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2019年8月 9日 (金)

Sound Experience 30 ~ Strange,Beautiful and Loud & YOU-VAL メロン with 淳

 

05とうとう『Sound Experience』も30回!
Marshall Blogで一番最初にレポートしたのはいつのことであったろうか…。
そこは10年以上の歴史を持つMarshall Blogじゃない?…どうしても気になって、三宅さんからのサポートを得ながら調べてみた。

10vさすが三宅さん、第1回目のことを明確に覚えていらして、その時のレポートがすぐに見つかった!
「第1回目」というのは、GRAPEFRUIT MOONで『Sound Experience』という名義の下で開いた一番最初のライブということね。
それは2010年11月2日のことで、記事は削除されてしまったのでリンクすることはできない。
そこで私が保管している「Marshall Blog Archive」から記事を引っ張り出してみた。
ゲストは令文さんで、三宅さんと共演した曲は「Diamond Dust」だった。

Se2 その頃の三宅さんはこんなペダルボードを使っていた。
この時からいくらか時間が経過して、高円寺のSHOW BOATのリハーサルの時にルーパーが故障。
三宅さんはその場で撤去。すると音がガラリと変わって一段とスゴいサウンドになったのをよく覚えている。

7_2pb 『Sound Experience』というと、もう今ではStrange,Beautiful and Loudとゲストバンドのダブル、あるいはトリプル・ヘッドライナー・ショウだと思われがちだし、現実的にそうなっているんだけど、SBLではない三宅さんで開催したこともある。
その一例が2011年8月29日の第3回目。三宅さんは「Orchestra Four」というチーム名で出演した。
その時のゲスト・バンドはヒロアキくんだった。
2人で「Little Wing」をプレイ。
この記事ももう見ることはできません…削除済みです。

Se32011年の末にMarshall Blogが終了。
それから10ヶ月ほど経った2012年の10月26日に復活。
そうしておかげさまで現在に至っているのだが、新しくなったMarshall Blogで一番最初にレポートした2012年12月19日の『Sound Experience』は第6回目で、不思議なことにこの時のゲストも令文さんだった。

450
そして、初回から9年後、『Sound Experience』は第30回目を迎えた。
何しろ第1回目から観ているワケだし、レポートのし甲斐があるというものだ。
ところが!
いつも開演前に三宅さんに「照明を明るめにしてください」とお願いするのだが、この時はウッカリしてた。
お願いすれば快く照明を明るくしてくれるんだけど、この時は完全に忘れてしまった!
その結果どうなったか…何しろベラボーに暗いのと、強烈なLED攻撃で2曲分ぐらいしか写真が撮れなかったのよ!
アレじゃジム・マーシャルでもノーマン・シーフでも撮れないよ。
そういう時は撮るだけ撮って、モノクロで焼いてしまうやり方もあるんだけど、私はアレがあまり好きではないのです。
みんな「雰囲気があるね」なんて言うけど、そんなのウソです。ゴマカシが利いているだけ。
コレは三宅さんとも意見が一致したところなんだけど、やっぱりせっかくのカラーなんだもん、総天然色で撮らなきゃ!
でも今のMarshall Blogになって、一本だけ総モノクロ写真で記事を書いたことがある。
スモークがキツすぎて物理的にほぼ撮影不能で、カラーだと写真にならなかったから…。
そりゃ初めからモノクロ作品として計算して撮るのはムズかしいですよ。
その代わりチャンと撮る技術があればヘタなカラー写真よりよっぽど色彩感が出たりする。
セシル・ビートンの写真なんかそう。
…ということで、記念すべき30回目にもかかわらず、写真の撮れ高が少なかったのでサラっとしたレポートをお送りします。

