!
「♪I love you so」
最後の「ナイス!」
お花畑づくりのご協力ありがとうございました!
熱唱の後の衛藤さんのドラムスがつないだ先は「流されて」。
も~この曲は和佐田さんのベースね。この素晴らしいプレイを支えているベース・アンプはEDEN。
英語圏の人は「イードゥン」と発音します。
サビのヤッチンの熱唱は聴きどころのひとつ。ノッツのホーンセクションがまた実にいい感じなのだ!
ハイ、思いっきり弾いちゃって~! 最後までグリングリンとドライブしまくる和佐田さんでした~!
快感!
後半は新曲から始まって8曲をほぼぶっ続け!大満足のパフォーマンスを届けて一旦ステージを降りた。アンコール。
「皆さん、本当にありがとうございました!
58歳、最高のスタートを切ることができました。
永遠にGo!(←誰かのモノマネ調)
こういう時代ですけどイケるところまでイキたいと思います。
よろしくお願いします!」早速メンバーを呼び込む。
まずは衛藤さんから。続いてヒロアキくん。
ところがなかなか出てこない!
それもそのハズ、ヒロアキくんは次に演奏する曲はお休みでココでよっび込まれる予定ではなかったのだ!
おお~っと!ヤッチン痛恨のミス!珍しい!
ま、このシーンは「58さん(ご破算)」ということで。和佐田さんは本編から続いている超大作のトークをココで完結させた。
もう、和佐田さんはベースだけでなくトークがまた最高に魅力的でしてね~。
昔、クリスタルキングの田中昌之さんとコンビを組んで『しゃべります』というトーク主体のライブをワザワザ八王子まで観に行ったことがあったぐらい。
ヒロアキくんの結婚式の時も最高にオモシロかった。
こうやって上手に話せるといいだろうナァ。
この大作トークのテーマは子供の頃にかけたパーマの話。
そういえば、親戚にパーマ屋がいたせいか、私が幼稚園の時パーマをかけてもらったことがあった。
その髪型を見て、違う親戚の叔母が「なんだ?ビートルズか。それは?」と言ったのを今でも覚えている。
1966~67年ぐらいの話だからね。
まだ『サージェント・ペパーズ』が出たかまだ出ていないかの時分。
考えてみるに、そんなおおよそ海外の音楽に興味なんぞあるワケがない叔母が「ビートルズ」の名前を平然とクチにした。
そして、「パーマ=ビートルズ」という誤った認識が叔母のアタマの中に入力されていた。
私が知っている限りアフロやパンチにしたビートルズの4人の写真は残っていない。
やっぱりビートルズってスゴイ。
形はどうあれ、そんな普通の叔母さんの生活の中にまで入り込んでいたんだから。
今の若い人はビートルズの4人の名前を言うことができないのが普通らしい。
アンコールの1曲目は野村さんを呼び込んでの「悲しきRadio girl」。
Aメロのアレンジがオモシロイ。ノッツのシンセ・ソロ!ココでも和佐田さんのベースがドライブしまくり。今日の最後は戻って来たヒロアキくんとのツイン・リードのイントロから…
「ハダカノココロ」
「ギター!」
ヒロアキくん、最後のギター・ソロもハードにキメた!衛藤さんも大激演!
本編20曲、アンコール2曲。
充実の内容で今年のライブ初めが終了!
「ホントにどうもありがとう!
もう、できることをやるしかない。
まずはうがい、手洗い、よく寝ること、そして楽しいことをイッパイ考えましょう。
免疫力を上げていきましょうね。
今年もまた大変な年になるかもしれませんが、こうして皆さんと楽しい時間を重ねられることで元気をもらっています。
この思いを1年かけて皆さんにお返しできたらな…と思います。
今日は大変なところどうもありがとうございました!」
「本年もよろしくお願いします!」<前編>でお伝えした通り、この日のアーカイブ映像が2月13日まで観ることができます!
詳しくはコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト
2021年のカレンダー好評発売中!
私が撮らせて頂いたライブ写真もたくさんご採用頂いておりますので安心して壁にかけて2021年をお過ごしください。
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com
(一部敬称略 2021年1月9日 日本橋三井ホールにて撮影)