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2019年10月22日 (火)

よしこセッション vol.3~池尻喜子登場!

10_2 今日の記事は珍しいよ。
主役はキーボード・プレイヤーだもん。
Marshallも70年代には一生懸命キーボード・アンプを作っていたんだけどね~。

20v『よしこセッション』というライブ。

30セッション・リーダーの池尻喜子。

40v加治良浩
180v_2加治伸浩

60v_2shinpei

70v喜子さんは五十嵐☆sun-go☆美貴さん率いるTHE CORAL CANDIESで『Marshall GALA2』にご出演頂く。
実はこの日が初対面だった。
当初、前回のGALAでNEO-ZONKというプログレッシブ・ロック・トリオで衝撃のパフォーマンスを披露してくれた長崎祥子ちゃんに出演をお願いしたのだが、すでにガッツリ予定が入っていたので断念。
すると祥子ちゃんがそれに責任を感じて代わりの女性キーボード・プレイヤーをご紹介くださった。
それが喜子さんなのだ。
まさかリハや本番でいきなり顔を合わせるワケにもいかないので、お願いして喜子さんが出演するライブにお邪魔させて頂いたというワケ。
こうしてステキな仲間に出会うことができるのもGALAのイイところなんだよな。

85v…と思ったらアータ、喜子さんはウチのNATALプレイヤーの伊藤ショボン太一と大の仲良しだっていうじゃないのよ!
ショボンちゃんもNEO-ZONKだったからね、その辺つながっていた…ということですな。
ショボンちゃんにもGALA2への出演をお願いしたんだけど、超人気ピアノにスト、SANOVAさんのサポート仕事が入っていてNG。
そのSANOVAさんのトリオでベースを弾いているのが喜子さんのご主人なのだ。

86v『よしこセッション』は今回で3回目となるそうだ。

90オーププ二ングは「Night Street」。
ギターの加治さんの曲。

110_2「フュージョン・ロック」というか「ロック・フュージョン」というか…そもそもジャズとロックが「fuse(融合する)」したのが「fusion」だから「フュージョン・ロック」はおかしいか。
ロックよりのフュージョン。
方角で言えば「南南西」とか「北北東」とか…「南」と「北」がロックで「西」と「東」がジャズだ。
ん~、我ながらわかりやすい説明!…でもないか。
でもこんなことをしてるのね、喜子さん。

120「ハイ、こんばんは!今日は木曜日というお忙しい中お越し頂きありがとうございます!
私は主人の池尻晴乃介と『池尻家』として活動しているのですが、『よしこセッション』は自分の名前を付けて自分の好きな人と、好きな音楽を演っていま~す」
なるほどね。

S41a00782曲目は…アララ、こんなところで!

130ゲイリー・ムーアの「Sunset」。

100v良浩さんのリクエストかな?
KellyさんやMASHAくんなんかも演っていたけど、みんなこの曲好きだな~。
良浩さんはMarshallを使用。

80vベースの伸浩さんは良浩さんの双子の弟さん。
コチラはコチラで「加治ブラザーズ」としてご兄弟で活動されている。
海外ではThe Kinks、The Beach Boys、The Allman Brothers Band、Marshall Tucker Band、Van Halen、CCR、The Carpenters、Sparks、Heart、AC/DC、Oasis、The Brecker Brothers、…、日本では古くはザ・タイガーズ、チェッカーズ、イエローモンキー、マキシマムザホルモン、ミュータント・モンスター…等々枚挙にいとまがないけれど、コレってどういう感じなんだろう。
職場が同じワケじゃなない?
歳が離れた妹しかいない私には感覚がどうもわからない。
うらやましい。

140vこの曲を初めて演奏したという喜子さん。

150v続いては加治お兄ちゃんをフィーチュアして「天城越え」をマーティ・フリードマンのアレンジで「Amagigoe」。
0r4a0106_3天城峠は三島と下田を結ぶ「下田街道」の一部で、伊豆と桜でその名をよく知られる河津町の境にある峠。
昔は街道一の難所とされていたが、明治37年(ウチの父方のお爺さんの生まれた年だわ)に天城隧道が完成して一気に行き来がラクになった。
情感豊かにメロディをナゾる良浩さんのギターが昔の峠越えの厳しさを表現しているようだ。

S41a0024 ココで脱線。
しかも以前にも出したネタ。
上に出て来た「天城隧道」ね。「隧道(ずいどう)」というのは「トンネル」のこと。
ココで出て来るのが吉村昭の『高熱隧道』。
黒部第四ダムの導水トンネル工事の物語。
建設会社のモデルは佐藤工業。
とにかくオモシロイ。
私はコレで吉村昭のファンになり100冊近くを蔵書しています。

Kz吉村昭はもう一つ、『闇を裂く道』という丹那トンネル建設に関するノンフィクションを書いている。コレがまたヤケクソにオモシロかった。
喜子さん、GALAが終わったら秋の夜長に吉村昭などどうかしらん?YmMCでは『Marshall GALA2』の告知をしてもらったよ。
そして、オリジナルTシャツの自慢大会!
喜子さんは、胸にに家紋、背中に「池尻家」のロゴサイン。
アレ?
喜子さんの家は(正確には晴くん?)「尻」ではなくて「㞍」なんだ。
戸籍がそうなってるんだろうね。
「㞍」は「尻」の異体字で、珍しい部類に入るらしい。