2030回目の『Sound Experience』のステージに立ったのは…

30三宅庸介

40vMarshallはJVM210Hと1960BVで固めた鉄壁の三宅シフト。

50v河野充生

60v金光KK健司

70v今日もNATALのバーチ。

80まずは「君が代」でスタート。

Sそして、そのまま「devil」へ。

90たたいかけるように「if」から「virtue」へとつなげた。

100三宅さんのMC…「ココで発足して『Strange,Beautiful and Loud』と名付けて30回目のライブです。
色々な方に来て頂いてセッションをして来ました。
あまりに音が大きいので出入り禁止になって、1年ほどお休みしましたけど、この2月に復活して…。
一番音が大きかった時はボリュームの目盛りが8ぐらいでしたが、今日はその半分以下の3.5で演っています」
しかし、ホントにいつからロックで小さな音が礼賛されるようになったんだ?
そもそもその辺りからしておかしいんだよ。
いくらPAが発達しても、バンドの音、つまりステージの中の音が小さいと聴いてて面白くないんだよね。
迫力がグンと落ちてしまう。
今の若い人はそういうことを知らない。
コレは音楽の問題で、ステージの中音が小さくても成立する音楽が跋扈しているからこういうことになったんでしょう。
古き良き70年代ハードロックが盛んだったら、小さな音がもてはやされることなんて絶対になかったハズだ。
そもそも、あんまり音が小さくなったらこのバンドの名前も『Strange,Beautiful and Quiet』に変えなきゃならないんだぞ!
そんなことした草葉の陰でジミがガッカリすらぁ!

120金光さんのリードで「murt'n akush」。
ナンカこのあたりはそれこそ「怒涛の!」って感じだった。

130皆さんはすごく意外に思われるかも知れないけど、三宅さんは私よりいくつか年下なのね。
ところが、その立ち居振る舞いと来たら…私よりとても思慮深く落ち着いているでしょ。
音楽のことも本当によく勉強していらっしゃる。
私のように縄文時代のロックだけに傾倒することなく、若いお弟子さんを抱えていらっしゃるので、新しいロックにも造詣が深い。
ま、私もジャズでは負けんがな。
ギターやレコーディング関連の機材にも並々ならぬこだわりを持っているのでケタ違いに詳しい。
で、何よりもそのあたりのバランス感覚が優れているので、色々なことで相談に乗ってもらったり、意見を求めたりすることが決して少なくないのね。
付き合いもいい加減長いし。
すると毎回、「なるほど」と思わされる適切なアドバイスをくださるワケ。
もちろん意見が合わないこともしょっちゅうなんだけど、そんな時もその合わない意見が後々参考になったりするんだナァ。
とにかく、ジミヘンのことは音楽なり機材なり人生なり、全部三宅さんに訊けばいいし、リッチー・ブラックモアだったらノンちゃんだし…なんと便利なことよ。
そんな三宅さんはもちろん気配りにも長けていらして、お付き合いしていて実に気持ちがいい。
そのひとつの表れとして、Marshall Blogに関連記事を掲載すると間髪を入れずに礼状を送ってくださる。
もちろん、Marshall BlogはMarshallのPRのいち手段としてやっている仕事のひとつなので、私はお互いさまだと思っているんだけど、三宅さんのお礼の仕方がとてもうれしいんですわ。
三宅さんは決して「取り上げてくださってありがとうございます」とか「出して頂いて感謝します」なんてことは言わない。
どう言うかというと…「残してくれてありがとうございます」とおっしゃる。
コレなんですよ。
たとえヘタな写真やツマらない文章でも、私が生きてMarshallに勤めている限りは半永久的に「いつ、どこで、ナニを、どういう風にして演ったか」ということがMCも含めてMarshall Blogに記録されるワケ。
大ゲサに言えば日本のロック・シーンの一部の歴史をMarshall Blogに刻んでいることを認めてくださっているのがうれしいのね。
「毎回、身体中の薄皮を剥ぐようにして感情や心を込めて演奏している」といつか三宅さん自身がおっしゃっていたけど、そうとなれば尚更何らかの形で記録に残しておくべきなのだ。
ビデオもいいけれど、毎回すべてを記録するのは大変だし、もしそれが残ったとしても、どうせ見るのはホンノ一部分であることが多いだろう。
その点、余計なことがたくさん書いてあるにせよ、絵本や絵日記を見るような感覚で過去の演奏にまためぐり合うことができるなんてスゴイことではないか!…と三宅さんは思ってくれているに違いない。
だから私だって気合い入れてやりますよ。
このことをズッと書きたいと思っていたのです。

