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2019年8月26日 (月)

GENKI SESSION ~Summer of Love~★Marshall GALA2最新情報!

 

年に一度のお楽しみ…『GENKI SESSION~Summer of Love~』に久しぶりにお邪魔してきた。
やっぱりスゴイね。
落語で言えば、まるで志ん生、文楽、圓生、金馬、可楽、といった「昭和の名人」が集まってGENKIさんの歌をみんなで盛り上げているような充実した安定感がケタ違いに素晴らしい。
コレは「昭和の」と付けたところがミソ。
「平成の名人」でも、ましてや「令和の名人」でもこの安定感や空気感を醸し出すことは不可能なのだ。
音楽の専門学校が林立し、音楽雑誌どころか、インターネットでいくらでも器楽演奏や機材の情報が無料で手に入る昨今、楽器を達者に弾きこなす若者がゴマンと増えたが、今日登場する「名人」たちのように「ロックの空気」を匂わせてくれるミュージシャンは本当に少なくなった。
ロックがアニメやゲームの付属品となってしまい、生まれた時からそれが当たり前の若者にはそれもムリからぬこと。
大衆音楽の頂点であるロックが時代とともに変容していくのは当然であることは理解しているが、私は70年代の中頃まで持てるオリジナリティを極限まで開花させたロックは「昭和の音楽」だと思うのだ。
その昭和の音楽の芳香漂う中『GENKI SESSION』を拝見する時、いつもこんなことを考えてしまうのだが、その思いは年々強くなっていくようだ。
そして、その芳しい空気を4年ぶりに思いっ切り吸い込んできた!

10_2このGENKIさんとステージを共にした名人の方々は…
 
大谷令文

20v難波弘之

30水野雅章

40v高橋ロジャー知久

50久々の令文さんのMarshall艶姿!

60なんかこの1959群を見るとホッとするわ。
「ロックの良心」すら感じるね。
そして、「ロックギターはこういう機材で弾きなさい」という厳しさも。

70足元のようす。

80オープニングは「Hallelujah I Love her so」。
続けてMontroseの「I Got the Fire」。
この曲、久しぶりに聴いたな~。Montroseはナンダカンダで人気あるね~。特に初期。
私なんかヘソ曲がりだからHipgnosisのジャケットも手伝って『Jump on It』なんか好きなんだけど。
そうそう、実はこないだロンドンに行った時、Hipgnosisの事務所跡というのを訪ねて来た。興味のある人は後日の『名所めぐり』をお楽しみに!
ところで、前にも書いたけど、1978年の『Live Under the Sky』のTony WilliamsグルーブのRonnie Montrose見たかったナァ。Brian Auger付きで!見た人に会ったことないんだよな~。
令文さんとはこの話をしたことはないんだけど、ご覧になってるかな?

90「Communication Breakdown」~「How Many More Times」~「Whole Lotta Love」の3曲で構成したLed Zeppelinメドレー。

100手に隠れて見えなかったんだけど、短いボトルネックかな?
胸のポケットからソレを取り出して右手に持ち、ディレイを盛大にかけて弦の上を滑らせて、あの「Whole Lotta Love」の幻想的なパートを実にうまく再現していた。あの「♪プイシ、プイシ」のところね。

S41a0080 もう1曲Led Zeppelinナンバーが続いた。
レスポール・スタンダードに持ち替えて令文さんが弾くあの有名なイントロは「Since I've Been Lovin' You」。
125vソロもタップリ…しかし、いい音だな~。
私が子供の頃に屋根裏やロフトで聴いたあの音…「ロックのギター」の音だ。
イヤ、Marshall1959の音だ!

110vGENKI SESSIONスタンダードのひとつ「Move Over」。
令文さんはストラトキャスターに持ち替え。
130vGENKIさんの歌の素晴らしさは書くだけ無駄。素晴らしいにキマってるから。
この曲の水野さんのベースですよ。
アタシャ、コレが大好きなの。
いかにも正統派なベース・サウンドでどこまでも疾走していくランニング・ベースが今回も気持ちいい~!
140vカバー・バージョン多数の人気曲、Bill Withersの「Ain't no Sunshine」。

0r4a0039 GENKIさんと令文さんで奏でた「樹のうた」と「いつものように」のNOIZナンバーで第1部を締めくくった。

S41a0137 第2部。
今回は第1部のショッパナからGENKIさんのトークがにぎやかに咲き乱れ、第2部がスタートが9時過ぎになる…という海外のコンサートのような展開。
でも第2部のスタートはド派手だったぜ~!
新しいレパートリーだという「Lay Down, Stay Down」。もちろんDeep Purpleのアレね。
もうひとつDeep Purpleをつなげて「Lady Double Dealer」。

