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2020年8月10日 (月)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.51~変わりゆくロンドン <その3>トッテナム・コート・ロードとチャリング・クロス

 
『変わりゆくロンドン』の3回目。
さすがにひとりで10年以上やっていると何度も同じことを書くことになってしまうな…でも、いいの。
見てなかったり、覚えていない人の方が多いから。
何しろ書いた本人の記憶もおぼつかないんだから仕方ない。
ま、3,000本近く書いてるからね。
今回は何度も登場しているチャリング・クロス・ロードとデンマーク・ストリートの話題。
でもテーマは「変わりゆく」だから。
同じ内容にはならない。
それどころか、もう何度も「名所めぐり」に出てきているデンマーク・ストリートで新しい大発見をしてしまったのだ!
古き良きブリティッシュ・ロック・ファンの皆さん、乞うご期待!
 
さて、今私が立っているのはオックスフォード・ストリートとチャリング・クロス・ロードの交差点。

9_2背中はコレ…「Tottenham Court Road Station(トッテナム・コート・ロード駅)」。
私が初めてココに来た時、この駅舎がある場所には中国人が経営していたのであろうか、外の看板に漢字がズラ~っと並ぶ大きなフィッシュ&チップス屋があった。
一度だけ入ったことがあった。
フィッシュ&チップスの「フィッシュ」の具は何と言っても「Cod」や「Haddock」等のタラ系が主役だが、この店にはエビだのシャケだの色んなモノを揚げていた。
ナニをオーダーしたかは覚えていない。
店の写真を撮っておけばヨカッタ…。
105_2そうそう、タラで思い出した!
最近オモシロい話を聞いた。
あのグルメご用達の「ミシュラン・ガイド」っていうのあるでしょ?
アレの審査員ってタラとサバの区別も出来ないのが普通らしいよ。
全部「fish」…フランスだから「poisson(ポワソン)」か?
ちなみにフランスではエイプリール・フールのことを「Poisson d’Avril(ポワソン・ダヴリル)」という。
意味は「4月の魚」。
ココまでは知ってる。
でもこの魚が一般的に「サバ」を指すことは知らなかった。
サバはオツムが弱く、4月になると簡単に釣ることができるようになるかららしい。
で、ミシュランの審査員ね…コレは仕方ないと思うんですよ。
ナゼなら、西洋はフォークとナイフでしょ?
我々のように器用に箸を操って魚一匹を解体して食べるなんてことがない。
魚料理となると、いつでも切り身をソテーしたり、練ったり、揚げたり、魚の形のまま食べる機会がまずないので種類なんてわからないんだろう。
それじゃ、まるで「目黒のさんま」だ。
そもそも魚を焼くことを禁止しているアパートが多いと聞いた。
ニオイがイヤなんだって。
勇気のある人、大島のクサヤかなんかを持って行って焼いてみたら?
 
コレは「Marylebone(マリルボン)」にある魚屋。
こうして魚屋では魚の形のまま売ってるけどね。
ウインドウに写り込んでいるのは私。
6月なのにダウンジャケットを着ています。
今年の暑さはスゴイって!
ロンドンでも35℃だっていうからね。
でもエアコンがないのが普通なんだよ。
Marshallの事務所もエアコンが付いていないことは何度か書いた。

11_img_0712 トッテナム・コート・ロードの駅に戻って…。
滅多にこの駅を使うことはないんだけど、昨年、超久しぶりにホームに降り立った。
「スカル・シェーバー」いいナァ。
90秒でバッチリだぜ。
この写真を撮った時は父の日が間近だったのでボーナスで替え刃が付いていた。
買っておけばヨカッタな…。

Img_9529ホームの壁面にはこんなタイル細工が施してあって楽しい。

Img_9531デンマーク・ストリートが近いせいか楽器をモチーフにした図柄も見受けられる。

Img_9530シャーロック・ホームズの話を紹介しているベイカー・ストリート駅のように、ロンドンの地下鉄には近隣の名物や由来を展示している駅がいくつかあってとても興味深い。
最近は東京の地下鉄でもそういうのをチョクチョク見かけるね。

Img_9532いいね~、トンネル式のコンコース。
ホームのデコレーションだけでなく、駅の作りやこういうコンコースの作りを見て歩くのもロンドンの地下鉄の楽しみのひとつ。

