Metal総進撃Vol.2~APHRODITEの巻
『Metal総進撃 vol.2』のトリはAPHRODITE。
岡垣さんのイベントには「〇〇大作戦」とか、この「〇〇総進撃」とか、私の世代にはとても懐かしく響くタイトルがつけられていてうれしい。
「総進撃」といえばコレでしょうね。
1968年の夏の公開というから、私が6歳の時の映画。
さすがにどこへ観に行ったのかまでは記憶にないが、母が連れて行ってくれたことは覚えている。
ウチの母はゴジラやガメラだけではなく、ギララから、ガッパから、恐竜グワンジまでコマメに映画館に連れて行ってくれた。その前はケロヨンだった。
まったく「感謝」しかない。
しかし、このポスター、キャストがまず怪獣というところがスゴイ。
ゴジラ、モスラ、ラドン、ミニラ…。
中に入っていた人はこのポスターを見て「なんでい!オレが演ってんだよ!」ぐらいのことを思ったのだろうか…。
キングギドラ、アンギラス、バラゴン、クモンガ…ナゼかこの「クモンガ」というクモ系の怪獣だけは名前がイージーだな。
そうそう、バランなんてのもいた。モモンガみたいなヤツ。今、バランと言ったら間違いなくコレだろう。
この寿司の折り詰めに使われる「バラン」は、葉蘭(はらん)というユリ科の植物からがその名の由来なのだそうだ。
つい先日Shige Blogでも紹介したんだけど、ロンドンで出くわした映画の宣伝ポスター。
今度はラドンなのね?
そんななつかしの怪獣のことを調べていて、こんなヤツを見つけた。
コレ、「ナタール人」だって。知ってた?
ケムール人なら知ってるけど。
オイオイ、「ナタール」と言ったら今はコレだぜ、エエ?
NATAL Drumのことよ!
さて、ステージに上がったいつもの5人。
総帥、岡垣'JILL'正志。
チョット調べたいことがあって過去の記事をチェックしてみたんだけど…このチームはスゴイ。
2017年6月の鹿鳴館、その前にご登場頂いている2016年10月の同じく鹿鳴館。
そして、今回…堀江さんを除いて衣装が全員同じ!堀江さんにしても今回だけチョット違うだけ。
ユニフォームということか…。
「エエイ!それじゃその前はどうなんじゃい!」と思って2013年8月の鹿鳴館の記事を見ると、岡垣さんと西村さんは同じ衣装をお召しになっていた。
何たるこだわり!
そして何たる様式美!
オープニングは「Ancien Régime」。
今上げている真為さんの左手に付けられたブレスレットもこだわりのアイテム。
岡垣さんはノッケからキーボーズをグワングワン!
そして鮮やかに切り込んで来る西村さんのギター・ソロ。
もうこの時点でAPHRODITEワールド全開。
「今夜もウンザリするほど演らせて下さい!」という真為さんのMCに続い2曲目は「人形愛」。
コロコロ変わる曲調が実にスリリング。
中間部の展開とか、キーボーズなくしては考えられないアレンジがステキ。
真為さんのノリノリのステージグに合わせて客席もヒートアップ!
3曲目に行くまえに岡垣さんのごあいさつ。
「『Metal総選挙』と言ってしまいそうですが、正しいイベント名は『Metal総進撃』です」
なんて言うもんだから、ホラ、イギリスがあんなことになっちゃった。
スコットランド独立問題の時もそうだったけど、海外の政情がこんなに気がかりだったことは人生で他にないね。
最早イギリスは私の第2の母国だからして。
イギリスがおかしくなっちゃうと、コッチの生活がおかしくなっちゃうのよ!
それにしても、今、イギリス旅行の大チャンスですよ。
未曽有の円高ポンド安だから。私が5月に行った時より更に10円も£が安くなってる。
キーボーズ始まりの3曲目は「Long Live the Dead」。
あ~、このフレーズ!