140vSBLのステージは「petal」、「bloom」へと続いた。
そして、また三宅さんの薄皮が1枚剥けた。

160イヤ、リズム隊の2人の薄皮も剥けたことは間違いない。

17030回目を迎えた『Sound Experience』でもそんな演奏を見せてくれた3人だった。

180Strange, Beautiful and Loudの詳しい情報はコチラ⇒facebook

150続いてはYOUさん率いるYOU-VAL メロン with 淳。

190足立YOU祐二

200vYOUさん、今日はMarshallで鳴らしています。
ヘッドは三宅さんと同じJVM210H。キャビネットは1960BV。

210長谷川淳

220v長井VAL一郎
VALさん、お久しぶり~!

230vYOUさんは直近では22回目の『Sound Experience』にご登場頂いている。
その時は「3 tea 3」というバンド名義でのご出演。
YOUさんのバンド活動はバリエーションに富んでいるので、バンド名を完璧に頭に叩き込むのはなかなかに困難な作業だったりするのだ。
250しかし、どのチームでもYOUさんの音楽は一切ブレることがない。
今回の1曲目は「Gohst Song」という曲。
メロディがポップで耳馴染みはいいが、リズムは3/4+3/4+2/4だったり、サビで1回しか出て来ないメロディがあったりで一筋縄でいかない典型的なYOUミュージック。

240v曲は「Type B.」、「脳内列車」、「脳内列車 2」と続く。
この「脳内列車」だったかな?複雑すぎてリズムが読みほどけなかった。
でもメロディはどれもシンプルで歌詞を付ければそのまますぐに歌曲になるようなモノばかり。

255vそして、この集中力。
ギターの演奏に必要な部分意外の視界を一切断絶。
MCはなし。
もうYOUさん自身がギターになってしまったかのような楽器との一体感。
でも決して熱くなったりせず、徹頭徹尾クールなのだ。

260「My Sun」、「Garden」、「Blues Voice」、「The Thing」とただただ曲が続く。
そのどれもがまるでCDを聴いているように完璧で美しい。

270最後の曲の前のYOUさんのMC…「三宅くんのところ…本格的でしたね。
あれだけ本格的に演られるとコッチはナニをやってもチャラチャラにしか見えませんよね」
んなことはない。
YOUミュージック、私なんかにはメチャクチャ厳しい音楽に聴こえます。
そして最後を締めくくったのは「狂気のラビット 3」。

280さて、アンコールはゲストを迎えてのセッション!
いつもはSBLにゲストが加わるスタイルだが、今日はSBLの出番が先行なので三宅さんがYOUさんチームに合流してのセッション。
アレレ、セッションにしては三宅さんのMarshallがステージに上がっていないぞ~!

290三宅さんはギターすら下げていないし…。

320v…と思ったら、セッションはセッションでも「トーク・セッション」!

310vYOUさんの冗談かと思ったら本当におしゃべりだけ。
ところがコレがベラボーにオモシロい!
演奏もいいけど、コレも聞きたい!

330ま、ナンのトークかお知りになりたければ次回YOUさんが『Sound Experience』にご出演される際にゼヒGRAPEFRIT MOONにお出かけください。

340前回YOUさんが出演された記事を見たらアンコールのセッションの様子が我ながらすごく面白く書けているのでリンクをしておきましょう。
ね、ちゃんと「残してある」からこういうことができるの。
「ミュージシャンとMarshall Blogに歴史あり」なのだ。
 
ココをクリック⇒『Sound Experience 22~ 足立祐二 3 tea 3編的な?』

 
足立祐二の詳しい情報はコチラ的な?⇒You's Alien blog

350今日も演奏におしゃべりにと楽しい『Sound experience』だった。
三宅さん、30回おめでとうございます。
これからもズッ~と続けてくださいね。

360 <『Sound Experience 31』につづく>  

200

 (一部敬称略 2019年5月7日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)