Img_9535好きでしてね~、ロンドンの地下鉄…。
昨年もMarshall GALAの時、Marshallの人に頼んでわざわざイギリスからこの本を買って持って来てもらっちゃった。
忘れ去られてしまっているロンドンの地下鉄を探訪する…みたいな本。
11_0r4a0209さて、地下鉄だけにコンコースで脱線。
私はサッカーには何の興味もないんだけど、「アーセナル」という名前ぐらいは知ってる。
それで「Cockfoster(コックフォスター)」というピカデリー線の東の終点の駅に行った時の帰りに寄ってみた。
駅からすぐのところにこのバカでかいスタジアムがあったね。
隣はもう民家なのよ。
11_rimg0041 「アーセナル」のスタジアムがあるのはやっぱり「アーセナル駅」ですわな。

11_rimg0050 ココのコンコ―スが断然スゴイ!
もう『大脱走』か、松代の大本営跡か、というぐらいの長大トンネル!

11_rimg0052行けども行けどもホームにたどり着かない。
コレはもしかして施工ミスではないのか?
間違えて設計図と違う所にホームを造ったに違いない。
あるんですよ。
トンネルを両側から掘削していて、いつまで経ってもこっち側と反対側の切羽(穴を掘り進んでいる一番先端のところ)がハチ合わせにならない。
それもそのハズ、片方は上に、もう片方は下に掘り進んでしまっていた…なんてドリフのコントみたいな話を聞いたことがあった。
今はレーザー光線の直進性を利用したり、計測の技術が飛躍的にアップしてmm単位の誤差もなく設計通りにトンネルを掘り進めることができる。
それでも25年ぐらい前、私が長野自動車道のあるトンネルの現場を担当していた時に、他の現場で掘削中に進路のズレが発生してしまい、途中で軽微な設計変更をせざるを得なかった…なんて話をその現場のゼネコンの人から聞いたことがあった。
 
とにかくこのアーセナル駅はオモシロいよ~。
私は知っている限りでは、ココのコンコースが一番フザけているな。
フィンズベリー・パーク駅もいいコンコースだけど、アーセナルの比ではない。

11_rimg0053 はい、軌道に戻ってトッテナム・コート・ロード駅。

Img_9537トッテナム・コート・ロードの交差点にある「The Flying Horse」というパブ。
ココはいいですよ~。
オックスフォード・ストリートに面して営業している唯一のパブ。

Img_9545その並びにはかつて大きなVirgin Mega Storeがあった。
地下には、「Sound Control(サウンド・コントロール)」という恐らくはロンドンで一番大きかったであろう楽器屋があった。
Marshallの三段積みがズラリと並んでいてね~。
立派なお店だったけど洋服屋になっちゃった。
その楽器屋さん自体の経営が立ち行かなくなってしまったんだね。
チェーン店の楽器屋といしてもイギリスで一番大きかったんじゃないかな?

11_vmsoコレはそのヴァージン・メガ・ストアで買った『This Is Spinal Tap』のDVD。
当時、日本ではリリースされていなかった。
この数年後、日本で映画が初公開され、まさかそのお手伝いをするなんてコレを買った時には想像すらできなかったな。

その様子はコチラ⇒映画『スパイナル・タップ』を11倍楽しむ
 
14サウンド・コントロールが洋服屋になっても、ヴァージン・メガ・ストアはしばらくの間残っていた。でも、結局「hyper hyper」とかいう洋服屋になっちゃった。
変わりゆく~。

15vそして今は「Primark(プライマーク)」。
プライマークは許す。
イギリス版ユニクロね。
さすがロンドンの最中心地、変わりゆくスピードが他とは違う!