メチャクチャ印象が強いよね。
2015年11月のシングル。
シングルとなるだけあってとても聴きやすいハード・チューンだ。好き。
もちろんMarshallを使用(向かって左のJCM2000 DSL100)。
ナニがどうなっていたのかはわからないけど、今回は2人のコンビネーションがすごくハードに響いたな。
そして総帥、岡垣さんのキーボーズ・ソロもタップリと味わうことができた。
ただでさえキーボーズがフィーチュアされたロック・バンドってのは昔から多くなかったでしょ。
最近の若いバンドさんなんていったら、キーボーズどころかギター・ソロもギター・リフもないときてるんだからね~。
こんな岡垣さんのようなプレイを観ることができる我々はラッキーだ。
また書くけど、70年代の某有名音楽雑誌のリーダーズ・ポールでELPが第1位の座を占めていた時期があったんだからね。
FocusとかPFMまで人気バンドのベスト10に入っていた時代。
いい時代だよな~。
あの頃のリスナーはどこへ行ってしまったんだろう。当然、コレもん。
岡垣さんは興に乗ってごく自然にやってるけど、コレ、鍵盤の位置までヒザを上げて暴れまくるの大変だよ。
当然お客さんは大喜び。
真為さんが下がってインスト・ナンバーの「Fear」をプレイ。
ステージに戻った真為さん。
「ハイ!」
このMCへのキッカケの「ハイ!」がいいんですよ。
シーンに区切りがつけられて気持ちがよい。
「どんより、しんみりしてしまいましたけど~、私たち『APHORODITE』という名前になってから長いことやってるんですね。
アルバムも出したいね…なんて言ってるんですけど。
ライブも定番メニューでやっているんですが、今日は新ネタを用意してきました。
次に演るのはその新ネタです…緊張すろう…ドキドキするだろう…。
気に入って頂けますとうれしいです!」
皆さん、新しい曲を披露する時、大抵緊張されますナァ。
それはウケるか否か…ということか…。
それとも演奏し慣れていないからミスがコワいとか?
大丈夫、大丈夫…誰も聴いたことがない曲なんだからミスなんて絶対に誰にもわからない。何なら構成がわからなくなっても、それを見抜けるお客さんはいないんだから。
やっぱりウケるかどうかが心配で緊張するということなのね?
大丈夫、大丈夫…ストラヴィンスキーの「春の祭典」のことを考えればどうってことない。
もちろん「In a Daze」は完璧な演奏で(コチラ側にはわからない!)、バッチリとウケていました。
「Edge of the World」。
「定番メニューをやってる」ってMCで言っていたけど「詩人シャロー」は今日は演りそうにないな。
あの「♪難解すぎてわからない」という文句が好きなの。
この曲で忘れていた瀧口修三のことを思い出したからね。
すると、ますます瀧口の詩が読みたくなっちゃって、詩集を買おうとしたんだけど、絶版になって久しいのか高くて買えない!ココでも岡垣さんと西村さんのツーショット。
客席から大きな歓声が上がった!
最後を締めくくったのは「紅蓮の炎」。
APHRODITEらしいブッチギリのスピード・チューンで熱狂のステージの幕を降ろした。
この後、APHRODITEはNAKED MACHINEのファースト・アルバム発売記念ツアーの大阪公演に出演する。
場所は阿波座BIG JACK。
阿波座って立売堀の近くだっけ?
ハイ、関東の人にクイズ…「立売堀」は何と読むでしょうか?
昔勤めていた会社で大阪支店にいた時、立売堀に住んでいた同僚がいてね、私はそれで知った。
ま、難読地名の宝庫である関西にあってはあまりに入門的な設問でしたな。
APHRODITEの詳しい情報はコチラ⇒Masashi "Jill" Okagaki Official Website
アンコール・セッションで演奏したのは「Speed King」。
「Good Golly Miss Molly」、「Tutti Frutti」、「Lucille」なんてリトル・リチャード・ナンバーのタイトルが出て来るのが楽しいね。
紫の皆さん、チャンとロックンロールを勉強されてる…と言ってもコレらの曲は1955~1958年ぐらいのヒット曲。イアン・ギランあたりが12、13歳の時分だからね、きっと夢中になって聴いたんだろう。
日本で「ロックンロール」というとチャック・ベリーばかりにスポットが当てられるけど、リトル・リチャードがロックに与えた影響ってスゴイものがある。「Long Tall Sally」もそうだもんね。
あとバディ・ホリー。
海外に行くと日本のロック界がいかにローカルかがわかる。日本はプログレはスゴイけどね。
「The house of blue light」というのは古いブギウギ・ナンバーのタイトル。
そうか…「Tutti Frutti」というのは「すべて果物」という意味か…「tutti(トゥッティ)」だもんね。お菓子の名前だって。