BLINDMAN INDIVIDUAL SHOW~LIVE TOUR 2018-2019 SUEVIVE TO REACH FOR THE SKY
まだまだ続くビンテージ・ギグ・レポート。
取材にお邪魔した公演は、よっぽどの問題が発生しない限り全部記事にして掲載しますのでよろしく。
…ということで今日は8月17日に目黒鹿鳴館で開催されたBLINDMANの単独公演。
以前から「ツーマン、スリーマン」と言う表現がアホ丸出しで大キライだった。
反面、「ワンマン」という言葉は古くから日本に定着している言葉なのでそれほど気にならなかった。
ナゼ定着していたかというと、私の世代では何と言っても「バス」でしょうな。
私が幼なかった頃は都内のバスでも2人のスタッフが乗っていた。
1人はもちろん運転手。
そしてもう1人の乗務員は車掌で、毎回硬い厚紙の切符を買ってその車掌さんにハサミを入れてもらって乗車するのが当時のシステムだった。
ノンビリしてたよな~。
今じゃ、「上司がAI」という企業もあるんでしょ?
ホント手塚治虫の空想の世界がドンドン実現しているじゃないの。
もうすぐロビタもムーピーも現れるよ。こうなりゃ「火の鳥」だって見つかるかも知れんぞ。
で、運転席の隣に切符販売機を搭載して、車掌をお役御免にした時からバスの先頭に「ワンマン」という表示が付くようになった。
この言葉は、他に自己中心的な人物を指す時に「ポール・マッカートニーってビートルズの中ですごくワンマンだったんだって」みたいな使われ方がされていたけど最近はあんまり聞かなくなった。
今では何と言ってもコンサートだよね。
で、「ツーマン、スリーマン」を忌み嫌いすぎたせいか、「ワンマン」という言葉にも疑問を抱くようになった。
そこで、英語の故郷であるイギリスの人に何人か尋ねてみると、「ワンマン・コンサートとかソロ・ライブというのは、1人のメンバーがバンドから離れて開くコンサートのことを指す」と教えてもらった。
彼らのアタマの中には「ワンマン」が「対バンなし」という感覚が全くないらしい。
しからば、バンドがひとつしか登場しない「単独公演」のことを英語で何と言うか…。
この質問をすると皆さんさんざん考え込んだ挙句…「ん~。ないな。特別な言葉はない。コンサートってひとつしかバンドが登場しないのが普通だから」となる。
なるほど…確かに「カラヤンとベームのツーマン」なんて聞いたことがないもんな。
ところが、1人だけこう答えてくれた人がいた。
「特別な言葉はないけど、ん~、強いて言えば『Individual Show』かな?」
なるほど!イタダキ!
「individual」というのは「個々の」とか「独立した」とかいう意味の形容詞。あの「インディーズ」という言葉の元だね。
と、こんなことがあって今日のタイトルに使ってみたというワケ。
下のポスターでは「ONEMAN」って言ってるのにね。
コレは「BLINDMAN」と脚韻になっていたのかな?
もしそうであったならゴメンナサイ。アルバム『REACH FOR THE SKY』を引っ提げた、マンを持してのブラインドマンのワンマンはマンインの大盛況!
オープナーはアルバム1曲目の「Strangers in the Night」。
サビのメロディが親しみやすいポップめなハード・チューン。
こういうのを「メロディアスなロック」っていうんだよ。でもポップ・チューンでは決してない。
「ロック」ですよ、ハードロック。
巷間の「メロディアス・メタルなんとか」みたいなヤツはメロディがきれいサッパリ耳に残らんのよ。
ノッケからツヤツヤのMarshallトーンでソロをキメまくっている達也さん。
達也さん、今ではSTUDIOシリーズのSC20Hも愛用してくれているんだゼ。
「この音量で2203の音が出る!」とお気に召して頂いております。
真空管がこの世にある限り、ギターはホンモノの真空管が入っているアンプで弾きましょうよ。
あのね、見ててみな。
色んな音が入れられるだの、持ち運びが便利だの、メンテがラクだの言って真空管アンプからデジタル・アンプに鞍替えをされた方々ね…真空管がこの世からなくなったら一斉に真空管アンプを探し出すに。間違いない。
そうなったらオモシロイな~…イヤイヤ、オモシロくない!