170加治ブラザーズは胸に風神&雷神をあしらった。
弟さんが雷神。190背中には「弟」の文字が!
とてもわかりやすい。

200vお兄さんは当然「兄」だ。
コレ気になってたんだよね~。
ウチのセガレたちも相当仲がいいけど、兄弟っていいね。
260v_2さぁて、ココで喜子さんのオリジナル曲を披露。
さっきから「よしこさん、よしこさん」ってやってると何やら三平になった気分だな。

200まずは「Breaking the Limit」という曲。
コレは6/8と4/8が組み合わさっているのかな?
スケールの大きいハードなナンバー。
昔風に言えば「プログレッシブ・ロック」だけど、メロディは今風。
「今の若い人のプログレッシブ・ロック」という感じかな?
やっぱりこういうのはいいね。

240v_2「私は作曲の経験がなくて、それがかつてはコンプレックスでもありました。挑戦してみようと思って厄年だった3年前に次の曲を作りました。
『厄年』という曲なんですが、この曲ができてから活動がひろがり、厄払いになりました」

160v_2ということで、曲は「Yakudoshi」。

250_2ソロ・ピアノによる静謐なイントロから…

S41a0008 ヘヴィなワルツに!

230vコレが滅法カッコいい。
ナニよ喜子さん、ドンドン曲を作るべきですぞ!

220v_2この曲では加治弟さんがダイナミックなベースソロを披露。

8_s41a0223 そして、鍵盤を叩くのが楽しくて楽しくて仕方ない!という風情の喜子さん。
こういう人は見ていて実に気持ちがいいですな。

310「いよいよ最後です。ドリーム・シアターを演ります。
ドリーム・シアター大好きなんです。
そもそもドリーム・シアターが好きになったのもこの3人の影響なんです。
最後は私が絶対演りたいと思ってリクエストした曲です」
Dream Theaterは「ドリムシ」って言うんですってね。
 
「ドリムシ」でひとつ私の研究結果を…。
以前、超ベテランのミュージシャンがどこかの楽屋でこうおっしゃっていた。
「しかしサァ、ミュージシャンも何の抵抗なくメイクをするかしないかで世代が分かれるよね。オレはダメなんだよね~」
私も高校の時にメイクをして演奏する男性バンドが出だして来て、客として見ていてあまり気持ちのいい思いはしなかった。
私はその超ベテランのミュージシャンと同じ世代ということになりますな。つまり「昔の人」ということだ。
で、コレと同じことがドリムシに言えることに最近気がついた。
私と同年代のミュージシャンや音楽好きの人に「ドリーム・シアターが好きかどうか尋ねると、かなりの確率で「どちらかと言うとNo」という答えが返ってくる。
同じハード/プログレッシブ・ロックに聴こえても、我々みたいな古い世代にはどうしても魅力が伝わってこないようだ。
私はどうかって…ヒ・ミ・ツ。
Spock's Beardあたりはかなりシックリ来るよ。
一方、若手ミュージシャンとなると、喜子さんのようにドリムシを崇め奉っている人たちの何と多いことよ!
はい、ココ。ココね。
すなわち、ドリーム・シアターの音楽を受け入れることができるかどうかがひとつの世代の分かれ目になっているということだ。
昔にもコレと同じ現象があって、エルヴィスなんかそうだよね。
私が思うにエルヴィス・プレスリーが好きで聴いている人はビートルズ以前の人。
受け付けない人はビートルズ以降の人。
ま、大ざっぱな話ですけど。

280v演奏したのは「Dance of Eternity」という曲。

290v鬼気迫る演奏。

S41a0193_2 ドラマチックに、そして複雑に展開する曲をスラスラと編み上げて行くところは圧巻だ。

300そして、とても楽しそうだった!

270v後日、喜子さんがGALAの打ち合わせで事務所に来てくれた。
Zappaの濃いところはもちろん、Areaだの、PFMだの、ポチャカイテ・マルコだの、辺境のプログレからジャズ、クラシック、民族音楽までヘンテコなヤツをタップリ聴いてもらい、大変喜んで頂きました。
そう、世代で分断される音楽って不可逆的なんだよね。
つまり年寄りは若手が好む音楽を受け入れることはできないが、若者は良質でありさえすれば過去の遺産を受け入れることができる。
このことが示すようにロックが生き残るためにすべきことは「温故知新」しかない。
機材も含めてね。

330…ということで、池田喜子さんは五十嵐☆sun-go☆美貴さん率いるTHE CORAL CANDIESで『Marshall GALA2』に参加して頂きます。
THE CORAL CANDIESは…
 
SHOW-YA、dead branch brothersの五十嵐☆sun-go☆美貴。

Sungアコメタルが大人気の大山まき。

Maki2LAZY guns BRISKYのAZU。

Azuそして、M.D.M.S.、AZAZELのMAYO。

Mayoそして池尻家から池尻喜子。
もう濃い~ミュージシャンが大集結!
ところで、そんなスゴ腕が集まってナニを演るかって?

8_ヘヘヘ、知ってるけど教えない。
ひとつだけいいことを教えてあげよう。
『Marshall GALA2』はマジで長尺のイベントゆえ、5時キッカリ、英語で言えば「Five sharp」に開演します。
それに遅れることのないように!
 
イープラスの残りチケット情報ではまだ「〇」になっているけど、おかげさまでかなり少なくなって来ました。
売り切れになる前にお友達とお誘い合わせの上チケットをゲットしてMarshall GALA2へゼヒお出かけください。

Marshall GALA2の解説はコチラ⇒Marshall GALA2の見どころ、楽しみどころ、味わいどころ

690_mg2喜子さん、スッカリゴキゲンでございます~!

340v 

200 
(一部敬称略 2019年8月8日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)