16ところがココのプライマークがヒッデエの!
そんなロケーションだけあってこの店舗はいつでも混んでるんだけど、日曜日の夕方にパジャマと下着を買いに行ったワケ。
大型店舗ゆえ、レジがズラ―っと並んでいるんだけど、そこで対応している店員は2人だけ。
当然、レジ待ちの列はアホほど長くなってみんなキューキューしてる(ココ、イギリスで「列」を意味する「queue(キュー)」のシャレになってます)。
他にも店員は大勢いるのに!
でも、列に並んでいるお客さんは誰ひとりイライラしている風ではない。
私だけカリカリ、イライラ、ムカムカ…。
今朝、テレビのニュースでやっていたけど最近は「レジハラ」っていうのがあるんだって?
客がレジの人に向かって狼藉を働くヤツ。
もう私なんかそれになっちゃいそうだった…でも、英語でそれをやったら返り討ちに合うのはわかりきっているので大人しくしていたけどよ。
軽く1時間は並んだゼ。11_img_9544 トッテナム・コート・ロードの交差点をチョット過ぎたあたりのチャリング・クロス・ロード沿い。
ライブハウスの「UFO Club」はどうもココにあったくさい。
色々と調べてきたんだけど、確かなことがわからない。
「UFO Club」といえば、Pink Floydのかつての本拠地ですからね。
その後を引き継いだのがSoft Machine。
「UFO」は「ユーフォ―」と読んでいたらしい。
「ユーエフオー」と読むのかとばっかり思っていた。Img_9555トッテナム・コート・ロード駅の地上に出たところ。
いきなりこんなストリート・パフォーマンスを演ってる。
こんな繁華街で考えられん!
演奏しているのはただの有名曲のコピー。
オジさんゴミ箱にもたれて爆睡してる。
そういえば、海外から来た誰かに言われたんだけど、Marshallの社長だったかな?…東京ってゴミ箱が全く無くなったよね?
いつかの「ナンジャラサミット」以来か?
それなのにこんなに街が清潔なのはスゴイ。
ロンドンだったら、もうゴミだらけになってるゼ。
バスの向こうに見えているのは「Dominiaon Theatre(ドミニオン劇場)」。

106_2ドミニオンの前にはこうして随分長いことフレディが「デ~オ」だった。
調べてみるとドミニオンでの『We Will Rock You』は2002年の3月に始まって2014年の3月まで、4,600回の堂々たるロングラン。
私が観た時は200回記念とか言ってブライアン・メイが出て来て「Bohemian Rhapsody」のソロをナマで弾いてたからね、大分前のことだった。
その時点で客の入りもそれほど良いワケではなくて、正直、アレがこんなロングランになるとは予想できなかった。

10vこうしてスコンとなくなってしまうと寂しいね。

11_2昨年6月のようす。

125_2これは上とは別の日に撮った写真。
『BIG』の看板が上がった。
この3か月後の9月から11月までドミニオンで上演されたそうだ。

12_2トム・ハンクスの映画『ビッグ』のミュージカル版。
私はブロードウェイのシュバート・シアターでオリジナル・キャストの公演を観たんだけど、すごくオモシロかったし、音楽もすごくヨカッタ。
あの床のピアノがある「FAOシュワルツ」がすぐ近くだからね。
『My Fair Lady』をコヴェント・ガーデンで観たり、UFOのPhil Moggが歌う「Lights Out」をロンドンで聴いた時と同じ種類の感動。
自慢に聞こえたらゴメン。

11_0r4a0218ロンドンの神保町「Charing Cross Road(チャリング・クロス・ロード)」。
この通りをテムズ川に向かって行き…

20トラファルガー広場を過ぎて左に曲がったところにロンドンで5番目に大きなターミナル駅、「チャリング・クロス駅」がある。
ケントの「Sevenoaks(セブンオークス)」という所に行く時に一度だけ利用した。

12img_0130このトッテナム・コート・ロードの交差点周辺は再開発の工事が盛んだ。
しかし…一体、コレ何年やってるんだ?
私が見ている限りでも、短く見積もっても8年は続いているのではなかろうか?
前回家内と来た時、ココで大きなターバンを巻いて休憩しているインド人の工事人夫を見かけた。
「こんなところでもターバンを巻いていなければならないの?」と、インド人より家内がビックリ。
今にして思うと、アレって絶対ヘルメットかぶれないよな。
どうしてるんだろう?アブないぞ。

30こんな状態の時もあった。
一時期はチャリング・クロス通りが直進できなかった。
左にチョコっと見えているビルはEMIのロンドン本社かな?
今はケンジントンの方に移っている。11_img_1827 去年の様子。
いつ工事が完了するのかは知らないが、この周辺は跡形もなく変わりゆくだろう。

40この辺りには「London Astoria(ロンドン・アストリア)」というコンサート会場があった。
2009年に廃業してしまった。
たくさんのロック・バンドがライブ・アルバムやライブ・ビデオをココで録っているが、割合新しめのが多く、私の心にグッと来るアイテムがなかったので例は挙げない、ゴメン。
開業が1976年と遅めだからだな。
この前を通ると「木曜日はゲイの日!」なんて看板がかかっていて、最初に見た時はチョット驚いたものだった。