真空管アンプがない世の中でロック・ギターなんか弾いてもオモシロくもなんともないって!
矢継ぎ早に「In the Sleepless Night」。
こうして2曲目で更にドライブをかけるのはとてもいい。
アルバムでもコンサートでも2曲目が大切なのだ。
そういう意味では、中学生の頃、Scorpionsの『In Trance』と『Fly to the Rainbow』を聴いては意気消沈したものだった。
今でも2曲目でバラードなんかを収録しているアルバムはその場で聴くのをヤメちゃう。どうせその先もタカが知れているハズだから。
後で書くけどその点『REACH FOR THE SKY』はスゴイよ。
この曲は前作「To the Light」からね。
「今日はあんな曲、こんな曲、取り混ぜてお送りします!」という挨拶のMCを挟んで「Rip my Soul」
Rayさんの言葉通り2012年の『BLAZING CRISIS』からの1曲
2001年のサード・アルバム『Blindman』から「Promise」でユッタリ。
こういうのはキーボーズあっての曲ですな。
同アルバムのオープナー「The Way to the Hill」。
ガラっと変わって、泣く子が爆音で寝落ちするドライビング・ナンバー。
爆音の中で寝るのって気持ちいいよね。
アレは我々がお母さんのお腹の中にいる時と同じ状態なのだとか…。
「炸裂」としか言いようがない堰を切ったかのような達也さんのソロ!
こうしてBLINDMANのIndividual Showは中盤に差しかかる。
この通りのモノスゴイ熱気!
アルバム・タイトルの「Reach for the Sky」。
チョット「Lights Out」を思い出しちゃうドライビング・ナンバー。
スキ。
こういう曲を作って演奏するバンド、もっと出てこいや~!
特に若いヤツ!シットリめに「Blue Butterfly」。
しかし、Rayさんスゲエな~。
人間、こんなに声を出して大丈夫なのかね。いつもこうだけど…。
「以前ライブではよく演っていた曲を演奏してみようと思います」…と紹介されたのは「…In the Dark」。
まさに新旧取り混ぜて「BLINDMAN総ざらえ」のようなセットリストにファンの皆さんは大喜び。
このセクションの最後を飾ったのは「The Tears of God」。
「BLINDMANのレパートリーは100曲を超え、そのすべてがいい曲」と自信タップリのRayさん。
単独の公演といっても時間の制限が当然あるので全部を見せきることはムリ。
Rayさん自身も演りたい曲があるのにいつも却下されてしまうのだとか!
こんなに一生懸命演っているのに…かわいそう。
リクエストを募ってセットリストを組んではどうか…なんて話もされていたが、コレって昔原宿のアストロホールでやったよね?
なつかしいな…そのアストロホールもなくなってしまった。
「まだまだ懐かしい曲を演りたちと思います」と次の曲につなげた。
「The Touch of Gray」だ!
私にとってはモノスゴイ「BLINDMAN臭」の強い曲。
やっぱりサビのメロディなんでしょうな。
それとギター・ソロのこのスキのない構築美!
こういうギターは絶対Marshall以外で弾いて欲しくないね。Marshallが奏でるメロディだ。
達也さんは大丈夫。
RayさんがBLINDMANに参加して3年か…。
もっと前からココで歌っていたような感じが存分にするフロント2人の組み合わせじゃん?
そして、本編最後のセクション。
まずは「Rising Sun」。
この曲は『REACH FOR THE SKY』の2曲目に収録されていて、前回の単独公演ではオープニングで演奏した。
私はこの曲が大好きで、終演後に楽屋で達也さんに「最初に演っちゃモッタイない!」と伝えたところ、今回はエンディングのひとつ前に持って来てくれた。
そう、それに十分に値する名曲なのです。
全17曲、緻密に練り上げたセットリストと完璧な熱演で満員のお客さんを魅了した!
アンコールでは達也さんのご挨拶。
実はこの公演の前、体調を激しく壊してしまった。
この日も完全な本調子ではなかったにもかかわらず、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。
「ここにいる人は全員BLINDMANを観に来てくれている人だよね。そんな中で演れるって本当にシアワセです!」
全員がTシャツに着替えてのアンコールの1曲目は「Da Doo Ron Ron」。
続いて「Gaze Into Your Eyes」。
そして「Living a Lie」ですべての演目を終了した。
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