160しかし、このストラトキャスターの時の音がタマらんね。
特にフロント・ピックアップの時。
Marshallとストラトキャスターを組み合わせてこんなに太いサウンドを出すギタリストって、今、世界でも他にいないんじゃないの?
今流行りのあのデジタル装置の音と比べてごらんよ。どんなに音に鈍感な人でもその違いがハッキリわかるにキマってる。
ヤッパリ真空管アンプを使いきる腕なんだって!
最近、令文さんは残念ながらあまり頻繁に活動をされていないけど、このサウンドを聴いたことがない人は、チャンスがあれば今回みたいにチャンとした令文さん所有のMarshallのバックラインで弾くライブを観に行った方がいい。
老いも若き…時に「若き」は行くべきだって!デジタル機器をつばげて「いい音だ!」と悦に浸っている若者は必ず行くべし、行くべし!(2回言ってやった)

180難波さんがボーカルズを取る「花・太陽・雨」。
歌い出しのメロディが印象的でスケールの大きな曲だ。

190つづけては、GENKIさんの声が存分に楽める「Cry me a River」。
 
昔、「Cry me a riverって一体どういう意味なんだろう?」とズット思っていて、ある日ジャズ通の年配の方から「川一本分泣く」ことだと教わった。
コレ、前に書いたね?
しかし、すごい涙の量だ。お別れした相手へのメソメソした恨み節。
脱線します。
というのはMarshallが初めてハンドワイアード・シリーズという高級機種のシリーズを始めた時、渡辺香津美さんが、その中から1974Xというモデルを使って、渋谷のオーチャード・ホールで満員の観衆の前でこの曲をア・カペラで弾いてくれたのだ。

7_1974x
私はバラードをそれほど好んで聴かないんだけど、この曲は比較的お気に入りで、その時以来ますます好きになった。
ジュリー・ロンドンの1955年のヒット曲。
このアルバム、バーニー・ケッセルの伴奏が破天荒に素晴らしい。

Jl そういえば香津美さん、その昔、バーニー・ケッセルとハーブ・エリスと新宿ロフトで共演されたことがあったとおっしゃっていた。
コレ、「The Great Guitars」という向こうの企画の日本バージョンね。

GgバーニーはThe Beach Boysの『Pet Sounds』でもギターを弾いてるんよ。
超一流のセッション・ギタリストだったか…か、ジャズでは喰えなかったのかは知らないけど。
ま、後者でしょうな。
「Wouldn't It Be Nice」のイントロをバニやんが弾いていると勝手に思い込んで聴くと、ケッセル・ファンの私としては稀代の名盤『Pet Sounds』を喜びもひとしおなのだ。

Ps さて、「Cry me a River」は『Pete Kelly's Blues(邦題:「皆殺しのトランペット」←ヒドさを通り越して十分に笑える!当時は何にでも'皆殺し'って付けていたのかもしれない」)』という1955年の映画の挿入歌。
チョット調べてみると、コレが音楽家にまつわる犯罪劇で、ジャネット・リーやエドモンド・オブライエン、リー・マーヴィンとなかなかにすごいキャスト。
更に興味を惹くのが音楽界からの共演者で、エラ・フィッツジェラルド、ペギ―・リー、それこそハーブ・エリス、ジョージ・ヴァン・エプスまで出ているらしい。
観たい!
で、当初「Cry me a River」は映画の中でエラが歌う予定だったが彼女は他の曲を歌った。
ところが、この映画を企画、監督、主演したジャック・ウェッブが名曲「Cry me a River」をそのまま埋もれさせるのはモッタイないと、離婚したばかりの元細君、ジュリー・ロンドンに歌わせたところコレが大ヒット!
わからないもんです。
だって、エラはもうケタ違いの大スターだったからね。生前は世界で一番ギャラの高い女性シンガーだったんだから!

Pkb 私は反対にエラ・バージョンをよく耳にした。
1961年の『Clap Hands, Here Comes Charlie!』というスタンダード集。
「Clap Hands, Here Comes Charlie!」というのは1920年代の古い曲のタイトル。
もし、ジャズを聴かない人でこの曲を知っているロック・ファンがいたらベラボーにスゴイ。
Chそれはコレ。
Electric Light Orchestraのファースト・アルバム。
後年、ジェフ・リンの書く数々のポップ・チューンのおかげで押しも押されぬ人気バンドになってしまったが、やっぱりコレが一番聴ける。
ナントならばロイ・ウッドがまだいた頃の作品だから。
ストリングスを効果的に使ったELOだけのロックが展開できているのは一重にロイ・ウッドの才によるところだろう。
そのロイ・ウッドが「Mahattan Rumble(49th Street masacare)」という物騒なタイトルの曲の中で「♪Clap hands! Here comes Charlie!」と2回ほど叫ぶのだ。
実際、アルバムの中でこの曲が一番カッコいい。
 