50テムズ川方面に向かってチャリング・クロス・ロードを望む。
「FOYLES(フォイルズ)」はイギリスで一番の本屋なの。
この来歴がオモシロい。
1903年に公務員試験に失敗したウィリアムとギルバートのフォイル兄弟が大量に保有していた公務員試験用の教科書を売却。
その教科書がバカ売れし、持っていた点数以上の注文を受けてしまった。
一体、どれだけ持っていたの?…というか、それほど勉強していたにもかかわらず合格できないイギリスの公務員試験ってどこまでムズカシイのよ!
ハハン…私もそうだったけど、フォイル兄弟は試験前に資料をコピーしただけで勉強した気になるタイプだったんだな?
とにかく、「コイツぁ商売になるぞ」ってんで、自宅で古本屋をスタートさせ、1906年からチャリング・クロス・ロードに店舗を構えイギリスでNo.1の本屋さんになっちゃった!
ナニせ本棚の専有面積と書籍の数に関しては世界最大の書店としてギネス・ブックにも登録されていたらしいよ。

60v確かにいい本屋なのよ。
上の方の階にはクラシックを中心としたCDのコーナーもあって、音楽や美術関係の書籍の品揃えも豊富。
コレは去年の6月のショウ・ウインドウのようす。
英語の教科書のディスプレイ。
店内でもハデに宣伝していて危うく買いそうになっちまったが、グッとこらえた。
買って帰ってもどうせやらねーから。
東京駅の八重洲口の向かいにある「八重洲ブックセンター」は姉妹店なんだって。
そういえば「八重洲ブックセンター」にも他の書店ではまず見かけないオモシロそうな英語の参考書がズラリと並んでるのよ。
アイツらグルだったんだな~。
70私がFOYLESで買った本。
ま、どこにでも売っている本なんだろうけど、「フォイルズで買った」ということで。
一番右は「アナタのアクセントを取り除く」イギリス英語発音の本。
ゼンゼン取り除かれないよ。
もっとも熱心にやっているワケではないんだけど、イギリス発音に憧れて意地でアメリカ英語を忘れようとしているんだけど、そんなことをしているウチにすっかりワケがわからなくなってきた。
とにかくイギリス人と接する時には「r」で舌を巻かないこと、そして「t」だの「k」だのの子音はハッキリ発音すること、コレだけはナントカ励行できているつもり。
その代わりアメリカ人と話す時は犬神凶子さんよろしく、徹底的に舌を巻いている。
そうそう、よく日本人が「♪Happy birthday to you」を英語っぽく歌っているつもりで「♪ハッピボーッデイツーユー」ってやっているのを見かけるが、アレだけはマジでヤメて欲しい。
恥ずかしくてトリハダが立っちゃうのだ。
11_0r4a0224上にチャリング・クロス・ロードは「ロンドンの神保町」と書いたけど、そうなの。
本屋や古本屋がチョコチョコと並んでいてね、もう大好き。

11_img_8358下は「Cecil Court(セシル・コート)」という小さな古本屋が集まった路地。
どうせ買っても洋書は読まない…というか読む根気がないので滅多に買うことはないが、この雰囲気を味わうだけでシアワセ。
ちなみに「世界一の古本屋街」と謳われる神保町は、元々は新潟の長岡の方が古本屋を開店したことに始まり、同郷の人を誘ったことからあの辺りに古本屋でき始めた。
よって神保町の古本屋さんは長岡出身の方が多いらしい。

11_img_8338フォイルズのとなりにあるのがコレ。
「The Montagu Pyke(ザ・モンタギュー・パイク)」という大型パブ。
値段が安いことで人気の「Wetherspoon(ウェザースプーン)」系列の店。
いつも繁盛しているのは変わらない。

80ココが今のパブに変わる前はMarqueeの第3号店だった。90Marqueeに変わる前は「The Montagu Pyke」という1911年開業の映画館だった。11_img_0758だから店内がこんなに広いのね?

11_img_8344The Whoのバナーが飾ってあるけど、The Whoはこの3号店には出てなかったんじゃないかしらん?

