厚真町復興LIVE in 東京~小寺聖夏ワンマンLIVE
2018年9月6日、『北海道胆振(いぶり)東部地震』発生。
最も高い震度は北海道で初めて観測された「7」。
その震度7を経験したのが勇払(ゆうふつ)郡の厚真(あつま)町だった。
甚大な被害を被った厚真町の復興をサポートする『厚真町復興LIVE in 東京』と銘打ったコンサートが今日のライブ・レポート。
TAZZYちゃんはMarshall。
え?…そうなの、あの2回のMarshall GALAで私を完璧にアシストしてくれたあのTAZZYちゃん。
こっちの姿が本職ね。
思慮深く、実直な人柄ということもあったけど、こうしてミュージシャンとしてのノウハウを持っているのでGALAでの私のアシスタントをお願いしてきたのだ。TAZZYちゃんの愛器はSilver Jubilee 2555X。
この日のキャビネットは1960BV。
1曲目は「Grasp」。
「grasp」というのは「ギュッと握る」とか「把握する」という意味。
三味線の音色がアクセントの軽快なアンプ・テンポ・ナンバー。
この曲調に三味線の音はかなり新鮮ですよ。
少なくとも私は過去に聴いたことがありません。
そして、この聖夏ちゃん…とってもスゴイ方なのです。その話は追って…。
続いてはスローなシャッフルの「深呼吸」。
そして「Even if」。
ゴメンね、こんな話ばっかりで…でも、なんかタイトルが気になるナァ…。
「even if」は「たとえ~だとしても」。「もし」の内容がNGだとしても、アーダコーダとやる譲歩の表現ですな。
似たようなヤツに「even though」があるけど、「if」は「もし」の内容が「仮定」の場合、「though」はその内容が「事実」の場合、と使い分ける。
…とどうでもいいことを書いてるけど、どうにも素晴らしいのが聖夏ちゃんの歌声。
「ミディアム・テンポのバラード」とでもいうのかしらん?とてもいい感じ!
その聖夏ちゃんの歌を完璧なハモリでサポートする佐代子さん。
アッラ~、チョット調べさせて頂いたら、王様のサポートでThe Whoを演奏されたりしてるのね?
王様もずいぶんご無沙汰しちゃってるナァ。
久しぶりにお会いしたいナァ。
カバーも含まれていたけど、基本的に曲は聖夏ちゃんのオリジナル。
コレがどれもチョチョイとヒネってあって実にオモシロい。
最近、「~のカバー曲を演ります」っていう場面に出くわす時、そのカバーの元を曲を知っていることが極端に少なくなったな。
それと圧倒的にわからないのがテレビに出て来る若い男優さんね。
出演作に全く興味がないこともあるけど、みんな顔が似通っていて見分けがつかん!
TAZZYちゃんは数曲でアコースティック・ギターも披露した。
お、TAZZYちゃんのペダルボードの中に「Marshall」印のピックケース発見!
思いのたけを込めた「歌」を佐代子さんのキーボーズに乗せて聴くものに感動を運んだ。
休憩の後の第2部は「あの約束」から。
聖夏ちゃんは白いブラウスにお召し替えをしての登場だ。
松本さんの円熟のプレイ。
外道のギンギンの松本さんと同一人物とは思えん!
「♪君を幸せにするって本気で思ったから」…んん~、今の私にはかなりグッとくるな~。理由はヒミツ。
ココで再度カバー曲。
ネタは「はじめてのチュウ」…キテレツね。
コレはウチの上の子が小さい時に見ていたので知ってる。
それを英語版で!
この曲も人気がある曲ですな。
あいらしいかしとメロディがウマい具合に絡みあって、サビのサブドミナントマイナーで感動を呼び起こす。
人の心を揺さぶる曲の多くはクロマチックをうまく使っている…というのが私の持論。
今、その最高峰だと思っているのはレナード・バーンスタインの「I'm so Assimilated」というミュージカルあるいはオペレッタの挿入歌。
興味のある人は聴いてみて!
「東京」という曲。
この曲もカバーなのだそうだけど、オリジナルの方のお名前を伺ったが…ごめんなさい、やはりわかりませんでした。
ひとつ言えるのは、「東京」に関する曲を作ることができるのは東京出身ではない方々の特権だ…と思う。
「三味線メドレー」と題して聖夏ちゃんの三味線をフィーチュア。
ところで冒頭で聖夏ちゃんのことを「スゴイ人」と書いたが、スゴイ人なのだ。
3歳から民謡、5歳から三味線とピアノを習い、現在では創設60年の歴史を持つ「日本郷土民謡協会」の全国大会で、7歳の時にグランプリを受賞。
そして、8歳でブラジルで三味線と民謡を披露したという。
さらに!10歳でニューヨークのカーネギーホールで三味線と民謡を披露したのだ!
アンドリュー・カーネギーだよ~。鉄鋼王だよ~。
私も何回か経験あるな、カーネギー・ホールは…前まで行った。
パンチーでシャープな辻さんのドラミング。しかし、歌の邪魔は絶対にしない。
この日、辻さんとは初対面だったが、共通の友人がいたこともあって楽屋で色々と話し込んでしまった。楽しかった。
その上、NATALをご存知でいらっしゃってね、「NATALは無名じゃないですよ!」っておっしゃってくれた。うれしかった。
図太いMarshallサウンドでサポートに徹するTAZZYちゃんのプレイも気持ちヨカッタ!
お供をしたのはMarshall Silver Jubilee!
最後の最後はにぎやかに「Life is Box of Chocolate」。
フォレスト・ガンプですな?
イヤ、先週たまたまMarshallの連中とアナハイムの「Babba Gump」に行ったばっかりだったんですよ!
みんな口々に「Life was like a box of chocolates. You never know what you’re gonna get」ってやってた。
ところが!
ナント、聖夏ちゃん、ガンプを知らないでこの曲を作っていたんだって!
きっとフォレストのように心が美しい方なのだ!
バラエティに富んだ聖夏ちゃんの音楽を完璧にサポートした4人!
とてもいいライブだった!