以上で脱線終わり。
川一本分、流されたな。本当はまだ河口を広げることができるんだけど止めておく。でも久しぶりに気持ちの良い脱線だった。

EloこのGENKI SESSIONバージョンの「Cry Me a River」でハッとさせらるのは水野さんのベース。
何コーラス目かで延々とペダルトーンをキメて見せる。
そこから動き出すベース・ラインはまさに快感!
120第2部でもNOIZのレパートリー「Hey Bro.」を披露。
そして、The Whoの「Real Me」。
「Real Me」は以前からGENKI SESSIONで取り上げている曲だが、今回は吾妻光良さんをゲストに迎えてのパフォーマンス。
ラップスチール・ギターにストラップを付けて登場した吾妻さん。
誰がこの曲にボトルネック・ギターを絡ませるなんてアイデアを思いついたんだろう?
メッチャかっこよかった。
 
GENKIさんがMCでも触れていたんだけど、令文さんが駅の階段で腰を強打して大変状態だった。
私もこないだ横浜で雨の日に階段で足を滑らせて腰を強く打ってしまってね~。
骨が折れたかと思ってマジでコワかった。
1週間は激痛だったけど、骨に異常はなかったようで何とかその後痛みが和らいで助かった。
令文さんは本当にツラそうだった。
時折GENKIさんが令文の腰を気遣うシーンがまたヨカッタんだ。
とにかく令文さん、お大事にしてくださいまし。
200その後もGENKI SESSIONスタンダードの「30 Days in the Hole」、メンバー各々のソロをフィーチュアした「Gimme Some Lovin'」。240vココでも水野さんのベースがプレイ、サウンドともに圧巻だった…と思ったら!
ベース・アンプのヘッドはEDEN WT-800でした!
うれし、ありがたし。
そして、「All or Nothing」と続けて本編を終了した。

210アンコールではGENKIさん難波さんの「Imagine」…

230吾妻さんが再び加わっての「Going Down」、「Summertime Blues」、やっぱりコレでしょ?の「アッコちゃん」ですべてのプログラムを終了した。
この日は全てイス席だったんだけど、大正解でしたね!

250イヤ~、やっぱり「昭和の名人芸」は問答無用でスゴかった。
とにかく、今日も令文さんの1959サウンドにヤラれたわ!

260vあのネ、皆さんが思っている以上に、私はロックの将来に関して心配しているんですよ。
こういうすごい芸がそのまま残すことができればどれだけ素晴らしいか…。
冒頭に書いたけど、音楽ってのは「音」だけじゃないから。
「空気」も含めて「音楽」なワケ。
その「空気」はその時代に生きた人でないと絶対に持ち合わせることができない。
デジタル・アンプが真空管アンプの音を完全には出来ないように、どんなにテクノロジーが進歩しても「空気」を作り出すことは不可能だ。
でも、後進はその「空気」が持っている「精神」を学び、後世に残すことはできるだろう。
幸いなことに、最近ホンノ少しだけそうした黄金時代の「ロックの精神」を感じさせる、洋楽に薫陶を受けた若いバンドが出て来た。
Luther Smoke Dokeyes(ルーサー・スモーク・ドゥ―キーズ)なんてのはとてもいい例だ。
Marshall Blogはそんな若いバンドさんを徹底的にフォローしてあげたいと思っている。
そして願わくば、若い人たちにそういう音楽を楽しんでもらうことを切望している。
今、ひとつアイデアがあって、イギリスに出す企画書の下書きをしているところ。

260 
 
<Marshall GALA2情報>

さて!
一部のSNSで発表しておりますが、Marshall GALA2にGENKIさんをお迎えすることになりました。

265s出番はKelly SIMONZさんのセット。
Marshall Blogでもレポートした通り、kellyさんはMark Boalsとの共演を果たしたばかり。
そして今度はGENKIさんという日本のロック・ボーカルズの最高峰とのコラボレーションを実現させます。
こんなの観れるのはMarahall GALAだけすよ~!

7_ksmg2 Marshall GALA2の詳しい情報はコチラ⇒Marshall GALA 2の詳細を発表します!
11月9日、東京キネマ倶楽部でお待ちしています!

 

200
(一部敬称略 2019年8月23日 東京キネマ倶楽部にて撮影)