11_img_8345入り口のところに飾ってある案内板。
見ている人は誰もいない。
いつも私だけだ。

11_img_0761チョットすいません。
色々書いていたらエラく長くなって来ちゃった。
この先、このまま「デンマーク・ストリート」をやろうと思っていたんだけど、次に出て来る話題があまりにも長くなってしまったので、それが終わった時点で1回区切って終わりにします。
100さて、そのモンタギュー・パイクを過ぎて次のブロックにあるのが「Palace Theatre(パレス・シアター)」。
「Royal English Opera House(王立オペラ劇場)」として開業したのが1891年。
オモシロい背景があってココに書きたいんだけど長くなるので止めておく。
「Listed Building」のGradeII*の指定がかかっている。
 
下は2012~13年にかけての様子。
『Singin' in the Rain(雨に唄えば)』を上演していた。
タマタマ公演が終了した時に通りかかったんだけど、地方から来ていたのかナァ?
おジイちゃん、おバアちゃんの団体さんが劇場の前の「Cambridge Circus(ケンブリッジ・サーカス)」を埋め尽くしていた。
ま、私もおジイちゃんとして、この演目には文句なし。
舞台に本当に大量の雨を降らすのが話題になったんじゃなかったっけ?
これだけ大量のおジイちゃん&おバアちゃんの団体さんなんだけど、日本のそうした方々とはゼンゼン雰囲気が違うんだよね。
お年寄りはお年寄りなんだけど、みんな背が高くて姿勢が良くて、当たり前なんだけど洋装が似合って、白髪で、色が白くて、目が青くて…いわゆる「年寄り臭く」ない。

Img_7941今は「Harry Potter」を上演している…イヤ、していない。
コロナ禍で今年の3月に一旦打ち切られている。
1度でいいからこの劇場に入ってみたいと思っているんだけど、ハリー・ポッターじゃナァ。
とにかく、パレスシアターはチャリング・クロスを歩いていて一番目立つ建造物であることは間違いない。

0r4a0681チャリング・クロス・ロードと交差するのシャフツベリー・アヴェニューをチョット入って行った右側に「FOPP」というCD屋がある。
写真の右側、ロールス・ロイスの後に写っている建物ね。
ココも何年か前に持ち主が変わったのか、店名が変わったな。
前は「Zaza」とか「Zizi」とか、「Vivi」とか、そんなような名前だった気がする。
そのCD屋は通常品の他に売れ残ったのであろうCDやDVD、それに本を扱っていて、結構色んなのを買ったな。
為替が有利な時にはそうしたアイテムをメチャクチャ安く買うことができる。
去年行った時にはいいのがなくてなんにも買わなんだ。

Img_0409その手前のマック。
何やらプラークが取り付けられている。

Mc『84 チャリング・クロス・ロード
ヘレーネ・ハンフが書いた本によって世界的に知られることになったMarks & Co.という本屋がかつてココにあった。』

Plaqueそう、チャリング・クロスといえば『チャリング・クロス街84番』…コレをやらないと!
 
下がその舞台の「Marks & Co.」という1920年代に開業した本屋。
チャップリンやジョージ・バーナード・ショウが客としてよく来ていた。
チャリング・クロス通りにはこういう古式ゆかしい本屋が今でもチョコチョコと残っている。

Marksコレがその本屋を世界的に有名にしたヘレーネ・ハンフの『84, Charing Cross Road』。
1950年代のはじめ、ニューヨークに住む女流作家が「Marks & Co.」に手紙で中古の本を注文する。
その注文を受けたマークスの主人であるフランクが真摯な対応で本を販売したことから、大西洋を挟んだ文通が始まり、その交流はフランクが死ぬまで20年も続いた。
しかし、最後まで2人は面会することはなかった…という、静かな大人のラブストーリー。
コレ実話で、実際のヘレーネとフランクが交わした手紙で構成した手紙文学。
下の本がどういうタイミングでの版なのかは知らないが、向かって右はアメリカのポスト。
左はイギリスのポスト。
実にカワイイじゃありませんか。
ま、私はこの本を読んだワケではござんせんが…。

11_2book でも、映画はDVDで観た。
邦題は『チャリング・クロス84番地』。
正式な原題は『A big love affair that began in a little bookstore at 84 CHARING CROSS ROAD A true story. (チャリング・クロス街84番地の小さな本屋ではじまった大きな愛のできごと 真実の話)』というようだ。

Filmこの作品、制作がメル・ブルックスなんだよね。
メル・ブルックスは『ヤング・フランケンシュタイン』などのヒットで知られるコメディ映画監督/俳優。
中学1年生の時に数寄屋橋の「ニュー東宝シネマ1」に観にいったな~。
ジーン・ワイルダーって苦手なんだけど、コレは最高にオモシロかった。Yfそれと、この『ブレージング・サドル』なんてのも私が中学2年ぐらいの時に封切りになって話題になっていた。
コレは観たかどうか覚えていない。Bsヘレーネを演じたのは『卒業(Graduate)』のミセス・ロビンソンを演じた名優アン・バンクロフト。
メル・ブルックスとアン・バンクロフトは2005年にアンが亡くなるまで夫婦だった。
Mr私はロビンソン夫人より「サリバン先生」の方が印象が深いかな?
ヘレン・ケラーの伝記映画『奇跡の人(The Miracle Worker)』ね。
アン・バンクロフトはコレで1962年のアカデミーで主演女優賞を獲得。
ヘレン・ケラーを演じたパティ・デュークも助演女優賞を獲った。
私は45年ぐらい前に1度しか観たことがないんだけど、下は確かヘレンが初めて「水」という言葉を口に出そうとしているシーン。
「『ウォーター』って言ってごらん!言いなさい!」とサリバン先生。
ヘレンは懸命に「ウオーアー」と発音する…と、そんな感動的なシーンだった。
「水」はヘレン・ケラーが初めて口にした単語なのだ。
ヘレン偉い!
イギリスに行けば「water」を「ウォーアー」と発音している人は珍しくもナントもないんだけどね。

Hk_2本屋の主人、フランクを演じるのはハンニバル・レクター。
大丈夫、この映画ではカジッたりしないから。
物静かで、重厚で…実にいい演技だ。Hlフランクの奥さんを演っているのはジュディ・デンチ。
デンチといえば「エリザベス1世」。

有閑マダムに食人鬼に女王様…なんとスゴいキャスト!
もっとスゴいのはこの映画、ナント、日本未公開~!
ま、「名画」とは言わないけど、なんで公開しなかったんだろう?
こういうところに日本人のエンタテインメントに対するセンスの悪さというか民度の低さを感じざるを得ないんだよね。
『スパイナル・タップ』なんかも悪い方の良い例だ。Er1でも、公開しなかった理由がわからなくもないような気もするな。
というのは舞台となった1950年代のイギリスの社会的背景を知らないとオモシロくないかもしれない。
例えばヘレーネがポンドではなくてドルで送金するところ。
今は「ポンド」とその100分の1の補助貨幣「ペンス」の2種類しかないので何も難しいことはないが、1971年まではその間に「シリング」というもうひとつの補助貨幣が存在した。
コレがややこしい。
1ポンドは20シリング。
1シリングは12ペンス。
だから50年前までは1ポンドは240ペンスだった。
ヘレーネはコレがややこしくてわからない。
だからドルで払っちゃう。
Roxy Musicの「Three and Nine」はそのあたりのややこしさを歌った曲。

2s それからイギリスの配給制度。
イギリスは第二次世界大戦が終わった後、1954年まで配給制度が布かれていた。
戦争画終わってから9年ですよ!
食料や衣料など、徐々に制限は緩和していったんだけど、1954年の最後まで配給の対象になっていたのはバナナだったんだって。
コレ、この映画の中にちゃんと出て来る。
おかしな話でドイツやフランスの方がイギリスより早く配給制度が終了した。
コレは戦争に勝ったイギリスのカッコつけで、自分たちは配給制を続けて、そういった国々に優勢的に食料を回していたらしい。
一種のノブレス・オブリージュだったのだろうか?
庶民はタマったもんじゃない。
よく「イギリスの食事はマズイのは産業革命で忙しくて食事どころではなかった」という話を聞くが、「食えさえすればいい」という戦後のこうした食料事情もあったらしい。
それとジャガイモとパンは戦後の1947年に配給制になった。
この配給は50年代に入る前には解消したが、コレは戦争ではなく農作物の不作によるものだった。
そんなせいか、映画の中ではパンを丁寧に切り分けるシーンが出て来る。
下の写真の左下は戦時中の配給手帖。

11_0r4a0820エリザベス女王の戴冠式の様子をテレビで見ていて、女王が画面に映ると見ていた家族全員が思わずイスから立ち上がってしまうシーンとかね。
上で紹介したセシル・コートもチラリと登場する。
もうひとつ、コレは後で知ったことなんだけど、この本屋さんの創業者、Benjamin Marks(ベンジャミン・マークス)の息子のLeo Marks(レオ・マークス)は戦時中ブレッチリ―・パークで暗号解読の仕事をしていたんだって!
私はこの映画、メチャクチャよかったです。

Img_0405今日出て来た「トッテナム・コート・ロード」と前回やった「ソーホー」という名前だけはアタマに入れておいてくださいまし。
ああ、今日はロンドンではなく、記事の内容が変わってしまった!
 

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